山本文緒のレビュー一覧

  • 残されたつぶやき

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    今まで出会ってきた作家さんの中で、
    ダントツで感性があっているお方。

    亡くなっているのが本当に悲しいけど、
    本書は気軽な日記でさくさく読める。

    1年 単月ごとの振り返り&来年の抱負、よかったな。
    真似してみようかな。

    「悪い身体が悪い心を生む」がまたパワーワードとして刻まれました。

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    2024年01月13日
  • そして私は一人になった

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    こういう日記、今ではブログでのつぶやきでしょうか。
    人の生活を覗き見しても、とくに笑えるわけでも、泣けるわけでもなく、共感するというほどのことでもなく
    そうなんですね、でした。

    246ページからの
    「そして私は飲まなくなった」
    ここからだ。
    2007年晩秋として、書かれいていたこと。
    胆嚢の摘出手術、お酒が飲めなくなったこと(体が受け付けなくなった)、これが、亡くなる原因の始まりでもあったのでしょうか。
    ここからのことが、むしろ読みたい。
    自分も体のことは家族に迷惑をかけない程度にケアしないとなと思いました。

    次は 無人島のふたり を予約

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    2023年11月11日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    2人の人間の間にだけ存在する世界の物語、3つ。
    最終話が1番好み。
    2人は可哀想なんかじゃないって私も思った。

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    2023年11月04日
  • パイナップルの彼方

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    ネタバレ

    20代前半の悩めるどこにでもいそうな女子たちの、浮き沈みの激しい心と生活が丁寧に描かれた作品。
    ちょっと昔に書かれた話だから、いまの時代とは違うところが多いけど、それがまたいい味を出してるのよ。
    なかなか電話が繋がらなくてもどかしいとか、ワープロ使ってるとか、四大卒女子がちょっと珍しい感じとか。

    23~4歳の深文は、自分のキャラを理解してて、彼氏にどう甘えていいかわからない。かわいい発言はキャラじゃないけど、泣きたいときだってある。でも、そういう時に限って頼ろうとする相手はみんなトラブルを抱えてる。
    深文の先輩サユリさんと、後輩日比野とのやりとりが好き。どっちもいそうなんだよぁ。一見大人しくて淡々としてるサユリさんみたいな人が地雷系なのは、いつの時代も変わらないかもしれない。傍から見てる分にはおもしろい。深文の気持ちがわかるけど、痛い目見ることになるとは誰も思わなんだ、、、笑

    最後に深文がハワイに行って終わるのはなんか嫌だなぁと思ってたら、まさかの展開で、これもまた好き。

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    2023年10月11日
  • 眠れるラプンツェル

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    ネタバレ

    面白かった
    専業主婦6年目の汐美ちゃん 手塚さん
    夫は仕事で留守
    ある日、夫が猫を持って帰ってくる
    隣の家の息子ルフィオと知り合い、家にくるように
    その後父親のダニーも家に来るように
    そしてある日ネコをベランダから突き落とす…

    あなたには帰る家があるの真弓と同じマンションに住んでた!

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    2023年07月27日
  • 結婚願望

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    最近パートナーとズレ・摩擦が生じてしまって、
    なんで結婚したんだっけ沼から脱出したいなーと思い、手にとりました。

    本書は”寂しいけど、結婚したいけど、保証はないからひとりで生きる覚悟を決めるために理詰めで頭を整理した本”という感じ。

    私は結婚しているからか、なぜ人が結婚するかにフォーカスされた1-3章より、その先にある人生を語った4章以降がぐさぐさ刺さった。

    「人の心というのは柔らかいだけに、どんなふうにでも形を変え、時には凶器にもなりうる。— 自分の心に殺されたのだと思う。」

    「— 心の筋肉は、他人と関わることでしか鍛えられないような気がするのだ。」

    ん〜刺さる、、、まさに自分の心に殺されかけている。何度も殺されかけた経験から、心を守りたくて鎖国し、そして免疫のない心を作り上げている、、、。ぐさ。

    1人じゃ生きられないのはわかってた、でも他人が怖くて、深く理解してくれるパートナーが嬉しくて、彼がいれば大丈夫、と寄りかかりすぎてた。
    すごい重圧だっだろうな。

    自分を救えるのは、自分だけ。

    鎖国しすぎてたなあ。
    心を守るため、と思ったけど、結果的に心を弱くしてたかな。
    その点本は、傷つくことなくたくさんの別世界に連れてってくれるから好きなのかも。

    まあなんか色々考えてしまった。
    結婚に係るもやもやが頭をよぎる方には、自分の閉鎖的な思考に一石投じてくれる本。

    おすすめ。

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    2023年07月17日
  • チェリーブラッサム

