諸田玲子のレビュー一覧

  • 女だてら

    Posted by ブクログ

    主人公原菜蘋=みちは、秋月黒田藩の儒学者原古処を父に持つ実在の人物で、父亡き後、江戸へ出て勉学に励んだ女流漢詩人だとか。
    彼女の詳細に綴られた日記に何故か空白部分があることから、著者は作家の想像力と創造力を駆使し、藩のお家騒動を絡ませた歴史ミステリーに仕上げた。
    黒田藩の継嗣問題で父と兄から密命を帯びたみちは、男装して江戸へ向かう。
    途上、頼もしい味方や反対派の追っ手、さらには敵か味方かわからない同行者もあり、危難の連続にRPGのようなロードノベルの面白さ(著者には、同じくロードノベルともいえる時代小説『闇の峠』が合ったことを思い出す)。
    江戸の着いてからも、幕府老中たちの権力争いに翻弄され、

    0
    2023年06月09日
  • 決戦!忠臣蔵

    Posted by ブクログ

    結局、真相は、藪の中。なぜ浅野内匠頭は、吉良上野介に斬りかかったのか。ここまで資料が何も出てこない事件も珍しい。

    諸田玲子の「与五郎の妻」が特に良かった。泣けた。

    0
    2023年06月04日
  • 麻阿と豪

    Posted by ブクログ

    公家の血筋に生まれながら前田家の娘として育った麻阿と、前田家に生まれながら豊臣家に育った豪。正反対の気質を持つ姉妹の波乱に満ちた生涯が描かれている。戦国の時代、女はなんと不自由な事だろう。とても読み応えがあり面白かった。 
    この作品のように「○と○」と2人の女性を描きた作品は何だか印象深い。「ハルとナツ」や「ナオミとカナコ」そして「麻阿と豪」面白かった!!

    0
    2023年01月16日
  • 帰蝶

    Posted by ブクログ

    歴史の真実は誰にもわからないから、それを逆手に小説を紡ぎ出せるなんて素晴らしいし、楽しませてくれてありがとうございますの気持ちでいっぱい。

    知的好奇心も刺激される。

    本能寺の変を計画した真の立役者は?
    もしかして本当かもしれない…と思いを馳せる。

    史実に基づくフィクションは、目線を誰かにするかによっても大きく違ってくる。
    帰蝶が軸の物語は初めて読んだのでなかなか新鮮な戦国体験ができました。

    0
    2023年01月06日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    代々お鳥見役を務める矢島家は現当主の妻、しっかり者の珠世が中心となって回っている。

    「千客万来」
    仇と狙われている源太夫は5人の子供を引き連れて、昔ほんの少々の縁があった矢島久右衛門を頼ってやってきてしばらく逗留することになる。男を仇と狙う沢井多津もひょんなことから同じ久右衛門の家に宿を借りることになる。すぐにお互い仇と狙い狙われるものだと察するが。なんとも不思議な縁と言える。

    「柘榴の絵馬」
    子供を失った母親の悲しみ行くばかりか。
    5人の子を持つ源太夫を多津が撃てばその子らは父親を失った多津と同じ悲しみを背負うはず。
    仇討ちなどおやめなされ。

    「恋猫奔る」
    人が恋する季節はいつなのか。

    0
    2022年11月01日
  • 恋ほおずき 完全版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2003年の同名の単行本、2006年の文庫の4章に、書き下ろしの1章を加えたもの。

    現代でも重い妊娠中絶を正面から扱った時代小説で、あさのあつこの”闇医者おゑん”シリーズと同じ葛藤が描かれる。

    元藩医で町医者の六左衛門の娘である江与は裏口に「中條流」ののれんを掛けて、中絶が必要な女たちを助けていた。
    時は天保の改革の風紀引き締めで、岡場所の廃止、女髪結や三味線の師匠などの禁止に続き、女医者(婦人科)の禁止が検討されていた。
    事件はたくさん起きる。禁止されている奉公人同士の恋愛で妊娠した女中が相談に来たが、首をつってしまう。役者に熱を上げた奥女中が相談に来て、江与はもてあそんだ役者を懲らしめ

    0
    2022年10月11日
  • 四十八人目の忠臣

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これはどこまでが史実に忠実でどこからがフィクションなんだろう?!と思わずにはいられないくらいの筆致。
    忠臣蔵ものは大好物。

    0
    2022年04月06日
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖

    Posted by ブクログ

    「諸田玲子」の連作時代小説『あくじゃれ 瓢六捕物帖』を読みました。

    ここのところ、時代小説が続いています。

    -----story-------------
    牢屋敷に捕らわれの身の「世之介」ばりの色男「瓢六」と、無骨な同心「篠崎弥左衛門」との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚

    絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの「瓢六」が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
    ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に「瓢六」の知恵を借りるため、与力「菅野一之助」は日限を切っての解き放ちを決める。
    不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」との二人組による痛快捕物帖。
    ------

    0
    2022年03月18日
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

    Posted by ブクログ

    「諸田玲子」の連作時代小説『あくじゃれ 瓢六捕物帖』を読みました。

    ここのところ、時代小説が続いています。

    -----story-------------
    牢屋敷に捕らわれの身の「世之介」ばりの色男「瓢六」と、無骨な同心「篠崎弥左衛門」との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚

    絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの「瓢六」が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
    ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に「瓢六」の知恵を借りるため、与力「菅野一之助」は日限を切っての解き放ちを決める。
    不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」との二人組による痛快捕物帖。
    ------

