諸田玲子のレビュー一覧

  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

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    「諸田玲子」の連作時代小説『あくじゃれ 瓢六捕物帖』を読みました。

    ここのところ、時代小説が続いています。

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    牢屋敷に捕らわれの身の「世之介」ばりの色男「瓢六」と、無骨な同心「篠崎弥左衛門」との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚

    絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの「瓢六」が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。
    ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に「瓢六」の知恵を借りるため、与力「菅野一之助」は日限を切っての解き放ちを決める。
    不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」との二人組による痛快捕物帖。
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    1999年(平成11年)から2001年(平成13年)に、文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に発表された「あくじゃれ瓢六捕物帖」シリーズの第1作… 連載当時は『あくじゃれ瓢六』というタイトルだったようですね。

     ■地獄の目利き
     ■ギヤマンの花
     ■鬼の目
     ■虫の声
     ■紅絹の蹴出し
     ■さらば地獄
     ■解説 鴨下信一

    口も達者なら、手もはやい、「世之介」ばりの色男… しかも阿蘭陀(オランダ)語をあやつり博覧強記、さらに長崎で唐絵目利きを務めていたという、「瓢六」こと「綺羅屋の六兵衛」、、、

    牢屋敷にとらわれの身ながら、堅物の定廻り同心「篠崎弥左衛門」や情婦の「お袖」と共に難事件をつぎつぎ解決してゆく… スカッと痛快、時代小説連作集。


    着想が面白い痛快な捕物帳… 風采が上がらない男やもめの北町奉行所定町廻り同心「篠崎弥左衛門」と、対照的に色白細面で役者のような男前の悪党「瓢六」を中心とした登場人物のキャラクター設定が魅力的な作品でした、、、

    「瓢六」が、小伝馬町の牢から1か月ごとに出たり入ったりするという設定は、実際には有り得ないんでしょうけどね… まっ、エンターテイメント作品だと割り切ることができれば、そこまで気になりませんでしたね。


    以下、主な登場人物です。

    「瓢六」
     目利き上がりの博徒、入牢中

    「篠崎弥左衛門」
     北町奉行所の定廻り同心

    「お袖」
     芸者、瓢六の女

    「八重」
     賄い組頭の娘、弥左衛門の見合い相手

    「菅野一之助」
     弥左衛門の上役与力

    「雷蔵」
     牢名主、元力士

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    2022年03月18日
  • 森家の討ち入り

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    赤穂浪士討ち入りの義士の中に、浅野家家臣としては新参者といえる3人がいた。
    いずれも大名家津山森家の家臣。
    神崎与五郎、茅野和助、横川勘平。
    彼らはなぜ義士に名を連ね命をかけたのか。
    松の廊下刃傷沙汰に対する不公平な沙汰への浅野家家臣としての憤りだけではなかったのではないか。

    森家当主となった長直の、3人に対する思いやりが作品に流れている。

    作品の中「与五郎の妻」では
    神崎与五郎の前妻ゆいの再婚相手、江見甚右衛門の優しさに涙する。
    浅野家討ち入りの翌日、ゆいに対して前夫与五郎の2人の子と共に並び出て吉良邸から高輪泉岳寺に向かう義士の中にいる与五郎を見送ってやれと言ってやる。
    それが与五郎にとって何よりの褒美になる、と。

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    2021年11月11日
  • お順(下) 勝海舟の妹と五人の男

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    再び江戸に戻ってきた順。
    象山の仇討ちを思いながらも他の人に惹かれていく。
    順が見た激動の幕末。
    勝海舟の果たした役割など、見る側の方向を変えるとまた違う幕末が見えてくる。

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    2021年09月03日
  • お順(上) 勝海舟の妹と五人の男

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    勝海舟の妹から見る幕末。前編。
    初恋の人に添えるかと思いきや、佐久間象山の妻となる。 
    その事によりさらに幕末の混乱に巻き込まれていく。
    初めて江戸を離れる事になり、その後の人生はどうなるのか。

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    2021年08月31日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

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    ネタバレ

    源太夫の末娘の雪ちゃんがいじらしくて可愛い。
    季節が移ろうように、親から子へと命が繋がり、家族の形も変わっていく。子どもたちの成長は頼もしくもある反面、少しの寂しさも。
    遠い江戸の話だけれど、角を曲がれば弦巻川や鬼子母神が見えてきて、珠世さんに会えそうな気がする。

