岡田尊司のレビュー一覧
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現在の仕事の知見を深めたいと思い講読しました。精神障害の中でも理解が難しかった境界性パーソナリティ障害の特徴やその背景、改善·回復までのプロセスが丁寧に解説されており、また事例も豊富に記載されており、理解を深めることができました。
パーソナリティ障害が、自己を確立するための生みの苦しみであり、再生のための試練として、危機の時代を乗り越えれば必ず回復できるとのことですが、実際の支援に当たっては、障害の特性理解や本人の養育環境の把握など、この障害への関わりの難しさを実感しました。
最後に、事例の一つである、ヘルマン・ヘッセの人生については、この障害を理解するための、克服するための多くのヒントが含まれていましたので、参考文献にあるヘッセの伝記も読んでみたいと思いました。 -
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【308冊目】東大哲学科を卒業した後に、京大医学部を出て精神科医になった岡田さんの書。この方の著作はいつも面白い。今回も御自身が観察なさったケースや有名人・偉人のケースを、父親との関係という角度から多数紹介し、本人の人生にどう影響を与えたのか考察していく。
2014年の著作だけど、極端なフェミニストの方が読んだら怒り出しそうなことが書き連ねてある(笑)編集部は苦情対応を無事こなせたのだろうか?(笑)子育てで影響が強いのは母、特に乳幼児期は母親とのつながりがめちゃくちゃ重要、とかね。父親の役割が重要になってくるのは思春期以降とかね。いずれも参考論文は紹介されているとしても、肌に合わない読者多数じゃなかろうか?(笑)
とはいえ、著者は、母がカロリーなら父はビタミンで、結局どちらが欠けても子には悪影響があるとしている。また、父がいなくても、父親的機能が大切だとも言っている。
私がこの本を手に取った動機は、自分自身が父親になったことから「父親としての自分」について何らかの示唆が得られるのではないかと思ったこと。
この期待が裏切られることはなかったものの、読み進めていくうちにむしろ「かつて父親に愛された子としての自分」が気持ちの前面に出ていることに気がついた。
たとえ父親が不在でも、あるいは弱々しく理想型として同一化できない父親であっても、子は心のどこかで理想の父親を求めている。そして、その気持ちが満たされなかったとき、子には愛着障害のような症状がみられ、自己肯定感が低くなったり、他者と安定的な人間関係を築くのが難しくなったりするとのこと。
理想型の父親を求める子の気持ち、小学生の時に強く自覚していたなぁなどと思い出してしまった。とはいえ、我が家の幸福は、本書で紹介されている不幸なケースとは逆で、母親が父を肯定的に評価し、それを子である私にも伝えてくれていたこと。おかげで私の心の中には良い評価の父親がいる。
かつての部下に「自分は母子家庭育ちなんです…」と秘密を打ち明けるように伝えられたことがあったけど、当時はその重大さがよく分からなかった。でも、本書を読むと、もしかしたら上長である私に何か求めていたのかもしれないし、もう少し違う接し方があったかなぁなどと、少し後悔の念。 -
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こういう状態から抜け出すには、誰か親レベルで無償の愛を注いでくれる人がいないと駄目だと思っていたけど、この本を読むとやっぱりそうなんだろうな。1人ではなかなか助からないのだ…。
自分はどのタイプにも少しずつ当てはまるけど、これはどうなんだろう。
というかこれって問題ある性格の人全て網羅してる気がするんだけど…。面倒くさい人は皆パーソナリティ障害?
