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精神的な問題を抱えた子どもたちが増えている。わが子の異変に人知れず悩みを抱えている親たちも多い。だが、専門家に相談するにしても、精神科は気軽に訪れるにはまだ抵抗がある。児童や思春期・青年期という難しい年代の子どもたちの心に、いったい何が起きているのか? 発達障害、拒食症、過食症、適応障害、解離性障害、PTSD、うつ病、躁うつ病、統合失調症、ひきこもり、家庭内暴力――本書は、家庭で子どもから大人に育つプロセスを追いながら、身近によくある心・精神の問題を解説。知識や情報を手に入れて悩みの解消だけを求めるのではなく、問題への取り組みを通して、もっと深く人生について考えていくことが重要であると説く。最新の研究成果と豊富な症例、エピソードを満載し、臨床精神医学のエッセンスを細大漏らさず収録。入門書ではありながら、本書一冊のなかには、何万円もする大部の専門書何巻分ものエキスが濃縮されている。
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Posted by ブクログ
幼児期から青年期にかけて現れる、様々な「心の病」を網羅的に概説し、症状や症例、診断の基準、どのような人にどのくらいの割合で発症するのかといったデータ、効果的な治療法などが書かれている。一般的な索引に加えて、「症状別索引」、例えば「笑顔がなく、表情が乏しい」→「適応障害、抑うつ性障害、双極性障害、統合失調症」といった索引も用意されている。新書としては300ページを超えるやや分厚めの本。
単に「発達障害」「LD」「ADHD」などの用語を、教育心理等で耳にはするが、具体的にどのような症状が、現実の世界でどのように現れるのか、どうすればよいのか、というところまでは、なかなか専門家でもない限り、把握するのは難しいと思うが、「ケース」として、症例が紹介されている点で、良い意味でとっつきやすい。さらに、ピカソや坂本龍馬、『禁じられた遊び』など、有名人や有名な文芸作品において現れている「心の病」も紹介されており、とても興味深く感じられる。症状別索引など、もちろん素人判断で病を診断することはできないが、専門家に相談する前の予備知識や参考には充分なりうる。こういった良心的な構成もとても良いと思った。
様々な「病」が紹介されているが、特に「幼い子どもにとって、親がどれほど大切なものかを改めて考えさせられる。だが、肝心な親の方は、そのことを忘れてしまうことも少なくない」(p.86)の部分は、全くその通りだと思った。そして本書に書かれているような、科学的な知識が、教育や育児に関わる全ての人に必要なものであることを痛感した。(11/02/03)
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