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    小学生の頃、母に勧められた思い出の本です。
    恋愛に憧れていたあの頃を思い出し、キュンとするのと、ミステリー要素もある本当に面白い素敵な小説。

    もうすぐ中学生の娘にお勧めして、親子でキャッキャ感想大会開催中。笑

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    2023年07月03日
  • 群青の夜の羽毛布

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    ネタバレ

    可愛らしい表紙からは想像できないホラー。
    毒親の話だと読み始めたが、途中何日か休み休み読んだ。

    2人姉妹、姉のさとる、妹のみつる。姉妹の母がかなりの毒親で教師。さとると付き合っている鉄男。大嫌いな母から逃れられない。
    最初から挟まれる誰かとカウンセラーとの話。誰と誰の話か後半わかるが、他にもとんでもない事実がたくさん。
    母の自白により、さとるは自宅に灯油をまき火を付けようとする。その時のある人の言動から気がふれていた訳ではないのかも、演技かも、と感じた。演技でここまでするのはかなりの精神力が必要。
    さとるの彼氏の鉄男、フラフラしてしっかりしてほしい。
    でも鉄男の家族にも問題があったからか。
    妹みつるが、鉄男に
    「どこまでやったら親孝行で、何をしなかったら親不孝なんだろう」「もうお父さんもお母さんもお姉ちゃんのことも、可哀想だなんて思わない」
    と伝えたところは、私も思う所あり。

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    2023年06月16日
  • 残されたつぶやき

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    近年まで生きていたのに、突然亡くなってしまい、その後にエッセイを読むのは悲しい気持ちになった。
    うつに苦しみ、手術をし、ダイエットに励み、最後はガンに倒れた著者が紡ぐ物語、言葉は大きな魅力があった。
    派手な人物が出てこない平凡な人たちの話なのに、心を離さないのは何故だろう。
    惹き付けられるものは何なのだろうと。

    軽井沢に移住した理由はまた後で、と書かれていたが結局どこにも記されて居なかった。
    理由が気になる!

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    2023年06月15日
  • 紙婚式

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    夫婦、という関係性はとても難しい、と常々感じる。

    人のこころはとても移ろいやすく、共に生活する中で見せたくない部分もさらけ出しながら、良好な関係を築くのは相当努力が必要だと思う。

    この本の二人は8つの話すべてに子供がいないことが共通項。子供という強烈な嵐はものすごく覚悟が必要だけど、家族になるための重要なトリガーになりうるのかもな、と思ってしまった。
    子供がいると人間が苦手な”停滞”の状況は良くも悪くも無くなってしまうから。

    そんな風に親に依存されるのは実体験からものすごーーーーく嫌だけど。

    命ほど重いものを抱えないと、他人と交わり、尊重し、手を取り続けるなんてできないのかも。
    紙婚式の「夫は既に私の一部である。ー 淋しさを紛らわしてくれるのは 他人 であることを私は知った」がすごく印象に残った。

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    2023年06月03日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    人間の狡猾な面を絶妙なエピソードでえぐっていく手法はお見事。
    揺れ動く気持、周りの人の意見、環境。どこにどう転がっていくか最後までわからず引き込まれるように読み進められました。

    #シュール #切ない #深い

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    2023年04月24日
  • 日々是作文(ひびこれさくぶん)

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    文緒さんも葛藤しながら、悩みながら、もがきながら生きてるんだなぁと思った。
    こうした想いがあるからこそ、心に響く数々の作品を生み出すことができたんだろうな。
    厳しいながらもどこか愛情を感じる文章で「今の生き方でいい、自分で選択した道を信じて進めばいい」と希望と自信を持たせてくれる人間くさい山本文緒さんの作品がわたしは大好きだ。

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    2023年03月25日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    今の状況から脱出したい気持ちが心の奥にあるけれど、どうにもうまくいかない……。
    そんな人たちが登場する中編が3作収録されている。

    『アカペラ』
    衝撃的な作品だった。
    両親と上手くいっていない十五歳のたまこは、祖父と仲が良く、友人からも「まる子と友蔵みたい」と言われている。
    たまこは祖父が大好きだから、携帯に涙声でいきなり電話がかかってきても気にしていない。
    祖父は自分でできることも多いが、認知症なのかな?と思う場面も多々あり、両親が家にいないたまこはヤングケアラーであるように思った。

