大江健三郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長かった。長い道のりだった。しかし、大江健三郎はこのくらいの、ある程度の長さがなければ醸し出されないものがある気がする。だから、この長さは半ば必然的な長さだったのだと思う。途中、面白くて面白くて、一回休憩入れないと駄目だ、勿体無いわ、と思って、休憩入れてまた読んで、というのを繰り返しながら。大江作品には本質的に悲嘆に暮れている人間がいないように感じる。みんな、どこかしら明るい。リジョイス!と叫びたくなる、そういう明るさがある。これでレイトワークは読みきったので、ここからはもうちょっと自由に年代を考えないで読んでいこうか、それとも順番にできるだけ沿って、次は「燃えあがる緑の木」三部作に手を付ける
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Posted by ブクログ
ネタバレ大江健三郎の文学以外の作品は、出たときには読むことがありますが、後から読み返すことはありませんでした。
記事で、
「標題の「あいまいな日本の私」が、ノーベル文学書受賞の際の記念講演の標題だということ。」
「ノーベル文学賞を受賞した川端康成の「美しい日本の私」を引いていること。」
を知って、読み返す気になりました。
「ハックルベリーフィンの冒険」と「ニルスホーゲルソンの不思議な旅」の2冊の書籍を紹介しています。
「裏切り者(トラディトーレ)としての翻訳者(トラデュトーレ)とはいえない」
アイルランドの詩人ウィリアムバトラーイエーツに親近感を感じるとのこと。
上品な(ディーセント)。
渡辺一夫 -
Posted by ブクログ
カラマーゾフ読み終わってから毎日ベローチェに通ってます。
気持の入った読書の時間じゃないと、とっつきにくかったかもしれないなと思いました。僕には難解なところも多かった。
「期待」のない主人公がアメリカから帰ってくる弟、その親衛隊、障害を持った子供を産んだ妻とともに「草の家」「新しい生活」を見つけるべく森に入る。
万延元年の一揆の首謀者である曾祖父の弟に自分を重ね合わせる、弟。それを客観的にとらえる主人公。
精緻な構成に、圧倒されました。「本当のこと」に引き裂かれる弟の描写、結び付けられていく事実。非常に面白かったです。
読後の感情をうまく文章化できるんじゃないかと期待して、時間をおいても -
Posted by ブクログ
僕はこれまでずっと大江健三郎を誤解してきてしまったようだな、と。今年は大江健三郎を読み進めて行きたいなぁ、という気になった。面白かったなぁ。何だ、この話の入れ子構造というか、私小説とフィクションとさらにさらにっていうこの感じ。すごい新鮮。小島信夫をよりスマートにしたような感じといえばそんな感じか。いや、でもこれだけでそんなことまで言ってしまうのはきっと早計だろうな。でも、大江さんの文章を読んでいると小島さんの文章っていうのがとてもとても人間くさくて、逆に小島さん、読みたくもなった。これは何の相乗効果か。。。あー、自分はまだ世界の何も知らない。ということをこうやって知らされる度にゾクゾクする。そ