これ結局知能指数が重要ではないだろうか。
頭がそれなりに良ければ、腕を切って得る安らぎよりも損失の方が大きいと判断できるはず。周りのせいでいつも自分が酷い目に遭うと思っている人も、確率的にそんなはずはないから自分に問題があるのでは?と気づくはず。 -
Posted by ブクログ
さすが岡田先生。『愛着障害』の本の詳しいバージョン。もう少しひとつひとつの項目についてしっかり書いてほしい気もするが…
p.30 何もかも話さずにはいられない
1人が苦手なのは、不安であれば不満であれ、心の中にしまっておけない、不安型愛着スタイルの特性とも関係している。心に抱えておくと言うことが難しいのである。ストレスがあっても、何も話そうとしない回避型(親密な関係を避けてしまう愛着スタイル)とは、対照的に、不安型の人にとって、自分の身に起きたことを話す事は、不安を解消するための重要な防衛手段であり、生きているのと同じ位重要なことである。楽しいことよりも、嫌なことや不安なことが多く占めがちだが、自分の心に抱いているよりも、洗いざらい、吐き出して、スッキリしようとする。不安が、他の人の不満や愚痴を聞く事は、その他パートナーとなったものの最重要な任務だと言える。その任務が解除されてしまったと言う事は、もはや関係が意味をなさ持たなくなったと言うことを示している。このタイプの人が、何も話すことがないと感じると、それは愛情生活の終わりが近いことを予兆している。
p.35 それがうまく働かないと、思い通りにならない子供を虐待してしまうことにもつながる。愛着障害の人では、オキシトシンがうまく働かないため、自分にも周囲にも厳しくなりすぎたり、極端な受け止め方や反応してしまいやすい。完璧主義な傾向の背景には、養育環境の影響とともに、生理学的要因も関与していると考えられる。
p.41 気配りし、世話をし、アドバイスし、手助けすると言う関わりでさえ、相手の気持ちやペースよりも、自分の気持ちやページになってしまい、相手には強制されているように感じられてしまうのだ。完璧にしようと言う強迫性の傾向や、自分の理想へのこだわりが強く、程良い妥協ができない。
ときには、主役の本人を押しのけて、頑張ってしまうので、たとえその場には良い結果に終わったとしても、本人の主体性はないがしろにされ、本人としてはあまり満足感も得られない。一生懸命検診し気遣っているのに、感謝されないどころか、嫌そうな反応が返ってくることに、イライラや怒りがこみ上げてきます。
しかし、相手からすると、こちらを押しのけて、勝手に頑張っていたので、今度は急に起こりだしたと言う反応、戸惑い、どうして怒られなければならないんだ、と言うことになる。
p.45 イライラと怒りにとらわれた、玲果さんの状態だけを見れば、夫や子供に対する不満や不満を爆発させ続けるのを目の当たりにして、自分の感情に負けてしまう、なんと身勝手な女性だろうと思ってしまうかもしれない。しかし、普段の彼女に出会いは、なんと優しくて、気が利く良妻賢母型の女性だろうと思うに違いない。
それぐらい正反対な面が、彼女の中には同居しているのである。それは、決して二重人格と言うことではなく、献身と忍耐が限度を超えたとき、裏返ってしまうと言うことなのである。
p.47 不安型愛着スタイルの繊細さ者は、多くの人には、あまり気にならないレベルのことも、不快に感じやすい。感覚自体が過敏で、すぐ頭が痛くなったり、めまいがしたり、飲み物用意し、やすかったり、低気圧が接近すると、体調に響いたりと言うことも多く、体調が崩れやすい。女性だと、月経の前後の不調が強く出やすい人も多い。
そうした、生理的に体調に出やすいことにも増して、言葉に過敏で、さりげない一言が引っかかってしまい、急に怒りがこみ上げてきたら、相手のことが信用できなくなったりすることも、ときには起きる。
例えば、パートナーが一生懸命、会社であった不快な出来事の話を聞いてくれて、気持ちが少し落ち着いたと思った時に、パートナーが「あー疲れた」としか話さ瞬間、それまでの信頼が一気に崩れて、「私の話を聞くのは、そんなに疲れる嫌なことなのか」と思って、激しい怒りに囚われたりする。
…言葉の使い方にも過敏で、自分の言葉と違う言葉を使われたりすると、違和感を覚えたりする。こうした傾向は、こだわり、勝谷潔癖症の傾向と重なっていたりすると、余計に強まりやすい。
p.48 痛みや苦痛に弱い
