【感想・ネタバレ】インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまでのレビュー

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Posted by ブクログ 2018年05月11日

「簡単に幸せになるには?」その答えは、非常に簡単です。インターネット・ゲームをやればいい。ネットゲームの利点は数えたらキリがない。
まずその利便性。スマホ一つで、すぐに遊ぶことができる。
無料で遊べるものも多数あるし、操作性も簡単。少なくとも学校の勉強より難しくない。

ネットゲームを通して、世界中...続きを読むの人と同じ空間で遊ぶことができる。
そして、多くのゲームには、明確なミッションがあり、目的と役割を与えてくれる。
それらは、悪人から世界を救うものもあれば、宇宙平和を実現するもの、はたまた特定の悪人を倒すものまで、バラエティー豊か、楽しくないはずはない。
現実世界では、決して味わえない興奮や幸福感を味わうことができる。

 ネットゲームは、テレビゲーム創世以来、数十年に渡る企業努力と技術の蓄積、
そして、ゲームクリエーターの天才的なアイデアで、
遊ぶものの脳が気持ち良いと感じる刺激や報酬を得られるように進化してきた。
言い換えれば今のネットゲームは、私たちが、何の努力もせずに、
一生かかっても得ることのできない幸福感をボタン一つで得ることのできる魔法だ。

 ただし、1つだけ難点がある。それはネットゲームが私たちの脳に及ぼす影響だ。
麻薬や覚せい剤のそれと酷似していることが、この数年の研究でわかったきたことだ。

麻薬中毒者の脳に起きていることが、ネットゲームのユーザーの脳にも、同じことが起きている。

まさか!嘘だろと思いたいが、そのまさかが、今、確実に起こっている。
もちろん、国も企業も、この事実は喧伝したがらない。
ゲーム産業だけで、数兆円の産業だからだ。

 ネットゲームは脳の神経ネットワークそのものの器質変化を引きおこす。
もっとわかりやすくいうと、脳が壊れてしまうということだ。
それは、人間が生活する上で、必要な共感性や痛みを感じる能力、
危険を察知する能力、感情の調整を行う能力、正しい選択をする能力が低下すること意味する。

残念なことに、それらの能力は一度下がってしまうと、
麻薬中毒者と同じように、再び回復すること絶望的に困難だということだ。

 一生他人の気持ちに無関心で、冷笑になる。
これは、まともな社会生活を送れないことを意味する。
常にうつ状態に陥り、情緒が不安定、危険なことも鈍感になり、注意力が極端に低下する。
もちろん、麻薬依存症の患者の多くが、統合失調症(以前は、精神分裂病といった)を併発するように、
ネットゲーム依存患者も統合失調症を患う比率は非常に高いと判明している。
やはり、無料には理由があって、簡単に幸せになる魔法の道具はなかった。

 2014年の厚生労働省の調査によると、日本には421万人のネット依存と疑われる人がいる。
その中で、どれぐらいの人がネットゲーム依存かわからない。
そして、どれらぐいの人が、重度の依存に陥り、麻薬依存者と同様の症状が出ているかもわからない。おそらく、これからも、突っ込んだ調査はしないだろう

日本のネット依存に対する取り組みは、あまりに後進的である。
お隣の中国は18歳以下は、1日30分以上ネットゲームを行いない仕組みをとっている。
では、日本は?野放しの状態だ。好きなだけゲームをできる。
若い子にとっては、最高の環境だが、ネットゲーム依存になったら、もちろん自己責任。
日本は専門的外来も数えるほどしかないから、
「自分の状態が、どうなっているのかもわからないまま」苦しむことになる。
もちろん、脳機能が極端に落ちているから、まともな人生を歩むことはできない。
全ては、ゲームをやったことだけど、これって、果たして、自己責任なんだろうか?

