諸田玲子のレビュー一覧

  • 狸穴あいあい坂

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    かわいいです。ベタベタであざといところも含めてかわいいです。堅物のおじいさん、お調子者の奉公人、可憐で芯の強い主人公と、友達以上恋人未満のお侍さん。

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    2014年12月30日
  • 奸婦にあらず

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    幕末の裏面史で暗躍した村山たか女を主人公に、史実とフィクションを巧みに融合した歴史小説。
    ひたすら、井伊直弼を慕い、己のすべてを愛する人に賭け、幕末の風雲を駆け抜けた女主人公の活躍に、清々しさを感じながら、620頁も、たちまち読み終えた。
    とかく、勝者が正しく、敗れた者は悪となるのは、歴史の必然であり、井伊直弼などその筆頭といえる。
    しかし、この小説で井伊直弼は、主人公たか女がひたすら愛して、志を同じくする理想家として描かれる。
    同じ視点に立った作品に、船橋聖一の「花の生涯」がある。だいぶ以前に読んでいるが、再読してみたくなった。

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    2014年10月14日
  • 奸婦にあらず

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    井伊直弼といえば、安政の大獄。蒸気船に刺激されて巻き起こった尊皇攘夷の声を幕藩体制の危機と捉えた大老は、志士即ち活動家たちを断罪しつつ、水戸斉昭派の大名や公家を失脚に追い込む。安政の大獄は暫時、幕政の崩壊を食い止めた。しかし、弾圧に対する激しい反発からテロリズムが蔓延し、幕末は新たな産みの苦しみのフェーズへと進んでいく。

    その井伊直弼をどう描くか。頑迷な保守主義者、世間知らずのお殿様、血に飢えた独裁者・・・敵役としてはこのようなイメージが定着しているけれども、主人公のキャラクターの設定は歴史作家の力量が問われるところ。諸田さんは埋木舎の15年に着目し、そこから物語を展開していく。

    井伊直弼

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    2014年09月15日
  • 青嵐

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    ネタバレ

    死んだふたりが、あの世から現世を眺めたり、時間を遡って若き日の自分たちを眺める。ありがちといえばありがちな構成だけれど、こんなラストに繋がろうとは。なんでこいつら気付かねェんだ? と思っていたら…。五馬鹿の呆気にとられた顔と、次の瞬間の破顔が目に浮かぶ。(2014-07-27L)(2014-08-17L)

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    2014年08月24日
  • 幽霊の涙―お鳥見女房―

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    久々のお鳥見女房。いつも、読んでいる時も、読み終わっても、心がホッとする好評シリーズ。
    娘に「胸が張り裂けそうに悲しいことでも、十年たてば思い出になるものですよ」と、語りかけるやさしさ、常に「あきらめてはならぬ、前を向いてさえいれば、物事はよいほうへ動いてゆく」を心持としている、主人公珠世のキャラクターが魅力的。時代物だからこそ描けるホームドラマといえようか。

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    2016年06月16日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    シリーズ初めてのお鳥見女房登美の登場だ 2001年版の表紙絵がいい
    命で旅に出る夫を見送る妻が好い
     五人の子持ちの寡夫の源大夫を父の敵と狙う多津がいつの間にか登実に取り込まれて 源大夫とまさかの結婚なんて面白い取り合わせだな 

    お鳥見役の影の勤めが暗いが来るものを拒まずのノー天気な登実のおかげでとかく肩がこらない楽しい読み物だ 拍手

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    2013年07月12日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

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    全然性格も身分が違う鷹匠の娘恵似に惹かれていく矢島家の長男久太郎 そして結婚
    おめでたいお話  二人の結婚に恨みを抱く伊佐という娘が腹下りの薬を盛りに来るのも御愛想だな
    矢島家の女主人珠代がピカ一だなおせっかい焼の登実がワサビだな
    とかく面白いわ 一息に読んじゃった 

