山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ可愛らしい表紙からは想像できないホラー。
毒親の話だと読み始めたが、途中何日か休み休み読んだ。
2人姉妹、姉のさとる、妹のみつる。姉妹の母がかなりの毒親で教師。さとると付き合っている鉄男。大嫌いな母から逃れられない。
最初から挟まれる誰かとカウンセラーとの話。誰と誰の話か後半わかるが、他にもとんでもない事実がたくさん。
母の自白により、さとるは自宅に灯油をまき火を付けようとする。その時のある人の言動から気がふれていた訳ではないのかも、演技かも、と感じた。演技でここまでするのはかなりの精神力が必要。
さとるの彼氏の鉄男、フラフラしてしっかりしてほしい。
でも鉄男の家族にも問題があったからか。
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Posted by ブクログ
夫婦、という関係性はとても難しい、と常々感じる。
人のこころはとても移ろいやすく、共に生活する中で見せたくない部分もさらけ出しながら、良好な関係を築くのは相当努力が必要だと思う。
この本の二人は8つの話すべてに子供がいないことが共通項。子供という強烈な嵐はものすごく覚悟が必要だけど、家族になるための重要なトリガーになりうるのかもな、と思ってしまった。
子供がいると人間が苦手な”停滞”の状況は良くも悪くも無くなってしまうから。
そんな風に親に依存されるのは実体験からものすごーーーーく嫌だけど。
命ほど重いものを抱えないと、他人と交わり、尊重し、手を取り続けるなんてできないのかも。
紙婚式 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今の状況から脱出したい気持ちが心の奥にあるけれど、どうにもうまくいかない……。
そんな人たちが登場する中編が3作収録されている。
『アカペラ』
衝撃的な作品だった。
両親と上手くいっていない十五歳のたまこは、祖父と仲が良く、友人からも「まる子と友蔵みたい」と言われている。
たまこは祖父が大好きだから、携帯に涙声でいきなり電話がかかってきても気にしていない。
祖父は自分でできることも多いが、認知症なのかな?と思う場面も多々あり、両親が家にいないたまこはヤングケアラーであるように思った。
「十六になったらすぐ、結婚するってじっちゃんと約束したの」
老人ホームに入れられそうになった祖父と駆け落ち -
Posted by ブクログ
「そしてわたしは一人になった」の続編。
「再婚生活」という主題だけれど、実際は副題の「うつ闘病日記」の内容が濃いエッセイだった。
かなり赤裸々に描かれているので、冒頭に筆者が書いている通り、精神状態がよくない人は要注意。引っ張られてしまうかも。
わたし自身も7年ほど前にうつで退職した上、仕事でカウンセリングにも関わっているので身近な話題。
よく言われることだけど、うつになりやすい人の特徴として、真面目に考えすぎる、人に頼るのが苦手というものがある。
エッセイを読むと筆者の真面目さ、思慮深さや観察力が鋭いからこそ傷ついてしまう苦しみを感じる。
また完璧主義で成果が出ない時間を待つことができな -
Posted by ブクログ
おもしろかった!みんないろんな事情を抱えて生きてるんだなぁ。
それでも笑顔で何事もないかのように毎日ニコニコ楽しそうに生きていけることが自分の人生を良くしていける最短ルートなのかもなと思う。。
「ゲーム」
簡単に掌握できる恋愛ゲームは難易度ゼロだけど、人間関係だから最終的には嫌な結果しか残らない。
ていうかそもそも最初から最後まで何も楽しくない。
こちらは大して何も考えず通常運転なのに相手に勝手に好都合に拡大解釈されたことを、
「公平性の問題、ルールを無視して素人を本気で殴ったから」という表現がそういう事象にピッタリすぎて感心した。今後この言い回し使いたい。。
良くも悪くも自分と同じよ -
Posted by ブクログ
よかったですとても。わたしはたぶん著者と気質が似ているので。既読の作品も再読したくなった。
"体の具合がどこも悪くなくて、親しい人もみんなとりあえず健康で、さしせまった悩みもない。
空は青くて、日が暮れたら眠くなってきて、今日も本が読めずに終わりそう。
つらかった日のことはあれこれよく覚えているのに、こんなうつくしい一日のことはきっと簡単に忘れちゃうんだと思うから書いておく。"(p.107)
"二度とうつっぽくなりたくない、そのためなら何でもする、くらいの気持ちです。
だって、うつ、つまんないから!
本当につまんないよ、うつ! 来る日も来る日も憂鬱なんだ -
Posted by ブクログ
「みんないってしまう」というタイトルに惹かれて読んだ。好きなアイドルが活動休止した、憧れの先生が退職した、大好きな彼氏に振られた、応援しているバンドのギターが脱退した。みんな、いってしまうのだな、と思う場面が最近多くて、その大きな喪失感とか、悲しさとか、どうしてという疑問で心がいっぱいになりつつも、社会は止まりはしないので、無理矢理に心身を働かせて生きていく毎日を過ごしている。失ったあとには何かが得られる、などもう聞き飽きた私にとって、置いていかれた側の主人公たちは仲間であり、友人であり、恋人だった。今読んで良かった。山本文緒が好きだ。