あらすじ
不思議な少女、おさいの「さい」は才? 災? 賽?
謎と人情が心に沁みる七つの物語。著者渾身の連作短編集。
【あらすじ】
不義の恋の末に、この世に生を享けた美しい娘・おさい。
江戸を襲った大火によって彼女の数奇な運命は回り始める。
遊女、女スリ、大盗賊の娘、そして若き天才戯作者――出会った人の心を少しずつ揺らし、救いながら、おさいは誰かをずっと待っている。
果たして誰が、いつ……?
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Posted by ブクログ
「おさい」の人生を、かかわった側の人間から描いた作品。一話一話、それぞれの思いと思惑の交錯にどんどんひきこまれていった。他人から見た「おさい」であって、おさい自身が一人称になることはないので、おさいの気持ちを推し量るのも興味深かった。
Posted by ブクログ
不義の恋の果てに生まれた、「おさい」という女の数奇な運命を綴る、連作短編集。
各話、おさいに関わる人の目線で描かれているのですが、登場するたびに、おさいへの謎が深まるばかり。
おさいに何があったのか、そして(おさいは)何を考えているのか・・。私も登場人物達と同様に、おさいに翻弄されたような気持になりました。
Posted by ブクログ
☆3.3
旗本の息女 奈美江の不義の子として生まれ、生まれてすぐに養女に出された『おさい』。
そのおさいに関わった人たちの目線で語られるおさいの人生。
幼い頃より美貌に恵まれ、才覚に溢れたおさいだけれど、幸福な女の一生とはとても言い難い。
あくまで第三者目線で描かれ、おさい自身が思いを語ることがほとんどない。
せめて、おさいの晩年をもう少し掘り下げて描いて欲しかった。