大江健三郎のレビュー一覧

  • 小説のたくらみ、知の楽しみ

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    ブレイクの救済のヴィジョン、エリアーデの元型の理論、「indestructiblity of human existence」、山口昌男の記号論的人類学、ロシアフォルマリストの異化の理論に影響を受け、それらを時代の課題と自分の問題において書く、という大江の文学の姿勢に胸を打たれる。

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    2013年04月04日
  • ヒロシマ・ノート

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    この本を理解するのはちょっと難解です。
    ですが、私たちがいかに原爆という出来事を
    知らなかったか、ということを理解できるでしょう。

    どうしてもあのようなものが落ちて来ると
    根こそぎ、という印象を抱きますが
    そうではなく、それでも体に爆弾を抱えつつも
    生きていた人がいたこと…

    そう思うとアメリカの言いなりとなった
    日本がふがいなく感じます。
    さらに言えばこんな絶望的な出来事に
    見舞われたのにまたも私たちは
    過ちを犯してしまいましたし。

    もう繰り返してはいけません。
    絶対に、絶対に!!

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    2013年03月27日
  • 性的人間

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    セブンティーンが鮮烈。あのどうかしちゃっているほどの自意識が本当に痛々しい。政治的背景は、出版当初からはだいぶ変わっているが、描かれているものは普遍的。

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    2013年03月23日
  • 遅れてきた青年

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    青年の純粋さが突き抜け過ぎていて狂気でした。
    みんな狂気。

    こういう本を定期的に読まないと、気が済みません。

    13.03.16

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    2013年03月20日
  • 性的人間

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    どの作品も短篇らしく表現が直截的で、引き込まれて一気に読み切った。大江作品を読むと時代背景は違えども、人間の精神に内在する狂気について考えさせられる。すごい作家だと思う。

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    2013年03月05日
  • われらの狂気を生き延びる道を教えよ

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    5本の短編(中編)集。それぞれの物語にて人間のグロテスクな内面が描かれている。どの作品も面白かった!

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    2013年02月23日
  • 「雨の木」を聴く女たち

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    この本は好きだ。表紙がとてもキレイだったし。この写真のような表紙ではなくて、最初に出てた本は、もっと薄いブルーだった。
    それから、アレンギンズバーグが出てくるとこ。
    彼が若い男性の恋人と一緒にいるシーンがあったように記憶してる。昨晩やりすぎて疲れた顔をしてる、とか、そんな描写だったような。

    大江健三郎は、すごい。原発のデモでも彼の存在感は大きかった。彼には、空想的な理想主義者みたいなところがあってバカにする人もいるけど、そういう理想主義者も必要なんだよ。

    大江健三郎の本は、難しすぎて、誰も読まないし、オレも上手く読みこなせないし、村上春樹みたいな誰でも読める分かりやすい人気作家に比べれば、

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    2017年07月25日
  • 水死

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    ネタバレ

    読みかけて途中で挫折した大江健三郎の本が沢山ある。この本を最後まで読みきったということは、年をとってあらゆることに興味を持つようになり、多少とも読解力がついた証左である。
    国語が極端に苦手な子供に少しでも分けてやりたい。
    大江健三郎の作品は確かに読みづらい。私小説的であり、背景にあるものの説明は全くない。
    この小説も水死という題名で終戦直後に亡くなった実父の謎をたどろうとしたのだが、早い時点で諦め、ウナイコという演劇女優や自分の周辺を取り巻く話が脈絡もなく、展開し、どうなることだろうと読み進めていくが、最後に衝撃的な事件が起きて、何とか小説的な幕引きとなる。
    この分かりにくい、途中で投げ出した

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    2013年01月23日
  • われらの時代

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    大江健三郎(1935-)初期の長編小説、1959年の作。

    日常性という倦怠、鬱屈、閉塞、虚無。そこは、無限遠に縁取られた外部無き空虚。溢れているのは、その媒介性によってそれ自体が虚偽の手段であると同時に虚偽そのものになってしまった、言葉。

    他者関係が、言葉=媒介という虚偽によって空転するしかない communication として、内的関係からの疎外でしか在り得ない、公的空間。実名の虚語と匿名の憎悪に塗れ、言葉が記号的虚偽以外では在り得ない、匿名空間。それに囲繞された私的空間に於いて、手足を捥がれた無限小の一点となる。それは、眼球であるか、口の虚空であるか、性器の虚点であるか。ベッドは

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    2013年01月14日
  • 僕が本当に若かった頃

