Posted by ブクログ
2020年12月03日
大江健三郎 「 燃えあがる緑の木 」
2部 揺れ動く(ヴァシレーション)
2部は 宗教集団が イェーツの詩の世界観の象徴である「燃えあがる緑の木」のもとに集い、祈りの意味を見出す までの歩みを描いている
登場人物が増えていくが、それぞれの人物の役割設定は明確。著者自身もK伯父として 息子ヒカル氏...続きを読むとともに登場し、自身の文学テーマとの関係性を明示している
著者が伝えたかったのは「その場所で 時が循環し、死者と共に生きることにより、人間が続き、物語が作られる」だと思う
祈りの意味
神がいない教会が 中心が空洞な繭のような存在であっても、繭に向けて集中するだけで、充実した生き方をしていることになる。中心を囲い込んでいくことが、われわれの祈りの唯一可能な実体
祈りの言葉「ただひとつの今の中に魂の日は生じる」
イェーツの世界観
*心は いつも動いている
*一人の心には多数の心が流入してくる〜個の記憶は大きい記憶の一部
*大いなる心と大いなる記憶は 象徴によって喚起される