岡田尊司のレビュー一覧
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HSP.HSCの理解に有益な書。医者&作家の岡田さんだからこその表現もある。岡田さんの著書を一通り読めば、愛着障害・発達障害・パーソナリティ障害等あらゆる事象や原因を理解できる。本書も学びが多かった。
p.98 音に対する過敏性のような感覚的過敏性でさえ、その遺伝率は36%にすぎなかったという報告を思い出してください。音への過敏性でさえ、三分の二近くは環境要因によって決まるのです。
幼い頃、家庭が安心できる場所ではなく、怒鳴り声に堪えて育ったりした場合も、音に対する過敏性は悪化するに違いありません。実際そういうケースにはたくさん出会います。
そうした人が音に過敏であるだけでなく、人の顔色にも過敏だったとしても、不思議はないのです。暴力的な親のもと、不安定な家庭環境で育った人には、両者が併存することは、むしろ自然なことでしょう。もちろん、感じないようにすることによって身を守ろうとする防衛反応も起きるので、そうしたケースでは、低登録も併存しやすいでしょう。
ちなみに筆者の場合、生後十か月から半年間、母親が入院したため、親戚の家に預けられて過ごしました。母親が戻ってきたとき、私は大変な良い子になっていて、母親の言うことをよく聞いたそうですが、半年もすると大変な悪い子になって、母親を困らせたそうです。甘えられるようになるのに、半年かかったということでしょうか。
p.246 あなたの口癖が安全基地を壊す
人は思考の癖をもっています。思考の癖は、言葉遣いの微妙な癖となって表れます。自分でも気づかないうちに使ってしまう口癖が、知らないうちにあなたの安全基地を触み、あなたを過敏で傷つきやすく、不幸にしてしまっているのかもしれないのです。
たとえば、よくみられる口癖の一つは「ちょっと違う」とか「それは違う」とか、相手の言葉にすぐ異を唱える癖です。九割五分同じことを言っていても、五分の違いにこだわり、「違う」と言う人もいます。
心理操作の世界では、よく知られていることですが、人は、こちらの発言に「イエス」と答えるほど、こちらのことを信頼するようになります。そこで、相手の頼を獲得しようとすれば、できるだけ相手が「イエス」と言ってくれそうな発言をした方がいいのです。
逆に、「ノー」という答えが増えれば増えるほど、両者の間に親しみや頼関係は生まれにくく、競争心や瞥戒心が沸き起こってしまうのです。
つまり、「違う」という言い方は、相手を拒否したり近寄らせないためには有効な言葉なのですが、安全基地となる人に使うには適さない言葉なのです。相手の言うことに「違います」と繰り返し五回も言えば、相手はもう何か言おうとする気を失ってしまうでしょう。あなたに対する共感も興味も失せ、早くあなたから離れたいと思うはずです。なぜなら、「違う」という言葉は、小さな臓のようなものだからです。
「どうして、そんなこともわからないの?」とか「なぜ、それくらいやってくれないの?」といった言い方を、よく使う人がいます。こうした反語的な言い方も、安全基地との関係を安定化させるのにあまり適していません。なぜなら、反語的な表現や逆説的な表現には責めるニュアンスが伴いやすく、相手を素直な気持ちにさせるよりも、意地を張らせてしまうからです。
素直な反応がほしいのであれば、こちらも素直にいくべきです。「どうしてやってくれないの?」ではなく、「やってくれるとうれしいな」と、素直にお願いした方が、ずっと聞き入れてもらいやすいのです。
責めたり、貶したり、批判する癖も、安全基地の機能を弱らせてしまいます。責めるのではなく感謝する、悪いところを貶すのではなく良いところをめる、批判するのではなく共感するということを増やすのが、安全基地の獲得や強化には有効なのです。 -
Posted by ブクログ
表紙のイラストからして、苦しい。
よく分かる気がする。
母が大好きで、母にくっつきたいけど、母は私を見ていない。
私はかつて子どもだったと同時に、今は母だから、子どもたちにも苦しい思いをさせているのかもしれないと思って、それも苦しい。
完全に分かったわけじゃないけど、今の自分の状況を紐解くヒントにはなった。
おそらく私の母は「がむしゃらな親」だ。
母もまた、自分の父のために自分の役割を演じてきたし、結婚してからも義父母との暮らしの中で苦しかっただろう。
母と心が触れ合う交流をしたくても、難しいんだなと理解した。
私も、誰かが私の心に近づきすぎるのを恐れてる。