    「十六になったらすぐ、結婚するってじっちゃんと約束したの」
    老人ホームに入れられそうになった祖父と駆け落ちし、体の関係を持ったたまこは、担任の先生にそう言った。
    そんなたまこは、祖父が入院後目を覚ましたとき、涙を流しながら「悲しい」と思う。
    祖父のことを慕っていたたまこが、このとき「悲しい」と思ったのは、祖父がたまこをいつものように「まあこ」と呼ばなかったからだろう。
    幼少期に家族が使っていた「タマや」という呼び方をした祖父は、「十六になったら結婚しよう」と言ってくれた祖父ではなくなった。
    「まあこ」とは、祖父の最初の奥さんの名前だ。
    たまこを「まあこ」と呼ばなくなった祖父は、もしかしたら結婚の約束も、体の関係を持ったことも忘れてしまったのかもしれない。
    「結婚したら堂々と母親を追い出せる」という希望が、たまこから抜け落ちてしまったのだと思う。


    『ソリチュード』
    今の状況も自分もなんとかしたい、ここから逃げ出したいと思っている主人公・春一。
    高校生のときに家を出て、流れに身を任せて三十半ばまで生きてきたが、自分がどうしたいのかも分からないでいた。
    そんな中、いとこの美緒や彼女の娘である一花、昔の友人の武藤と関わりながら、自分の置かれている立場を少しずつ理解していく。

    父親の怒り、母親の気持ち、美緒の両親の気持ち……。
    かつて自分に向けられていた大人たちの気持ちに、春一はようやく「そうだったのか」と感じられるようになった。

    自分の気持ちが掴めずいつも宙ぶらりんで、どうしたらいいのか分からない。
    面倒なことは保留ボタンを押して先送りにしてしまう。
    そんな春一が少しずつ他人の気持ちを思い、自分の気持ちにも向き合っていくような話だった。


    『ネロリ』
    もうすぐ五十歳になる姉・志保子と、体が弱く一度も働いたことがない三十九歳の弟・日出男。
    二人暮らしをしているこの姉弟は、二人だけの幸せのために、未来に期待せず、ただ毎日を小さく生きている。
    そういう感じがした。

    志保子が須賀から結婚を迫られたとき、彼女は掴みかけた未来を、自ら諦めたように見えた。
    亡くなった母親の看病を日出男に押しつけてしまった、それがきっかけで日出男の体調が悪化してしまったという後ろめたさ。
    それを手放して結婚できない志保子は、その罪悪感にしがみついているようにも思えた。

    日出男と付き合っている心温(ここあ)が、唯一の救いだと思った。
    未来に薄暗い靄がかかっている姉弟にとって、彼女がひとつの光になるような気がしている。
    これからを感じられるラストが良かった。

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    2023年02月25日
  • 紙婚式

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    大恋愛の末結婚したわけでもなく、激しく憎しみあって別れたわけでもない。そんな夫婦像がリアルに感じる。
    ただ結婚したら専業主婦になって家を守るという概念が今や古く感じる。

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    2023年02月13日
  • 残されたつぶやき

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    山本文緒が好きだ。
    だから彼女の没後この本が出た時、読みたいような、読みたくないような複雑な気分になった。

    読んでよかった。

    Twitterやnoteを追ってこなかったから、エッセイにもなっていないこういう普通の文章を読むのは新鮮だった。
    大げさだけど、山本文緒に支えられた時期があった、と確かに思う。

    もういないんだな、と再確認した本だった。

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    2023年02月05日
  • ファースト・プライオリティー

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    久しぶりに再読。どの作品も新鮮で、食べたかった美味しい料理をいただいたような満足感。
    通り過ぎず、一時心に留まってくれる作品ばかりです。
    もっともっと新しい作品を読みたかった。

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    2023年01月29日
  • みんないってしまう

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    12話の短編それぞれのストーリーの面白さにとどまらず、読み終えてその続きはどうなるか考えてしまうというか、後をひくというか、山本文緒さんてすごいなあと思います。亡くなられたのが残念でなりません。

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    2023年01月21日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    「そしてわたしは一人になった」の続編。
    「再婚生活」という主題だけれど、実際は副題の「うつ闘病日記」の内容が濃いエッセイだった。
    かなり赤裸々に描かれているので、冒頭に筆者が書いている通り、精神状態がよくない人は要注意。引っ張られてしまうかも。

    わたし自身も7年ほど前にうつで退職した上、仕事でカウンセリングにも関わっているので身近な話題。

    よく言われることだけど、うつになりやすい人の特徴として、真面目に考えすぎる、人に頼るのが苦手というものがある。
    エッセイを読むと筆者の真面目さ、思慮深さや観察力が鋭いからこそ傷ついてしまう苦しみを感じる。
    また完璧主義で成果が出ない時間を待つことができない性質も、うつになりやすい人の特徴なのかもしれない。これも筆者に共感した。

