諸田玲子のレビュー一覧

  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    【収録作品】「祭りぎらい」 西條奈加/「天下祭」 諸田玲子/「関羽の頭頂」 三本雅彦/「往来絵巻」 高瀬乃一/「氏子冥利」 宮部みゆき

    祭りをテーマにした時代小説アンソロジー。
    「天下祭」はわからないが、それ以外は、いずれもシリーズものの一篇。単行本未収録の新しい作品と思われる。
    「祭りぎらい」は「狸穴屋お始末日記」シリーズ。
    「関羽の頭頂」は「運び屋円十郎」シリーズ。
    「往来絵巻」は「貸本屋おせん」シリーズ。
    「氏子冥利」は「三島屋変調百物語」シリーズ。
    シリーズとして続いている作品ということで、さすがにどれも面白い。とはいえやっぱり、宮部みゆきは別格かな。

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    2024年04月18日
  • 恋ほおずき 完全版

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    禁忌である「子堕ろし」を生業とする「女先生」と
    取り締まる側の同心とのかなうはずもない恋

    「ほおずき」は根っこを煎じて堕胎に使うらしい

    人情ものとしてはかなり切ない

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    2024年04月04日
  • 麻阿と豪

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    前田利家とまつの娘、4女の豪姫、前田利家の側室の子と言われている3女の摩阿姫。
    秀吉の養女として幼少期から大切に育てられてきた豪姫と、豊臣と前田との質としての意味合いもあり秀吉の妻となった麻阿姫。
    麻阿姫の出自を浅井久政と公家の橋本家の姫、佳代との子供という設定で、本書は進行していく。
    この二人を書いた小説はなく、なかなかに興味深い。

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    2024年02月05日
  • ちよぼ―加賀百万石を照らす月―(新潮文庫)

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    ■女性の作家が女性の登場人物の視点で書く歴史小説。但し、時代が行ったり来たりするので少し戸惑いがある。
    ■加賀百万石初代前田利家に見初められ、側室となって後の第3代藩主の生母として活躍する女性の物語。ちよぼがとにかく、面倒見がいい。
    ■帯に「利家とまつ、そして知られざる女傑」とあるが、それ程勇ましい描写は作中にない。副題の「加賀百万石を照らす月」には、本を読むと意味がわかる表現だ。

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    2023年10月09日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    将軍の鷹狩に用いる鷹や鷹場の管理をするお鳥見役。その役に代々ついている矢島家の内儀珠世。
    ある日父を訪ねてきた浪人を居候させる事になったが、彼には五人もの子供がいた。しかも彼を親の仇と狙う女剣士が現れ、彼女も居候させる事に。
    その上夫が仕事で出掛けた沼津で行方不明になる。
    珠世が浪人一家に振り回されながらも持ち前の朗らかさで受け入れていく。
    いつも優しく明るく逞しい珠世と家族の物語。
    大きな事件がおきるでもないので少し物足りなさがあるかな。

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    2023年09月27日
  • 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂

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    夫を失った結寿が先の自分の人生の道を、行ったり来たり迷いながら、道三郎と再婚に至る話。ハッピーエンドです。もしや最初から決まってたのかしら

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    2023年07月15日
  • 帰蝶

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    気まぐれで純粋ゆえに一旦怒ると手がつけられないが、帰蝶にだけは甘え信頼する。「麒麟がくる」の信長みたいだと思いながら読んだ。

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    2023年10月03日
  • 女だてら

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    朝日新聞の書評で紹介されていたので、読んでみました。
    秋月の漢詩人 原故処の娘みちは、密命を帯びて、若侍に姿を変え、京から江戸へ。
    実在した漢詩人・原采蘋(みち)を案内役に、秋月黒田家お家騒動を描く。
    名君と言われる八代藩主長舒は、学問を奨励したり、有能な人材を召し抱えたり、新しい産業を保護したりと進歩的な政治を推し進めたが、藩の財政負担が大きく、亡くなった後の騒動に繋がった。
    名君と言われても、いつでも陰陽両面がある。

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    2023年05月28日
  • 今ひとたびの、和泉式部

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     和泉式部の伝記小説としてはまずまずの面白さだったと思う。しかし私は若い頃からずっと永井路子や杉本苑子の歴史小説の大ファンだったので、情熱の歌人の物語にしては熱量が足りないと感じてしまう。「取り憑かれた人」が何人も登場するのに、誰も取り憑かれているようには感じられなかったのが残念。
     それとは全く別の理由で、この著者の作品はもう二度と読めないと思う。単純に、この人のいくつかの単語の表記が好みに合わなくて苦痛だから。若い頃はそんなことを気にもせずにガシガシと貪欲にむさぼり読めたものだが、つくづく年を取った……

