岡田尊司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とてもわかりやすく、知りたいことにまっすぐ答えて(応えて)くれた。新書の鑑みたいな本。
アスペルガー症候群とはなにか?特徴的な症状、診断基準、医学的(脳や神経の生理学的)な観点からみた事象や考えられる原因が前半で、後半はアスペルガー症候群の人とどう付き合えばいいのか?親、教師、同僚(上司)の観点からアドバイスしている。
印象的なのは、アスペルガー症候群に特徴的な行動や発想が現代社会ではイノベーションとして強く必要とされていること、そのためにアスペルガー症候群ならではの長所を活かしつつ周りとうまくやっていくためにどうすればよいかを具体的に挙げていること。歴史上の偉人を多くとりあげて「この方もアスペルガー症候群だった、こういう特徴的な行動があった、それをこう活かして偉業を成し遂げた」という記載も多い。
しかしそれより何より一番の驚きそして収穫は、私自身が本書を読みながら癒しあるいは救いを感じたこと。
アスペルガー症候群の診断テストをネットでみつけて何度かやってみても該当しないし、本書に載っている診断テストでも「違う」という診断結果になるものの、本書に登場する有名無名の該当者の言動やその背景にあるものの見方や感じ方が驚くほどしっくりくる。読みながら何度も「ああ、分かってもらえている。受けいれられている。」という静かな感動と安心に包まれた。
おまけ。ビジュアルな工夫や補助はほぼゼロで、文章と構成だけでここまで広く深く易しく分かりやすく的確な解説が可能ということを賞賛したい。岡田尊司さんは過去に5-6冊ほど読んで概ね好意的な印象を持っているのでバイアスがあるのかもしれないが。 -
Posted by ブクログ
若い頃は 母の理不尽を感じながら気付かぬ振りをしていたけれど、年齢を重ね自分も母になってから、子供達には自分がされて来た事をしない様に 無意識に意識していたことを最近になって認識したようです。多分 後数年以内には亡くなるであろう母が生きている間に この本を読まなくては、と強く思った。読みながら、自分でも不思議な自分が こう言う事で作られてたのかと腑に落ちることが多々。ただ、きちんと母を母と言う病について向かい合わせるには、母は歳を取りすぎている。 そして、これもこの病の症状らしいが、今更苦しめても仕方ないから、諦めて何も言わず[いい子]を演じたまま 今世での関係を終わらせるのだろうなぁとおもっている。 母がもう少し若くて元気でも、きっと向かい合えなかっただろうけど…
でも、読んでよかった。 -
Posted by ブクログ
幼い頃の喪失体験や見捨てられ体験の過去を持つ人(あるいはそうでない人も)が人間関係のバランスを著しく崩すと、境界性パーソナリティ障害の状態に陥る危険性が高くなる。
自分の心のクセを自覚して、情動を自分でコントロールするようになればずいぶん良くなる。
それは自分で作り上げる人間関係を健全な方向へ改善することでもある。
自分を外から眺めている感覚。人から悩みや苦しみを打ち明けられると、苦しくなって、その状態が何ヶ月も続く。誰かの苦しみをそっくりそのまま移植されたみたいだった。自分でも異常だとは思っていた。些細なことで打ち砕かれたように感じる。安心感なんて無縁だった。母がほんの一瞬でも私を見てくれないか、父がほんの数秒でも私の言葉に耳を傾けてくれないかと願っていた。父は自分の事しか考えられない、まともに他人を思いやる能力がない。母はままごとみたいな愛情しか持ち合わせない。両親をコピーした乱暴な言動をして、自分でそれを嫌悪していた。
今はひどい状態から逃れたけれど、思春期の頃私も境界性パーソナリティ障害だったかも。
ネットで境界性パーソナリティ障害の記事を読んで、父がそうなんではないかと思って読んでみた。当てはまるのは私?父が境界性パーソナリティ障害だったら、きっと自己愛性ね。過剰な自信と劣等感。でもこの障害は生涯続くもの?バージニア・ウルフはこの障害の果てに自殺したの?