私にできることは、自分の心に従って、自分の心をオープンにしていくことだと思った。
そして、母はたぶん、今、自分を大切にする自由を行使している。
4人の母である責任から降り、孫のことも気にかけないで、自分を一番大切にして暮らしている。
もっと早く、そういう自分の本質に気づけたらよかったのに、自分をさておき人に尽くす人だった。
人に尽くすのが母だと思っていたから、それが突然なくなって、私たちも戸惑った。
でも、母はもともと子どもにも孫にもあまり興味がなかったんだなと思う。
そんな母を受け入れる。
何も期待しない。
それで、私は私で楽しく生きるんだ。 -
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ネタバレ生きづらいと感じる人の特徴、そうなった原因などについて医学的にどのように分析されているかを解説したうえで、そこから脱却して少しでも生きやすくなるための方法を提案する。
本書はタイトルの通り「回避性パーソナリティ障害」として医学的に分類される症状について主に扱っているが、実は同じように「生きるのが面倒くさい」と感じる人の中には、他に「恐れ・回避型愛着スタイル」「シゾイドパーソナリティ障害」というものがあるらしい。ちょっとややこしい。
「回避性パーソナリティ」とは人の世の煩わしさから逃れたいという願望を持ち、現実の課題を避けようとする傾向のことで、人とのかかわり自体は楽しい面もあるが気後れや不安の方を強く感じてしまう。レベルは人それぞれで障害とまでは言えず、何とか日常生活を送れる人もいる。
「恐れ・回避型愛着スタイル」は別の分類軸で、親密な関係を求めず、人と気持ちを共有することに関心が乏しい人のことである。愛情不足の生育環境に起因することが多い。
「シゾイドパーソナリティ障害」は、対人関係をもつことに喜びや関心が少なく、孤独なライフスタイルを好むタイプのことである。
それぞれ特徴や原因が詳細に記載されているので自分がどれに当てはまるのか見当がつけやすいと思う。
そんな感じで、あるあるー、分かるー、という感じで読み進められる。文章が論理的で誠実で、しかも難解ではないので、とても理解しやすい。
回避性パーソナリティも含めて世の中にはいろんな人がいるわけで、みんながそのまま自然に生きやすくなるといいんですけどね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人主義の風潮が広まりつつあるなかで、特に愛着のことについて論じられていた。
愛着を得られないまま大人になった親たちが子どもと適切に接することができない→子どもも愛着に問題を抱えそれが精神疾患として扱われている
それの解決方法は子どもだけでなく親のケアや関わり方を変えること、子が諦めがつくこと
子どもはどこまでも親の愛情を求めてしまい、身体や精神に異常を来たしてしまう。
親が子に与える影響というものはあまりにも大きい。
人のために、人の世話をするということができなくなってきている人が多くなっている。そういう人が親になると接し方、愛し方がわからない。
親子の絆関係という重要性がよくわかった。 -
Posted by ブクログ
発達障害と診断されないものの、その特性を持つ生きづらさを抱える人たち…。
発達障害の分類をしているわけではないものの、行動や情緒の特徴から、ADHD、ASDなどの特性が見られる場合はどうすればよいか、項目ごとに述べられている。
この本を読んだときは、自分の教え子のことを考えて読んでいたのだが、読んでいるうちに自分のことも考えて読むようになった。
たとえば本書には、「回避性パーソナリティ」というものが紹介されているのだけど、その特徴が自分にとても当てはまる。仲良くしたいのに、中が親密になると距離を置いてしまう…というのに、ものすごく共感した。自分はもしかしてこの特性があるのかも。
また、昔から計画性がなかったり、突発的な行動を取ったりしてしまうところは、ADHDの特徴がある。
自己診断は危険と思いつつも、もしかして…と思う点がいくつかあった。本書ではあまり解決策には深く踏み込んでいないものの、克服のきっかけを与えてくれているため、生きづらさを感じている人は、この本の中に自分の特性に当てはまるものがあるかも知れない。
また、発達障害と間違えられやすいものとして、愛着障害についても言及されている。
この本ではそれぞれの発達障害の特性を追うので精一杯だったため、発達障害と愛着障害を区別する必要などがいまいち分からなかったため、改めて愛着障害についても学びたいと思った。