中高生のネット依存は50万人以上いる。
アンケート調査によると、
中高生のスマホ利用時間は、
平日 2時間以上が68.4% 3時間以上が41.6% 6時間以上が8.0%に上り、
休日に至っては、2時間以上が85.2% 3時間以上が64.8% 6時間以上が18.9%に上っている。アンケートを実施する度に、スマホの利用時間が伸びている。

1日 3時間を1年使用した場合1095時間 生活時間(16時間)で割ると、
68日になる。つまり、1日3時間利用しただけで、
1年の中で、68日、2ヶ月以上に渡ってスマホを利用していることになる。
10年続けたら約2年間、スマホを使用していることになる。

 中高生は、その膨大な時間スマホで何をしているか?
1位 SNS 58.9% 2位 動画視聴 16.8% 3位 オンラインゲーム15.2%
となっている。1日3時間スマホを使用している40%の中高生は、
1日30分オンラインゲームを使用している計算になる。
より突っ込んだアンケートを行えば、どれぐらいの割合の中高生がヘビーユーザーだとわかるし、
その子たちに向けて、依存症になる前の処置を講じることが可能だが、現状では野放しになっている。
この代償は、あまりに大きくなるだろう。

あまり知られていないが、日本の精神疾患の最大の病気はうつ病である。
うつ病患者は500万にいると言われている。
その中で、アルコール依存、ギャンブル依存の者も何割かいる。
つまり、アルコールとギャンブル(ぶっちゃけいうと、パチンコ)がうつ病を作り出している現実がある。
アルコール産業に、パチンコ産業、そのどれも市場規模が莫大にデカいが、
それと同様に、桁違いのうつ病患者を作り出している。
もちろん、いずれは、ネットゲームも仲間入りをする。

 冒頭の「簡単に幸せになるには?」ネットゲームをやればいいが、
ネットゲームは、あまりに面白くデザインされているので、
もし「はまってしまい」依存的症状が現れたら、その時点でアウトとなる。
以後、幸せを感じることはなくなり、一生苦しむことになる。自分なら、正直怖くてできない。
 
 もちろん、ネットゲームの使用が、即、人生の崩壊に結びつくことはない。
ただ、国も企業もネットゲームの有害性対して、あまりに無知である。
そして、今もかなりの中高生や成人が、ネットゲーム依存で苦しているのか、
想像もしていない。実態把握をしない構造が、政府、産業、メディアで、スクラム化している。

そもそも知ろうとしていないかもしれない。
インターネットゲーム産業は、アルコール、ギャンブル産業と同じで市場規模が大きいから、経済優先の日本では、仕方がないんだろう。
でも、このままで良いんだろうか?

あまり知られていないが、アルコール依存も、ギャンブル依存も、立派な精神疾患に分類されている。
患っている人も熟知しているように、完治することは決してない。
1日、1日をやらないようにすることだけが、対処療法としてある。
麻薬中毒者と同様に一生付き合っていくしかない。
そのため、途中であまりの辛さに自殺する人が多いことも、
喧伝されて良いと思う。

ネットゲーム依存は、まだ、精神疾患にカウントされていないが、
近いうちに、精神疾患として認知されるだろう。
その動きとして世界保健機関(WHO)がネットゲームへの過度な依存を病気と指定することにしている。

もちろん米国や日本のゲーム機メーカーやソフト会社で作る業界団体「エンターテインメント・ソフトウェア協会」(ESA)が「ビデオゲームに中毒作用はないと客観的に証明されている」として反対する声明を出した。ESAには、任天堂やバンダイナムコエンターテインメント、スクウェア・エニックスといった日本の大手ゲーム関連企業も加盟している団体だ。

