山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋愛に全く興味のない私。読み切れるだろうかと思って躊躇していた、結構分厚い小説。そんな心配は無用。水無月の特異な人生に引き込まれ、ほとんど一気読みだった。
水無月は、売れっ子芸能人の愛人となり、この世の贅沢を片っ端から体験していく。
知的で仕事もできる女性でありながら、恋愛への執着が次第に彼女を追い詰め、取り返しのつかない行動へと向かっていく物語。
人って本当に欲張りだなぁ。わたしからすれば羨ましすぎる贅沢。ビジネスクラスで海外旅行にお供して。贅沢な暮らしができるお給料もいただける。ましてや、人間の根本的な欲求である物欲や、美食や、性欲も満たされている。
わたしは、読書の合間に、夕食用に買った、特売の鶏もも肉に、下味を漬け込みながら、そこに愛なんかいらんやろー!もっと上手くやれよーって叫びたくなったわ。
わたしのは、人の羨む様な生活とは無縁だけれと、毎日、こころが健康で、手を動かして、掃除して、食事を作ってたべる。恋愛感情とかないけれど夫婦で暮らせている。そんなささやかな暮らしに感謝しようと考えさせられた小説でした。
人の欲望は、上限知らず。贅沢は敵って昔の人はよく言ったものだなー。
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Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ良かった。アパレルで働く女の子のお話。主人公が、家族、恋人、仕事を彼女なりに乗り越えていく話。母が更年期障害で、自分の時間がなかなか取れずに葛藤してて、自分も確かになあって思った。
父との喧嘩のシーンで、嫌味な感じで言うのは良くないって思ったw
はっとしたシーンは、恋愛なんて楽なわけがない。人間同士の感情のぶつかり合いだから。それはキツいわけだわ
なるほどなって思ったことは、気の合わない人と不安を解消するためだけに一緒になる必要なんかないってこと。
私が一番心にきたセリフは、別にそんなに幸せになろうとしなくていいの。幸せにからなきゃって思いつめるとちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ。
これはめちゃくちゃ響いた。
あとどんでん返しで、エピローグで結婚したのは都だと思ってたけど都の娘かいってなったw -
Posted by ブクログ
ネタバレ振られたのを契機に。
結局、「諦めると決めたことをきれいに諦めて、二度と会わないと決めた人にはほんとうに二度と会わない」って言葉を水無月は守れなかった。
恋愛において、主観と客観は大きくかけ離れていることは周囲でも、自分でも良くあることだ。友人の不毛な恋愛を止めるときはもっともらしいことを言うが、自分が誤った恋愛をしている時は全く自覚はなく友人の言葉も耳に入らない。水無月も他人には理性的ではありながら、自分の恋愛をコントロールできていない。
私自身、彼の手を強く握っている自覚は無かった。初めての彼氏で、むしろ様子をうかがいながら恐る恐る手に触れるくらいの感覚だった。それでも彼にとって負担だったのであれば、本当に根本的な部分でずれていたのだと思う。
「好き」のほどよい距離感って何回か恋愛を経験しないと掴めないのだと思う。
次は優しく長く手を繋いで行ける人と出会えたらな。
また数年後に読み直したい。 -
Posted by ブクログ
〈女の罪〉を描いた10編の短編集
一編は20ページほどなので、さらっと読むことができてよかったです!キセルや不倫、借りパク、友達との約束を忘れる、電車の忘れ物を盗むなど…様々な〈罪〉が描かれており、考えさせられました
ブラック・ティー
百年の恋
寿
ママ・ドント・クライ
少女趣味
誘拐犯
夏風邪
ニワトリ
留守番電話
水商売
作中の「真実など、何の役にたつのだろう。生活は、ただここに毎日あるだけなのに。」という言葉が刺さりました!
お気に入りの話は「寿」、「夏風邪」、「ニワトリ」、「水商売」
「少女趣味」は女性側の罪とは…?とあまりぴんとこなかったので、他の人の話を聞きたくなった。
「ニワトリ」では罪の意識のない主人公が他人から指摘されて自分のしてきたことに気がつく様子が印象に残っています。
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Posted by ブクログ
ネタバレ彼女がどうして私に愛犬を託すことにしたのか、その理由はやはりわからない。わからないまま私は暮らしてゆく。
何も成し遂げた実感のないまま、何もかも中途半端のまま、大人になりきれず、幼稚さと身勝手さが抜けることのないまま。確実に死ぬまで。
プラナリアぶりの山本文緒作品
短編集だけどどれも好きな作品だった
派手な展開や変わった設定があるわけでもなく、「
生活」がベースのものだったけど、どの作品のキャラクターも地味に癖があり、実際の世界にいそうで、かつ立体感があるので見応えがあった。
いつくかのものにはちょっとした仕掛けもあり見事に引っかかったので面白く読めた。
個人的には最後の主人公が自分に近いように感じた。50歳を前にして自分のことを子供おばさんと自嘲して、大人になりきれないと思っている彼女は社会的に成功しいるわけでも結婚したり子供がいるわけでもないけど、繰り返される自分の生活を淡々と暮らしていくことができている。
そんな様子を読んで何か特別なものや世間一般でいう家庭を持つことに固執しなくていいかもと思うことができて少し胸が軽くなった。
その作品集が最後とのことでとても残念だが、未読のものをよりしっかり味わっていきたい