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    私小説的枠をとった連作短編集のうちの一つ。後期の大江はだいたいそうだが文体は凝ったもので一筋縄ではいかない。しかし経験を言語として、徹底的に自己をテクスト化してゆき、多層的に織り上げられたそれに、言葉に対する著者の姿勢、執念、愛着を感じる。『治療塔』、『夢の師匠』には著者の、暗いながらもかすかな希望のある新しい人に対するビジョンをみて感動的である。解説、作家案内も共に優れたものであった。

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    2015年12月09日
  • 静かな生活

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    フィクションだって分かっているのに、どうしても、この本は大江健三郎じゃなくて大江健三郎の娘さんが書いているんだという意識で読んでしまった。最後まで。

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    2012年11月11日
  • あいまいな日本の私

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    たいへん良かったです。
    文学に対して、このくらい真剣に考えていないと、素晴らしい話は書けないですよね。
    「あいまいな日本の私」って、川端康成のスピーチを受けてのことだったんですね。

    これを読みながら、ノーベル文学賞の発表を待っていたのですが・・・今年も残念でした。

    12.10.14

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    2012年10月28日
  • 美しいアナベル・リイ

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    アナベル・リイの夏目訳が読みたくて気になる。”ろうたし”がきいてる。それから強烈な甘い思い出。追体験してみたくもなる。
    誰しも心の中に”アナベル・リイ”なり”ロリータ”なるファム・ファタールがいるものだろう。彼女はわすれられない思い出をまとって、甘い甘い魅力をふりまきながらふてぶてしくどうどうとしている。クライマックスの鮮烈さに思春期の圧倒的な影響力と、目の前という今の力の恐ろしさを感じた。すごく面白かった!

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    2012年09月12日
  • 「雨の木」を聴く女たち

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    雨の木のイメージをめぐる様々な物語。どの登場人物も心に傷を負っていて、その心のひだや闇が、優しく、神秘的に描かれている。メッセージがまだ読み取れていないので、また読み返したい一冊。

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    2012年09月02日
  • みずから我が涙をぬぐいたまう日

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    ここ一年ぐらい封印していた「大江氏を読むこと」を、ついにやぶってしまった。

    相変わらず、ずるずると引きずり込まれる、この人の世界に。

    「みずから我が涙をぬぐいたまう」という不思議なタイトルについて、読み進めていって、なるほど、とわかった。

    また、「懐かしい年への手紙」などと通じるモチーフが随所に登場するあたりも楽しめる。

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    2012年08月19日
  • 静かな生活

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    ここ数年前から、大江さんの作品をコンスタントに少しずつ、味わいながら、読み進めていこう、と暗に決めている。これは伊丹十三の映画のほうは見たけれど、原作としては読んでいなかったので。面白かったなぁ、ほんとに、この人の作品は、読んでいて、楽しい。(12/1/4)

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    2012年08月08日
  • 静かな生活

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    私小説に近い作風の小説。イーヨー、マーちゃん、オーちゃんの3兄弟が遭遇するちょっとした事件や、心的風景がテーマとなった6つの短編から構成される連作です。
     読後、知的障害を持つイーヨーの一貫した純粋さ、明るさに救われた気持ちになります。

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    2012年08月07日
  • 同時代ゲーム

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    ネタバレ

    物語として内容を読み取ろうとすると、難解で冗長とも感じられるこの作品、最後まで読んでみると、その文脈を楽しんでいけばいいのだなと気づきます。
    その世界観は、のちの宮崎駿や村上春樹にも影響を与えたのではというところがあります。

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    2012年07月06日
  • 日常生活の冒険

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    われわれが日常生活で想像力を働かせるというのは、過去の観察のこまかなな要素を再構築してひとつの現実をくみたてることにほかならない。p417

    「この長編の題名には、その冒険の可能性なき世界を冒険的いきなければならないというひとつのモラルが、すでに含まれている」(渡辺広士の解説より)

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    2012年07月02日
  • 性的人間

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    「性的人間」について

    痴漢歴のある人に読んでもらって感想を聴きたい作品。
    この痴漢嗜好はどこまでリアリティを持っているのか?

    後半の詩人が最期に出した結論は何だったのか。
    彼は嵐のような詩を書くために、自身が最大級の興奮を得られる痴漢を実現しようとしていた。
    その結果彼が起こした行動は、幼女を誘拐した上で電車の迫る線路上に幼女を投げ出し、自分の生命と引き換えに幼女救出を自演することだった。

    彼の行動は一見、痴漢とはかけ離れている。
    救出された幼女の母親は言った。「あの人は神様です」。
    つまり母親の本心におさわりしたかったと・・・?
    ・・・うん、わかんない。


    「セヴンティーン」について

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    2012年03月15日