司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(四)

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    感想は変わらず。
    ただ、江藤の死と征台という二大事件が多少読む速度を上げる。
    後者のお粗末ぶりは、同じ日本人として悲しくなるばかりである。大事なのは文明である。

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    2018年03月11日
  • 翔ぶが如く(三)

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    この小説は、西郷のほんとうのところを、事件を通して何度も何度も語り続けるものだとわかった。
    だから、この巻は征韓論をめぐるやりとりになるが、全体の色調はほかと変わらないのだ。
    つまり、この作品はよっぽど西郷に関心を抱くような人間でないと面白くはない。反面、司馬遼太郎の真摯さ・愚直さが伝わる作品なので、司馬遼太郎の研究にはかっこうだろう。

    お話としては、征韓論をめぐる、非常にぬめっとした決着である。まだ「仕組み」が可視化されていない時代、ほとんどが「流れ」で決まっている。流れゆえ、歴史は物語になりやすいのだろう。

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    2018年03月10日
  • 胡蝶の夢(四)

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    「御為」
     という至上の(もしくは無意味な)目的もしくは正義の名のもとに、人殺しであろうが物盗りであろうが、すべてゆるされるというふしぎな時代がはじまっているのである。
     正義の時代というべきであった。
     日本人に「正義」を教えたのは、強烈な観念論である水戸学であったろう。
     幕末、革命の必要が成熟しつつも、普遍的な革命思想や哲学が入らず、結局、世界史の流れとは無縁の、手持ちの水戸学的尊王攘夷でもって革命思想の代用とせざるをえなかった。
     その「正義」のもとに文久年間には天誅が流行して佐幕派ーー開国主義者ーーが暗殺され、のちには攘夷御用という御用盗まで流行して江戸、大坂の富家をおびやかした。と

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    2018年02月25日
  • 胡蝶の夢(二)

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    「イノサンよ、新薬についてちゃんとした本がないと、蘭方の医者が迷うのではないか」
     と、関寛斎が伊之助に話したことから、この両人の関係が密接になった。寛斎は伊之助の実力に敬服していたが、ひとつにはこういうかたちで伊之助を解放しようと思ったのにちがいない。
     関寛斎からこの著作についてすすめられたとき、伊之助はしばらく否とも応ともいわず、斜視の視線を宙に遊ばせていた。
     寛斎からみれば、無感動な横っ面がとげをふくんでそこに存在している感じで、なにか不調和なのである。
    (考えているのだろう)
     寛斎は推量したが、
    (これが、ひとに嫌われるもとでもあるのか)
     とも思い、さらに考えてみた。寛斎の思案

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    2018年02月25日
  • 胡蝶の夢(一)

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    「人間は、本来、猛獣かひどく気味のわるい動物だったかもしれん」
     と、いった。そのくせ人間は虎のように一頭で生きるのではなく、群居しなければいきてゆけない動物なのである。群居するには互いに食いあっては種が絶滅するから食いあわないための道徳というものができた。道徳には権威が要るから、道徳の言い出し兵衛に権威を付け、いやがうえにもその賢者を持ちあげてひろめた。しかし道徳だけでは、事足りない。人間の精神は、傷つけられやすく出来ている。相手を無用に傷つけないために、礼儀正しい言葉使いやしぐさが発達した。人間にとって日常とはなにか。仕事でも学問でもお役目でもなく、それぞれの条件のもとで快適に生きたい、と

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    2018年02月25日
  • 翔ぶが如く(二)

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    相変わらず、余談のオンパレード。
    重複もはなはだしい。
    人格に触れることばかりで、まるで虚構船団のようだ。

    ここまでが序章、と思いたい。

    しかも、千絵という章は蛇足もいいところではないか。
    急にメロドラマ風の安い設定。謎であった。

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    2018年02月20日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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    鳥羽伏見の戦いで敵前逃亡する、大政奉還は自己犠牲ではなく政権放棄の気持ちが強かったなど慶喜の気質が分かるものであった。松平春嶽が言ったと言われる「慶喜は百の才智があっても、ただ一つの胆力がない」。なる程と思えた。

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    2026年01月17日
  • 翔ぶが如く(三)

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    【感想】
    大久保利通の若干の狡猾さはあるものの、彼とて親友の西郷を出し抜く事に心を痛めているような描写もあり可哀相だなと思った。
    しかし、後年にも語り継がれる西郷の偉大さからは想像できないほど、晩年(というか明治時代)の西郷は愚鈍な人間っぷりだった。
    それもそのはず、西郷には桐野利秋というフィルターがかかっていたからねぇ。
    優秀な人材はもちろん、些細な情報からでさえ彼は蚊帳の外になってしまった。

    YESマンで周りを固めた「お山の大将」になってしまえば、こうも愚かになってしまうのだろう。
    そう思えば、自民党圧勝のこれからの日本がどうなるのか、先行きが怪しく感じてしまう・・・

    あと個人的に、今

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    2018年01月28日
  • 翔ぶが如く(二)

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    征韓論を巡る駆け引き、公家は恐ろしい 公家は強い方に着くという事がよくわかる。三条実美は西郷の渡韓を一度は認めておきながら、伊藤 大久保に言いくるめられて、撤回する。怒る西郷。

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    2019年05月03日
  • ビジネスエリートの新論語

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    司馬遼太郎によるビジネスマン向けの指南書。

    といっても実際に書いたのが50年前なので、さすがに古臭い感じ。

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    2018年01月15日
  • 翔ぶが如く(六)

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    静かなる西郷。
    明治に入り、様々な思想が沸騰直前のようだ。
    まるで富士山が噴火しそうでしない感じの日本の状態が書かれている。

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    2018年01月10日
  • 翔ぶが如く(一)

