山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ何度も読んでいる作品。でも楽しめる。
二組の夫婦の片方ずつが不倫。地方都市にありがちな同じ企業グループに属する人ばかりなので、どこかで繋がってくる。
みんな勝手なことばかり
茄子田は一家の大黒柱であることが幸せ。茄子田綾子は夢見るような純愛を貫きたい。佐藤真弓は仕事のできる自立した女になり家事育児に協力的な夫が欲しい。佐藤秀明は考えないで夫に寄生して生きられる専業主夫になりたい。
既婚者なら多少は誰のエピソードにもわかるところがありそう。結末が綾子と秀明が不倫から結婚して4人の子持ちバージョンも読みたいと思った。もう叶わないけど… -
Posted by ブクログ
稼ぎのある旦那さんの元で働かずに過ごすことが楽でいいよ、お金のある人と結婚しなさい、と人生で1度は言われたことがあるだろう。しかし、汐美のように暇とお金を持て余した人間が感じるのは埋められない孤独感。タビを飼い始めた頃は少し孤独が無くなったが、次第に埋められない孤独感に押しつぶされそうになる。不妊治療に協力してくれない夫、面倒くさいアパートの住人との関係。孤独すぎて辛いのに、アパートの人と関わるのが面倒くさくてつい避けてしまう気持ち、わかる気がする。自分と同じ孤独の匂いがするルフィオに恋心を抱くのは自分と同じ世界に生きる人間だからだと思ったからだと思う。しかし、いい歳をした大人が中学生と身体の
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山本さんが自分を見つめ直し、人生観や恋愛観を描く文章が面白く、ユーモアたっぷり。「悪霊ケッコンガンボー」で、結婚したくてたまらない山本さんの結婚観が描かれていた。恋愛とお酒と仕事。曖昧にするのが嫌で、小説のためにエイズの検査をしに行ったり、高校生時代、一人で街をぶらぶらしたり。自分という芯を持っており、自分のために行動しているところがかっこいい。「作家」という職業で食べていくことの大変さ、人に紹介するときに胸を張って言えない自分への焦り。働いても、何者にもなりきれていなくてもがいている。働くと自分のあり方や、何者であるか見えてくるかと思ったけれど、大人も何者かになりたくて一生懸命もがいているの
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なにかのオススメで見て、どんな話かまでは覚えてなかったけど予約待ちもなかったので読んでみた。
話の主人公は都という非正規でアウトレットにあるアパレルの仕事をしている32歳の女性。
同じアウトレットにある回転寿司を食べに行ったときに出会った態度の悪い店員の貫一(30)と出会い後に付き合う。
元は東京で自分の好きな服屋で働いていたが母の体調が悪くなり(重めの更年期障害)実家である茨城に戻り両親と共に暮らしている。
今働いている服屋は系統も自分の好みではなく仕事に対しての熱意などは特にない。
貫一や家族、職場との関係で色々と紆余曲折がありながらもそれに対して必死に前向きに頑張る!みたいな感じでは -
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冬乃とそのダンナ、佐々井、川崎とその恋人、百花。この2組のカップルや、その他の人物のつながりが分かりはじめたとき、「あ、これはおもしろい!」と思いました。冬乃と川崎、2人の語りで進行していきます。
冬乃と川崎の心が、丁寧に描かれており、とちゅう目頭が熱くなるところが何ヶ所かありました。思うようにならない2人のもどかしさが、よく伝わってきます。
冬乃の心の支えとなっていた、年配のおじさまの言葉
「生きていくということはやり過ごすことだよ」
この言葉、刺さりました。私も袋小路に入ったようになっていたとき、似たような言葉を職場の先輩にかけられたことがあったからです。それは、「流れにまかせて」 -
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ネタバレ山本文緒の突然の訃報はショックだった。
彼女が直木賞を受賞し、順風満帆といわれていたさなかに鬱病を発症したと知った時から、彼女の作品及び生き方は、結構私の支えだった。
体調が悪いらしいという噂も、単なる読者である私にまで届いたのだから、相当悪いのだろうとは思っていたけれど、まだまだ時間はあると思っていた。
この本を読むと、がんと診断された時点でもう手の施しようはなかったという事実にうちのめされる。
タバコを吸わず、暴飲暴食もせず、毎年きちんと健康診断を受けていて、なお。
余命4カ月。
どうすることもできない無情。
私が毎日本を読まねばいられないことを「業」と言っているように、彼女にとって書 -
購入済み
小さな高級チョコの詰め合わせ
一話ごとの完成度が高く引き込まれ気づけば一冊読み終えていました。似たような内容の話がないので全く疲れず飽きません。暫くぶりの読書でしたが、あらためて読書の楽しさを感じました。
山本文緒さんの小説をもっともっと読みたかったです。 -
Posted by ブクログ
山本文緒さんの魅力が詰まった6編の物語だ。
そこにあるのは冒険や成功や心揺さぶられるような恋愛物語ではなく、とても日常的な心模様。
幾つかの短編に登場人物の日記が記されているが、それがとても印象にのこります。
「毎日つまんないことで忙しくていやんなる」
この台詞が山本さんの本書に込めた気持ちを代表して、それを物語にするセンスが個人的には大好きだ。
「この人達はこの後どうなるんだろう?」と読書に余韻と想像力を与えてくれる。
そう、それは登場人物にも「この後の人生」があるから、、
この物語が主人公にとって「人生のほんの一部」だから、、
次に良い出会いがあるかもしれない、後悔しているかもしれない -
Posted by ブクログ
★全体の感想
待ってください、面白すぎました。。
これこれ、これぞ山本文緒!って感じ。
高瀬隼子さんと少し似てる。
ちょっとした日常を切り取ってそこから話を面白く広げるのが上手い。
最初は普通のどこにでもいる主人公が芸能人と身分違いの恋をしてしまう…っていう、よくある陳腐な話かと思ってたけど、後半にかけて登場人物が増え、回想も増えて、どんどん展開が変わっていったのが面白すぎて一気読み!
『恋愛中毒』っていうタイトルの意味も分かった。
怖い。けど心情描写がリアル。
もう1回記憶をなくして読み直したい。
愛がなんだ とちょっと似てるか?
★主人公について
これぞ、女ァ!って感じ。
私なんて…っ