諸田玲子のレビュー一覧

  • 其の一日

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    昨年の大河ドラマ「篤姫」を見て
    自分の中で幕末ブームが続いていて。

    大老「井伊直弼」の愛妾だった女性の話が
    読めるというので手にとってみたのが、読むきっかけ。

    「桜田門外の変」以外にも
    歴史的な1日を様々な角度から
    切り取って描かれた短編集。

    うまいです。
    構成とか視点とか。
    時代物がニガテな方にもオススメできます。

    江戸時代に想いを馳せました。

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    2014年04月07日
  • 思い出コロッケ

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    年末年始にお読みになることをお勧めします(^^)
    昭和60年代(80年代ではない)の空気感、たっぷりです。

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    2013年12月09日
  • 楠の実が熟すまで

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    幕府の目を巧妙に掻い潜り不正を行う公家に『公儀隠密』として輿入れした利津の物語。時代エンターテイメント創作?然に非ず。史実を元にした時代小説。ミステリ性の高さもさることんながら利津の心模様を色情豊かに描き切った素晴らしい作品。想いの強い主人公が己を突き通す物語って本当に素晴らしい。

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    2013年08月09日
  • 遊女のあと

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    この人の作品は初めてだったが、文句なしに面白かった。時代ものとして特に目新しい内容ではないが、文章にリズムがあり、謎が謎を呼ぶ設定に引き込まれた。
    登場人物も非常に魅力的だ。時代物特有のステロタイプな感じではあるものの、心理描写にはなかなかリアリティがあった。
    女流作家の描く女性はこれまであまり好きになれなかったが、この人は例外かもしれない。少なくとも本作に登場する、主人公を始めとする女性たちは魅力的に感じた。

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    2013年06月21日
  • 巣立ち―お鳥見女房―

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    ネタバレ

    お鳥見女房シリーズ五弾。嫡男久太郎の婚姻の日が近づいていた。相手は、珠世の夫伴之助に苛酷な陰働きを命じた前老中水野忠邦に連なる家の娘、鷹姫さま。祝言の日までの心労、婚礼の場での思わぬ騒動、そして次男久之助も人生の岐路を迎えて──。家族が増えた矢島家では、喜びも増え、苦労も増える。姑となった珠世に安寧の日々は訪れるのだろうか。人情と機智にホロリとさせられる。いつも読んだ後、心がほっこりする大好きなシリーズです。

    ①お鳥見女房②蛍の行方―お鳥見女房―③鷹姫さま―お鳥見女房―④狐狸の恋―お鳥見女房―⑤巣立ち―お鳥見女房―⑥幽霊の涙―お鳥見女房―。諸田玲子オフィシャルウェブサイトには、「小説新潮」(

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    2013年04月09日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    お鳥見女房シリーズ第三弾。女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる。久太郎に、鷹好きで気性の烈しい娘との縁談が……時代劇とは思えないような出会い。

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    2013年04月09日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    ネタバレ

    お鳥見女房シリーズ1弾。将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ。

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    2013年04月09日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    お鳥見女房シリーズ第二弾。密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話・・・・・主人公珠世に心を癒してもらえる。

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    2013年04月09日
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    お鳥見女房シリーズ第三作。

    危険な任務から戻った夫の心の傷。身分の差がある恋をしている次女。結婚したもののまだ浪人暮らしの源太夫と多津の若夫婦。長男の縁談。

    色々な悩みと喜びが交錯するお鳥見役人の妻、珠世の日々の暮らしが描かれる。

    特別な極悪人も登場しないし、スーパーヒーローも聖人君子もこの物語には出てこない。出てくるのは市井の、平凡に悩み、笑い、泣きながら生きる人々の姿である。

    主人公珠世のあたたかさに惹かれて人々は彼女のつつましい家に集まってくる。そして彼女は誰をも暖かく迎える。まるで惑星が太陽の周りをゆっくりと回るように。

    二巻では、夫、伴之助の危険な任務という、サスペンスあふ

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    2012年11月15日
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)

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    お鳥見女房シリーズの第二作。

    一作目から続いている大きなストーリーが佳境に入り、はらはらと手に汗握る展開の二作目。それと同時に主人公珠世の周辺では、相変わらずのどかに、人々の悲しみや喜びが交錯する日々が続く。

    読んでいて胸があたたかくなるのは、描かれる人々の姿だけではなく、作者の文体もまた気品がありながら親しみやすいあたたかさをたたえているからだ。

    この二作目の終わりでその大きなストーリーはとりあえず一段落する。しかし、まだまだこのプロットは続いていくだろう。大きな政治の動きが珠世とその家族の平和な生活に落とす大きな黒い影。その中で、矢島家の人々と多津、源太夫、そしてその子どもたちは精一

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    2012年05月30日
  • お鳥見女房(新潮文庫)