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    2013年07月12日
  • 黒船秘恋

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    なぜか色っぽい。

    とっても面白かったです。

    ありがとうございます。

    (H25.5 図)

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    2013年07月02日
  • 遊女のあと

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    ネタバレ

    徳川吉宗の時代、九州のある漁村の女房が、夫が助けた異人を連れて名古屋へ向かう。
    同じ頃、江戸の武士が女房をかどかわされた女敵討ちのために名古屋へ向かう。
    果たして異人を名古屋へ呼び寄せたのは一体誰で、どんな思惑があったのか。
    女房を連れていったと思われる宗春に敵討ちができるのか。

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    2013年04月21日
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

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    同作家の「お鳥見女房」シリーズに比べると幾分ダークで、男性向けかな、と思われる作品。瓢六は魅力的なキャラクターである。連作短編でそれぞれ独立したミステリーになっているが、その中で瓢六と弥左衛門の関係が変化していくのはなかなか面白い。

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    2013年04月17日
  • 思い出コロッケ

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    読者の年代によって評価が分かれると思う。私はぎりぎりオッケーな年代。すごくストライクな作品もあってドキリとした。

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    2013年02月25日
  • 楠の実が熟すまで

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    まるで時代劇版女007である。いや、活劇アクションもなければ新兵器もボンドガール(ボーイ)も出ないけれど。
    禁裏の口向役人、御賄方の不正出費を暴くため京、西町奉行として遣わされた御目付山村信濃守のもと、放った密偵は尽くが殺害された。
    最後の手段として隠密御用として公家御取次衆高屋家へ嫁入りし内偵捜査をすることに。期限は初冬、楠の実が熟すまで。主人公利津は、役目を果たし、謎を解いて御用を全うできるのか。
    緊張感あるタイムリミットサスペンス。

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    2012年12月29日
  • 遊女のあと

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    時代小説。謎の偉人を助けるため、一緒に家を出る漁師の女房こなぎと、妻に逃げられた江戸の武士の鉄太郎が、名古屋で出会う。こなぎのいさぎよさがとてもかっこいいし、一途でいじらしい。

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    2012年10月20日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    源太夫たちが幸せになり、珠世さんの子たちも大人になってゆく。この家族のあり様は本当に理想だなぁと。読んでいて幸せになれる。

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    2012年10月15日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    すべてが大団円の物語とはいかないのが人生。けれど、それでも温かい。珠世さんのえくぼに皆が救われている気がします。

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    2012年10月15日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    諸田さんが描く人情ものは、ほっこりと優しい気持ちになれるから大好き。登場人物がみな、魅力的であたたかい。

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    2012年10月15日
  • 誰そ彼れ心中

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    日本の時代小説だけれども、主人公を襲うミステリアスな展開に、あたかも海外小説を読んでいるかのような感がした。主人公瑞枝に降りかかる底知れぬ悪意、次から次へと犠牲になる主人公の味方たち、そして最後は、題名どおり心中となる重い物語であるが、最終頁での、奉行所同心大島とその妻との会話でほっと。読後感よく本を閉じることができた。

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    2012年08月02日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

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    好評シリーズも第5弾となり、本書最終話で、お鳥見ファミリーの一人が退場し、一つの時代が終わる。この連作が、単なるホームドラマではないことを、解説の縄田一男氏が指摘している。遠景に描かれている政争や時代の波が、この後、珠代一家にどう関わってくるのか、続編が待たれる。同時に、このファミリーがいつまでも珠代を中心に暖かくまとまっていくよう、祈っている。

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    2016年06月16日
  • 四十八人目の忠臣

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    女性を主人公にした忠臣蔵異聞。徳川七代将軍の生母が磯貝十郎左衛門の内縁の妻だったとは!小説家の想像力はどこまで史実に迫れるか!

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    2012年08月01日
  • 王朝まやかし草紙

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    挿入される小話がなるほどとなって、面白い。
    登場人物が実在しないと知り、驚き。リアリティーあるのに。

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    2012年06月19日