山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ印象に残ったのは「ばにらさま」と「わたしは大丈夫」。特に後者の、妻と不倫相手の目線からの物語かと思ったら、実はかつての自分と今の自分の物語だったのが巧妙で面白いなと思った。
「ばにらさま」
白は何色にも染まる色。真っ白くて同じ鋳型でくり抜かれた「モデル」のような瑞稀は、よく読むと広志に自分の意見を全く言わない。「んー」が否定だってことにも広志が気づかなければ、瑞稀はずっと望まないデートをしていただろう。日記の中には綴られている本音を自分にはひとつも言ってくれないことが広志は悲しかっただけで、瑞稀のことは本気で想っていたんじゃないかと思う。でも瑞稀は、キラキラした外面を保つために貯金を切り崩し -
Posted by ブクログ
68歳になる母親にすすめられて一読。
これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい――。思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にがんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まった。58歳で余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴っていた日記。
余命宣告をうけるって、想像できないくらい怖い。抗がん剤の治療の辛さや、進んでいく病をどう受け止めるか、日記という形で死ぬ直前まで、書きつづけた作者をすごいなと思う。
読み進めるうちに、どんどん弱っていくが、会いたい人に会い、食べたいものを食べ、最後まで悔い -