岡田尊司のレビュー一覧
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ネタバレレジリアンス(心のバネ、メンタルの強さ)を左右する要素は、否定的認知、完璧主義、固執性、過敏性、共感性、情動制御、安全基地の七項目の要素が相互に絡まり合っている。まずは自覚し、どこを修正するか。具体例と共に適応障害とは何であるかについて理解し、症状の根底にある課題としての障害について理解する。そして人間が何かの障壁にぶつかった時、いかにしてその試練を乗り越えていくかについての極意書として精神医学の立場からエッセンスを練りこんだ作品。
・ピカソも埋もれたまま劣等感にまみれ落後者か犯罪者となって人生を終えていたかもしれない。
・適応障害は合わない環境、その子が活かされない環境に無理やり居続けさせれ -
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「適応障害」とそれによって生じる「ストレス」、そしてそれを乗り越えるための「技術」について、けっこう網羅的に書かれています。
冒頭では、脳内でストレスが発生する仕組みが書かれているんですが、この辺は専門家で無ければ、すっとばしてもいいかもしれません。あんまり「乗り越える」という点では役に立たないと思います。(私はこの辺を読み進めるのに苦労しました…)
その次に「発達障害」「適応障害」と話が進んできて、「パーソナリティ・タイプ」のあたりから、自らの特性を知るのに役立つ部分が出てきます。
そして後半では、適応障害が発生するケーススタディと、それを「受動的に」乗り越える技術、「能動的に」乗り越 -
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人口の100人にひとりが罹患するという統合失調症。
世界的に地域差がないため、遺伝性が疑われていたが、最近の研究では、発展途上国のうちでも、裕福な家庭に罹患率が高いことがわかっている。
それだけではなく、発展途上国のほうが先進国よりも入院率が低く、社会復帰も早い。
抗精神病薬が開発は統合失調症の治療において革命を起こしたが、退院を促進しているとまでは言えない。
統合失調症からの回復には社会的資源が必要不可欠なのだ。
発展途上国では、人のつながりが強く、患者を包括的に支えてくれる。
また、発展途上国で行われている祈祷も、科学的根拠はなくても、病気を本人のせいにしないという面では大きな -
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思った以上に良書だった。
本書に書かれていることは,
大半の人間に当てはまるのではないでしょうか?
親子関係が上手くいっていない家族が大半だと思うので。
境界性パーソナリティ障害ではない人も,
本書を読むことによって得ることは多いと思います。
私にも,生まれてきたこと,産んでくれたことに
感謝できる日がくるのでしょうか?
それとも,やはり,本当の幸せはこの世に生まれてこなかったこと…
と思いながら死んでいくのでしょうか?
でも,この問い自体が,前者は善で,
後者は悪だと,二元論的な価値に囚われてしまっている。
本当の幸せはこの世に生まれてこなかったことだと思いながらも,
そこそこ楽し -
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相手に受け入れられ、その心を動かし、意思決定や行動を望ましい方向に変化させるには、どういう対話の仕方が効率的なのか。困難な状態にある人を効果的に支えるには、どういう対話を心掛ければよいのか、また、どんなに心を砕いても、うまく相手に通じないときには、どうすればいいのか、そうした我々の要望に応えるべく、対話技術の枠を伝えることを目的とした本です。
対話の技術や、カウンセリング用語がたくさん出てきます。心理学、カウンセリングを少しかじった私には、とても興味深いのですが、仕事として実践しているわけではないので、この本は、職業とされている方のための実践書と思いました。
自分の知識をもっと奥深く探求し、し -
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岡田尊司さんの著書は最近よく読む。
読むたびに、新しい世界を知ることができる。
精神疾患について、書いてある本が多いのだが、本書は「あなたの」と銘打ってあるように、一般人全般に関係あるものなので、より身近なものとして読めた。
「イジメにしても、同じだ。なぜ人はイジメをするのか。イジメをめぐる多くの議論が忘れていることは、イジメには強烈な快感が伴うということである。いじめている側は、おもしろくてたまらないのである。」(p.57)
残酷なようであるが、納得出来るのは確かだ。
私はイジメの加害者になったことは無いが、例えば、他人の悪口をいう時はほんのり快感を感じたりする。
本書では、人のもう一 -
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「なぜ社会地位もある人が少女のスカートの中を覗いてしまうのか。」
過去の偉人と異常心理の相関を取り、日常に起こり得る精神的病と原因の解説、そしてそれらから身を護るにはどうすれば良いかまで丁寧に紐解かれています。
完璧主義、依存症、支配欲、固着、自己愛、、「病」とまでは無自覚なものの、少なからず誰もが持つこういった性質が異常心理に繋がるという、結構恐ろしい内容。
個人的に特に震えたのは4章の「両価性」について。
両価性とは相反する気持ちを同時に抱える特性だそうですが、私はこのジレンマで自他ともにストレスフルにさせることが多々有ります。
自分のことを思って言ってくれたことに何故か苛立ちを感じてしま -
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ネタバレ最近よく耳にする「発達障害」という言葉だが、この本はタイトルが気になり読んでみた。
この本では発達障害の種類や症状などについて詳しく書かれているところが
ほとんどないので知識がない方は事前に入門書的なものを1冊読んでおいた方が
いいかもしれない。
近年、発達障害と診断される子どもや大人が増えていると言われているが
子どもが生まれてからすぐの母親の育児態度、心理状態、家庭環境、
両親の仲が悪かったりすると発達障害に似た症状や問題行動が出ることがあるという。
このことを知っただけでも読んだ価値があると思うが、筆者は安易に「障害」と
診断しすぎることに警鐘を鳴らしており、幼いうちなら親の気遣いや -
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ネタバレタイトル通りの病気? 障害について書いてある本です。
何だか、眉唾のような本もこういう本の中にはたくさんあると思っていたんですが、この作者さんについては、それなりに信用できる人だと、何かの時に教えてもらったので、物は試しで買ってみました。
というよりも、普段、新書なんてジャンルの本を読むことがあまりないので、この本がどの辺りの位置に当たるのかがイマイチよくわからない。
私の勝手な先入観では、それぞれの分野の専門家が、自分の専門のことについて自分の信条のままに書く本だって買ってながら考えているんですが、何か間違っているかしら?
なので、新書については自分の信条について、作者さんがなる