大江健三郎のレビュー一覧

  • ヒロシマ・ノート

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    64年
    あの夏の日からの、永い永い時間

    ヒロシマを生き延び続けている
    「日本人」の名に於いて、
    否定的シンボルであるあの日の原爆を、私たちは
    世界へ発信することが出来ているだろうか

    あの夏の日から
    すぐさま活動を開始した医師たちの努力が
    原爆そのものの悪の重みに匹敵する為
    広島を忘れることも、無知でいることも
    私たちには許されないはすだ


    最悪の状況に立ち向かい
    草の根の活動を続ける人々の存在を
    決して見過してはならない

    この本が書かれてからもう何十年も経つが
    内容は全く色褪せることなく、
    戦争を知らない世代にあの日の惨劇を伝えている

    これからも読み繋げら

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    2009年10月07日
  • 洪水はわが魂に及び(下)

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    わたし、自由航海団の思想がまっったく理解できなくて、
    「結局は暇を持て余したおバカさんたちの誇大妄想やん」
    なんて思っていたのですが・・・
    なんだかあそこまで必死になられると、もう認めざるを得ないというか。

    ラスト10Pまでは、今回イマイチかなーなんて思ったりもしましたが、もうやられました。
    最後まさしく「洪水はわが魂に及び」でした。
    なんでこの人は毎度バッチリなタイトルをつけられるんや・・・!
    これがノーベル文学賞作家か、恐ろしい子・・・!!

    09.06.28

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    2009年10月04日
  • 洪水はわが魂に及び(上)

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    ジンかわええなー。

    もうこの人の作品については、言葉がありません。毎回思うけど、本当に無い。すごすぎる。そしてタイトルが格好良すぎる。

    09.06.18

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    2009年10月04日
  • われらの時代

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    虚栄と汚辱の話。
    気に入ったページの端を折ってたらえらいことになりました。折り過ぎ。特に妊娠したのパリに行くだのの言い争いのところ。
    最低なわれらに似合うのは、最低な時代なのでしょう。

    09.06.09

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    2009年10月04日
  • 見るまえに跳べ

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    もう夢中です。大江健三郎に夢中。
    私の中で村上春樹と太宰治を超える作家は出てこないと思ってましたが、もうなんか一番かも知れん。三人とも一番だわ。

    ただ「上機嫌」がちゃんと消化できなかった。気合を入れ直してもう一回読もう。

    大江健三郎を読むと、サドが読みたくなってくるー!

    09.05.25

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    2009年10月04日
  • 性的人間

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    何度読んでも、このドロドログズグズ具合がたまりません。
    どのお話も凄すぎます。

    12.05.07

    なんてこった!こんなのが読みたいと思っていた、そのままの作品に出会ってしまった!

    暴力っていう安易な表現を使わずにグロさと病んだ雰囲気を描いた本ってなかなか無いから狂喜しました。
    これ、星10個くらいつけたいです。
    狂気に向かって上り詰めながら終わるところも良いな。

    矛盾や欺瞞や情緒不安定を適当に流さず突き詰めていく描写が素敵。
    あー、大江健三郎もっと読もう。

    09.05.08

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    2012年05月09日
  • 取り替え子

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    初めて読んだ大江健三郎作品。なんか読みにくい、という噂を聞いていて読まずじまいだったんですが、最近の作品だからか、比較的読みやすかったです。
    しかし久々に人間というものをここまで深く描いた作品に出会った気がした。一言でまとめれば「いろんなことが含まれている小説」
    小説のタイトルがなぜ「取り替え子」なのかわかった時の感動はひとしおです。

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    2009年10月04日
  • 治療塔

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    <poka>
    未来への希望なのか絶望なのか…。何度も読み直したくなる一冊。

    <だいこんまる>
    ノーベル賞は敷居が高いですぅ…。

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    2009年10月25日
  • われらの狂気を生き延びる道を教えよ

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    われらの狂気を生き延びる道か術かがこの本(とかこうする行為)、ていう話。(しらんけど)実は意味もなく恥ずかしいけど大江健三郎の作った言葉の端々にはハッとこれだよと気付かせられるおれなので、恥ずかしいけど(にかいいった)☆5つにしまつ。恥ずかしいのはシャイだからです。しるかー

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    2009年10月04日
  • 空の怪物アグイー

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    『不満足』では『個人的な体験』の菊比古とバードが…。
    『空の怪物アグイー』は、『個人的な体験』のテーマ性をそのまま引き継いだ、別バージョン。

    「僕はアグイーの存在を信じようとしてたんですよ!」とかいうせりふがあって、それが響いたなぁ。


    短編集です。どれもよかった。
    『敬老週間』も面白かったし

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    2009年10月07日
  • 叫び声

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    人種も年齢も違う4人の青春劇。

    最初は本当に明るい青春劇のような始まり方なのですが、(一人のアメリカ人青年の呼びかけで、ヨットでアフリカに行こうという計画の元に4人が集まる)少しづつ、それぞれの倒錯している部分が事件を引き起こしていって、それがすべて最初にアメリカ人青年が起こしたある事件に起因していて、ラストもそれに終わるという…。

