諸田玲子のレビュー一覧
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惹き込まれるように読んだ。読んでる間、江戸の町が確かにあった。
北斎を題材にした作品の「さらやしき」
笑いと明るい気分が味わえる「梅川忠兵衛」。「しのぶ恋」は心情を鮮やかに描く。
人生のロマンは誰にでもある。日々生きている日常の中に。
自由とは選択の自由だと思う。どんな気持ちを選ぶのか。
その気持の選択に誇りと自信を持てた時に人は自由を手にするのだろう。
辛い気持を振り切った時に嫉妬にあえぐ心をなだめすかすのではなく、その嫉妬には訣別した時に誰が認めなくても自分を認められるのではないだろうか。
「深く忍恋」のおりきは1本、筋が通っているように思う。 -
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お鳥見女房の第2弾。第1弾は作品や登場人物の紹介的な短編集だったが、第2弾からいよいよ主題に入ってきた。前回少しばかり顔を出してきた水野忠邦も存在感を増してきた。(あまり良い印象ではないが…鷹のように例えられている)
鳥見役というのは隠密の任もあるようで、珠代の夫は隠密仕事で1年近く音信不通になっている。そこへ家族やら居候やらが赴任先へ様子を見に行くのだが…
何しろ登場人物が多いが、2作目になるとそろそろ誰が誰だか分かってきた。
話として好きなのは、まあどれも良い話だったが、「緑の白菊」かな。君江(次女)の気持ちが可愛らしく、その成長が楽しい。
また、もう恋する気持ちを失っている私には、珠代が夫を待つ気持ちが新鮮で、懐かしい気もする。 -
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禁裏での出費増大疑惑を探索するため、女隠密が下級公家の家に嫁として潜り込むなんて、アニメや映画ドラマの世界の話かと思っていたが、史実としてあったそうだ。
著者はその史実に基づき、作家の創造力を駆使し、時代ミステリーに仕上げた。
その探索も、楠の実が熟すまでと期限が設定され、タイムリミットサスペンスともいえるし、公家の家に幽閉されている主の弟とは何者なのかとの謎もある。
何にも増して、ヒロイン利津が、嫁いだ公家の康昆に次第に心を寄せることになり、隠密仕事との狭間で苦悩する様に恋愛小説の面もあり、見事なエンターテイメントになっている。
映画化やドラマ化すれば、きっとヒットするのではないか。その場合のヒロイン役は・・・ -
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主人公原菜蘋=みちは、秋月黒田藩の儒学者原古処を父に持つ実在の人物で、父亡き後、江戸へ出て勉学に励んだ女流漢詩人だとか。
彼女の詳細に綴られた日記に何故か空白部分があることから、著者は作家の想像力と創造力を駆使し、藩のお家騒動を絡ませた歴史ミステリーに仕上げた。
黒田藩の継嗣問題で父と兄から密命を帯びたみちは、男装して江戸へ向かう。
途上、頼もしい味方や反対派の追っ手、さらには敵か味方かわからない同行者もあり、危難の連続にRPGのようなロードノベルの面白さ(著者には、同じくロードノベルともいえる時代小説『闇の峠』が合ったことを思い出す)。
江戸の着いてからも、幕府老中たちの権力争いに翻弄され、果たしてみちは本懐が遂げられるのか、わくわくドキドキの連続。サスペンス満開で、エンタメの醍醐味が満喫される。
史実にフィクションを織り交ぜ、大胆なエンタメ作品に仕立てた著者の手腕に賛歌。
秋月藩の名に記憶があったと思っていたら、葉室麟氏の『秋月記』があった。猷tという名で記されている漢詩人が菜蘋=みちだろう。 -
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代々お鳥見役を務める矢島家は現当主の妻、しっかり者の珠世が中心となって回っている。
「千客万来」
仇と狙われている源太夫は5人の子供を引き連れて、昔ほんの少々の縁があった矢島久右衛門を頼ってやってきてしばらく逗留することになる。男を仇と狙う沢井多津もひょんなことから同じ久右衛門の家に宿を借りることになる。すぐにお互い仇と狙い狙われるものだと察するが。なんとも不思議な縁と言える。
「柘榴の絵馬」
子供を失った母親の悲しみ行くばかりか。
5人の子を持つ源太夫を多津が撃てばその子らは父親を失った多津と同じ悲しみを背負うはず。
仇討ちなどおやめなされ。
「恋猫奔る」
人が恋する季節はいつなのか。
矢島家に次々と起こる恋の季節は複雑に絡み合っていた。
「雨小僧」