タバコが人体に悪影響を与えると認識されて、抜本的な規制が行われるようになるまで、
80年を要した。「タバコを吸うと、肺がんリスクが数倍になります」と一文を加えるだけで、
また、タバコ税を課すだけで、それぐらいの時間を要した。その間、タバコと人体の有害性は、客観的に証明されていないと、
タバコ産業は全力で否定していた。ネットゲームは、いつになったら、そうなるのか?もしくは、ずっとならないのか?
既に、ネットゲーム依存患者の身体に起こる症状が、麻薬のそれと酷似している科学的に証明されているのにも、
関わらずにだ。「ネットゲームをやると、脳が壊れるリスクは数倍になります」という一文が、社会的に認知されるまで、
どれぐらいの時間がかかるだろう。もちろん、それまでは、全て自己責任。
タバコと違うのは、脳が壊れて、まともな、生活が送れないことだろう。

アルコール依存は100万人以上、ギャンブル依存は400万人以上、
そして、ネット依存も400万を超えている。
アルコール、ギャンブル、ネット、どれも、私たちに手軽に幸福を与えてくれるものだが、
人工的に作られた幸福は、見ない、やらない、食べない、飲まない、遊ばないほうが良いかもしれない。

しかし、今の世の中、簡単に幸福感を得られるもので溢れている。
それに、どっぷりはまった場合、代償はあまりに大きいかもしれない。
まるで、ずっと日本国内で内戦が起こっているような状況だ。

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Posted by ブクログ 2022年06月10日

インターネット依存症は現代の“感染症“と言っても
いい位になっている.
この本では、依存症の症状、依存の理由、予防や
克服の仕方まである.
ぜひ見てほしい

0

Posted by ブクログ 2020年08月24日

母がスマホ、アニメ依存で家庭が崩壊しつつあるのでこの本を読んだ。
しかし分かったことは、家族全員が依存症だったことだ。

まずは自分の依存を治さなければいけない。
YouTubeがないと寝られない体質になってしまった私。無音が怖かったのだ。

さらにYouTube依存を加速させる思考として、月々のモ...続きを読むバイル通信を使い切らないともったいないと考えていたのだ。

これからYouTubeなし生活を始める。

0

Posted by ブクログ 2016年11月24日

とてもためになる本。子供にゲームを与えてしまうことで依存症を引き起こし、社会生活を営めなくなることへの警鐘を鳴らしている。社会全体でゲームの危険性を認識し、排除していく取り組みが大切だと感じた。依存症になってしまった子への対処法も書かれてはいるが、専門知識に乏しくトレーニングを受けたわけではない普通...続きを読むの親だけで対処するには、段階に応じたさらなる具体的な説明がほしい。また、子どもに無関心になりがちな父親をどうやって子どもの安全基地にすればよいのか。そもそも、父親の家庭での役割がしっかりしていれば、子どもは依存症にならないのではないか。親である人・親になる人にはぜひ読んでほしい。

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Posted by ブクログ 2015年11月23日

今、電車のなかを見渡すと、
一心不乱にスマートフォンを操作する
人々が沢山います。

私の友人でも、スマートフォンの
アプリに夢中な人が沢山います。
そして、私はその光景に何か
違和感を感じていました。

この本を読んで、その違和感の正体が
少しわかった気がします。それは
底無し沼のようにはまってい...続きを読むき、
人の心やからだが、徐々に
変容を来してしまうこと…

0

Posted by ブクログ 2015年08月08日

興奮や快感としてのドーパミン量はネトゲでは覚醒剤と同等の量が出る
そして「ダウンレギュレーション」という同じ量とっても抑制される力働いて結果同じものでは満足しなくなる
覚醒剤とかは量増やすしそれを同じでネトゲでもどんどん刺激を求めてしまう
それでネトゲ廃人のできあがり
「デジタル・ヘロイン」といわれ...続きを読む、薬や酒たばこよりも安易に入手できる反面その恐ろしさを認知できずに誰でも簡単に取り扱えるものだからこそ読んで欲しい本です

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Posted by ブクログ 2015年02月23日

「インターネット(ゲーム)依存は覚せい剤,麻薬依存に等しい」。これほど深刻な問題とは,この本を読むまで理解していなかった。電車内でスマホを見続けている人を大丈夫かな,と思う程度には「依存」というものを理解していたつもりだが,「病」の可能性をも含んでみていく必要がある。

