山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあなたなんか執行猶予中なんでしょう?
この一文の後から一気におもしろくなった。
これを読んだ後、水無月さんが奈々に何かしでかす予感がしてゾワってなった。
萩原もおかしいけど、先生も最後までおかしい。自分の娘が酷い目に遭わされたのに、中毒症状って怖い。
恋は人を壊すかー。
自分を好きになれない人ほど、他人に依存してしまうのかな?
私は水無月さんほど、人を好きになったことないけど、それは、自己愛が強いからかもしれない。自然と傷つくことを恐れて、他人に全体重を預けないようにしてる気がする。ここまで、自分より他人を愛せる水無月さんが少しだけ羨ましくもなった。
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Posted by ブクログ
面白くて一気に読んでしまったが、、美談では終われない結末であり、主人公に腹立つ作品。
誰しもが心の中にある独占欲、嫉妬、他人への依存、恨みつらみなどなど。。
主人公である水無月ももちろん持ち合わせている。
自分で先生(不倫相手)を独占したい、他の女が羨ましい、排除したい、相手から必要とされたい、自分は親のせいでこんなに捻くれた、といった具合である。
それらがエスカレートし、読者の我々には到底理解できないレベルにまで到達する。
なんでこんな不義理ができるのか、なんで相手を思いやれないのか、なんでこんなに人に身を委ねられるのか、といった疑問が湧き出てくる。「自分はこうはならないぞ」と思わせてくれる一冊。
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Posted by ブクログ
女であるということは、呪縛のようだ。
「女だから、こうであれ」
「女でも、こうであってはいけない」
たしかに今の時代は女性が生きやすい社会になってきたかもしれない。性の多様性、女性の社会での活躍、性に関係なく平等な権利の主張……色々なことは日々進歩していると信じたい。
けれど日本という国で、今でこそ生きやすくなった部分はあるものの、やっぱり払拭されずに根付いている何かはどこかにある。
男女共同参画社会基本法が制定されたのはいつだったか。調べてみると1999年だった。この小説が世に出た4年後だった。そんな時代の女性たちの生き様が、この中には詰まっている。
一つだけ、おそらく男性目線の物語がある。【女神の職業…女優】だ。ここにも、男性の「自分の女神である憧れの女性像」があって、それが「女性はこうあるべき」という押しつけられたものとして描かれている。
女だからという勝手な理想や考えを、女である私達に押しつけるなという気持ちや、
なぜこんなにも女であることで、私はつらい思いをしなければならないのかという気持ち、
女であることに甘えたくないのに、そうしなければ生きていくのが困難なんだ、仕方ないじゃないという気持ち、
様々な、女に生まれた、女として生きる人たちの叫びを受け取った。
そして読んでいて感じたこと。
ここにいる人たちだけでも、様々な生き方、職業がある。
そして、物語のなかで彼女ら(あえて使う)は、最後に自分の何かに気づいたり、あるいは決心したりしている。
個人的には、「気持ちを計る…タイムキーパー」で、タイムキーパーの北島さんが成瀬ディレクターに言った言葉、あれがしびれた。
女であることを甘えにしてはいけない。自分で選んだ未来を掴み取っていきたい。自分が決めたことは間違っていなかったんだと思えるようにいきたい。強い、強い気持ち。
この時代に大人として生きていたら、今よりももっと生きづらかったんだろうなとは思います。
この本はひとつの応援本。
これからを生きる人たちが生きづらいと感じたら、読んで勇気をもらってまた闘志を燃やせるような。
なぜ今新装版として新たな命を吹き込まれることになったのか、経緯は知らないが30年経った今の時代を生きる人にも読んでほしい作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「恋愛中毒」という強いワードに惹かれて読んだ。けど、めちゃくちゃ好みかと言うと、少ししんどいというかハッピーエンドが好きな私からしたらもやもやする終わり方なのであまり好まない類の小説ではある。「母性」を読み終わった時の感情に近いかな。
私は比較的綺麗な恋愛をしてきたんだなぁと思わざるを得なかった。好きな人に振られてもその人に無言電話をかけ続けたことはないし、かけようと思ったこともない。浮気をされてもその相手に執拗な嫌がらせをしたこともない。そういった意味では共感は何も出来なかったと思う。でも、好きな人の唯一無二になりたくて少し背伸びをしてしまう(数ある愛人の中で唯一無二になりたくて無理をしてしまう主人公)思いには共感できたかな。あまり好まないジャンルとはいえ、ストーリーはすごく面白くて早く全部読みたい!という思いですぐに読んでしまった。途中で主人公に前科があるということが分かったときは衝撃だった。最後まで分からなかったのは実刑2年(?)ってどんな罪?ってこと。奈々は監禁されただけで命に別状はないってこと?殺されてはないのかな?殺されてたら実刑2年どころじゃないよねきっと。Googleで調べてみたら財産犯、薬物犯罪、粗暴犯・性犯罪などが実刑2年ぐらいらしいんだけどこの中なら粗暴犯に該当するのかな〜?とか思いながら読んでいた。そこだけ読み取れなかったのが悔しいかな。
あと、個人的には最後の書評?が好きだった。ちゃんとした文章は忘れてしまったけど、「これだけ冷静に恋愛を観察できる人が結婚をするという判断をして、恋愛に夢を見ているのが嬉しい」みたいなニュアンス(もしかしたら全然違ったかもしれないけど)のことが書かれていて、それがすごく印象に残った。 -
Posted by ブクログ
大きなものから小さなものまで、さまざまな「罪」をテーマにした短編集。
短編なのがもったいないくらいどれも面白くて、もっとこの世界観に浸っていたいのに‥と思いながら最後の行を読むこと10回。中でも忘れ物を盗んで生計を立てている女性のお話(ブラック・ティー)と、ゲイバーで働く女性のお話(水商売)が好きだった。
どのお話も、ここからもっと展開がありそうな気配を残して終わるので、読者の想像力に委ねるタイプの小説が好きな人にはとても刺さりそう。
ハッピーエンド世界は優しい努力は報われる!みたいなお話が苦手なわたしにも合っていました。以前プラナリアを読んだときは、登場人物にまったく共感できなくて、ちょっと合わないかもしれないと思ったのですが、この本は共感できなくとも理解できる人間臭さみたいなものが描かれていて良かった。 -
Posted by ブクログ
どれも読み終わった後に心がほの温かくなる作品だった。
中でも『花のような人』『天使をなめるな』『女神の職業』『真面目であればあるほど』『もういちど夢を見よう』は好きな作品。
『花のような人』ではフラワーデザイナーとして人生が充実した薔子と、内面が成長した主人公が、お互い人として成長した後に再び築く、以前よりも深い人間関係を羨ましく、微笑ましく思った。
『天使をなめるな』では、ラストの主人公が酔っ払いをぶん殴るシーンが良かった。
自分がどん底にいる時は、酔っ払いでもぶん殴ってみようかと思った。
『女神の職業』は、女優の彼女がとても魅力的に感じた。元々沈まない性格なのか、沈んでいたけれども、少年とのやり取りを通して持ち直したのかは分からないが、ラストの後ろ姿を想像すると微笑ましく思った。
『真面目であればあるほど』では、滝本君の人の良さを強く感じた。
本人は意識していないが、見返りを求めない優しさがとても良かった。彼のような優しさをもてる人間になりたい。
『もういちど夢を見よう』は本書で1番心温まる話だった。人の相談に乗るでもなく、相手の心を軽くしてくれる鳴門さんの人を照らす人間性はとても魅力的だった。
文庫版あとがきの最後部分は、今後も仕事をし続ける中で、時に思い出したい文だった。