    メンタルヘルスケアは世間的に身近になってきてるし、個人的にはもっと身近に気軽になって欲しいと思うけれど、目に見えないし必要な人こそまだハードルが高い行動だと思う。

    身近な人に頼る練習や、作中の最後にも出てくるように、日記を書いて客観視する、悪いことだけを考えない、というのはぜひ実践したい。

    また自分の身近な愛する人の心の健康にも目を向けたいし、必要な時に手を差し伸べて助けたいと思った。
    それが自立というものだ。たしかに。

    ■引用
    「手に入っているものが多ければ多いほど、人の気持ちは安定するのだと、私も昔思っていた。だからこそ、前の離婚直後、通帳の残高が赤字だったところから始めて約九年、誰かに何かを 貰うんじゃなくて、努力をして、私が私にコツコツと恵んできたのだ」

    「反感を買うかもしれないが、恵まれているんじゃなくて、私が私に多くのものを恵んできたのだ」

    「ほんとは自分の生活が王子に浸食されている部分があって、そのことに怒っていることを私は認めたくなかった。王子はいつだって優しい夫なので。でも、認めて、解決しなくては、体も治らないのかもしれない」

    「年齢的にも(四十代になった)環境的にも(中堅作家になった・再婚した)大きな変化があったので、それに伴って考え方も物事のやり方も、今まで通りでは通用しなくなっていて、新しいベクトルの方向を模索しないとならないという自覚がある」

    「私は時間において、王子を疑りはじめているんだと自覚。これからの長いはずの結婚生活、それを 諦めてゆくんだな、そして自衛してゆくんだなと思った。振り回されないように。気持ちを乱されないように」

    「ずっと私はうつになった原因は、なにか心因性のものだと思っていた。仕事上のいろいろなストレスや引っ越しや再婚で、感情のバランスが狂ったのだと思っていたけれど、そうじゃなかったと最近しみじみ思う。だいたいその「外から攻撃された」という被害者意識がまずいけなかった。  私の場合、悪い体が黒い心を生んだのだ」

    「人にショックや怒りや不愉快な感情を起こさせて物事を考えさせるという手段は有効なのかもしれない。けれど私はしたくない」

    「世の中に向かって表現をできる技術を持っている人間は恵まれている。だからこそ自重も含め慎重にならなければいけない気がする。偽悪的になったり、それを感情任せで論破したり、したり顔で分析したりすることは、ネットの2ちゃんねるで行われていることと大して変わらない気がする」

    「リンダの 旦那 さんはそっけないらしく、彼女が用事で外出から戻っても「どうだった?」とまったく聞かないそうだ。ああ、それってまさに私の前の夫もそうだったなと思う。昔、私は前夫に「なんでなんにも聞かないの?」と尋ねて「興味のないことを延々と聞かされたくないから」と答えられたことがある。きっと私の話がくどかったのだろう。でもヒドイ。王子はそんなことは言わない。それとも言う日がくるのだろうか」

    「調子の悪いときは誰でも多かれ少なかれ視野が狭くなってしまいますが、この頃の私は悪い材料ばかりに目がいっていたので、日記メモを残しておけば、夫が私に「ほら、具合のいい日もあるんだから大丈夫。ずっと悪い日が続いているわけじゃないんだよ」と説得できると考えたそう」

    「身近な人が、それまで貫いてきたであろう意志がぐらついてきているのに気がついたら、気をつけてあげて下さい。単に怠けているだけだと決めつけないで」

    「つまり自立とは、自分さえ良ければいいというわけでなく、弱った人を助けることができることだと知ったから」

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    2023年01月09日
  • 群青の夜の羽毛布

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    BOOK・OFFでタイトルに惹かれて購入。あっさりとした文体で描写のイメージがしやすく、また物語も面白かったので一晩で一気読みしてしまいました。最後のシーンではあと数ページしかないと物語が終わってしまうのを惜しむほど毬谷家と鉄男からなる物語にどはまりしてしまいました。また読みたい小説です。

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    2022年12月20日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    様々な家族の物語。三編とも物語を通じてそれまで家族が日常を過ごしてきた前提が変わり、その後家族がこれからどう生きるかというところで終わっている。

    読後の爽快感は得られないが、物語の家族を自分の家族に置き換えて考えたとき、自分はどの物語の登場人物のように振る舞えるか。そう言う観点で物語を読んだ。

    三編ともに素晴らしいが、個人的には「ネロリ」が、伏線の回収の仕方、未来への希望を抱かせてくれる点で1番私好みだった。

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    2022年12月18日