諸田玲子のレビュー一覧

  • きりきり舞い

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    曲亭馬琴、頼山陽、歌麿、写楽、応挙等多くの文化人が活躍する文化文政時代。
    中でも多作の十返舎一九や北斎は作品に没入するため、奇行が多かったのだろう。
    そんな父親の面倒を見る娘は、きりきり舞させられる。奇人に囲まれた一九の娘。奇行よけのおまじないを唱えながら、懸命に生きる。

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    2022年03月27日
  • 元禄お犬姫

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    時は元禄、「生類憐みの令」の綱吉の時代。
    どんな犬をも手なずけてしまうという、お犬姫を主人公にした連作短編。
    盗賊お犬党あり、仇討話あり、赤穂浪士討ち入りありと、エンタメ色満載。
    主人公の名前が知世となっており、年齢性格等に違いはあるが、『お鳥見女房』シリーズの珠世を思い出させる。

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    2021年08月15日
  • 幽霊の涙―お鳥見女房―

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    結局は礼も弁明もしないまま出てゆくことになってしまった。後ろめたく、心苦しい。しかし一方では、これでよかったのだ、とも思った。なにを言っても、いや、言えば言うほど、二人を苦しめるだけだろう。

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    2021年07月11日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    珠世や多津の訓育があって、今では武家の子供らしく神妙な顔で小言を聞くーーふりをするだけの礼儀はわきまえていた。

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    2021年07月08日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    「これで寂しくなくなるかしら?」
    「箱のなかが真っ暗でも?」
    「身動きができなくても?」
    「ふうん」
    「小母さま……」
    「ううん……なんでもない」

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    2021年07月08日
  • 今ひとたびの、和泉式部

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    恋多き女、浮かれ女と称される「和泉式部」の半生を描いた作品

    平安時代の女性は、ひたすらに出世やお金の道具だったのだなぁと。
    その反面、性に関しては軽く、貪欲でもあり
    そのギャップが不思議

    時代と男達の欲に翻弄された歌人。

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    2021年06月27日
  • 梅もどき

    購入済み

    梅もどきの実

    梅もどきは雌雄別株で花も違うし実も雌株にしかならないのだそうです。そう思うと本田正純と妻の梅二人の生きざまと重なって見えてきます。歴史上の人物が数多く登場するので、私的には咀嚼にいつもより時間がかかりました。けれど冒頭から登場する蟄居中の正純の世話をしている「キク」も魅力ある脇役の一人です。歴史的背景も踏まえてゆっくり読みたいお薦めの一冊です。

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    2021年05月09日
  • 帰蝶

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    大河ドラマ「麒麟がくる」で、沢尻エリカが演じるはずだった帰蝶(濃姫)。
    本能寺の変のあとも長く生きていたとは知らなかった。道三の娘で信長の正妻、明智光秀と旧知の仲、まさに歴史の真ん中で翻弄された人生で、何を考えて生きていたのか。

    本書では、彼女はあまり表舞台には出ないけれど、多くの側室やその子供たちをまとめ上げ、夫を支える聡明な女性として描かれている。
    本能寺の後、女性や子供たちが命からがら城を出る場面や、光秀の妻子を思いやるようなシーンも出てくるが、武将たち中心の戦国歴史ものと違って、淡々と現実を生き抜く女性の目線は新鮮に感じた。

    あとがきで、作者は信長が嫌いだと言っている。ながい日本の

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    2021年01月01日
  • べっぴん あくじゃれ瓢六捕物帖

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    瓢六が二人を助けるのかと思ったけど、あっさり終わって残念。
    最後まで後手に回っていいところなしでした。

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    2020年10月18日
  • 尼子姫十勇士

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    かつて山陰地方を治めていながら、毛利家に滅ぼされた尼子家。
    尼子一族の末裔スセリとその息子・勝久を担ぎ上げ、尼子の元家臣達が御家の再興を願って、毛利家に立ち向かうべく決起します。
    本来カリスマ性を発揮して皆をまとめるべき立場のスセリが、再興軍の大将・山中鹿介との恋に溺れてしまっているせいか、わきが甘く敵方の忍びにやりたい放題にかき回されて、敗戦を重ねる再興軍。
    後半は、魂が入れ替わったり、黄泉の国へ行ったり、伝奇ファンタジー要素が強くなっております。
    やはり、出雲という土地柄の神秘性もあるのかな、と思います。
    主役のスセリはちょっと恋愛が過ぎましたが、他の女性キャラ・・女介、黄揚羽、猫目、イナ

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    2020年07月26日
  • 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂

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    ネタバレ

    久々の、シリーズ第四弾。

    相愛だった道三郎との恋を諦めて、小山田家へ嫁いだ結寿。
    時は流れ、娘の香苗もすくすく育っています。
    ところが、“予期せぬ出来事”が婚家を襲い、またまた結寿に転機が訪れます。
    前巻でも小山田家は受難でしたが、続けて今回の件・・まさかこんなにサラッと万之助さんが亡くなるとは・・。
    そして、狸穴町の祖父のもとに出戻った結寿は、愛娘を攫われたり界隈に起こる事件のことで、道三郎と協力し合う事に。
    成長した小源太や彦太郎も、結寿と道三郎をくっつけようと懸命です。
    そして、ついに・・「ずいぶん待った。もういいだろう」という道三郎の台詞は結寿でなくてもグッときますね。
    お幸せに!

