大江健三郎のレビュー一覧
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幾つかのエッセイを読むと、大江健三郎には自意識過剰なところがあると思う。
彼に影響を与えた詩について語る。
『私という小説家の作り方』というタイトルから想像されるように、大江健三郎自身が、彼の作品について語る。
同時に、ちょっぴり創作の秘密も。
彼の作品においてブレイクが、いかに大きな役割を果たした...続きを読むPosted by ブクログ -
大江健三郎はあまり好きじゃないけど、これは面白かった。人が暴徒化する過程がしつこく書かれていて読み応えある。
でも、この“しつこさ”が活きたのは初期の頃までかな。後の「同時代ゲーム」とかは読んでいられなかった。
正直言って、この人がノーベル賞とったのは日本の文学界にとって不幸だったと思う。わかりづ...続きを読むPosted by ブクログ -
彼の長編小説で一番、面白かったです。
障害者の子供、鯨の話、浅間山荘事件を想わせる
リンチ、放水、「荒唐無稽だって?」の台詞が
ずっと心に残ってました。Posted by ブクログ -
「「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」(大江健三郎)を読んだ。救済の象徴であるような『雨の木』をめぐる物語はしかし読み手の感情を抉るように鋭利である。自分の中に一本の『雨の木』があればと思う。最後の「泳ぐ男---水のなかの「雨の木」」に対する違和感が拭えないよ。難しいなあ。Posted by ブクログ
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アンチクライマクスが代名詞のような大江にあって、驚くほどストレート、かつ見事なカタストロフィ小説。ここまでコートームケイなストーリーでありながら絶妙に現実とリンクする、この時期の大江の咲き乱れる想像力の凄まじさ、充実は何度考えても震えがくるPosted by ブクログ
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当時の大江健三郎のあらゆるエッセンスが詰め込まれた意欲作。
物語の設定とストーリーは、自身の故郷である愛媛の山間の村落、障害を患ったであろう子の誕生、戦後民主主義の中のアメリカ文化、学生運動と命をかける青春(跳ぶ、ほんとうのことなど)などの作者のバックグラウンドが複合して形作られている。
同時に、冒...続きを読むPosted by ブクログ -
日本人でありながら、自国からのノーベル賞受賞作家作品を読んだことがないのもいかがなものか、と思いまして。で、その大江作品の中、例の福田書評集で最も高評価だった本作をチョイス。勝手な印象だけど、何となく読み心地は村上春樹風。それをもっと小難しくした感じというか。あと思ったのは、英語みたいな日本語だな、...続きを読むPosted by ブクログ