岡田尊司のレビュー一覧
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ネタバレ人生を歩む上で親の存在は良くも悪くも大きく影響を与えてくる。
精神的に未熟な親の元に生まれてしまった場合、死ぬまでその足かせに苦しみ重い十字架を背負わなければならない。
そんな絶望的な現実の一助となるような本だった。
毒親の事情、背景やうまく付き合っていく方法について分かりやすく書かれている。
毒親もまたその親にまっとうでない扱いを受けていた場合が多いというのは何とも切ない。
毒親や親ガチャという言葉を聞いてもあまり納得できないのはおそらく自分は親に恵まれているからだと思う。
理不尽に叱られたり伝えたいことが伝わらなかったりして失望に似た感情を抱くことはあるが親だって人間だし過度に期待するの -
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ネタバレ正直、自分にはあまり関係がない本だろうと思っていたが、読み進めるうちに自分が未熟な大人たちにされてきたこと、そこで思い込んできたことがあったのではないかと気付かされ、苦しくなった。けれど、もう自分の人生を歩んでもいいのではないかと背中を押してくれる本だった。読み終えることができて良かったと思う。
自分のヒーリング・ファンタジーと役割としての自己を書き出す作業で、自分の状況を客観視できた。症例がいくつも途中で出てくるので、自分と照らし合わせて考えることができた。どんなふうに実践したら良いかも書いてあるので参考になった。
周りの未熟な大人たちに精神的な成熟や繋がりを求めることはできない、しなくて良 -
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ネタバレ生きづらいと感じる人の特徴、そうなった原因などについて医学的にどのように分析されているかを解説したうえで、そこから脱却して少しでも生きやすくなるための方法を提案する。
本書はタイトルの通り「回避性パーソナリティ障害」として医学的に分類される症状について主に扱っているが、実は同じように「生きるのが面倒くさい」と感じる人の中には、他に「恐れ・回避型愛着スタイル」「シゾイドパーソナリティ障害」というものがあるらしい。ちょっとややこしい。
「回避性パーソナリティ」とは人の世の煩わしさから逃れたいという願望を持ち、現実の課題を避けようとする傾向のことで、人とのかかわり自体は楽しい面もあるが気後れや不安 -
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ネタバレ個人主義の風潮が広まりつつあるなかで、特に愛着のことについて論じられていた。
愛着を得られないまま大人になった親たちが子どもと適切に接することができない→子どもも愛着に問題を抱えそれが精神疾患として扱われている
それの解決方法は子どもだけでなく親のケアや関わり方を変えること、子が諦めがつくこと
子どもはどこまでも親の愛情を求めてしまい、身体や精神に異常を来たしてしまう。
親が子に与える影響というものはあまりにも大きい。
人のために、人の世話をするということができなくなってきている人が多くなっている。そういう人が親になると接し方、愛し方がわからない。
親子の絆関係という重要性がよくわかった。 -
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発達障害と診断されないものの、その特性を持つ生きづらさを抱える人たち…。
発達障害の分類をしているわけではないものの、行動や情緒の特徴から、ADHD、ASDなどの特性が見られる場合はどうすればよいか、項目ごとに述べられている。
この本を読んだときは、自分の教え子のことを考えて読んでいたのだが、読んでいるうちに自分のことも考えて読むようになった。
たとえば本書には、「回避性パーソナリティ」というものが紹介されているのだけど、その特徴が自分にとても当てはまる。仲良くしたいのに、中が親密になると距離を置いてしまう…というのに、ものすごく共感した。自分はもしかしてこの特性があるのかも。
また、昔 -
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ネタバレ愛着回避型な人が会社や組織の歯車としてピッタリ、だから今後は回避型の人が増え、社会の多数派になるかも!と言う予想。
著者はこの予想を元に、ユヴァルノアハラリの「ホモ・デウス」を補完する形で本書を書いているようだ。サピエンスの次の種が愛着回避型を備えていると云う。
しかし、著者の進化に関する理解には少々怪しいところがあったりするため、論理が飛躍している感がある。
また、本書内の脱愛着を起こした回避型人類は「愛着を求めること」を辞めただけで、「愛着による報酬」を得る先天的能力は失っていないようだ。個人的にはそんな種が成功するとは思えない。
愛着によるオキシトシン系の幸福無くしては人生を無価 -
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境界性パーソナリティ障害、摂食障害、ADHDは不安定な愛着の場合発症リスクが上がる。虐待を受けると脳構造自体に異変をきたし、ADHDと同様の症状が出やすくなる。
大人のADHDは遺伝的要因より養育環境によるものが大きい!片付けができないは発達障害より愛着障害を疑え!
→これまでの定説を覆す内容。たしかに実感として親子関係が不安定な子ほどADHDの傾向がある気がする。本書にも書かれていたようにADHDだから親が育てづらく関係不調になるというのもあるだろうが、それだけではないのかも。
14歳頃を境に同じADHDの症状でも遺伝要因の関与が低下し、環境要因の関与が強まる。
→たしかに高学年〜中学生 -
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父親はなんのために必要なのか。
子にとって父親とは「外界から子どものもとにやってくる最初の他者」だそうだ。
それにはとても納得した。
思い返すと、自分の家庭は父親は仕事一辺倒だったタイプで、高校生になるくらいまで自分の人生に父の存在を感じたことはほとんど無かった。
しかし、これを読んで自分の性格の形成には父親、そして家庭環境が大きく影響しているという事を実感した。
■特に印象的だった箇所
・父の不在によって、わがままになったり善悪の判断が曖昧になったりする。
・父を尊敬できるかどうかは、母が父(夫)を尊敬できているかによる
・子は無意識に父を男の理想像としてしまうところがある
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「母という病」境界パーソナリティ障害や摂食障害、うつや不安障害、さまざまな依存症に母親との不安定な愛着が関わっているという話。
陣痛や授乳に大量に分泌されるオキシトシン。オキシトシンにより愛着やスキンシップが心地よく感じ
、不安を鎮める。幼い頃に愛情深く世話をされた子どもはオキシトシンの受容体が多い。
どんな母親でも子どもは愛情を求める。満たされない思いを抱えたままだと他者に癒しを求めてしまったり依存症になりやすい。
最終章では克服する方法も書かれている。まず気がつくこと。可能なら甘え直すこと。母親と一旦離れること。等だ。
母親に愛されたいという子どもの欲求はとても大きいのだなと感じた。生き方