七度探して人を疑へとは子供の頃に教えられたが、人を見たら泥棒と思えと比べてどちらが役に立つのだろう。
「幽霊坂の女」
女心を弄んではいけません。
そして女の怨念を甘く見てはいけません。
松原市之助はその姿形の良さのためかえって女性の恨みをかうことに。
男たるもの、女性にモテるなどと思い上がってはいけませんね。
「忍び寄る影」
お鳥見役の仕事のうちに他藩を探る探索があり、かなり危険な役目で矢島家の先先代も役目のうちに命を落とし、息子も同じ探索の役目を賜りなんとか生きて戻り隠居をしているがその息子の現当主にも同じ役目が回ってきてしまった。
「大鷹狩」
P300
「子供たちだけがあっけらかんとした顔で飯をかきぉみ〜」
この内容で「あっけらかん」は誤用ではないか。
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ネタバレ2003年の同名の単行本、2006年の文庫の4章に、書き下ろしの1章を加えたもの。
現代でも重い妊娠中絶を正面から扱った時代小説で、あさのあつこの”闇医者おゑん”シリーズと同じ葛藤が描かれる。
元藩医で町医者の六左衛門の娘である江与は裏口に「中條流」ののれんを掛けて、中絶が必要な女たちを助けていた。
時は天保の改革の風紀引き締めで、岡場所の廃止、女髪結や三味線の師匠などの禁止に続き、女医者(婦人科)の禁止が検討されていた。
事件はたくさん起きる。禁止されている奉公人同士の恋愛で妊娠した女中が相談に来たが、首をつってしまう。役者に熱を上げた奥女中が相談に来て、江与はもてあそんだ役者を懲らしめる。遊女が間夫に会うために江与には妊娠を告げず出産のために郭外へ行き心中死する。連続嬰児誘拐事件の犯人は貧困のために中絶した女で、江与と妹が子供を救う。夫の出世のために有力者に身を任せた武家の妻が妊娠し、江与が相手に妊娠を告げるべきだと諭して返したものの相手に殺されたらしく、夫は真相を知って果たし合いをするが、返り討ちに遭い相手も抹殺される。このとき江与は惹かれ合う同心の津田清次郎と立ち会い、その夜結ばれるのだが、津田には妻子が居る。
江与は17歳の時に旗本の三男と恋をして妊娠するが、旗本の家から遣わされた医者によって中絶させられ、子供が産めない体にされた過去があり、女性を守るために女医者になっていた。最後の事件はそれを明らかにするために後から付け加えられたもので、長崎遊学中に死んだ恋人の友人の犯罪は本筋の中絶問題とは外れている。
脇役である岡っ引きの梅蔵と貧困からかっぱらいの問題児だった平吉が、いい味を出す役どころだ。 -
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「諸田玲子」の連作時代小説『あくじゃれ 瓢六捕物帖』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています。
-----story-------------
牢屋敷に捕らわれの身の「世之介」ばりの色男「瓢六」と、無骨な同心「篠崎弥左衛門」との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚
絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの「瓢六」が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に「瓢六」の知恵を借りるため、与力「菅野一之助」は日限を切っての解き放ちを決める。
不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」との二人組による痛快捕物帖。
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1999年(平成11年)から2001年(平成13年)に、文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に発表された「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズの第1作… 連載当時は『あくじゃれ瓢六』というタイトルだったようですね。
■地獄の目利き
■ギヤマンの花
■鬼の目
■虫の声
■紅絹の蹴出し
■さらば地獄
■解説 鴨下信一
口も達者なら、手もはやい、「世之介」ばりの色男… しかも阿蘭陀(オランダ)語をあやつり博覧強記、さらに長崎で唐絵目利きを務めていたという、「瓢六」こと「綺羅屋の六兵衛」、、、
牢屋敷にとらわれの身ながら、堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」や情婦の「お袖」と共に難事件をつぎつぎ解決してゆく… スカッと痛快、時代小説連作集。