    叫び声を上げたい気持ちがよく伝わってきますね。堕落した青春時代は楽しいよなぁなんて思ってたけど、中盤越えた辺りからどっと深みにはまっていきました

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    2009年10月07日
  • 憂い顔の童子

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    びっくりしました。

    大江健三郎は過去の作家ではなく、今でもかつて「同時代ゲーム」を書いた時と同じ意味で同時代性を持った作家であることが、この本から確認出来ます。
    興味のある人は、村上春樹の「海辺のカフカ」と本書を丹念に比較して見るといいでしょう。
    2つの小説の構造を丹念に解き明かしていくならば(本書の言い方にならってRe-readingするならば)、この2つは実は中心点がほぼ同じところにあることが分かるはずです。

    ただ、惜しむらくは現在の大江健三郎がライターズライター(小説家のための小説家)になっていることでしょう。
    コアな読み手、あるいは小説を書くために読んでいるような読者でなければ伝わ

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    2009年10月04日
  • 沖縄ノート

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    薩摩の血を持つ北海道人のシャモである当方にとって、この本はまた別の意味を持つ。
    琉球王室の、薩摩の、日本の暴力に常に晒されてきた沖縄が戦後日本の生贄として米国に支配される状況、そのあらゆる意味を、大江氏は日本人である自分を絶えず問い直すことで可能な限り誠実に可視化しようと試みる。沖縄の状況の、なんと北海道侵略及び支配に似通っていることか。そしてその沖縄がベトナム侵略のベースとなり、北海道がイラク侵略のベースとなるさまのなんと似通っていることか。
    琉球の人々をかくのごとく搾取した薩摩が近代において北海道でこれを上回る過酷さをもって先住民族の命と文化を破壊したのは偶然ではあるまいと思う。
    当時の日

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    2009年10月04日
  • 叫び声

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    僕が思う良い小説ってのは実は読むのがどれだけ苦しかったかってことに起因しているかもしれない。
    この『叫び声』はまさに僕が思うそれ的な小説だということが出来る。(今回は電子辞書が手放せない位生きていく中で聞くことの無い響きの言葉が頻出していてそういう面でも苦しんだ;; 純文学度が高いってこと?)
    自分の核をどれだけ深く下げて生きていくかが、精一杯生きるってことなのかなとも思った。ずっとどうにか追いかけてきたんだけど呉鷹男の第四章怪物で完全においてかれてしまった。
    僕が一番好きな小説家、伊坂幸太郎さんが影響を受けた本ということで何度かあげていたので読みたいと思っていた。
    確かに影響を受けているなと

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    2009年10月04日
  • 持続する志 現代日本のエッセイ

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    私、何をやっても、なかなか長続きをしない方ですが、これを読んで何とか「志」を持続させようと思ったんですが。
    これを読むのが「持続出来ませんでした。」(^_^; アハハ…

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    2009年10月04日
  • 日本の「私」からの手紙

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    文章を書くとき、誰かに何かを伝えようとするとき、私は常に主語を「私」としてから始めたい。これを読んで以来、決めていることだし、他者に対する自分のあり方にも大きく影響していると思う。だから、オーケンは私にとってオールタイムベストなのだ。

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    2009年10月04日
  • キルプの軍団

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    主人公の少年は骨が曲がっていて、叔父さんの憧れている女性は元サーカス団員の少女の様な一輪車乗り。

    沢山のキルプがいて、もう誰がキルプか分からない。
    ネルの結末を早く知りたくて、ただじっと読み進めてしまった。

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    2009年10月07日
  • 静かな生活

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    一番最初に読んだ大江健三郎もので、今でも一番好き。静謐な中に主人公の全身全霊をかけた祈りが全編通して流れていて、静かに胸を打たれる。ところどころのグロテスクさ…内臓の裏皮をひっかかれる感じが、またどきっとさせられる。

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    2009年10月07日
  • あいまいな日本の私

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    大江健三郎がノーベル文学賞の受賞演説で述べたことを纏めたもの。川端康成の受賞演説「美しい日本の私」に対するアイロニカルな視点で捉えているところが面白い

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    2009年10月04日
  • 人生の親戚

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    一度読んだ本は、よっぽど気に入るか、読んだことを忘れていない限りは再読しないのに、
    なぜかこの本は3回読んでいる。理解している自信はまったくないにもかかわらず(ノーベル賞で一瞬ブームになったとき、「燃え上がる緑の木」などを買い求めた人々はちゃんと読破できたのであろうか)。
    いつも同じシーンでどきっとする。息子ふたりを、あまりにもむごい出来事で同時に失ってしまったまり恵さんが、
    「こんなに疲れ果てているのに、死んでしまったら、あの子たちのことを覚えている人間が残らなくなってしまう、だから死ねない」というようなことを話すところ。
    愛していたから死にたいのに、愛しているから死ねない。強く過酷な人生の

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    2009年10月04日