不安型愛着スタイルの人の過敏さは、対人関係や心の瞳に限ったなのでなく、痛みや感覚的な深いものに対しても過敏の傾向が見られる。愛着ホルモンであるオキシトシンには、不安だけでなく、痛みを抑える働きもある。不安定な愛着を抱えている人では、オキシトシンの働きが悪い。そのため、不安が強いだけでなく、痛みは会社と言ったことに対して過敏になってしまうと考えられる。痛みやかゆみといったことで大騒ぎしたり、空腹とか睡眠不足で、ひどく、不機嫌になったりと言うことも起きやすい。
p.165 不安型愛着スタイルの抜本的な課題として、①愛情や商人への過剰な期待、②のために、「良い子」「いい人」「完璧」でなければならないと言う囚われ、③①や②が裏切られたときに生じる抑うつや怒り(攻撃)、が挙げられる。
p.166 それを克服するために必要なのは、一言で言えば、「ほど良さを取り戻すこと」である。ほどよく求め、理想や完璧を求めすぎず、欠点や不満な点は多めに見て、程良いところで満足し、を楽しむことができる。自分自身も、「いい人」や「良い子」になりすぎず、嫌なことにはノート言えるが、何でもノーを連発するわけではなく、ほどよく妥協しながら、ほどよく自分の主張もして、対等でバランスの良い対人関係を維持していく。頑張りたい事は頑張るが、気持ちや体を犠牲にしてまで頑張らず、ほどよく人生も仕事も楽しめる。そんな生き方が目指すべきところだと言える。決して達成困難なことではなく、今日からでも実践できることである。
p.167 この良さは、評価を客観視のバランスで生まれる
自分の視点を離れて、物事を見る能力が必要だ。この「自分の視点を離れる能力」にも、大きく2つある。1つは、相手の立場に身を置いて、相手がどう思うか、どう感じるかを察知する能力、つまり、共感的な察知能力であり、「メンタライジング」と呼ばれたりする。もう一つは、自体を少し高いところから、客観的に見る能力で、「リフレクティブファンクション(自省機能、振り返る力)」とも呼ばれる。不安型愛着スタイルの人では、前者の能力は、むしろ優れていることも多い。相手が感じていることが、わかりすぎるので、自分の言いたいことが言えないとか、相手が求めているようについ動いてしまうと言う人が多いのだ。HSP (過敏で傷つきやすい人)と呼ばれるタイプは、こうした特性を持つ人が中心で、医学的に見ると、不安型愛着スタイルがHSPの本体だと考えられる。
共感能力が強すぎて、相手の気持ちに巻き込まれやすいというのが、不安型愛着スタイルの人の1つの課題なのだが、そうなってしまうのは、自分の視点を離れる、もう一つの能力である「客観視の能力」が弱いことにある。その能力が弱いため、開いて本になりやすい。自分が犠牲を払いすぎていることや、バランスの悪い関係になっていることが見えにくい。この客観視の能力の弱さは、せっかくの優れた共感能力さえも、うまく生かせず、足を引っ張ってしまう。相手のことを考えすぎて、相手のためにならないことをしてしまうこともある。共感と結婚しな。バランスの悪さのため、相手の気持ちと、自分がどう思うか同一視され、本当に相手が感じ、を持っている事と、微妙にズレが生じ、行き詰まってしまったりする。相手をそこまで思っていないのに、こちらは本人より深刻に受け止めすぎたりする。相手がちょっとしかめ面をしただけでも、自分のことを快く思っていないのではないかと、妄想を膨らませてしまうこともある。これは、過剰な共感であり、思いを実際以上に読み取り過ぎてしまっている。それを相手の気持ちだと勘違いし、思い込んでしまうと、いろいろ不都合が起きてしまう。相手の気持ちを読み取っていると言うよりも、自分の不安や恐れを相手に投影し、押し付けてしまっている場合もある。自分の期待や願望についても同じことが言える。相手の言葉を、こちらの都合やき台に合わせて解釈してしまうことも起きやすい。相手の大した意味のない言葉を、自分に対する特別なメッセージのように受け取ってしまうこともある。客観性のない共感が暴走すると、それはただの独りよがりな思い込みでしかない。それ故、不安型愛着スタイルの人が、バランスの良い物事の見方や対人関係を手に入れるために、必要になるのは、正確の共感であり、そのためには客観視の能力を鍛えることである。
p.171 自分を振り返る習慣
悩みや迷いが生じたり、落ち込みや怒りにとらわれた時に何があったのか、その事実をできるだけ客観的に記載するようにしよう。自分が傷ついたり、衝撃を受けたり、葛藤したりした出来事について、あなたは相手のどういう態度や言葉を、どういう意図や気持ちの表れとして受け止めて、どう感じたのかと言う心の動きを、できるだけ停電だってよ。そうした作業することで、起きたことを少しずつ冷静に振り返っれるようになるとともに、とらわれていたいかりや衝撃が和らぐことも多い。自分が推測したことから悪く受け止めすぎて、傷つかないでいいことまで傷ついてしまったかもと思い会社たり、もしかしたら、相手はこちらを傷つけるためと言うよりも、別の人でそうした態度や言葉になったのかもしれないと考え直せるかもしれない。
