澤田瞳子のレビュー一覧

  • 若冲

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    澤田瞳子の冷静で精密な史実に基づく「若冲伝」である。彼女の性格が滲む誠実で真面目な文章によるストーリーは説得力に富むが反面ダイナミックなエンターテイメントとしての面白みに欠けるきらいがあり、大学で歴史の講義を聞いているようだ。
    絵に没頭する大店の跡取り若冲と姑お清との間の軋轢に自殺をする妻お三輪との事、その弟弁蔵の贋絵を通した復讐、若冲を側でささえる異母妹お志乃の目を通した絵師若冲の悟りへの生涯。弁蔵(君圭)との対決と和解がこの物語の最高潮の場面である筈が、ここが余り盛り上がらない、正確ではあるが長々とした理屈での解説という感じに堕している。
    蕪村の出自と親娘の愛憎(「親子の道にまとわりて  

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    2022年06月23日
  • 若冲

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    ネタバレ

    若冲の生涯を描いた壮大な歴史小説。
    史実で分かること以外はフィクションなんだと思うけど、江戸時代の京都の文化風俗や習慣などを緻密に調査したうえで練られたものだと感じた。

    美術作品に心を動かされると、自然とアーティストにも興味が生まれる。
    自分自身も若冲ファンになってから、このような濃密で奇抜で狂気的な画家はどのような人物だったのか、いかにしてこのような作品が生まれたのか、どのような生涯を送ったのか・・・等々知りたくなった。
    とはいえ300年以上前に生まれた人物、Wikipediaで調べてもほとんど情報がない・・・。となると妄想で埋めていくしかないので、思うがままに想像を巡らせていた。

    ちょ

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    2022年04月29日
  • 夢も定かに

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    世は聖武天皇の御代。若子、笠女、春世の3人のワーキングガールが、それぞれの思いをもって後宮に身を寄せ、組織の中で居場所を見つけ、自分なりの生き方を見つけ
    ようとする。 
    昨年直木賞を受賞した澤田瞳子さんの昔の作品。珍しく軽い現代的な表現であっという間に読める。

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    2022年03月15日
  • 夢も定かに

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    202201/奈良時代の宮廷女性お仕事モノ。なかなかないジャンルで興味深く読めたし、登場人物達やエピソードも凝ってて面白かった。

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    2022年03月04日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    京都で生まれ育った澤田曈子が京都の1年の味や行事、京都人の考え方の特徴 人との距離のとり方、廻りに気を遣って暮らしている!

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    2022年02月24日
  • 満つる月の如し 仏師・定朝

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    大好きな澤田瞳子さんの作品だが本作はいまいち。最近造仏の話を読んでいたので定朝にとても興味を持っていただけに主人公(で良いのか?)の定朝の造形が少し物足りなく感じた。

    本作は若き日の定朝とそれを支える内供奉の隆範の交流から始まるも早々に身分を背景に二人の仲は亀裂。そこから中務と敦明親王を巡るドタバタ騒動を経て定朝が本当の仏の姿を見つけるというストーリー。思い返しても「事件」と定朝の成長の繋がりは無理があるように感じる。「本当の仏の姿」を模索し成長していく定朝を正面から描いて欲しかったなという思い。

    本作に登場する彰子の存在が非常に気になった。どちらかと言うと悲劇の中宮定子のライバルというイ

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    2022年02月02日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    生まれも育ちも京都という作者によって語られる京都。
    今さらという気もしないでもないが、ちょっと意外な人が語る京都を覗いてみようと、読んでみる。
    季節ごとの京都の行事に沿って、その折々の思いであったり、風景であったり、そんな作者の思いの中にも、時代小説作家らしく、枕草子や平家物語などの文献をさりげなくひも解くあたりはまた違う京都を見せてくれる。
    ただ京都に住んでいるからこそ、こんなことも知っているんえ、こんなこともあるのんえ。みたいなのはちょっと。

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    2022年01月18日
  • 火定

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    歴史好きなので、手にとった本。
    奈良時代の流行病について書かれた本です。
    なにやら現代と通じるところもありますね。
    人って、本質は変わらない?イロイロと考えさせられる内容でした。

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    2021年12月27日
  • 関越えの夜 東海道浮世がたり

