岡田尊司のレビュー一覧
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幼児期から青年期にかけて現れる、様々な「心の病」を網羅的に概説し、症状や症例、診断の基準、どのような人にどのくらいの割合で発症するのかといったデータ、効果的な治療法などが書かれている。一般的な索引に加えて、「症状別索引」、例えば「笑顔がなく、表情が乏しい」→「適応障害、抑うつ性障害、双極性障害、統合失調症」といった索引も用意されている。新書としては300ページを超えるやや分厚めの本。
単に「発達障害」「LD」「ADHD」などの用語を、教育心理等で耳にはするが、具体的にどのような症状が、現実の世界でどのように現れるのか、どうすればよいのか、というところまでは、なかなか専門家でもない限り、把握 -
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著者は、小説家としても活躍しているそうで、どうりで、他のこういった系統の本に比べて、読みやすく且つしっかりとしていた。
自分の性格や、障害に苦しみを見出している人には、一読することをお勧めしたい本だ。
読んだ中で、いくつか、興味深かった部分を自分なりにまとめて、紹介させてもらってもいいかしらん。
・自我が未発達であると、「妄想・分裂ポジション」という幼い子どもに見られる特徴が出現する。これは、一人の人間にたいして、全く別人のような態度をとる。相手を、自分にとって都合がいいか悪いかの一部分だけで、判断し、良い悪いを含めた全体としての相手という観点を持たない。こうした一部分だけで対象と繋がる関係 -
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えーと、まあ、「ゲーム脳」がトンデモとかいわれて、一緒にトンデモとかいわれているようです。
でも、あたりまえに考えて、テレビに全面的に子守を任せておけば、何が起こるかはわかるわなぁ……。
テレビゲームや、テレビというのは、散らからないし、子どもの相手をしなくていいし、まったく「大人にとって」都合のいいおもちゃです。
まあ、そのツケは、いずれかえってくるような気が、最近にはしている。
子どもには、使用禁止が正しいと思います。
まあ、ご多分に漏れず、テレビゲームは嫌いではないですよ、わたしも。
でも、時間がかかるのと、やっぱり、脳にはなにか起きているとは思います。
……特にテトリス……。
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Posted by ブクログ
私は自分の問題としてこの本を手に取った。具体例から社会論まで書ききっている、なかなかの著作だった。
人格障害とは、ボーダーライン(境界性人格障害)に代表されるような、精神病未満、神経症以上の、自己愛や自己否定を伴うこころの障害である。うつや依存症をひきおこす根本原因である場合もあるとも説明されている。
人格障害には10のタイプが定義されており、程度の重いものから順に、
A群 妄想性人格障害、統合失調質人格障害、統合失調症型人格障害
B群 境界性人格障害、反社会性人格障害、自己愛製人格障害、演技性人格障害
C群 回避性人格障害、強迫性人格障害、依存性人格障害
となっている。それぞれのケース -
Posted by ブクログ
‟働く人のための“とあるが、それに限らない。というよりもこれは良い意味ではなく、どちらかというと、もっと“働く人”に特化して欲しかったくらいだ・・と書きながら気づき、反省したが、恐らく全てが“働く人”であった。母子の愛着の話を働く人と全然関係ないじゃん!と思ってはいけない。母は働いているのだ。子供たちの症例についても、これは働きながらケアしなければいけない‟働く人目線“であって・・と、そう思って読み始めよう。
― たとえば、アメリカでADHD(注意欠陥/多動性障害)の診断を受けた子どもの数は、日本の児童の有病率の約二倍、児童全体の一割近くに達しようとしている。ADHDとは、落ち着きがなく、不