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    2023年03月21日
  • 麻阿と豪

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    前田家の姉妹の生涯を激動の歴史の中で描き、男たちの戦いの陰で賢く逞しく生き抜く姿に光を当てた。麻阿のことは知らなかったので興味深かったです。

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    2023年03月09日
  • 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂

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    「叱らなくても、あいつは十分に肝を冷やしたろう。そうやって、ひとつひとつ学んでゆくのだ。自分になにができるのか、どこまでなら許されるのか」

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    2023年02月22日
  • 麻阿と豪

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    前田利家の娘を描く歴史小説。

    主人公は三女の麻阿(一般的には摩阿姫)と四女の豪です。
    宇喜多秀家の妻になる豪はこれまでも小説やドラマで取り上げられていますが、麻阿については昔の大河ドラマ「おんな太閤記」くらいしか覚えが無かったので新鮮な感じでした。
    豪の方はドラマには時々登場しますし、小説でも宇喜多秀家の妻としても最近の宇喜多ブーム?でよく目にします。
    豪の秀家との別れは物語としてうまく盛り上げられていたと思いますが、麻阿の出自や最後はオリジナルなフィクションのようだったのがちょっと残念でした。
    とはいうものの、公家の橋本家や万里小路家との関係から自分の知らなかった当時の公家の史実が勉強でき

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    2023年02月04日
  • 天女湯おれん

    購入済み

    江戸下町風景

    江戸下町風景を描いたエンターテイメント小説としては評価できる。しかし私がこの作家諸田玲子を知る切っ掛けになった、末世炎上や髭麻呂のような平安朝ものと比べて、深みがなく通り一遍のありふれたストーリー展開のような気がする。江戸下町の風呂屋の描写に、某藩のお家騒動、それに艶ものの組み合わせであるが、某藩のお家騒動は踏み込み不足、艶モノはまあ付け足しのような気がする。

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    2023年02月02日
  • 帰蝶

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    帰蝶が主人公の本、今まで読んだことがなかったなあ。
    それにしても信長がひどい描かれようだったし、(著者が嫌いだからといっても、全面にだしすぎかなあ)けちょんけちょんやな。
    徳姫の自分の恋を成就させることしか考えず、思い立ったら後先考えず行動起こして突っ走る感じ、ひどいなあと思いながら読む。
    本能寺の変へ至る説は面白かった。

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    2022年10月01日
  • 奸婦にあらず

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    厚くて時間かかりましたが、読みやすく面白かった。
    休日つぶしちゃったけど笑
    井伊直弼ってひどいやつというイメージだったけど、違う見方ができた。

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    2022年08月28日
  • 其の一日

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    連作短編集、といってもテーマは運命を変えた一日を取り扱ったもの。変わってはいるが、なかなかに、なかなかである。素晴らしい。

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    2022年08月24日
  • 尼子姫十勇士

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    2022.7.18完了
    途中からだらけてしまった。内容にしては長すぎる描写。
    読みづらい訳ではないけれどダラダラしているイメージ。
    戦の描写は省かれているが、それがかえって緊張感をもたらさないのではなかろうか。
    戦の描写はなくても構わないのだが、イマイチ入ってこない。再興軍なだけに不足な気がする。

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    2022年07月19日
  • 帰蝶

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    織田信長といえば 
    かなりドラマとかにも なっているので 
    時代小説は 名前を読むだけでも苦戦する私には
    この本は 読みやすかったです。

    しかも、この本は 信長の正室を中心に描かれていました。
    謎多き 正室の人生とは。。。。

    昨年旅行で 安土城の模型を見ていたので
    城の中を描いているシーンは
    とても わかりやすく読めました。

    このあたりって 事実も色々わかってるけど、
    わからない部分も多いから 小説にしやすいのでしょうね~~

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    2022年06月11日
  • 旅は道づれ きりきり舞い

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    祝言でも大騒ぎ。奇人に囲まれた舞が、その尻拭いに奔走させられるのは、いつもの事。そんな奇人達が、今度は、駿府まで東海道を旅する。大騒動必至。
    奇人は、人情に厚い。だからか、奇人に囲まれた者も、奇人に染まっていくようだ。

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    2022年04月17日
  • 相も変わらず きりきり舞い

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    奇人に囲まれ、きりきり舞いする一九の娘の舞。玉の輿を夢見るが、踊りの師匠になるなど、望みとは反対方向に。奇人の後始末にきりきり舞させられず、自分のしたいことができる日は、いつやってくるだろう。奇人でも父親は娘の幸せを願っている。

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    2022年04月03日