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    2021年06月25日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    諸田玲子さんの、さらっとした語り口に惹かれての購入。
    源太夫の登場する場面には生理的な不快感を覚えたけれど、これも著者の力量の発露か。
    後半100頁程が特によかった。

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    2021年05月24日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    お鳥見女房シリーズ3作目。3作目ともなると、登場人物たちにすっかり愛着も湧き、以前の話に出てきた人達にも再会できたりして、楽しめました。
    私が特に好きなのは、次男·久之助の親友でもあり、君江の想い人でもある菅沼隼人。好青年です。
    幕府隠密の任務のため、人を斬って以来、深い自責の念に駆られている伴之助にそっと寄り添う珠世さん。
    次作も楽しみです。

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    2021年04月06日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    シリーズ第二弾。
    多津がすっかり母親に。
    珠世さんも相変わらず良き母、良き妻で、その心の在り方には背筋が伸びるような気持ちになりました。
    家業の御鳥見役となった長男·久太郎、次男であるがゆえに悩む久之助、格式高い旗本の家にお嫁に行った長女·幸江、少女から大人になりかけてきた次女の君江。
    子どもたちそれぞれに悩みがあり、それぞれに心を寄せる珠世さんはやっぱり素敵な女性だな。

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    2021年04月01日
  • 森家の討ち入り

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    忠臣蔵、物語として好きです。が、現代に生きていると正直なところ頷けないことも多いと感じます。
    『森家の討ち入り』は、理不尽なことにどうやって向き合うか、どう自分の人生を生きたいか、ということに対する登場人物の姿にぐっときます。人間っぽい。

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    2021年01月11日
  • 帰蝶

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    いわゆる信長婦人である濃姫を書いた小説は珍しいと思い、読み始めたが最初はちょっと違うなあ、と感じていた。
    やはり、女性ならではの視点ということで、妻として、母として、またひとりの女性として濃姫が描かれているからであると思われる。
    まあ、そう思って読み慣れてくると、そんなに違和感もなくなってくる。
    が、本能寺の変はまだしも、桶狭間とか姉川の戦いなど歴史的な戦をあまりにもスルーしすぎでは。
    そういうことがあった程度の触れ方には、ちょっと違和感。
    まあ、仕方がないかもしれないが、上下巻になってもいいので、もうちょっと膨らませてくれればもっと読み応えがあった感じがした。

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    2020年12月14日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    ずっと気になってたシリーズ。面白かった!
    一家の母、珠世さんが素敵。どんな時も、物ごとの良い面を見る。見習いたいな。
    まだまだ気になることがたくさんあるので、続きが楽しみ。

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    2020年10月12日
  • 四十八人目の忠臣

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    『堀部安兵衛』に引き続き元禄赤穂事件の時代小説を手にとった。後に六代将軍・家宣の側室となり、七代将軍・家継の生母となったお喜世の方が、実は赤穂浅野家の侍女だったという、史実の隙間を突いた驚きの設定。赤穂事件は義士の切腹だけでは終結せず、義士の子らにも類が及んでいたとは知らなかった。きよ(お喜世の方)や浅野家に属した女性達が、浅野家の再興、汚名を返上するために、生涯をかけて忠義を尽くす物語に感じ入った。

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    2020年05月23日
  • 帰蝶

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    以前から興味を持っていた濃姫、「麒麟がくる」を観ていてもっと詳しく帰蝶を知りたくなった。
    帰蝶は本能寺の変よりずっと以前に早世したか離縁させられたと考えられていたが、近年京都の織田家過去帳に78歳で亡くなった帰蝶らしき人の記載があり、著者は帰蝶は生きていたとみる説が自然ではなかろうかと考えたという。帰蝶が表に出なくなったのは疱瘡で顔に痕が残ってからとの説明に信憑性を感じる。帰蝶は道三の娘で信長の妻となってからも戦国時代を生き抜いた勝ち気な女性という印象が強かったが、子が授からず側妾らが産んだ子を育て慈しんだと知り別な面を知れた。
    諸説がとびかう本能寺の変についても、本書は立入宗継を登場させ興味ある展開となっている。名物茶器「楢柴」を使い、信長の上洛時間を早めた結果に本能寺の変となった運びは面白い。どこまでが史実なのかと思わずにいられない。宗継は天皇や院の財産管理を請け負った金融業者(禁裏御倉識)で、豊かな経済力と人脈を縦横に駆使して暗躍した実在の人物である。
    いやはや諸田さんの想像力に脱帽した。

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    2020年05月21日
  • 今ひとたびの、和泉式部

