山本文緒のレビュー一覧

  • あなたには帰る家がある

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何度も読んでいる作品。でも楽しめる。
    二組の夫婦の片方ずつが不倫。地方都市にありがちな同じ企業グループに属する人ばかりなので、どこかで繋がってくる。
    みんな勝手なことばかり
    茄子田は一家の大黒柱であることが幸せ。茄子田綾子は夢見るような純愛を貫きたい。佐藤真弓は仕事のできる自立した女になり家事育児に協力的な夫が欲しい。佐藤秀明は考えないで夫に寄生して生きられる専業主夫になりたい。
    既婚者なら多少は誰のエピソードにもわかるところがありそう。結末が綾子と秀明が不倫から結婚して4人の子持ちバージョンも読みたいと思った。もう叶わないけど…

    0
    2025年10月14日
  • 眠れるラプンツェル

    Posted by ブクログ

    稼ぎのある旦那さんの元で働かずに過ごすことが楽でいいよ、お金のある人と結婚しなさい、と人生で1度は言われたことがあるだろう。しかし、汐美のように暇とお金を持て余した人間が感じるのは埋められない孤独感。タビを飼い始めた頃は少し孤独が無くなったが、次第に埋められない孤独感に押しつぶされそうになる。不妊治療に協力してくれない夫、面倒くさいアパートの住人との関係。孤独すぎて辛いのに、アパートの人と関わるのが面倒くさくてつい避けてしまう気持ち、わかる気がする。自分と同じ孤独の匂いがするルフィオに恋心を抱くのは自分と同じ世界に生きる人間だからだと思ったからだと思う。しかし、いい歳をした大人が中学生と身体の

    0
    2025年10月12日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    キャリア、結婚、出産、介護…女性なら一度はぶち当たることがリアルに描かれており、共感した。
    今このタイミングで出会えてよかった。

    0
    2025年10月10日
  • かなえられない恋のために

    Posted by ブクログ

    山本さんが自分を見つめ直し、人生観や恋愛観を描く文章が面白く、ユーモアたっぷり。「悪霊ケッコンガンボー」で、結婚したくてたまらない山本さんの結婚観が描かれていた。恋愛とお酒と仕事。曖昧にするのが嫌で、小説のためにエイズの検査をしに行ったり、高校生時代、一人で街をぶらぶらしたり。自分という芯を持っており、自分のために行動しているところがかっこいい。「作家」という職業で食べていくことの大変さ、人に紹介するときに胸を張って言えない自分への焦り。働いても、何者にもなりきれていなくてもがいている。働くと自分のあり方や、何者であるか見えてくるかと思ったけれど、大人も何者かになりたくて一生懸命もがいているの

    0
    2025年10月03日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あまりライトな小説は読まないのだが、本書はタイトルに惹かれて購入し、一気に読み切ることが出来た一冊だった。印象的なのは主人公に共感できるところだけでなく、何故?と突っ込みたくなってしまうような頑固さが読み取れることである。1人の「普通」の人が抱える図々しさや頑固さ、視野狭窄さが絶妙なニュアンスで描かれ、自分は間違っていない、という人間の意固地さが見える。自分が正しいと思っている感覚が、周りからはそう見えていないことをよく表現している作品である。山本先生にはご冥福をお祈りいたします。

    0
    2025年09月28日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    なにかのオススメで見て、どんな話かまでは覚えてなかったけど予約待ちもなかったので読んでみた。

    話の主人公は都という非正規でアウトレットにあるアパレルの仕事をしている32歳の女性。
    同じアウトレットにある回転寿司を食べに行ったときに出会った態度の悪い店員の貫一(30)と出会い後に付き合う。
    元は東京で自分の好きな服屋で働いていたが母の体調が悪くなり(重めの更年期障害)実家である茨城に戻り両親と共に暮らしている。
    今働いている服屋は系統も自分の好みではなく仕事に対しての熱意などは特にない。

    貫一や家族、職場との関係で色々と紆余曲折がありながらもそれに対して必死に前向きに頑張る!みたいな感じでは

    0
    2025年09月24日
  • なぎさ

    Posted by ブクログ

    冬乃とそのダンナ、佐々井、川崎とその恋人、百花。この2組のカップルや、その他の人物のつながりが分かりはじめたとき、「あ、これはおもしろい!」と思いました。冬乃と川崎、2人の語りで進行していきます。

