諸田玲子のレビュー一覧

  • 其の一日

    Posted by ブクログ

     井伊直弼の暗殺を防ぐために奔走する女の、暗殺当日の朝までの一日など、主人公の人生を変える一日を切り取って描いた短編集。

     夫と妻、親と子、男と女、すれ違う人々の結末は色々だが、江戸の昔の人々も、現代と同じように生きていたんだと感じさせてくれる。

     短編なので、時代小説初心者でもいける作品。女性らしい視点も新鮮です。

    0
    2017年08月16日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    主人公の「珠世」さんがよく描けていますね。

    この文庫本の表紙の顔に、えくぼがあるともっといい。

    こうした時代劇物を読むと、いつも思います。
    漢字の読みや意味をわかっていないなぁ、と。

    辞書を引いて、一応正確な読みと意味を調べています。

    たとえば、「深更」はなんと読むか?

    「しんこう」と読むんですね。意味は、「夜更け」(よふけ)。

    ただ、小説に「深更」と書かれているときに、「しんこう」と読むのは風情がないような気がしますね。これは「よふけ」と読み進めていいでしょう。

    0
    2010年09月07日
  • 青嵐

    Posted by ブクログ

    次郎長モノとは全く知らずに手に取った、が
    これが思いのほか嵌ってしまった。
    この世を去った「森の石松」と「豚松」が天上から次郎長一家を
    眺めている設定。
    二人亡きあとの次郎長一家に絡めながら
    石松と豚松の生い立ちも語られている。
    親は命がけで子を守り子は親の為なら命を投げ出す任侠の世界。
    この後、諸田玲子の次郎長シリーズへの皮切りとなった一冊。

    0
    2010年07月17日
  • 王朝まやかし草紙

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    平安時代が舞台の時代小説。ミステリー・ロマンス分有り。
    平安時代は絢爛豪華な中に渦巻く闇が魅力的で大好きなのです。
    その中でもお気に入りの1冊になりそう。
    主人公コンビ(じじ様入れたらトリオ?)も元気いっぱいで良いのですが、脇役の結果的にハッピーエンドなロメジュリがいい味出してました。

    平安ミステリー、もっともっと読みたいぞう!
    手持ちはどっちかというと、平安ホラーの方が多いので。
    陰陽師系は定番よね…。

    0
    2010年02月13日
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

    Posted by ブクログ

    最初の1-2編を読んだときは「どうかな」と思いました。なにせ、絶世の色男が主人公で、その恋人が気風の良い芸者、相方が無骨者の同心という、安易とも言える登場人物の設定なので。
    しかし、読み進めるうちに面白くなって来ました。お袖と弥左衛門の絡みなどでニヤリと笑わせる一方で、どこかしっとりした情緒もあって、軽い読み物としては良い出来だと思います。

    表紙の絵は・・・・
    濡れ場らしい濡れ場なんて無いんですけどね。

    0
    2016年08月05日
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

    Posted by ブクログ

    訳ありの悪党瓢六と北町奉行所同心弥左衛門が牢の中の事件や市井での事件を解決していくシリーズ。普段は牢に繋がれ、捕物探索の時のみ市中に出るという設定が面白い。恋人のお袖の江戸っ子気質のやんちゃぶりも楽しい。

    0
    2011年09月17日
  • 木もれ陽の街で

    Posted by ブクログ

    「恋愛」と「家」、これは昭和でなくとも両方は難しいテーマではないかと思います。家族への後ろめたさを感じつつ片山に誘われたコンサートに出かけていったり、片山が自分の家族といるところを想像できなかったり。穏やかな生活を波立たせるものかもしれない。行きたい、けど躊躇う・・・というぎりぎりの気持ちがしみじみとよく分かる。周囲の恋愛事情に目がいくことからも公子の心情が伝わってきます。特に印象的だったのが、大伯母の50年来の恋。デートでのハプニング、大伯母の困惑、その結末。どれもこの二人を象徴しているようでした。

    0
    2009年10月04日
  • 山流し、さればこそ

    Posted by ブクログ

    さほど期待もせずに読み始めたのですが、なかなか良い本でした。
    まあ、一種の成長物語。親の期待を受けて、出世至上で生きていた男が、失意の中から友情や家族愛に目覚める話。まあ、ありふれた題材かもしれませんけど、なかなか爽やかに描かれています。
    女性陣が良いですね。しとやかな奥さんの多紀、魔性の女・都万、明るく誰からも愛される娘・蕗。それぞれが際立っています。
    良く出来た娯楽時代小説だと思います。

    0
    2016年08月07日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今作は大きな事件もなく、家族の物語が色濃くなっている。
    長男・久太郎は縁談を断るものの
    その相手、水野家鷹匠の娘・恵以(鷹姫)が気になり始める。
    次男・久之助は祖父と関わりのある綾に恋。
    菊江は隼人との恋を成就させ、このシリーズの最後を
    彼女の結婚式で締めくくる。
    矢島家の居候だった源太夫は紆余曲折を超えて
    晴れて仕官し、家族ともども組み屋敷へと入居。
    夫・伴之助も心の病が癒えようとしている。

