岡田尊司のレビュー一覧
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周りのことに過敏な人についての話題だったが、逆に、無頓着である「低登録」も同様に生きづらいらしい。
結局は、人が生きるうえで「困る」かどうかが、生きづらさや不幸感のカギになるのだ。
氏の提唱している生きづらさを決める特質の一つに「愛着障害」があり、今回もそれにつながっていく。
その「愛着形成」のために必要なのは、他者からの「反応」であり、この先、それがAIにとってかわられていくという部分には、人間の、生き物としての知れなさに怖さを感じる。
人らしさをあえて追求しつつある現代社会は、「人らしさが失われても平気な社会」が実現しつつあることへの反作用と考えると、言うまでもなく、「人らしさを失う」 -
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本書をはじめ岡田先生の著書に唯一決定的に欠けているのは、安全基地となる者の条件、努力、精進を求めるばかりで、本人の自助努力も必要だという点にはほとんど言及されていないことだと思う。すべては安全基地がないせい、安全基地となる者が未熟なせい、といった印象を与えるが、最後はやはり『天は自ら助くる者を助く』ではないだろうか。
結局、愛着障害が重症であればあるほど、安全基地の存在だけで改善できるわけではない。本人の「変わりたい」「救われたい」という意志がなければ、救ってあげることなど誰にも出来ないのだと痛感する。
しかし岡田先生の本からはハッとさせられること、学ぶことが多い。あらゆる理解不能な行動が愛 -
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ネタバレいくつになっても対人関係では「なにが正解なんだろう」
と思うことがしばしばある。
本書では、「これまで多くの幸福論は、心の平安や
穏やかな秩序にこそ幸福があると説く傾向にあった」
(p19)が実際には違っていて、強迫性と演技性が
幸福を手に入れやすいと書かれている。
強迫性は、真面目で、責任感に満ちた生き方の追求、
演技性は、自分よりも能力や財力をもっている人に
近づいて、欲しいものを手に入れることによって
成功している。
ただし、第7章では本当の成功や幸福は、長続きする安定した
信頼関係を築くことでしか得られず、それには肯定的認知や
愛着の安定性が大切であり、安定した愛着を育む技術を
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長期のコホート研究による結果を紹介する。健康の指標として、寿命や死亡率は最も客観的なものと言えるだろう。
アメリカの心理学者ルイス・ターマンは、子どもたちの能力が何によって決まるのかに興味を持ち、1920年から10歳前後の知的能力の高い子ども1500人を選んで、成育歴や養育、生活環境、健康状態などのデータを集めた。ターマンの死から30年余り後、ハワード・フリードマンがターマンのデータを用いて研究を続けた。
性格の中で、長寿と最も強い結びつきを示したのは、まじめで、怠りなく、自己コントロールができ、信頼に足る、慎重な努力家の傾向だった。楽をした人よりも、勤勉に向上心を持って努力した人の方が長 -
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ネタバレ「愛着スタイル」を、安定型と不安定型に分け、後者をさらに「不安型」「回避型」「恐れ・回避型」等に分類する。
用語の整理がやや分かりにくいが、内容は説得的。
発行がやや古いので、新しい情報も知りたい。
スマホ片手の子育てが増えていく以上、愛着障害を持つ人はこれからも増えていきそう。
「子どもに”ふつうに”対応しているつもりでも、共感性が欠如した応答しかできていないという場合もある。それ以上に悪いのは、子どもが求めているのに反応しないことである。」(59頁)
「心のエネルギーは、物理的なエネルギーと違って、使えば減るというものではない。ほどよく使うことによって、さらに生み出されるものであ -
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ネタバレ近年発達障害が注目される中、インターネットのチェックリスト等であれもこれも当てはまるような気がして悩まれる方も多いと思います。そんな方、必見です。
Highly Sensitive Personの略である、HSPという言葉があります。極端に繊細な人、傷付きやすかったり、気にしすぎたりという過敏な人をまとめて称します。
序盤にHSPという用語の問題点をさらりと指摘しています。結果としては、HSPという概念を支持する文章ではありません。腹痛になる人はこれを飲め、というおおざっぱな処方箋が無いように、一言で過敏性と言っても、症状には複数あり、傾向によって異なる原因があります。
本書の中に過敏性 -
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子として母として。
その通り過ぎて面白い。
でも、それもこれも母親の度量か…⁈と思わされる。
気をつけて子育てに向かいたい。そう思える1冊。 -
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立場的に難しい〜
娘でもあり母の立場で読むと板挟み的で苦しい。