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    202112/「忠助の銭」「通夜の支度」「やらずの雪」「死神の松」「恵比寿のくれた嫁御寮」「なるみ屋の客」「池田屋川留噺」「痛むか、与茂吉」「竹林の先」「二寸の傷」「床の椿」の12編からなる連作短編集。登場人物が別の話にさりげなく登場してたりもするのでつながりも面白い。物語的には、凝ってる故に出来すぎに思えたりもあるけど、短編にしては重めで読みごたえあった。

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    2021年12月22日
  • 与楽の飯~東大寺造仏所炊屋私記~

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    202112/奈良時代の大仏建立現場が舞台、現場に集められた個性豊かな面々やとても美味しい食事を作る炊き出し担当等が登場人物達。とても面白かった!登場人物達の名前も馴染みのないものだけど、キャラがたっててわかりやすいので気になることなく読み進められた。時代的に身分による差もあり、仲間に気の毒な出来事が起きたりもするけど、設定もうまくいかされ人の世の辛さ生きていく大変さと救いが描かれていた。

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    2021年12月22日
  • 師走の扶持 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    ネタバレ

    鷹が峰の御薬園の真葛は江戸から帰ってもお見合いがあったり忙しくしていた 。母の実家に病人が出て、父を探していた祖父の気持ちに気が付いた。

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    2021年11月25日
  • 火定

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    頂き本 直木賞。

    天平の世のパンデミック。
    おどろおどろしい表現もありますが、堅苦しくない程よいテンポでさらりと読めます。

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    2021年11月06日
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録

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    ネタバレ

    京都の鷹ヶ峯の御薬園で働く真葛、医師であった父は行方不明。薬草のことばかりでなく医師としても期待される能力がある!
    余り堅苦しくなく、臨機応変な感じがいいです!

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    2021年11月02日
  • 京都はんなり暮し 〈新装版〉

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    京都人の日常生活と考え方、さすが歴史があるだけに観光に来る人間とは違う。ちょっと人との距離の取り方もクール。
    慣れないと嫌みに感じそう。

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    2021年10月30日
  • 泣くな道真 大宰府の詩

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    太宰府に流された菅原道真公の姿を、ユーモアたっぷりに描いた歴史もの。
    片肘張らず、気負わずに読める。
    菅原道真公のイメージが少し変わるかも。

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    2021年10月19日
  • 火定

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    Yちゃん布教本
    今まで天平ものを読んできたけど華やかなやつ
    これは…グロい…すっ飛ばして何とか心を保ってます
    読み休憩しながら、平和を感じてます

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    2021年08月23日
  • 関越えの夜 東海道浮世がたり

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    ネタバレ

    【収録作品】忠助の銭/通夜の支度/やらずの雪/関越えの夜/死神の松/恵比寿のくれた嫁御寮/「なるみ屋」の客/池田村川留噺/痛むか、与茂吉/竹柱の先/二寸の傷/床の椿

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    2021年07月15日
  • 若冲

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    澤田瞳子さんの作品を初めて読んでみた。
    作風は重厚。内面世界を深く掘り下げて描いている。

    若冲の作画解釈が独特で、私自身の感覚とはかなり乖離があった。
    「若冲にとって、生きることは描くこと、描くことは生きること。」(333ページ)
    その渇望の源として澤田さんが描いた世界は、歓びではなく哀しみに満ちていた。

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    2021年06月15日
  • 秋萩の散る

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    遣唐使。学生。役人。そして道鏡。

    奈良の時代に生きた人たちの
    国を思う人生を描いた作品。

    争い、裏切り、裏切られ
    それでも治世の安寧を願った男達。

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    2021年06月05日
  • 火定

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    ネタバレ

    感染症に関する小説を探してたどり着きました。それは、教科書にもでてくるお話。時は天平。奈良のみやこを疫病(天然痘)が襲う。藤原不比等の子供たち、藤原四兄弟までもが次々と亡くなったという、パンデミックが題材です。

    天然痘に対し、施薬院の人たちは自分を危険に晒しても治療にあたります。一方で、自分の生い立ちから人を憎み、病気に苦しむ人を怪しげな護符で扇動し、施薬院を襲わせる人もいます。また、過去の冤罪から医師であることを放棄しながらも、やっぱり目の前の人を救ってしまう人もいます。

    死に直面する中、人は生きる意味を問われます。さまざまな葛藤を真正面から力強く書きあげた作品です。

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    2021年04月18日