こうした作業の最後に、その日たどり着いた、結論を書くようにすると、考えが際限なく、堂々巡りし、いつまでも同じ気持ちを引きずってしまうことを防ぐ効果がある。例えば、「結論:もっと優しくして欲しかっただけ。ただ、お互い疲れていて、余裕がなかったのかもしれない。別れを切り出した時、悲しそうな、顔をするどころか、まさかと言う顔をしたので、腹が立った。優しくしてくれないのなら、痛めつけてやりたくなる。いつものパターン。もっと素直になれたら。今度同じようなことがあったら、「優しくして欲しいな。でも、今は疲れてるんだよね」と言ってみよう
p.174 快刀乱麻を断つ
嫁は、事実と自分の推測を切り分けると言うことだ。書いて整理する場合には、明白な事実とあなたの推測とは、区別して記載するように心がける。決めつけたくなることでも、こちら画像を受け止めたと言う場合には、推測が働いていることになる。そういうことから、そう推測したかも。書くようにすると、いっそう深い振り返りになる。書いたものを使って、実際に起きた事実と、それに対する自分の感情的な反応を分けると言う方法もある。感情的な反応は赤線で、1つの軸分には、青線を引くなどして色分けすると、自分の反応パターンが見えてきやすい。語りながら整理する場合には、聞き手の方が、事実と推測を区別する意識を持っておくことが必要で、相手の話の骨折らないように注意しながらだが、事実なのか、あなたがそう思った(受け取った)の顔については、丁寧に分けて扱う態度をとることが、客観視の力を高めることにつながる。
もう一つは、自分の問題と相手の問題、そして、どちらにもどうすることもできない不可幸力の問題を区別することだ。自分の問題として認められたことについては、きちんと受け止め、反省を踏まえて対策を講じていく必要がある。だが、不安方、愛着スタイルの人の悩みの多くは、相手(谷)の問題や不可幸力の問題で、それをどうにかしようと苦しんでいる。これらの問題は、誰にもどうすることもできない。それが結論だ。どうにもならない問題悩んだり、悪戦苦闘したりするよりは、自分にどうにかできることに時間と労力を使った方が、ずっと幸せで有意義な人生が送れる。
p.205 程良い関わりと言うものは、ただ中間位にすればいいと言うように思えるかもしれないが、実際にはとても難しい。お互い関わりができるために必要なのは、相手の立場になって考え、気持ちを組む能力とともに、状況を少し離れたところから関するように客観視する能力である。
p.210 そうした不安定な状態から、脱する方法としては、大きく2つあることになる。1つは、安定感があり、変わらずに自分のことを想ってくれる。信頼できるパートナーや環境手に入れることである。これも大事な条件である事は言うまでもない。
しかし、これもまた、他力本願であることには変わりなく、どんなに信頼できる業者であろうと、亡くなってしまうこともあるし、様々な事情で心変わりすることもある。いつまでもは傘が続くわけではない。歳をとり、お互い洋食も衰え、性ホルモンの分泌の低下してくると、性的な結びつきも弱まっていく。永遠の愛に思えたものも、活発な生ホルモンの働きが生み出していた幻だったと言うことに気づかされるのである。
阿呆で、男性ホルモンが難しすぎても、同じ間だけでも満足できなくなり、指遊びを始めてしまうと言うこともある。変わらない愛を信じていた存在にとっては、それは、世界が真っ二つに割れてしまうほどの、途方もないダメージとなる。そうした外的な事情に左右されず、安定を保とうとすると、もう一つの選択が必要になる。それは、自立すると言うことである。腕型愛着スタイルの人が、安定を獲得する上で、経済的、職業的、社会的自立を成し遂げる事は、しばしば、精神的な自立を出せにもつながり、とても重要だと言える。
p.235 ただ、弁証法的行動療法で言うところの「良いところ探し」が、悪いことにも良い店を見つけましょうと言うことにとどまらず、悪いこともその間固定してしまうと言うことである。例えば、リストカットしてしまった少女が目の前にいるとして、その行動を責めたり、たしなめたり、止めさせようとすることよりも、むしろ、そうした行動をする前には、意味があるはずで、その意味を理解した上で、そうするのも無理は無いと、むしろ正当化し、深いレベルで肯定すると言うことである。それがリハネンが禅から学んだ、常識を覆す発想の転換で、大変有効なアプローチなのである。