着想が面白い痛快な捕物帳… 風采が上がらない男やもめの北町奉行所定町廻り同心「篠崎弥左衛門」と、対照的に色白細面で役者のような男前の悪党「瓢六」を中心とした登場人物のキャラクター設定が魅力的な作品でした、、、
「瓢六」が、小伝馬町の牢から1か月ごとに出たり入ったりするという設定は、実際には有り得ないんでしょうけどね… まっ、エンターテイメント作品だと割り切ることができれば、そこまで気になりませんでしたね。
以下、主な登場人物です。
「瓢六」
目利き上がりの博徒、入牢中
「篠崎弥左衛門」
北町奉行所の定廻り同心
「お袖」
芸者、瓢六の女
「八重」
賄い組頭の娘、弥左衛門の見合い相手
「菅野一之助」
弥左衛門の上役与力
「雷蔵」
牢名主、元力士 -
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「諸田玲子」の連作時代小説『あくじゃれ 瓢六捕物帖』を読みました。
ここのところ、時代小説が続いています。
-----story-------------
牢屋敷に捕らわれの身の「世之介」ばりの色男「瓢六」と、無骨な同心「篠崎弥左衛門」との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚
絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの「瓢六」が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に「瓢六」の知恵を借りるため、与力「菅野一之助」は日限を切っての解き放ちを決める。
不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」との二人組による痛快捕物帖。
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1999年(平成11年)から2001年(平成13年)に、文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に発表された「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズの第1作… 連載当時は『あくじゃれ瓢六』というタイトルだったようですね。
■地獄の目利き
■ギヤマンの花
■鬼の目
■虫の声
■紅絹の蹴出し
■さらば地獄
■解説 鴨下信一
口も達者なら、手もはやい、「世之介」ばりの色男… しかも阿蘭陀(オランダ)語をあやつり博覧強記、さらに長崎で唐絵目利きを務めていたという、「瓢六」こと「綺羅屋の六兵衛」、、、
牢屋敷にとらわれの身ながら、堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」や情婦の「お袖」と共に難事件をつぎつぎ解決してゆく… スカッと痛快、時代小説連作集。
着想が面白い痛快な捕物帳… 風采が上がらない男やもめの北町奉行所定町廻り同心「篠崎弥左衛門」と、対照的に色白細面で役者のような男前の悪党「瓢六」を中心とした登場人物のキャラクター設定が魅力的な作品でした、、、
「瓢六」が、小伝馬町の牢から1か月ごとに出たり入ったりするという設定は、実際には有り得ないんでしょうけどね… まっ、エンターテイメント作品だと割り切ることができれば、そこまで気になりませんでしたね。
以下、主な登場人物です。
「瓢六」
目利き上がりの博徒、入牢中
「篠崎弥左衛門」
北町奉行所の定廻り同心
「お袖」
芸者、瓢六の女
「八重」
賄い組頭の娘、弥左衛門の見合い相手
「菅野一之助」
弥左衛門の上役与力
「雷蔵」
牢名主、元力士 -
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赤穂浪士討ち入りの義士の中に、浅野家家臣としては新参者といえる3人がいた。
いずれも大名家津山森家の家臣。
神崎与五郎、茅野和助、横川勘平。
彼らはなぜ義士に名を連ね命をかけたのか。
松の廊下刃傷沙汰に対する不公平な沙汰への浅野家家臣としての憤りだけではなかったのではないか。
森家当主となった長直の、3人に対する思いやりが作品に流れている。
作品の中「与五郎の妻」では
神崎与五郎の前妻ゆいの再婚相手、江見甚右衛門の優しさに涙する。
浅野家討ち入りの翌日、ゆいに対して前夫与五郎の2人の子と共に並び出て吉良邸から高輪泉岳寺に向かう義士の中にいる与五郎を見送ってやれと言ってやる。
それが与五郎にとって何よりの褒美になる、と。