大江健三郎のレビュー一覧
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オーケンの入門にとても適したソフトさを感じる。
内容は長男の光さんを題材にした必勝のフォーマット(?)、私小説的小説で自分の好みだがソフトなあまりハッとする箇所が少なかった様に感じた。
総じて楽しく読めたので、大衆にも適した素敵な作品。Posted by ブクログ -
この辺から後期オーケンとでも言うのだろうか。
文から角というかクセが取れている(それでも読み易い文ではないが)。
息子の光氏につき特に丁寧な扱いをしているが、唸る様な描写が少なく若干物足りなさを感じた。Posted by ブクログ -
どれも安定して面白い貴重な短編集。
オーケンが文字で表したい事がしっかり明示され、最初期と比べるとライトさも感じる。彼の入門書として最適解かもしれない。Posted by ブクログ -
なぜこれを読もうと思ったのか?
ノーベル賞受賞の根拠となったらしい作品だから、というミーハーな動機・・・
冒頭だけ読んだ時点では、蛭子能収のマンガみたいな不条理作品なのかこれは?と思ってしまい、文章の読みにくさもあってげんなりしてしまったけど、読み進めていくにつれて意外と普通に理解していけばよい作...続きを読むPosted by ブクログ -
デビュー作の「死者の奢り」。死体処理室のホルマリンプールに浮いた死体を移動させるアルバイトという設定にいきなり引き込まれる。あり得ない筈なのだが、巧みな表現を通して光景が目に浮かぶ。芥川賞作品の「飼育」より、個人的にはこちらの方が印象に残った。Posted by ブクログ
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少し読みにくい表現もあったが、登場人物の心理や人間の悪意、悲劇の描写など、圧倒的な密度に心を奪われっぱなしだった。ただ余りに救いが無く、読んで悲しい気持ちしか残らなかったので星4。Posted by ブクログ
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そこまで読みにくいとは思わなかった。取り替え子は凄く読みにくかったが、それに比べると全然大丈夫だった。
大江さんのつくった世界にじっくり浸かれる小説。途中で読み疲れする部分もあったが、神話的で性的で悲劇的で感傷的な世界観をとても楽しめた。Posted by ブクログ -
大江健三郎が同時代の作家、研究者を論じる語り口が好きなので、それだけでも大満足だが、ちょうど中期の短・中編を読み終わって、新たな長編期に入る前の箸休めとして読んだのだけれど、作家による解題の様に自作について語ってあり、充実した短・中編の副読本としても最適。Posted by ブクログ
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大江健三郎 「 燃えあがる緑の木 」 3部 大いなる日に
土地の伝承から始まった宗教集団が、個の信仰に分裂し、魂として土地に帰還する物語
神に帰依する信仰でなく、死者と共に生き、人間と集団をつなぐ信仰を対象としている。伝承、詩、文学など読み継がれてきた言葉が人間と人間、人間と集団をつなげている。...続きを読むPosted by ブクログ -
大江健三郎 「 燃えあがる緑の木 」 1部 救い主が殴られるまで
100分de名著により 人物イメージと主要テーマを学習済みなのでスイスイ読める。
1部の内容は 土着宗教の誕生プロセス と 魂の動きに関する思考実験と捉えた。これから宗教と魂、人間と命、記録としての文学を考察するための伏線だと思う...続きを読むPosted by ブクログ