p.242 HRV(心拍変動)呼吸
HR V呼吸法は、血圧とリズムを合わせる× 0点自律神経が最も良いバランスになるコヒーレンス(波動が整っていること)の状態を作り、脳の機能を高める。この呼吸法は、リラクゼーションの呼吸ではなく、アクティブでいながら落ち着く状態を作り、ポジティブな感情やリソースを高めることができるとされる。HRVを高めることで、高血圧、心臓疾患、慢性疼痛、喘息、COPD (慢性閉塞性肺疾患(とじなどの生理的な健康の改善、不安や鬱、PTSD、過敏性、腸症候群などの心理的問題の改善、適応力、認知力、集中力、直感力、決断力、意志力、自己調整力、パフォーマンスや社会性、コミュニケーションを改善が見られると言う。
HRV呼吸法では、いつもより少し深く、ゆっくりと呼吸する。5秒で吸って5秒で吐くリズムが多くの人に適しているが、自分にとって心地よいリズムで行う。呼吸トレーニングの目的はコヒーレンスを練習して、普通呼吸でも、コヒーレンスが高まり、回復力を養うことである。頭で考えずハート(胸のあたり)に意識を向け、5分間の呼吸を毎日1から3回ずつ行う。振り米樽ピロンって言う腹側迷走神経系は、人と人が穏やかにつながり、交流するための社会性のルートを持つが、HRV呼吸はこのルートを養うのにも役立つ。
p.252 心的外傷後、成長ができた人では、①人生を、これまでよりも肯定的に受け止め、感謝することができるようになる、②他者と新道で安定した関係が持てるようになる点③人に頼らずに自分の力で現実に対処できるようになる、④新たなチャンスや可能性が広がっていく、⑤精神的な視野の広がりや、バランスの良い考え方を手に入れる、といった変化が見られるとされるが、愛着の課題を乗り越えた人にも、そのまま当てはまると言えるだろう。 -
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個人的に、『誰が国語力を殺すのか』(石井光太著)で書かれていた国語力の衰えと共に、現代社会の根底にある問題だと思っているのが『愛着障害』です。
本書より…
○死に至る病とは絶望のことである、と、かつて哲学者キルケゴールは書いた。絶望とは、神を信じられないことを意味した。だが今日、死に至る病の正体は、「親の愛さえも信じられない」こと、つまり「愛着障害」にほかならない。
数年前から自分の生きづらさは、「愛着障害」にあるのではないかと、岡田尊司さんの数ある著書を読んで思っていました。ただ、先日読んだ、『愛着障害は何歳からでも必ず修復できる』(米澤好史著)を読んで、岡田尊司さんとは愛着障害の捉え方がかなり違うように感じ、愛着障害ではないのかな?と混乱していました。
今回改めて岡田尊司さんのこの本を読んで、やはり岡田さんが考えている愛着障害というものだろうとは思いましたが、自分の問題としてだけではなく、社会全体の深刻な問題として、捉え直しました。
愛着の基盤となるのが、幼い頃の(主に)母親との関わりで、その関係性が安全地帯になることで、十分な愛着が自然と養われ、その人の土台となっていくそうです。
作者はまた、大人のADHDは子供のADHDとは違い、発達障害ではなく、愛着障害による物だと訴えています。子供のADHDの治療について気をつけるべきことも書かれているので、興味のある方は是非読んで欲しいです。
愛着障害は次の世代へとどんどん受け継がれ、更に大きな生きづらさになって発現します。愛着障害は回避型、不安型など、色々な型があり、それぞれ性質が違うので、この本を読んで学びとなることはその人により異なると思われます。
ここでは、私自身が子育てをする上で、自分にとって大切と思った所を抜粋します。
○親としては一生懸命育ててきたつもりなのに、しばしば共通する課題として浮かび上がるのは、共感性の問題である。
その最大の原因は、子供が何を感じ、何を求め、何を嫌がっているのか、という本人の視点ではなく、将来のために、あるいは本人のために、あるいは、世間体のために、これをすることが必要であり、正しいことであるという親が抱いた基準や期待に沿って、本人を動かそうとしているということである。
そこでは、本人の気持ちよりも、親側の思いが優先されている。そして、親は子供よりも、賢明な方法や正しいことを知っているのだから、それを子供に求めるのは当然だと思っている。ここで欠如しているのは、共感性なのである。子供のために有利だと思って、いつの間にか自分の判断をしつけてしまう親に共通するのは、共感性がとても弱いということである。
