山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレなんだかとっても良かった。
初めのエピソードがミスリードで、後から読み返してしまった。
主人公とその母の語り部で進んでいくこの話は、この2人と彼女らを取り巻く人間たちの悩みの種が尽きない。それぞれの状態や境遇、人間関係に悩む辛い思いが書かれていて共感する部分も多かった。が、タイトル回収。人は自転しながら公転しているのである。主人公の都は考えが甘く、すぐ泣くし無意識に誰かの庇護下にあることを望んでしまうような保守的な、昔の考えを持った人だなあと思う。流されてばかりの都が啖呵を切って自分の考えを伝えるシーンも良かったし、周りの人の意見を聞いて決めきれなくなってしまうシーンも良かった。人って感じで -
Posted by ブクログ
久しぶりに、びっくりするほど最高な小説に出会えた。
人は必要な時に必要なものに出会う縁を私は信じていて、そのひとつがこの本だったんだと思う。
心に刺さるフレーズが多くて、メモをしながら夢中で読み進めた。
無骨だけど心根は優しい恋人との将来、家族との関係、情熱を注ぐほどでもない仕事のことなど人生に不安を抱いている、アラサー未婚の女性が主人公。
彼との将来が不安なのだと思っていた都が、実は自分が自立できていない不安を、彼への不満という形に置き換えていただけなのではないかと友人に指摘される場面にドキッとした。
私も、そよかみたいに歯に衣着せぬ物言いをしてくれる友人が欲しい。
真ん中まで読み -
Posted by ブクログ
〈女の罪〉を描いた10編の短編集
一編は20ページほどなので、さらっと読むことができてよかったです!キセルや不倫、借りパク、友達との約束を忘れる、電車の忘れ物を盗むなど…様々な〈罪〉が描かれており、考えさせられました
ブラック・ティー
百年の恋
寿
ママ・ドント・クライ
少女趣味
誘拐犯
夏風邪
ニワトリ
留守番電話
水商売
作中の「真実など、何の役にたつのだろう。生活は、ただここに毎日あるだけなのに。」という言葉が刺さりました!
お気に入りの話は「寿」、「夏風邪」、「ニワトリ」、「水商売」
「少女趣味」は女性側の罪とは…?とあまりぴんとこなかったので、他の人の話を聞きたくなった。
「 -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女がどうして私に愛犬を託すことにしたのか、その理由はやはりわからない。わからないまま私は暮らしてゆく。
何も成し遂げた実感のないまま、何もかも中途半端のまま、大人になりきれず、幼稚さと身勝手さが抜けることのないまま。確実に死ぬまで。
プラナリアぶりの山本文緒作品
短編集だけどどれも好きな作品だった
派手な展開や変わった設定があるわけでもなく、「
生活」がベースのものだったけど、どの作品のキャラクターも地味に癖があり、実際の世界にいそうで、かつ立体感があるので見応えがあった。
いつくかのものにはちょっとした仕掛けもあり見事に引っかかったので面白く読めた。
個人的には最後の主人公が自分 -
Posted by ブクログ
「自転しながら公転する」が年頃の女性の等身大の悩みを描いていて好きな作品だったので作者さんが亡くなっていると知り迷わず手に取った。こちらの作品もありのままの病気との付き合いが描かれていて、冗談混じりの文章だけれども日に日に弱っていく様子を追体験するようで辛かった。
読んでいて、癌と言っても毎日ぐったりしているわけではないことを知った。自分は癌なの?となるほど元気な日もあれば、朝起きた時からぐったりしている日もある。そうやって波があるからその落差に気持ちが沈んでしまいそうだと思った。それでも最後の最後まで仕事に向き合って、辛い苦しいだけじゃないありのままの日記を遺した山本さんはすごい。