大江健三郎のレビュー一覧

  • 取り替え子
    読み終わるまでにだいぶん時間がかかった。

    義弟吾良の自死がテーマ。

    彼の作品は初期のものとごく最近のものしか読んでいなかったので、それらをつなぐ道筋が類推できて興味深かった。

    センダックの絵本は子ども達に読んで聞かせ、親しんできた絵本作家だが、千樫の、自分の手元にぐいと引き寄せた解釈には...続きを読む
  • 日常生活の冒険
    大江健三郎デビュー。
    なんでこの人がノーベル賞とったのか?ずっとわからず気になってた。俺がモノを知らなさ過ぎるだけかもしれないけど、広く世に知られるような名作ってそんなにあったっけ?とゆー。直木賞てすごいんだろけど直木て誰?みたいな。
    しかしよかった・・・。とてもよかった。。。
    オススメです。
  • あいまいな日本の私
    断定的すぎて意味のわからない所はあるものの、芸術に対する言及は興味深かった。「芸術家は私達が今まで知らなかった新しい世界を見せてくれる仕事」。芸術の意味がやっとわかった気がした。
  • ヒロシマ・ノート
    今はもう、戦後ではなくて戦前なのだという話を聞いた。
    そういう世界で読む1965年の大江さんの静謐に満ちた、けれどとても力強い文章が隅々まで行き渡る。
    『われわれがこの世界の終焉の光景への正当な想像力をもつ時、金井論説委員のいわゆる《被爆者の同士》たることは、すでに任意の選択ではない。われわれには《...続きを読む
  • 新しい文学のために
    現代の文学理論が非常に平易に解説されている良書。
    理論関係はいろいろ読んだけど、いまいちまだ頭の中で整理がつかない、という方にオススメ。
  • われらの狂気を生き延びる道を教えよ
    時代の疾走感を感じる、難解さは日本トップクラスの暗号小説群。
    「みずから我が涙をぬぐいたまう日」とセットでどうぞ。
  • 「雨の木」を聴く女たち
    どこへも行かない、どこへも行けない.
    久しぶりに読んでみたら、前と同じように凹みました.
    We never learn.
  • 遅れてきた青年
    兵隊として死ぬことを夢見ていた少年に、終戦によって刻み込まれた「自分は遅れてきた」という絶望感。日本における“ロスト・ジェネレーション”の青春、戦前派or戦中派でも、戦後派でもない狭間の世代の喪失感…。あくまで主人公の視野に映るもののみを語る主観的な文章なのに、同時にどこまでも客観的な語り口が貫かれ...続きを読む
  • 空の怪物アグイー
    ・・・これを読むと、子供の頃に読んだ時に気分がドーンと沈み、具合が悪くなってしまった思い出が蘇って来ます。
    ちなみに「空の怪物アグイー」は大江健三郎の親友であった作曲家の故武満徹をモデルに書かれた物です。
  • われらの時代
    つ、辛い・・・。文章は巧いし、読み始めると引き込まれるんだけど、最初の数ページが勝負だな・・・これ。しかし、あとがきでは大江さん、主人公と同じ23歳で書き始めたとのことですが、そうかぁ・・・。鬱屈しとるのう。
  • 持続する志 現代日本のエッセイ
    思い返せば10代の一時期、そう思春期の頃、私はこの本を枕にして過ごしていたことがあった。若かったのかなあ・・・。でも志はいつまでも持続し続けたいものです。
  • 沖縄ノート
    戦時中、慶良間(けらま)諸島において、赤松嘉次元大尉は沖縄住民に集団自決を強制した。大江健三郎『沖縄ノート』1970

    赤松元大尉による自決命令があったという住民の供述は得られなかった。曽野綾子(その・あやこ)『ある神話の背景』1973

    ※赤松嘉次元大尉の遺族は、2005年、大江健三郎・岩波書店を...続きを読む
  • 大江健三郎全小説 第3巻
    長かった。1文読むのに普段の2倍かかったように感じる。
    セヴンティーン、幸福な若いギリアク人、善き人間、犬の世界は面白かった。後はよくわからなかった。敬老週間がわりとストレートなオチなのがかなり意外だった。
    大江健三郎を読む集中力は30ページくらいしか持ちあわせていないみたいだ。
    セヴンティーンは教...続きを読む
  • 親密な手紙
    2010年から2013年にかけての連載だから、『水死』を出して、最後の長編『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』を書いていたころか…

    一度読んだだけではなかなか意味が取れない独特の文体が懐かしい。
    あー、もう小説の新刊は読めないんだなあ、という感慨を改めて抱く。
  • 個人的な体験
    大江健三郎の小説を読むのは初めてなのだけど、想像してたのと随分 違っていた。とても独特で 比喩が多く なんとも言えない不思議な世界観。読むのにすごく時間がかかった。世界観が独特すぎて。悪くはないのだけども、大江健三郎ってこんな感じなんや…ということが知れてよかった。
  • 死者の奢り・飼育
    まだ読み切っていないが、表題作を読んだので残しておく.
    生々しくジメジメした描写は良いが、結局何を主張したいのかが不明瞭. そして、これは恐らくどんなに文学的知識をつけても自分にはわからない気がする. 短編ではなく長編の大江健三郎を読んでから、彼の自分の中での評価を定めたい...
  • 親密な手紙
    大江健三郎さんが伊丹十三さんや交流のあった人、息子さんのことなど書いたエッセイみたいな作品。大江さんについてあまり知らないと少しついていけない話も多かった。つい先日に読んだ本の引用がまた出てきて縁を感じた。
  • 親密な手紙
    大江健三郎氏が書いたエッセイ集。
    おそらく背景知識があれば面白いのであろうが、
    著作も読んだことが無く、交友関係もわからない状態で
    読んだので、全くついていけなかった。

    小説家に対してやはりいきなり自伝を読むのはお勧めしないという事だ
  • あいまいな日本の私
    講演内容をまとめたものであり読みやすかったが、前提知識ゼロで挑んだので難しい部分もあった。
    日本に生きる私としてもっと日本を知るべきかと思う。
  • 性的人間
    大江健三郎の初期短編3作が収録されている。痴漢、右翼、自慰行為、妄想を扱いながら実存を問うという感じ。時代の中にある作品という感じがして、いまの時代においてはやや鼻白らむ感じは否めない。登場人物が絶望しているようで、どこか希望を持っているから葛藤するわけで。
    テーマはともかくやはり文章は上手い。
    ...続きを読む