山本文緒のレビュー一覧

  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    凪良ゆうさんと雑誌で対談されている記事を読み、この作家さんに興味を持ち読んだ。
    山本文緒さんが凪良さんに「後は任せた」と言われたと記事にあった。
    どういう事?と、思ったのが興味のきっかけ。
    山本さんはこの本が発売された1年ちょっとで亡くなられたと言うことだ。

    普通の本の約倍の長編小説で、プロローグ...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    膵臓がんのため58歳で早世した人気作家の著者が、ステージ4bの膵臓がんの告知を受け、緩和ケアへ進むことを決め、まるで夫とふたりで無人島に流されてしまったように感じた2021年5月から死去9日前の10月4日まで綴った日記を活字化。
    余命宣告を受けた後の、死の直前数か月間の様子や思いを克明に記した貴重な...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    闘病記というより、緩和ケアしながらの生活記という感じだった。なので辛さに目が潤んで読みづらくなる
    というタイプのものではなく、山本さんと一緒にしみじみと
    少しずつ動くのが辛くなる日々を過ごしていく
    という感覚のものだった。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    30代女子の揺れ動く心と焦燥感を捉えた作品。
    思わず「そうそうそれね…。」と唸ってしまい、主人公と同じ目線で物語の中に入り込んでしまいました。

    そして主人公と同様に、自分の幼稚さや自信のなさを受け止められているかどうかを考えてしまいました。
    どちらかというと気付かないフリをしがちで、耳が痛いです。...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    478ページ
    1800円6月13日〜6月15日

    更年期障害がひどい母とその介護に追われる父のため、都は東京での一人暮らしを引き払い実家に戻ってきた。アウトレットモールの中のショップに勤めるも、店で売っている服が好きというわけでもない。台風の夜、仕事を終え帰ろうとしたところ、車のエンジンがかからず困...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    山本文緒さんの遺作!ある日突然の余命宣告!
    それを受け入れながらの病魔との戦い
    闘病日記ではなく逃病日記!
    その日々がどんなに辛かったか?察するに余りある!最後は涙が出て仕方なかった。
    作家として生き方を最後まで貫いた山本さんにただただ拍手を送りたい。ご冥福をお祈りします。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    貫一が人として魅力的なところが多いが、全く完璧では無いところが人間らしさを感じて都が惹かれる気持ちがわかる
    自分がどう生きて何がしたいのかビジョンを持って生きる大事さ、正直将来を何も考えず今をがむしゃらに生きていけるのは10代までなんじゃないかとも感じた。都は30を超えている割には呑気というか世間知...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―

    ユーモアを忘れず

    きっと最後の方は書くことも大変だったと思う。それでも書くことによって「病と私」だけになることを避けられたというフレーズは理解できるような気がする。
    体もしんどかったと思うが、どこか自分を客観的にみてユーモアを交えて書いているのはさすが。
    どうかゆっくりお休みください。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    すごくリアル。主人公と同世代なので、共感できる部分・刺さる部分がたくさんあった。自分の将来について考えさせられた。
    プロローグには騙されたなー。
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    読んでよかった。大学生の時に彼氏にファースト・プライオリティーを貸してもらってすんごくハマって、初めて作品が好きで名前を覚えた作家さんだったし、当時唯一「あ、この人知ってる」と思える人だったから、どういう事を思うのか少しでも知れてよかった。

    話は緩和ケアに入るところから始まって、そこの先生にどうい...続きを読む
  • みんないってしまう
    山本文緒さんの本を、10年いや二十年前に読んだ時、そんなに心引かれた記憶はなかった。
    時はたち、山本文緒さんの小説やエッセイが面白いとか、わかるなあと、かんじられるようになった。
    簡潔な文章で、人の心や情景とかを描写できる作家さん。
    山本文緒さんは、もういないけど、遺していかれた小説を読んでみよう。...続きを読む
  • ばにらさま
    私たちは、晴れることのない空虚さを抱えたまま、この「日常」という、いつ崩れるかもしれない薄氷の上を歩くが如く生きていかないといけないのかもしれない。いや、それが「生きていく」ということなのかもしれない。

    女性の日常を描いた6編の短編集。
    未婚のアラサー女性を描いた表題作から始まり、主婦としての女性...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    ■印象的な科白

    ・父が都に対して
    「お前の人生に家族は必要ないっていうなら、この先死ぬまでひとりで生きていけ。もしこの家を出て、結婚して新しい家庭を作ったとしても、やっぱりお前は何かあったら逃げるんだろう」


    ■印象的な場面

    ・求職中の貫一から都に ティファニーのオープンハート
     上野駅浅草口...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    仕事に結婚に介護…誰だってうまく人生を回せるよう決断したいと思います。自分の事、周りの人の事考えるときりがない。悩みぬいて出した都の答えは、かっこいいと思いました。これは時代とともに女性の人生の選択肢が増えた事によるものかなと感じました。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    松本穂香さん主演のドラマがとても良く、登場人物達の心情やドラマでは描ききれなかったストーリーが読みたいと思い原作を手に取った。


    仕事、恋愛、親の看病…30代の主人公が抱えている悩みが今自分が感じている漠然とした不安と重なり焦燥感に駆られながらページをめくった。
    最近知ったのだが、20代後半から3...続きを読む
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    結婚とか将来の話をしようとすると結論を出さなきゃって気持ちになるからお互いになかなか言い出せない主人公の二人。
    色々寄り道しながらも、最終的にはこの人と一緒に過ごすしか考えられないって相手に出会えたら素敵なこと。

    彼女の方は、優柔不断で八方美人。周りからは善意で溢れているように見えるけど、自分自身...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    人生の終わりが見えていても、日常は続いていく。山本さんと旦那さんの毎日がとてもリアルに描かれていて、死期がだんだん迫ってくる頃の日記に涙した。
    変わり映えしない日常に少々つまらなさを感じていたけど、毎日少しでも楽しいこと、気持ち良いと思えることがあればそれで十分、今を楽しむことが大事なんだと気付かさ...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    病気になって夫とふたり無人島に流されているような日々を送っているようだと、書かれた日記でした。
    がん宣告を受けて完治不能だと知ってから、あらゆる苦しみから逃げなくちゃと思ったのと同時に、それは不可能だと分かっていたように思う…と書かれていました。

    少しでも、体調の変化に「もしかしたら今晩何かあるの...続きを読む
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    私が、自転しながら公転するを読んでいる時には、既に山本文緒先生はこの世に居を去られていた。

    凄い力作だなぁと思ったし、もっとこの作家さんを読んでみたいと思ったのだが、とても残念だ(ToT)

    この本は、膵臓癌で治療法は無く、進行を遅らせることしか出来ない状況で、緩和ケアを選択された山本文緒先生の生...続きを読む
  • 恋愛中毒
    「他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。」
    よく引用されているこのフレーズが出てきた時はまだ、こんな展開になるとは想像していなかった…!
    水無月は過去の恋愛を引きずって苦しむ、自己主張が控えめで地味な女性。
    未練たらしくなってしまったり、ちょっと重くなってしまったりすることはあるよね〜なん...続きを読む