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

ネットやスマホ、ゲームが頭で考えることに悪影響なのはその通りだと思うし、制限をしながら子供に使わせるのが理想的なのもその通りと思う。しかし、現実的に歯止めを効かせるのは難しく、もっとメーカー側でも効果的な制限ができるような機能づくりをすべきと思う。

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Posted by ブクログ 2023年04月03日

精神科医で実際にさまざまな患者の治療にもあたっている著者による、インターネット・ゲーム依存の危険性を説いた書。

日本人によってこのトピックについて書かれた本は少ない。この本では日本に関連する色々な情報を得られて参考になった。諸外国に比べ、政府によるスクリーンタイムの規制が少ないのはどうにかした方が...続きを読むいいような。この本は8年前の本だけど、状況は変わってなくて残念。

自分がインターネット依存ではないかと不安になっている人は、まずこの新書を読んでみるといいのではないか。もしくはお子さまがインターネット・ゲーム依存ではないかと思う親御さんにも。このトピック関連の本で、実際の治療に基づいた知見から対策、治療、克服までの道筋を示してくれる本は貴重だと思う。

私はインターネット依存ではないかと思ってしまうほど一日中スマホを眺めてしまうこともあるし、もし子どもを教育する立場になったら、しっかりとデジタルデバイスとの距離を管理せねばならないと考えている。
なので、この本はしっかりメモして折りに触れて読み返したい。

星-1は、やや強引と思われる議論がいくつかあったため。より緻密な論証がほしかった部分がある。まあ新書だから仕方ないか。

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Posted by ブクログ 2020年07月19日

賛否両論あるテーマだと思うが、少なくともスマホ、インターネット、ゲームにはギャンブル、買い物と同様に行動の依存性があることは事実だと思う。依存して人生の時間をゲームに費やすのも、依存性を認識して適度に付き合うかも本人の決断次第かと思う。耽溺状態となり病的なレベルで依存してしまった人には専門の治療も必...続きを読む要だろう。少なくとも自分や家族には、このような依存症にはなりたくないし、なってほしくない。本書はそのような捉え方をすれば十分価値ある提言をしてくれたと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年01月06日

思ったよりシビアな内容だった。
ちょっとトンデモ系かとうがってたので。<失礼
ゲーム脳ってのはよく知らないんだけど、結局あたってたってことなんかね?
ちょっと前に読んだ本ではゲームは脳をリラックス状態にさせる、みたいなこと書いてあって、割と有益よりな書き方してたけど、それって結局麻薬に近い効果をもた...続きを読むらしてるってことなんだなーと納得。
最近は気になるところは引用してメモとして残そうとしてるんだけど、気になるところがありすぎて写真撮りまくってた(気になったらぱっと写メってるので)。
世の中(特に日本においては)で危険認定されてからでは遅い、というのはほんとだなーと思う。
タバコと一緒って書いてあって、すごい納得する。
中国、韓国がその道の先駆者で、依存に対する対策も国家あげてやってるのでゲーム市場が頭打ちになり、次のターゲットを日本にロックオン、みたいなを読んで寒気がした。
ほぼほぼインフラになっているLINEも韓国企業だよねー。
結局、ゲームやギャンブルや覚せい剤が悪いんじゃなくて(まあ覚せい剤は犯罪になってますが)、そこに至る過程を注意してみときなさいよ、ということだった。
それにしてもオンラインのRPGってそんなにおもしろいのかね?
一人でやるならともかく、ほかのユーザーとコミュニケーションとりながらってすごくめんどくさいと思うんだけど・・・と思うのは真のコミュ障なんでしょうか。
現実世界のめんどくささをなんでゲームでも・・・って思うんだけど、依存度半端ないってくらいだから、面白い人には面白いんだろうなー。
子もゲーム大好きなので、警戒マックスでいろいろ挑みたいと思います。