    0
    2022年03月18日
  • 森家の討ち入り

    Posted by ブクログ

    赤穂浪士討ち入りの義士の中に、浅野家家臣としては新参者といえる3人がいた。
    いずれも大名家津山森家の家臣。
    神崎与五郎、茅野和助、横川勘平。
    彼らはなぜ義士に名を連ね命をかけたのか。
    松の廊下刃傷沙汰に対する不公平な沙汰への浅野家家臣としての憤りだけではなかったのではないか。

    森家当主となった長直の、3人に対する思いやりが作品に流れている。

    作品の中「与五郎の妻」では
    神崎与五郎の前妻ゆいの再婚相手、江見甚右衛門の優しさに涙する。
    浅野家討ち入りの翌日、ゆいに対して前夫与五郎の2人の子と共に並び出て吉良邸から高輪泉岳寺に向かう義士の中にいる与五郎を見送ってやれと言ってやる。
    それが与五郎に

    0
    2021年11月11日
  • お順(下) 勝海舟の妹と五人の男

    Posted by ブクログ

    再び江戸に戻ってきた順。
    象山の仇討ちを思いながらも他の人に惹かれていく。
    順が見た激動の幕末。
    勝海舟の果たした役割など、見る側の方向を変えるとまた違う幕末が見えてくる。

    0
    2021年09月03日
  • お順(上) 勝海舟の妹と五人の男

    Posted by ブクログ

    勝海舟の妹から見る幕末。前編。
    初恋の人に添えるかと思いきや、佐久間象山の妻となる。 
    その事によりさらに幕末の混乱に巻き込まれていく。
    初めて江戸を離れる事になり、その後の人生はどうなるのか。

    0
    2021年08月31日
  • 王朝まやかし草紙

    Posted by ブクログ

    馴染みのない名前が、数多出てくるので、何度も、頁を戻したり、巻頭にある宮中人物関係図を、参照したりで、なかなか、進まず。

    それもそのはず、重要人物は、全て、作者のフィクションであるとの事。

    物語の、要になる、歌は後撰和歌集の中の「詠人知らず」の歌を用いる所等、流石、諸田玲子さん。

    類稀な美貌で、歌の才に秀で、宮中の公達と、次々と浮名を流したが、やがて、帝の寵を得、御子を孕ったところが、 火事に見舞われ、焼死したと言う、母親の、死の真相を調べる弥生。

    父親が、無実の罪を着せられ、公卿の子息から一転して、流浪の民となり、殿上人に恨みを抱いている、音羽丸。

    故事、慣例に通じて、「陶化坊の白

    0
    2021年07月16日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    源太夫の末娘の雪ちゃんがいじらしくて可愛い。
    季節が移ろうように、親から子へと命が繋がり、家族の形も変わっていく。子どもたちの成長は頼もしくもある反面、少しの寂しさも。
    遠い江戸の話だけれど、角を曲がれば弦巻川や鬼子母神が見えてきて、珠世さんに会えそうな気がする。

    0
    2021年06月25日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    諸田玲子さんの、さらっとした語り口に惹かれての購入。
    源太夫の登場する場面には生理的な不快感を覚えたけれど、これも著者の力量の発露か。
    後半100頁程が特によかった。

    0
    2021年05月24日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    お鳥見女房シリーズ3作目。3作目ともなると、登場人物たちにすっかり愛着も湧き、以前の話に出てきた人達にも再会できたりして、楽しめました。
    私が特に好きなのは、次男·久之助の親友でもあり、君江の想い人でもある菅沼隼人。好青年です。
    幕府隠密の任務のため、人を斬って以来、深い自責の念に駆られている伴之助にそっと寄り添う珠世さん。
    次作も楽しみです。

    0
    2021年04月06日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シリーズ第二弾。
    多津がすっかり母親に。
    珠世さんも相変わらず良き母、良き妻で、その心の在り方には背筋が伸びるような気持ちになりました。
    家業の御鳥見役となった長男·久太郎、次男であるがゆえに悩む久之助、格式高い旗本の家にお嫁に行った長女·幸江、少女から大人になりかけてきた次女の君江。
    子どもたちそれぞれに悩みがあり、それぞれに心を寄せる珠世さんはやっぱり素敵な女性だな。

    0
    2021年04月01日
  • 森家の討ち入り

    Posted by ブクログ

    忠臣蔵、物語として好きです。が、現代に生きていると正直なところ頷けないことも多いと感じます。
    『森家の討ち入り』は、理不尽なことにどうやって向き合うか、どう自分の人生を生きたいか、ということに対する登場人物の姿にぐっときます。人間っぽい。

    0
    2021年01月11日
  • 帰蝶

    Posted by ブクログ

    いわゆる信長婦人である濃姫を書いた小説は珍しいと思い、読み始めたが最初はちょっと違うなあ、と感じていた。
    やはり、女性ならではの視点ということで、妻として、母として、またひとりの女性として濃姫が描かれているからであると思われる。
    まあ、そう思って読み慣れてくると、そんなに違和感もなくなってくる。
    が、本能寺の変はまだしも、桶狭間とか姉川の戦いなど歴史的な戦をあまりにもスルーしすぎでは。
    そういうことがあった程度の触れ方には、ちょっと違和感。
    まあ、仕方がないかもしれないが、上下巻になってもいいので、もうちょっと膨らませてくれればもっと読み応えがあった感じがした。

    0
    2020年12月14日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ずっと気になってたシリーズ。面白かった!
    一家の母、珠世さんが素敵。どんな時も、物ごとの良い面を見る。見習いたいな。
    まだまだ気になることがたくさんあるので、続きが楽しみ。

    0
    2020年10月12日