諸田玲子のレビュー一覧
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ネタバレお鳥見女房シリーズ五弾。嫡男久太郎の婚姻の日が近づいていた。相手は、珠世の夫伴之助に苛酷な陰働きを命じた前老中水野忠邦に連なる家の娘、鷹姫さま。祝言の日までの心労、婚礼の場での思わぬ騒動、そして次男久之助も人生の岐路を迎えて──。家族が増えた矢島家では、喜びも増え、苦労も増える。姑となった珠世に安寧の日々は訪れるのだろうか。人情と機智にホロリとさせられる。いつも読んだ後、心がほっこりする大好きなシリーズです。
①お鳥見女房②蛍の行方―お鳥見女房―③鷹姫さま―お鳥見女房―④狐狸の恋―お鳥見女房―⑤巣立ち―お鳥見女房―⑥幽霊の涙―お鳥見女房―。諸田玲子オフィシャルウェブサイトには、「小説新潮」(3/22発売)・・・「お鳥見女房」シリーズの最終話、「来春まで」が掲載と記載が有りました。 -
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ネタバレお鳥見女房シリーズ第三作。
危険な任務から戻った夫の心の傷。身分の差がある恋をしている次女。結婚したもののまだ浪人暮らしの源太夫と多津の若夫婦。長男の縁談。
色々な悩みと喜びが交錯するお鳥見役人の妻、珠世の日々の暮らしが描かれる。
特別な極悪人も登場しないし、スーパーヒーローも聖人君子もこの物語には出てこない。出てくるのは市井の、平凡に悩み、笑い、泣きながら生きる人々の姿である。
主人公珠世のあたたかさに惹かれて人々は彼女のつつましい家に集まってくる。そして彼女は誰をも暖かく迎える。まるで惑星が太陽の周りをゆっくりと回るように。
二巻では、夫、伴之助の危険な任務という、サスペンスあふれる展開があったが、人の命に関わるような、これという大事件はこの巻では特にない。次女が巻末で嫁ぐが、とにかくゆったりと時間が流れ、傷を持つ人も、ひそかな悩みを持つ人も、静かに心に秘めて生きていく。また今後色々なことが起きてくるかもしれないが…。
三巻、四巻と続けて購入したので、このまま先に進むのが楽しみである。 -
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お鳥見女房シリーズの第二作。
一作目から続いている大きなストーリーが佳境に入り、はらはらと手に汗握る展開の二作目。それと同時に主人公珠世の周辺では、相変わらずのどかに、人々の悲しみや喜びが交錯する日々が続く。
読んでいて胸があたたかくなるのは、描かれる人々の姿だけではなく、作者の文体もまた気品がありながら親しみやすいあたたかさをたたえているからだ。
この二作目の終わりでその大きなストーリーはとりあえず一段落する。しかし、まだまだこのプロットは続いていくだろう。大きな政治の動きが珠世とその家族の平和な生活に落とす大きな黒い影。その中で、矢島家の人々と多津、源太夫、そしてその子どもたちは精一杯生きていく。見守りたいシリーズである。今のところ5巻まで出ているようなので、次の三冊も早く入手したい。 -
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知人に勧められて読んだ本。買って大正解だった。
ミステリーとまではいかないが、それなりに謎や事件があったりもするし、登場人物が命の危険にさらされることもあるが、基本的には人情話の部分が大きいかもしれない。
全体を通して流れている大きなあらすじがあるのだが、それに加えて各章では小さなストーリーが始まって完結する。
主人公は珠世という女性で、お鳥見役をつとめる御家人の家に生まれ、婿をとって四人の子どもに恵まれた。お役目を引退した父、実直な夫、見習いとして出仕を始めた長男、格上の旗本の家に嫁した長女、剣術にたけた次男、まだ幼さが残る10代の次女。現在は長女を除く家族と六人家族で暮らしている。そこへ、ひょんなことから浪人の源太夫とその五人の子どもたち、そして剣術にたけて、源太夫を仇と狙う娘、多津が同時にこの家に厄介になることになった。
まず珠世というヒロインがとても魅力的である。おしつけがましくなく、彼女の思いやりは彼女のまわりにいるすべての人をあたたかく包む。将軍家の鷹狩りの下準備をするというお鳥見という役目もこれまた今まで知らなかったがなかなか面白い。宮仕えの悲しさもこの小説の中には盛り込まれているし、上記のように命がかかる事件も起こったりするのだが、この小説の魅力はやはり日々のあたたかな流れだろう。
今回はこれと続編になる「蛍の行方」の二冊を購入したのだが、どちらもとても良く、話の流れもいいので、残りの三冊(既刊)近いうちに入手して読みたいものだ。また好きなシリーズが出来て嬉しい限りである。