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Posted by ブクログ 2015年04月14日

ネットゲームやスマホへの依存症について書かれた本です。著者は精神科医でゲーム依存の子どもの治療を行っている方。2歳の子どもがiPadを使いこなしているのを見て、このままでよいのか迷ってこの本を読みました。
ゲームでは現実世界よりも少ない努力で楽しさや達成感を得ることができる。さらに家族の不仲など現実...続きを読む世界の問題が重なると、ゲームで得られる楽しさに依存してしまう。「デジタル・ヘロイン」「現代の阿片」という表現が直感的でした。
ゲームなどに依存する原因は現実世界の問題であるため、ゲームやスマホを取り上げればよいというものではないということが強調されていました。まずは親がスマホをいじる時間を減らし、子どもと関わる時間を増やすことが大切だと思いました。

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Posted by ブクログ 2015年03月18日

ネットゲームは大好きで、かなりの数やってきたので、気になって入手。
ネットゲームで脳の働きが低下するなんて、、逆かと思っていた。
恐ろしい実例が幾つも紹介されており、下手すれば私も、、と思うと、ぞっとした。
ネットゲームからは適度な距離を取らねば、、と考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2015年01月19日

覚醒剤と同じほどの依存性、脳の破壊
小さな子どもにも与えてしまう親
恐ろしい
子どもを守るのは、やっぱり親なんだ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月29日

そうかー、2014だから8年前だ。コロナの前だ。この後処方箋は変わっているのかなあ。家族第一主義みたいのがなんかしんどい。家族以外で何とかしたいとしたら、どうしたらいいんだろう。

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Posted by ブクログ 2021年02月06日

結構昔に読んだ本なので内容がどうだったのか細かく覚えていないのですが、依存症ビジネスの本は基本的なパターンは同じですよね。
脳のドーパミンが出て、それを求めて依存症になる。

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Posted by ブクログ 2021年01月01日

脳の画像診断が飛躍的に進んだせいか、こういう本を精神科医が書くとき、ファクト元として脳をひっぱってくるのが多いなあ。それはともかく。
行動でも覚醒剤などの薬と同じように依存性になる、と。確かにギャンブルや買い物なんかもそうだし、それは納得。
そして国内外の実例など、怖いエピソードが続き‥ちょっと食傷...続きを読む気味かつ個別ケースとその因果関係が本当にそうなのかあんまりよく分からんぞ、とは思うが。ただ、新しいものは何か影響がありそうだ、となっても、実際にわかるまで時間かかるので、君子危うきに近寄らずじゃないけど、慎重に取り入れていく必要はあるなと思う。結論としては予防が第一、と。なっちゃったら完全に治んないし、治療は予防よりはるかに大変、とのことで、予防法(子どもとのルール作り、時間制限、フィルタリングなどの機器設定、など)が具体的に書かれていてよかった。古本屋で100円だったわりに、良かった(蛇足)

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Posted by ブクログ 2017年04月10日

事例を用いての説明は岡田尊司らしく読み易いが、本作に限っては、依存症の悪質さを何度も言葉を変えてループして言い表しているだけで、知的刺激に富んだ内容とは言い難い。同じような重複でページ数が嵩んでいる事もあり、読んでいて飛ばし読みしたくなる。

世に、中毒性のある娯楽は多い。サイト巡回をしなければ落ち...続きを読む着かなかったり、デイリーのログインで与えられるアイテムが習慣化している人は身近にもいる。仕事中の隙間時間に、スマホで点数稼ぎ。いったい、何に取り憑かれているのか。承認欲求、あるいは、もっと本能に近い欲求の飽くなき探索。一方で生き甲斐を得難い悩みもある。何が正しいのだろうか。健康的か否かで判断すれば、仕事に取り憑かれているのは良くて、ゲームは駄目。この尺度は、生産的か否か、に拠る。