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    知人に勧められて読んだ本。買って大正解だった。

    ミステリーとまではいかないが、それなりに謎や事件があったりもするし、登場人物が命の危険にさらされることもあるが、基本的には人情話の部分が大きいかもしれない。

    全体を通して流れている大きなあらすじがあるのだが、それに加えて各章では小さなストーリーが始まって完結する。

    主人公は珠世という女性で、お鳥見役をつとめる御家人の家に生まれ、婿をとって四人の子どもに恵まれた。お役目を引退した父、実直な夫、見習いとして出仕を始めた長男、格上の旗本の家に嫁した長女、剣術にたけた次男、まだ幼さが残る10代の次女。現在は長女を除く家族と六人家族で暮らしている。そ

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    2012年05月30日
  • かってまま

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    「おさい」の人生を、かかわった側の人間から描いた作品。一話一話、それぞれの思いと思惑の交錯にどんどんひきこまれていった。他人から見た「おさい」であって、おさい自身が一人称になることはないので、おさいの気持ちを推し量るのも興味深かった。

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    2011年09月12日
  • 天女湯おれん

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    面白かった~~~!!!

    艶話も良いっす。
    上品ではなく、はたまた全く下品にもならず
    いい艶っぷりでございました。
    お江戸の粋でいなせな町の風景。
    小事件あっての人情話。
    八丁堀での裏家業。

    諸田先生の本はほんとに私の妄想力にぴったりで、見事に頭の中に天女湯が出来上がっています。
    天女湯の面々にあって見たいわぁ~。

    この本の前日段が発売されたようで、ぜひ読まなくては!ウフ

    ありがとうございました。


    (H22.10 図)

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    2010年11月05日
  • 王朝まやかし草紙

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     かつて帝に寵愛された母の秘密
     たぐいまれな美貌の東宮の光と闇
     忌まわしい過去の事件と香と琵琶
     ばらばらに見えるすべては、一つの糸に

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    2010年05月22日
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖

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    あくじゃれ瓢六捕物帖シリーズ第2段。
    粋で伊達な色男 瓢六が転がり込んだのは仇な芸者のお袖の家。
    瓢六が恋の指南役を務める奉行所同心の弥佐衛門から
    いわくありげな母子を匿うように命を受ける。
    お馴染 北奉行所の菅野様もご健在。
    瓦版が飛び交う江戸の町、今回も娑婆と牢を行ったり来たり?

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    2010年04月18日
  • 王朝まやかし草紙

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    多少、登場人物の話し言葉に疑義を差し挟む余地はあれど、モチーフをうまく活かして壮大なストーリーにつなげている点は見事。
    最後の最後でだまされかけた……。読後感を大事にする私としては、そうきたか、と目を見張る思いがした。

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    2010年02月05日
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖

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    瓢六の相棒、同心・弥左衛門の恋の行方や、
    登場人物に思わずにんまりとか盛りだくさんな内容w

    これでシリーズが終わっていても悔いのない
    すっきり感がいい。
    ネットで検索したらご本人のHPがあって
    実はこのシリーズまだ続いているそうで、
    とても楽しみなのである。

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    2009年10月04日
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖

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    なんとなーく本屋で見かけたので
    買ってみた一冊でした。

    諸田さんの作品は、電車に乗った時
    ふとした拍子にみる広告とか
    新聞の下に出てる出版社の広告とかで
    よく目にして気にはしてたのよね。

    こういう感覚って当たりが多いのを実感した。
    読んでる時に『うわっ』って思うほど引き込まれて
    自分でびっくりするくらいw

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    2009年10月04日
  • 登山大名 下

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    中川家には家紋があり、一つは抱柏である。もう一つの家紋は中川クルスと呼ばれている。イエズス会の紋章はアルファベットのIHSであり、中川クルスにはこのIHSが巧妙に隠されているのではないかと言われている。九州は島原の乱にもある通り、キリシタンが多く、そのため弾圧の史実も多い。苛烈な取り締まりを行った当主が、なぜイエズス会の紋章を含んだような、怪しい家紋を採用するのか。

    久清は時は四代将軍・家綱の世。天下をゆるがした島原の乱の余燼がくすぶり、幕藩体制が盤石ではなかった時代。公儀の執拗な締め付けに苦しむ豊後・岡藩の第三代藩主となった中川久清が、山中で不思議な娘と出逢う。行方をくらませた娘を探し求め

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    2025年11月08日
  • 登山大名 上

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     豊後国岡藩の第3代藩主中川久清は、日本人離れした容貌と言われている。なぜそういわれるかというと、かなり目鼻立ちがくっきりした肖像画が残されているからだ。キリシタン摘発を目指しての絵踏みを行なった。久住連山の一つ大船山を愛し、「人馬鞍」と呼ばれる鞍を屈強の男性に担がせて何度も登山した。墓所は、自身が愛した大船山中腹1,300メートルを超える台地上に作られ、入山公墓と呼ばれる。岡藩中興の英主・天下の七賢将と称えられ、プライベートも充実していた、幸せな人生を送った大名のように見える。

     ところが、諸田氏が描き出した久清は、これらの事実を全て裏返して作られた人物だ。彼の系図が冒頭に紹介されているが

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    2025年11月08日