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    2020年05月30日
  • 王朝まやかし草紙

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    ネタバレ

    舞台は平安時代。宮中の権力闘争と愛憎劇を題材にしたミステリー。
    意外な展開もあって面白かったけど、真相がはっきりしないところもあった。特に気になったのが、
    ①山吹の首に琵琶の弦が巻き付いていたのは何故か。
    ②琵琶の中に柘榴石が入っていたのは何故か。
    あの人の関与をほのめかしながらも、あえてはっきり書かなかったのかな~とは思うが、ちょっと消化不良な感じがする。

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    2020年01月03日
  • 今ひとたびの、和泉式部

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    和泉式部といえば、恋多き女。次々と恋人を替え、情熱的な恋の歌を数多く詠んだ歌人。

    とりわけ、漫画の「和泉式部日記」の印象が強く、弾正宮と帥宮との恋愛のところしか知らなかった。

    その後も何人かと恋をしていて、その結末がこのお話では驚く形で結ばれていた。
    平安時代の小説はまだまだいろいろな形があるものだなーと思った。

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    2019年09月23日
  • 尼子姫十勇士

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    戦国時代尼子氏の興亡を素材にしたホラー,ファンタジー.十勇士はともかくとして神話を混ぜ込みながら荒法師の祟りやオロチまで登場して最後は何かよくわからない世界に行ってしまった.スセリと鹿介はいいとしても,ナギやイナダのその後にも触れて欲しかった.黄揚羽や猫女など魅力的な人たちもいるのだが,主人公に魅力がなかったのが残念だ.

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    2019年07月17日
  • 尼子姫十勇士

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    「我に艱難辛苦を与え給え」と言ったといわれる戦国時代の尼子の武将・山中鹿介たちの尼子再興の戦いを描いたファンタジー小説。

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    2019年07月05日
  • 遊女のあと

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    なかなかのヴォリュームでしたが、楽しんで読めました。

    質素倹約を強いる幕府に対抗して、遊興を奨励し空前の繁栄を見せる“夢の都”・名古屋で出会うこなぎと、鉄太郎。
    二人の事情に絡んでくる、背後の対立関係が結構複雑なのが難ですが、こなぎと鉄太郎が惹かれ合う姿にヤキモキ、ドキドキと心躍らせていました。
    ラストは夢から現実に戻ったような、少々寂しさを感じさせるものでしたが、この結末で良かったんだな、と思います。

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    2019年06月04日
  • 心がわり 狸穴あいあい坂

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    シリーズ第三弾。

    道三郎への思いを秘めたまま、小山田家へ嫁いだ結寿。

    婚家に降りかかった災難を機に、小山田家の嫁として生きていく覚悟を決めたのは、結寿の成長ともいえますが、何とも切ないと思ってしまいます。

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    2019年06月01日
  • 恋かたみ 狸穴あいあい坂

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    シリーズ第二弾。

    惹かれあう結寿と道三郎ですが、結寿に縁談が持ちあがります。
    障害をクリアできないまま、着々と縁談は進んでいき…。
    現実的な選択をせざるを得ない結寿ですが、つのる未練にどう向き合っていくのか。切ないですね。

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    2019年05月29日
  • 狸穴あいあい坂

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    ひょんなことから知り合った、元火盗改の祖父と暮らす結寿と、隠密回り同心の妻木道三郎。
    協力して事件を解決していくうちに二人は惹かれ合うのですが、火盗改方と町方は仇敵の間柄という事で、ロミオとジュリエットばりの障害を乗り越えられるのか、恋の道行きが気になります。
    大家で口入屋の息子の小源太や、道三郎の息子・彦太郎など、子供達も良い味出してます。

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    2019年05月26日
  • 尼子姫十勇士

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    身内を粛清してまで生き延びたにもかかわらず毛利という縁もゆかりもない侵入者に領地を奪われ壊滅させられた尼子家。再び月山富田城に自ら立つことを夢見ながら尼子再興を願い大義に酔いしれた男たちと女たちの物語。怨嗟、裏切り、愛、悲哀、様々な感情を味わわせてもらった。いろんな意味で人は変わっていく。非常な残酷さの中に人の本質を見る。久しぶりに信長の野望で尼子家を再興してみたくなった。

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    2019年05月25日