しかし、生き甲斐など、必ずしも生産的とは限らない。夢中になるものが全くないのが良いか、依存症になるのが良いか。当然、バランスが重要。しかし、本著を読めば、この二つが対立項目ではなく、連関性がある事に気付く。夢中になるものが無いから、それを徹底的に求めたゲームという娯楽にハマるのだ。

失敗しても挑戦、努力すれば成長している。そうした現実世界の充足感を見出す事が解決策なのだろう。

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Posted by ブクログ 2015年11月14日

ゲームを社会的悪に仕立て上げてることは昔から行われていて、辟易している人も多いと思う。これはその最新版。
あいまいな点は多いが、例の「ゲーム脳」よりは数段マシ。一応ちゃんとした研究を引用している(数は少ないが…)。また社会的欲求不満がネトゲにのめり込む原因になるってのも一理ある。
ただ、ネトゲ=麻薬...続きを読むは言い過ぎ。結局は、自己管理できないやつはゲームなんかするな、やめられないならカウンセリングへ、でいいと思う。

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

現実の行動というものは、容易に報酬が与えられるわけではない。仕事や勉強、スポーツなどによって得られる報酬は、努力に比例するとは限らない。頑張っても、逆に本人のプライドを傷つけ、落胆させるような場合もある。
あらゆる依存症は、大した努力もなしに、報酬を味わえるという性質をもっている。その報酬は、目先の...続きを読む報酬に過ぎず、長い目で見れば、損失になるのだが、短期的には、大した労力もなく歓びや興奮、開放感や快感をもたらす。アルコールや覚醒剤にしろ、パチンコやゲームにしろ、それを摂取するだけで、あるいはプレイするだけで、いとも簡単に興奮や歓喜を味わえる。そこに、依存症という病気の付け入るスキがある。(p.42)

危険な依存の段階になると、以前は関心や意欲を注いでいたことにも興味ややる気を失い、ゲームやスマホに時間を費やすことが優先されるようになる。かつては大切にしていたこともおろそかになる。
依存の対象が何であれ、依存症の状態に陥ると、それまで、とてもきちんとしていたような人も、だらしなくなる。その人をその人たらしめていた価値観が徐々に崩れ出すのだ。時間が経つうちに、見る影もない状態になる。それは報酬系が変容し、何に価値を置くかという部分がすっかり変わってしまうからだ。(p.95)

彼は仕事から帰ると一旦寝て、深夜に起きると朝までゲームをするという生活を続けた。子どもが生まれても、子どもの世話もせずにゲームをしている自分を、どうすることもできなかった。ときには片手で子どもにミルクを与えながら、空いた方の手でゲームをする時もあった。一年間に1400時間も、一つのゲームに費やしてしまうほどだった。もう一つ余分に夜勤の仕事をしているようなものだった。
妻に話しかけることもなくなり、妻が何をしているかにもまったく関心がなくなった。妻と出かけたいとも思わなくなった。彼の頭の中はゲームをしていないときもゲームの中のキャラクターをどうやったらもっと強くできるかということや、ゲームの作戦を考えることでいっぱいで、他のことには上の空だった。(p.137)

インターネット・ゲーム依存を抑止する特性として、勤勉性が挙げられる。勤勉性の高い人では、自己コントロールが高く、他の依存症にも陥りにくい。小さな頃から勤勉性を養うことは、依存に対する抵抗力をつけることになるだろう。勤勉性とは、少ない報酬で努力する能力だと言える。幼い頃からゲームのような強い報酬を与えてしまうと、勤勉性の獲得が難しくなる。(p.149)

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Posted by ブクログ 2015年06月14日

青少年の健全な成長を阻害し、膨大な時間を無駄にする。国内推定患者数五百万人の脳を蝕む現代の阿片。現実への不適合がきっかけ。日本の対策は遅れている。

インターネットMMORPGがヤバイ。依存症になる確率と危険性を、周知されるようにならないと。

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