ヘッセも子供の頃にこの障害になって、やがて回復していったって。
ヘッセもウルフも子供の頃から好きな作家だ。同じ病気だったかもしれないと思うとちょっと嬉しい。妙な感想だけど。
メラニー・クライン
ハインツ・コフート 自己心理学
自己愛の成熟不全
認知や感情、行動の反応パターンのクセを見つけ出すための記録
・きっかけになった出来事
・あなたは、それをどう受け止めたか
・あなたは、それにどう反応したか
・後で冷静になった時、考えたこと
・その後、どうなったか
デイケア
職業訓練施設 -
Posted by ブクログ
アスペルガー症候群について知りたくて読書。
カウンセラーやセルフケアの勉強をし始めてから特に耳にするようになったアスペルガー症候群。いったいどのような症状で、回りにいる人たちはどう対応すればいいのかを理解したい。
ビル・ゲイツなど現在の著名人、歴史的な有名人も含めた事例を多く紹介している。日本人が少ないとレビューで書いている人もいるが、現役で活躍する日本人は誤解を与える恐れがあるので紹介しづらいのではないかと思った。
分かったことは、
(詳細に読み取ることはできなかったが)男性の方が多いこと。
障害の程度は家庭教育など思春期の接し方が大きく影響を与えること。
先進国と途上国では先進国の方が多いこと。
発症事例は年々増加傾向にあること。
注意欠落・多動性障害(ADHD)と類似、または連動すること。
無知から偏見と差別が生まれそうな感じもするので、正しく理解することが何よりも重要かと。
アスペルガー症候群の事例を見ると、自分にも十分に当てはまる要素があることが分かる。同時に得意な才能、技能もないので、厳密には該当しないと知る。もし私がアスペルガー症候群なら今頃は…なはずだし。
マイルール好き、妙なこだわりを持つ、一人での行動を好む、依存傾向が強い、集団競技が苦手、字が汚い、語学のセンスがないなど誰しも該当する要素は持ち合わせているようだ。その意味では私はアスペルガー症候群に近いとも思える。
エジソンやアインシュタイン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなどのように才能を開花させて成功する人たちは一部で、多くが空気が読めないKYな人と扱われている人なのではないかと思う。
アスペルガー症候群はIQは正常であり、前頭葉に何らかの障害があると推測されているそうだ。
本書でも触れられているが、発達障害であるパーソナリティ障害に近い部分を多く感じる。その辺も含めて今後、学びたいと思う。
私にとって重要な情報は、アスペルガー症候群やパーソナリティ障害を持つ人と接する周りの人たちの対処方法やメンタルヘルスマネジメント。人は往々にして目に見えない障害には優しくできないので難しい点だ。
読書時間:約1時間20分 -
Posted by ブクログ
育てるになかなかに難しい子どもを持ったので、この手の本は時々読むのだが、本書はなかでもたいへんすぐれていた。
相当いろいろな本を読んできたので、結局言っていることは
ほかの本と同じではある。
家の中、学校の中で居場所を作る。
子どもを受け入れ、親や教師が自分の経験則にとらわれない。
「どうせ変わらない」と投げ出さない。
この本は、中でも難しさを抱える子にどう対処していくかを
丁寧にスクールカウンセラーとしての実績をもとに、紹介していく。
親の対応も当然重要だが、教師の対応も同じくらい影響力があると
この本を読んで納得した。
どことなく自分の子を難しいと感じている親にはもちろん、
先生と名のつく職業を持つ大人すべてに読んでおいてほしい。 -
Posted by ブクログ
医療の真ん中には「共感」があったのだ。そんな当たり前の著者の主張に心が震えた。私は本書で人間の心を少し取り戻すことができた。
・慣れ親しみ、安心を与えてくれた日常世界は崩壊し、得体の知れないものに変質している。
・不安障害や気分障害、強迫性障害、社会不安障害などの診断を受けている場合もある。
・統合失調症の症状は、時期によって見え方が違ってくる。プロセス全体を見渡して考えていく必要がある。
・認知機能障害は75%~85%のケースで生じる。
・ワーキングメモリーの低下が先行する。
・完全雇用型の社会では統合失調症の回復率が優れていた。
・土着的な治療法で、一見、非科学的にみえる対応にも、深い知恵が駆使されている。患者の問題という視点を家族や共同体の問題という視点に変えさせる。
・単調な繰り返しを大切にし、そこに喜びが見出せるようになることが大切。進歩や向上を求める人は、人を追い詰める。
・アドヒアランス
・高EE(Expressed Emotion)家族(1.批判的言動、2.敵意、3.情緒的に巻き込まれている)
・クレペリンで12%がブロイラーは60%。
・決まった日課や役割を持つこと。
・知的な認知機能は社会的な機能の改善にはあまり寄与しない。
・症状があるかどうかよりも、それに左右されないことが大事。