大江健三郎のレビュー一覧
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どの作品も短篇らしく表現が直截的で、引き込まれて一気に読み切った。大江作品を読むと時代背景は違えども、人間の精神に内在する狂気について考えさせられる。すごい作家だと思う。Posted by ブクログ
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この本は好きだ。表紙がとてもキレイだったし。この写真のような表紙ではなくて、最初に出てた本は、もっと薄いブルーだった。
それから、アレンギンズバーグが出てくるとこ。
彼が若い男性の恋人と一緒にいるシーンがあったように記憶してる。昨晩やりすぎて疲れた顔をしてる、とか、そんな描写だったような。
大江健...続きを読むPosted by ブクログ -
私小説的枠をとった連作短編集のうちの一つ。後期の大江はだいたいそうだが文体は凝ったもので一筋縄ではいかない。しかし経験を言語として、徹底的に自己をテクスト化してゆき、多層的に織り上げられたそれに、言葉に対する著者の姿勢、執念、愛着を感じる。『治療塔』、『夢の師匠』には著者の、暗いながらもかすかな希望...続きを読むPosted by ブクログ
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たいへん良かったです。
文学に対して、このくらい真剣に考えていないと、素晴らしい話は書けないですよね。
「あいまいな日本の私」って、川端康成のスピーチを受けてのことだったんですね。
これを読みながら、ノーベル文学賞の発表を待っていたのですが・・・今年も残念でした。
12.10.14Posted by ブクログ -
アナベル・リイの夏目訳が読みたくて気になる。”ろうたし”がきいてる。それから強烈な甘い思い出。追体験してみたくもなる。
誰しも心の中に”アナベル・リイ”なり”ロリータ”なるファム・ファタールがいるものだろう。彼女はわすれられない思い出をまとって、甘い甘い魅力をふりまきながらふてぶてしくどうどうとして...続きを読むPosted by ブクログ -
雨の木のイメージをめぐる様々な物語。どの登場人物も心に傷を負っていて、その心のひだや闇が、優しく、神秘的に描かれている。メッセージがまだ読み取れていないので、また読み返したい一冊。Posted by ブクログ
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ここ一年ぐらい封印していた「大江氏を読むこと」を、ついにやぶってしまった。
相変わらず、ずるずると引きずり込まれる、この人の世界に。
「みずから我が涙をぬぐいたまう」という不思議なタイトルについて、読み進めていって、なるほど、とわかった。
また、「懐かしい年への手紙」などと通じるモチーフが随所...続きを読むPosted by ブクログ -
ここ数年前から、大江さんの作品をコンスタントに少しずつ、味わいながら、読み進めていこう、と暗に決めている。これは伊丹十三の映画のほうは見たけれど、原作としては読んでいなかったので。面白かったなぁ、ほんとに、この人の作品は、読んでいて、楽しい。(12/1/4)Posted by ブクログ
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私小説に近い作風の小説。イーヨー、マーちゃん、オーちゃんの3兄弟が遭遇するちょっとした事件や、心的風景がテーマとなった6つの短編から構成される連作です。
読後、知的障害を持つイーヨーの一貫した純粋さ、明るさに救われた気持ちになります。Posted by ブクログ -
物語として内容を読み取ろうとすると、難解で冗長とも感じられるこの作品、最後まで読んでみると、その文脈を楽しんでいけばいいのだなと気づきます。
その世界観は、のちの宮崎駿や村上春樹にも影響を与えたのではというところがあります。Posted by ブクログ -
われわれが日常生活で想像力を働かせるというのは、過去の観察のこまかなな要素を再構築してひとつの現実をくみたてることにほかならない。p417
「この長編の題名には、その冒険の可能性なき世界を冒険的いきなければならないというひとつのモラルが、すでに含まれている」(渡辺広士の解説より)Posted by ブクログ -
物語は、現在、70代になった作者が、大学時代の級友、木守に再会する場面から始まります。
そこから、二人が30年前に、とある映画を撮影する企画を通して再会し、また疎遠になっていく過程が回想されます。
国際的に映画のプロデューサーをしていた木守は、計画中の映画のシナリオを書かないか、と、級友だった作者...続きを読むPosted by ブクログ -
今までにない魅力のある本。四国の山間の村に伝わる神話と幕末の歴史及び、作者が何故これに深く関わるか?が書かれた本。
作者が神隠しに会い、神秘的な体験を通して、村の物語の継承者として選ばれた理由。また、作者の知能障害の息子と村の繋がり。
人の一生は産まれたときから死ぬときではなく、「かれがふくみこ...続きを読むPosted by ブクログ