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    「小さく撞けば、小さく鳴り、大きく撞けば、大きく鳴る」とは龍馬が行くで龍馬の西郷評だが、その人となりを第一巻では色々描写している、島津斉彬との関係、盟友、大久保利通との立場の違いなど。来年の大河ドラマの予習になった。

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    2019年05月03日
  • 翔ぶが如く(三)

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    ネタバレ

    征韓の如何を問う廟議の始まりから西郷が薩摩に帰り、大久保との決裂と、その大久保や川路利良らにおる近代国家の骨格作りと、混乱の兆し。より深く、丁寧に当時の人々の観念を考察し、作者なりの考えを断定する。物語の進行が遅く、読みずらいが知的好奇心を満たしてくれるし、再読により見えてくるものが多い小説という気がする。
    由利公正による“五箇条の御誓文“の草稿は鼻紙に鉛筆で書かれたものとはね。
    まだ3巻、いまだにタイトルのような豪快な展開にはならず、といっていい。地道に読みます。

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    2017年12月28日
  • 十一番目の志士(下)

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    1965年連載の、司馬遼太郎さんの小説。舞台は幕末。主人公は架空の人物です。珍しいですね。
    司馬さんの小説の中では、「初期の終り」みたいな時期でしょうか。

    #

    主人公は天堂晋介。長州藩士。と言っても下層、ほぼ農奴のような出身。
    この人が、実は超絶な剣の使い手。
    高杉晋作に見いだされ、幕末の混乱期の京都で、「長州の殺し屋」として新選組などを向こうに回して、殺人を繰り返す大活躍…という内容。

    史実で、「薩摩の中村半次郎」「土佐の岡田以蔵」は「人斬り」として有名ですが、長州藩はそういう人物が伝わっていない。
    そんなところに着目して書かれた小説なのでしょう。
    なんだかんだと土方歳三あたりと

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    2017年12月19日
  • 十一番目の志士(上)

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    1965年連載の、司馬遼太郎さんの小説。舞台は幕末。主人公は架空の人物です。珍しいですね。
    司馬さんの小説の中では、「初期の終り」みたいな時期でしょうか。

    #

    主人公は天堂晋介。長州藩士。と言っても下層、ほぼ農奴のような出身。
    この人が、実は超絶な剣の使い手。
    高杉晋作に見いだされ、幕末の混乱期の京都で、「長州の殺し屋」として新選組などを向こうに回して、殺人を繰り返す大活躍…という内容。

    史実で、「薩摩の中村半次郎」「土佐の岡田以蔵」は「人斬り」として有名ですが、長州藩はそういう人物が伝わっていない。
    そんなところに着目して書かれた小説なのでしょう。
    なんだかんだと土方歳三あたりと

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    2017年12月19日
  • 翔ぶが如く(二)

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    【あらすじ】
    西郷隆盛と大久保利通―ともに薩摩に生をうけ、維新の立役者となり、そして今や新政府の領袖である二人は、年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり、鋭く対立した。
    西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の激突は、政府を崩壊させ、日本中を大混乱におとしいれた。
    事態の収拾を誤ることがあれば、この国は一気に滅ぶであろう…。


    【内容まとめ】
    1.もはや西郷vs大久保の一騎打ち。誰も間に入れない。
    2.公卿はこの2人の前では無能
    3.明治初期の時代、薩摩隼人がヤバすぎる。能力が高すぎる


    【感想】
    この時代において、薩摩隼人の影響力の高さは半端がない。
    そしてその勇ましさはもはや野人。怖すぎる・・

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    2017年12月18日
  • 歴史を紀行する

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    歴史にゆかりのある地方を著者がめぐって、その地の歴史に想う。土佐人の論議好きで大酒のみ。会津人の足のひっぱりあい。近江商人は帰化人。腐っても佐賀人。眠れる加賀。京おんなは好いても惚れぬ。薩摩人の外交上手。岡山の桃太郎伝説。南部のなさけぶかさ。三河侍の律儀さ。逆さひょうたんの長州。大坂は薄命な権力の土地。

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    2017年12月02日
  • 翔ぶが如く(二)

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    西郷と大久保のこの国を作り上げる苦悩の始まりが描かれている作品だが、当時のこの国を考えてみると征韓論についての意識、思想が国の存続を大いに左右する大変な転換期であり、三条実美や岩倉具視の公卿の存在がよくわからない行動でしたね。

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    2017年11月30日
  • 街道をゆく 35

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    先に読んで現地に行くべきか、後から読んで噛み締めるか、微妙なところではあるが、結局もう1回行けば良いという陳腐な結論に至った次第。
    日本との関係を念頭にオランダを旅するという発想は全然なかったし、その意味で本エッセイは新鮮でもあります。そして奥様の「ゴッホさんは疲れるねぇ」なる感想、問答無用で同意します。

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    2017年11月28日
  • 花神(中)

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    ネタバレ

     これまでの蔵六には、情熱の対象が明確であった。人間ではなく、科学と技術である。かれは、オランダ文字をたどることによって、この未見の世界をすこしずつひらき、かれの頭のなかに、ほかの日本人にはない風景をつくりあげた。そこにはニュートンの力学であり、解剖台上の臓腑があり、蒸気機関のパイプとメーターがあり、そして曠野に進退する大群と砲声があり、このかれの頭脳のなかの風景のなかにかれは棲みに棲んで、飽くところを知らなかった、自然、生きた人間どもの誰彼に興味を薄くしかもたなかった。
     そういう蔵六のことをお琴は、
    「とんぼ獲り」
    と、規定してしまっているが、蔵六にすれば、かれは自分の頭脳のなかの風景を追

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    2023年02月28日