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    Tさんのおすすめ。

    和泉式部もその歌もあまりよく知らなかった。
    紫式部や清少納言と同じ時代に生きたと読んで、
    そう言われてみればそうだったかも、と思うぐらい。

    宮中恋愛物語とあってちょっと腰が引けていたが、
    あまりドロドロしていなくて面白かった。
    後の世の人たちが、この時代の文学を通して想像するほど、
    「現実」は優雅なものではないと判ってはいる、
    しかし飢えと疫病のはびこる平安京の現実を読みたいわけではない。

    そこらへんのバランスが微妙で良かったのかも。
    最期がミステリー仕立てなのも。

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    2020年04月22日
  • 帰蝶

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    斎藤道三の娘、帰蝶
    15歳で織田信長に嫁いだ彼女の
    したたかな生涯を描いた傑作

    日々、怪物へと変貌してゆく夫
    織田家の奥を束ねる強さ。
    やがて起こった本能寺の変。
    帰蝶という女性の数奇な人生

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    2020年03月21日
  • 楠の実が熟すまで

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    ネタバレ

    公家の改ざん帳簿を追いかける公儀隠密が不振の死をとげる。次に内偵に入った隠密は公儀の姪、武家との婚約を相手の不慮の死によって不意にされたという経緯のある利発な美女…。こんな時代ミステリーの設定良く考えるなぁ。

    と思ったら、史実にもある事件らしい。勿論ものすごく脚色されているということだが。

    ミステリーとしての出来も良く、構成もキチっとはまっているし、キャラ設定も立っている。大傑作!には今一つパンチが足らないようにも思うが、まとまっていて良い作品。さすがの諸田ブランド!

    余談ながら、これ読んでる時偶然、樟葉(作中の楠葉)を通りかかってるねんなぁ。駅内の楠の木(京阪電車沿線ののちょっとした名物です)を通り過ぎた時は非常に感慨深かった。

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    2019年07月14日
  • 四十八人目の忠臣

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    読み終わった時、「この話、ドラマ化したら面白いかも!」と思ったら、既にドラマ化されていました。(「忠臣蔵の恋」)主役のきよ役は、武井咲さん、イケメン十郎佐衛門役は、福士誠治さん なのですね。
    個人的には、村松三太夫が不憫でなりません。きよは罪な女性ですな・・。
    討ち入り後から、きよの人生が大きく変わるのが見どころです。
    なかなかの読み応えで、楽しませて頂きました。

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    2019年06月20日
  • 帰蝶

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    通説では、早世あるいは離婚したと考えられていた信長の正室=濃姫(帰蝶)。
    近年になって、織田家過去帳の記載から、帰蝶が信長の死後も生きながらえたとの説の信憑性が高まったことが、著者がこの小説を書くきっかけだそうだ。
    本能寺の変の実行者は明智光秀だが、その黒幕は?と、古来様々な説が流布されている。足利義昭説、秀吉説、徳川家康説等々、かまびすしいばかり。
    それだけ、当時の信長の存在が絶大だったという証左だろう。
    この小説で著者は、黒幕とまで言わないが、光秀を決起させる舞台を設定し、唆せた人物を提示している。
    この人物と帰蝶との、世俗を超えた淡い交流を絡ませながら、作家の想像力と創造力の翼を広げ、この物語を創作した。
    それにしても当時の武将は、自家の存続のためとはいえ、何と多くの子をなしたことか。この作品にも、信長の子が何人も登場する。
    それぞれの数奇な運命が、作家の想像力を刺激するのだろう。信長の子の一人、冬姫の名が処々で語られる。信長の二女冬姫を主人公とした、葉室麟著の歴史長編がある。再読してみたくなった。

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    2019年05月30日
  • 来春まで―お鳥見女房―

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    シリーズ第七弾。

    心温まる読後感が魅力の、“お鳥見”シリーズ。
    今回は、藤助の過去が明らかに・・。彼が珠世達の元に戻ってくることを祈りつつ、次巻が出るのを楽しみに待ちます。

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    2019年05月22日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

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    ネタバレ

    シリーズ第五弾。

    鷹姫さまこと、恵以が久太郎のもとに嫁いできて、家族が増えた矢島家。
    一方、石塚家の多津に新しい生命が宿ります。
    生まれてくる命もあれば、消えていく命もある訳で・・。

    喜びもあれば悲しみもあり、明るい話ばかりではないけれど、何故か心がほっこりする。それがこのシリーズの魅力だと思います。

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    2019年05月17日