障害と聞くと、そんなものは自分や子供には関係ないと思われる方も多数いらっしゃると思います。しかし、この本を読むと、決して特別なことではなく、時代と共に愛着障害を起こしやすい社会になり、おこるべきしておきた弊害である事に気づくと思います。そして、社会の流れを修正していく助けになるのではと思います。これから親になる世代の方にも是非読んで欲しいと思いました。 -
Posted by ブクログ
愛着障害には2つの種類がある。ひとつは回避型で、もうひとつは不安定型だ。どちらも養育者(母親)と安定した愛着関係を築けなかったことが要因となり、引き起こされる。昨今の恋愛指南書で、あなたは不安型?回避型?のような形で扱われているのを見かけるので、知っている人も多いはず。本書では、その愛着障害が大人のADHDや社交不安、気分障害などを引き起こす根本的な原因になっていると解説している。
特に印象的なのは、愛着障害によりアルコール依存になった方が、依存症は改善できたものの、その後自殺してしまうというケース。依存症の治療はできても、依存症を引き起こした要因と考えられる母親との愛着関係が不安定だったがために、死を選んでしまったのだという。
愛着障害は、親子で治療していくことが最も重要なことだ。子が大人になってからでも、治療は十分に行える、そのことに希望を抱いた。 -
Posted by ブクログ
X JAPANのtoshlさんの洗脳を読み、マインドコントロールの恐ろしさを知る。より深く知りたいためにこちらを読んだ。
読んでいく中で、恐怖を感じた事は自分も経験した事があるという事実。
いや、自分だけではなくこの日本で生まれ育ったなら学校や会社で確実に日々起きている事だ。
会社や学校という小さなトンネルの中ではそのトンネルの中の人しか見えない。
その閉鎖された空間が全てだと思うのはとても危険なんだと改めて感じた。
人民寺院の集団自決の事件はこの本で初めて知った。
日本のオウム真理教もそうだったが、カルト宗教には多くのエリートがいたという理由も本書を読んでわかった。
自分で物事を決める意思が無く、親などに促されるがまま良い大学、良い会社に入った者ほど誰かに依存しやすい傾向があるようだ。
何事にも100%信じず疑う心を忘れず、自分の意志を自分で自問自答して整理する癖をつけようと思った。
マインドコントロールとは決して遠い世界の出来事では無い。
この本は自己防衛のためにも絶対に読んだ方がいいと感じた。 -
Posted by ブクログ
●久しぶりに読み応えのある一冊に出会えた。
●普通の人間でも陥りがちな異常心理について、具体的ケースを交えながらサクサク解説してくれるので、
非常に面白い。
●やはり、幼少時の愛に囲まれた、常に主役になれるような成育環境が一番大事なのだと思う。結局は様々な原因は幼少時にあるもんなあ…なんだか親の凄さというか、有り難さを知ったよね。自分が普通だと思っていたことはわりとレアなケースだったという…
●これからの時代、特にSNSが悪い方向に進化しているような時代は、もっと異常心理の増大に拍車がかかる気がするんだよね…見なくてもいい、交わるべきではない世界が交差してしまう難儀な世界
●ほんとに他人事じゃないよね…この本を必読の本としたいぐらいだよ。てっきり異常な精神病患者を紹介していくのかなあと思っていたから拍子抜けしたけど、よく読めばこっちの内容の方が怖い。他人事にできない… -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分らしくありたいという気持ちと集団に所属してうまくやりたいという気持ちと、
その狭間で摩擦が大きくなるのが適応障害だということがわかった。
偏った認知が摩擦を生む原因になったりするので、そういった認知を修正し訓練しながら自我の強度を高めていくことが必要そうだ。
コロナ禍で人と会わず孤立した生活をしていると、自分の認知が歪んでくるような気もしているので、社会的な人とのつながりを大切に、周りの人たちに認知の修正を手伝ってもらいながら、たくさん本を読んで、心を大切にして生活していきたいと思う。
この本にも書いてあるように、環境になじむことが第一ではなく、見切りをつけて向いてないことは止めて新しいことに挑戦した方が幸せになれることもあるようだ。適応障害に悩む子供にも大人にも、その人らしい幸せな道が見つかることを心から祈る。