諸田玲子のレビュー一覧
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【収録作品】「祭りぎらい」 西條奈加/「天下祭」 諸田玲子/「関羽の頭頂」 三本雅彦/「往来絵巻」 高瀬乃一/「氏子冥利」 宮部みゆき
祭りをテーマにした時代小説アンソロジー。
「天下祭」はわからないが、それ以外は、いずれもシリーズものの一篇。単行本未収録の新しい作品と思われる。
「祭りぎらい」は「狸穴屋お始末日記」シリーズ。
「関羽の頭頂」は「運び屋円十郎」シリーズ。
「往来絵巻」は「貸本屋おせん」シリーズ。
「氏子冥利」は「三島屋変調百物語」シリーズ。
シリーズとして続いている作品ということで、さすがにどれも面白い。とはいえやっぱり、宮部みゆきは別格かな。 -
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前田利家の娘を描く歴史小説。
主人公は三女の麻阿(一般的には摩阿姫)と四女の豪です。
宇喜多秀家の妻になる豪はこれまでも小説やドラマで取り上げられていますが、麻阿については昔の大河ドラマ「おんな太閤記」くらいしか覚えが無かったので新鮮な感じでした。
豪の方はドラマには時々登場しますし、小説でも宇喜多秀家の妻としても最近の宇喜多ブーム?でよく目にします。
豪の秀家との別れは物語としてうまく盛り上げられていたと思いますが、麻阿の出自や最後はオリジナルなフィクションのようだったのがちょっと残念でした。
とはいうものの、公家の橋本家や万里小路家との関係から自分の知らなかった当時の公家の史実が勉強でき -
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江戸下町風景
江戸下町風景を描いたエンターテイメント小説としては評価できる。しかし私がこの作家諸田玲子を知る切っ掛けになった、末世炎上や髭麻呂のような平安朝ものと比べて、深みがなく通り一遍のありふれたストーリー展開のような気がする。江戸下町の風呂屋の描写に、某藩のお家騒動、それに艶ものの組み合わせであるが、某藩のお家騒動は踏み込み不足、艶モノはまあ付け足しのような気がする。