今さら親に当たれないし頼れない、逆ギレは必須、絶対無理。
でも、私自身、親価値観のまんま子に押し付けてる事に気付く怖さ。
だから、自分が変わらなきゃ!って思う。
だけど、病的←まではいかない予備軍。
自分で内観して、自分で…って、育児真っ只中でしんどすぎるし、逆に身動き取れないくらい重い。。。
でもコレも意味があると思える。
子どものためにも、早く乗り越えたいし
本当の意味で『自立』をし、『ありのままの自分』で
生きて、向き合っていきたい。
読んでいると、自分だけじゃなく、自分に縁する人たちの顔がチラチラ浮かぶ。
結局、個性と歪みの障 -
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難しいけど、読んで損なし。
娘でもあり、母親でもある立場上、『親が変われば子が変わる』←的な実例ばかりで、読んでいて苦しかった。
親に今さら甘えられないし、病気までいかないから、伝えるなんてできないし、したくない。でも、明らかに苦しんでいる自分がいて、それに気付かされるから苦しいし辛い。
でも、子に同じ苦しみや、それ以上を背負わせたくないから、自分で自分が安全基地となる生き方。←自分で自分を受け入れ、励ませる自分になれるよう挑戦中。
難しいし、愛着障害あれば苦しいだろうけど、知識として入ると客観視もできるし、ただただ不安になることもない。
あとは前向きに処理、消化できるか←がポイント! -
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全体的にかなりわかりやすく、適応障害と診断された人ならびにその周りの人たち(当事者以外)も理解できるような内容だった。
「適応障害」って知らない人多いのかな。
この本に書いてあることはある種の事実だと思う一方で気休めと捉えることもできる。
「悩みの尺度は本人がどれだけ辛いかだけだから他の誰にもわからない」とは思う。
それでも
当事者は、決して一人ではないことと周りが理解しようとしてくれるありがたさを
周りの人たちは、当事者にならなければわからないということを理解することとそれでも寄り添うことの大切さを
学ぶことができるという意味で、この本は素晴らしいものだと感じた。
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セルフディフェンスのニュアンスで読んだ。他者がどうこうではなく自分がそうならないように。元気なときに検証しないとしんどいなと。ただ、ではどうするかの部分は知っておいて損はないヴァージニア・ウルフやヘルマン・ヘッセなどが具体例として挙げられていてわかりやすい。ただ、一般読者は専門家ではないという前提で謙虚に読む必要があると思う。えてしてそうだという程度の認識で慎重に検証、対応する必要があると思う。新書一冊で理解できれば専門家はいらない。どうするかの部分は人としての部分で本来当たり前のことのようなことのようだがだからこそ難しいのかもしれない。自分の視界だけで判断してはいけない。世の中にはもっと別な
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P70 体内時計3つ
①24時間より少し長いサーカディアンリズム
②サーカセメディアンリズム(約半日周期)
→昼過ぎの眠気は、食事をして満腹になるためではなく、これのため?
③ウルトラディアンリズム(約1時間半)
→今眠くてたまらなくても、4、50分すると眠気が薄らいでしまう。
子どもでは顕著、元気いっぱいに騒いでいても、急に眠気が来たり。
P195 よい睡眠をとるポイントは、適度な睡眠負債が、眠りたい時刻にたまっているようにコントロールするとともに、眠気が強まっていく時間帯に床に就くように、タイミングを調整するということ。
P244 睡眠は、少し気まぐれで、あまのじゃくなこどものようなも -
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本の中に自分を発見しました。(p.232)
母との関係が今の自分を作っているなんて思いもよらず、ただなんとなく、最近母とうまくいかないなあと思い手に取った本。
冒頭から虐待にあった子ども、ネグレクトにあった子ども、捨てられた子ども、本当に想像を絶するありとあらゆる不幸な子どもの半生が書かれていた。
ああ、自分のことではないと読み進めていたが、232ページ目に自分を発見してしまった。幼い頃に母にされた厳し目の躾、弟ばかり可愛がる母の眼差し、わたしのことを豚呼ばわりする両親の嘲る笑い声、ヒステリーみたいに叫ぶ母と物を投げまくる父、私には全く無関心で弟の野球の話に明け暮れる夕飯の時間。
ありとあら -
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敏感すぎる気質は自分で直せる!
決して少数派ではない「敏感すぎる人(HSP)」。
実は「大きな音や騒々しい場所が苦手」「話し声がすると集中できない」「人から言われる言葉に傷つきやすい」
「ストレスで胃が痛くなりやすい」「頭痛や下痢になりやすい」などは、単なる性格や体質の問題ではないのだ。
この傾向は生きづらさを生むだけでなく、人付き合いや会社勤めを困難にすることも。
最新研究が示す過敏性の正体とは? 豊富な臨床的知見と具体的事例を通して、HSPの真実と克服法を解き明かす。
過敏な人が、幸福で充実した人生を送るためのヒントを満載。
本書のチェックリストで、自分の過敏性をチェッ