    読み終わってほぅっとため息一つ。

    0
    2009年10月04日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    娘として、妻として、母として色んな不安と戦いながらも
    笑みを絶やさず、人との出会いを大切にする。
    そんな珠世の人としてのありかたのようなものが
    とても心を癒してくれると同時に強さも示してくれます。

    わくわくどきどきではないけれど、
    こういうじんわり系もいい。

    0
    2009年10月04日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    半分まで読んだ感想は、イマイチわくわく感もなく
    淡々と矢島家の出来事を綴っている印象だった。
    読み終わって見ると、ゆったりとした時代劇でもみているような。

    ほんわかじんわり。
    そんな印象である。

    ちょっと違うかもしれないけど
    『蝉しぐれ』とかに近いかもしれない。

    親子、夫婦、家族などの情愛、
    人との出会い そして別れ。
    秋に読むと余計じーんとくる そんな作品。

    0
    2009年10月04日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    将軍家の「お鳥見役」矢島久之助の女房珠世を主人公にした「お鳥見女房」シリーズの2作目。1作目の話を大方忘れてしまっているので、少し多い登場人物の関係が頭に入るのに一寸時間がかかったけれど、あとは問題なし。8章からなる一話完結の「小さな物語」とお役目のため沼津に行ったまま消息を絶った夫久之助を巡る「大きな物語」それに主人公珠世の娘の恋という「中くらいの物語」がバランスよく構成された連作短編集。「小さな物語」たる江戸、お鳥見役組屋敷周辺の物語は「武家」ながらも市井物と呼んでもいいような日常の人情と機微の物語。8章を貫く「大きな物語」は「お鳥見役」に隠されたもう一つのお役目にまつわる話で物語が進むに

    0
    2011年08月19日
  • 遊女のあと

    Posted by ブクログ

    時は、八代将軍・吉宗の時代。
    質素倹約を強いる幕府に対抗して、尾張名古屋は、遊興を奨励し、空前の繁栄を見せていた。

    夫を捨てた女、逃げた妻を追う男。夢の都・尾張名古屋で巡り合った二人は、ある政争に巻き込まれていた。

    0
    2025年11月11日
  • おふうさま

    Posted by ブクログ

    切ない。結局おふうさまは何故?と考える。読み始めは中々入り込めずにいたけれど後半は夢中になって読めた。

    0
    2025年11月09日
  • おふうさま

    Posted by ブクログ

    一つ一つのエピソードは良いのだけれど。上辺を撫でている感じで、もう少し焦点を絞って深く書き込まれていたらなと思わされる。悪くは無いけど、人に勧めたい程では無い。面白いテーマだったので惜しいですね。

    0
    2025年10月21日
  • おふうさま

    Posted by ブクログ

    このまま一生、恨みと嘆きにまみれ、ひきこもって生きるか、新たに生まれかわったつもりで堂々と顔を上げ、偷しゅう生きるか、どちらがよいかと。強うなって見返してやることにしました

    0
    2025年10月20日
  • おふうさま

    Posted by ブクログ

    重厚な話を期待していただけにこの軽さは少し残念。
    前田家は利家しか知らなかったので皇室に嫁いだことや千利休の子孫と縁があったとは知識は増えたが薄っぺらい印象しか残らなかった。

    0
    2025年09月26日
  • 岩に牡丹

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    秋田蘭画と佐竹騒動の後始末を巡る歴史ミステリー。

    小田野直武と秋田蘭画はなんとなく知っていましたが、本作の三人の主人公たちの画に対する真摯な向き合い方が清々しい。
    美術歴史小説としても、お家騒動時代小説としても面白く作れそうな素材を源内の死や直武の死をミステリー仕立てにしているところが面白いです。
    ちょうど同じ時代の大河ドラマを見ているのですが、源内、田沼以外で共通登場人物は平沢常富で、尾美さんのイメージで読んでしまいました。
    大河ドラマと違ってこの小説の田沼は怖いですが、それ以上にお家大事の主人公たちの前の代の老臣たちはもっと怖いです。
    後味の悪いエンディングですが、各話のタイトルとなって

    0
    2025年05月21日
  • きりきり舞いのさようなら

    Posted by ブクログ

    文政の大火で焼け出された十返舎一九の一家が、葛飾北斎の借家に仮住まいすることなったことから騒ぎが続き、ついに一九が野辺送りに。
    一九の娘・舞のきりきり舞いの日々は、まだ続く?これで一区切りらしいが、いつか復活してほしい。

    0
    2024年09月16日
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    お祭りを題材とした短編集。シリーズ物の中の一編が多かった。シリーズ物の他の作品も読んでみたいと思うものも有った。やはり宮部みゆきが断トツで巧い。

    0
    2024年08月16日