    冬乃と川崎の心が、丁寧に描かれており、とちゅう目頭が熱くなるところが何ヶ所かありました。思うようにならない2人のもどかしさが、よく伝わってきます。

    冬乃の心の支えとなっていた、年配のおじさまの言葉

    「生きていくということはやり過ごすことだよ」

    この言葉、刺さりました。私も袋小路に入ったようになっていたとき、似たような言葉を職場の先輩にかけられたことがあったからです。それは、「流れにまかせて」

    0
    2025年09月20日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山本文緒の突然の訃報はショックだった。
    彼女が直木賞を受賞し、順風満帆といわれていたさなかに鬱病を発症したと知った時から、彼女の作品及び生き方は、結構私の支えだった。
    体調が悪いらしいという噂も、単なる読者である私にまで届いたのだから、相当悪いのだろうとは思っていたけれど、まだまだ時間はあると思っていた。

    この本を読むと、がんと診断された時点でもう手の施しようはなかったという事実にうちのめされる。
    タバコを吸わず、暴飲暴食もせず、毎年きちんと健康診断を受けていて、なお。
    余命4カ月。
    どうすることもできない無情。

    私が毎日本を読まねばいられないことを「業」と言っているように、彼女にとって書

    0
    2025年09月19日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読み進めても読み進めても苦しかった。
    救いがないように感じて苦しかった。
    リアルすぎて苦しかった。
    もう一回読めるかと言われると難しい…

    0
    2025年09月17日
  • なぎさ

    Posted by ブクログ

    久しぶりにジーンときて、人生頑張ろうと思えました。働きすぎで自分が何やってるかわからなくなって似たような状況が小説ほどではない忙しさだったけどやっぱりやばい状況だったんだなって客観視できました。この物語から何もうまく行ってることはないけどそれでも人を大切に自分の意志をもって生きていきたいと思えました。菫ちゃんのことももっと知りたかったな(^^)

    0
    2025年09月16日
  • プラナリア

    Posted by ブクログ

    ステレオタイプ的な生き方を強制されて、そう生きたら否定され、吹っ切れていくさまがよかった。

    四十代深夜パートの短編が一番好き

    0
    2025年09月15日
  • シュガーレス・ラヴ

    購入済み

    小さな高級チョコの詰め合わせ

    一話ごとの完成度が高く引き込まれ気づけば一冊読み終えていました。似たような内容の話がないので全く疲れず飽きません。暫くぶりの読書でしたが、あらためて読書の楽しさを感じました。
    山本文緒さんの小説をもっともっと読みたかったです。

    1
    2025年09月12日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自分にとって大切な本になりました。
    出会えて良かった。そして闘病の本なのに読んでいる私が励まされた。日記も書きたくなり書き始めました。今も空で好きな本を読んで美味しいカフェで楽しんでいて欲しい。

    0
    2025年09月12日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    58歳。早いです。
    泣きながら読みました。恥ずかしながら山本さんの著作にこれまで触れた事はありませんでしたが、これから読んでいこうと思います。
    心身共に辛いであろう闘病生活の中にも関わらず、ユーモアを散りばめた優しい文章。素敵な方だったんだろうな、と。
    自分がいつ生涯を終えるか分かりませんが、なんとか両親よりは長く生きたい。子供よりは早いのは仕方ないな。妻よりは、、、
    誠に勝手ながら妻よりは先に逝きたい。逆は耐えられる自信がない。

    0
    2025年09月10日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2021年4月に膵臓がん4bと診断され、10月に他界する直前までの日記。病気の進行もリアルにわかるので、心が丈夫で、体が元気な時に読んだほうがいい。
    別れの覚悟はできているし、いろんなことに整理や始末をつける手続きは進めているものの、心の持ちように思案する、居場所が見つからない筆者の気持ちが伝わってきた。ずっと「死ぬのは怖くないけれど、どうしていいのかわからない」といっていた母の気持ちがようやく、なんとなくわかった気がする。旅立つ前の所在ない気持ちをしっかり書き留めてくれてありがとう、と感謝したい。

    0
    2025年09月08日
  • 恋愛中毒

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    水無月の言動は客観的に見れば異常なのに、少し共感できてしまう自分がこわくなった。
    恋愛に執着したり、心の隙間をこじ開けて他の人で埋めようとしたりせずに、わたしは自分の人生を生きたいな〜と思った。

    0
    2025年09月06日
  • ばにらさま

    Posted by ブクログ

    山本文緒さんの魅力が詰まった6編の物語だ。

    そこにあるのは冒険や成功や心揺さぶられるような恋愛物語ではなく、とても日常的な心模様。
    幾つかの短編に登場人物の日記が記されているが、それがとても印象にのこります。
    「毎日つまんないことで忙しくていやんなる」
    この台詞が山本さんの本書に込めた気持ちを代表して、それを物語にするセンスが個人的には大好きだ。

    「この人達はこの後どうなるんだろう?」と読書に余韻と想像力を与えてくれる。
    そう、それは登場人物にも「この後の人生」があるから、、
    この物語が主人公にとって「人生のほんの一部」だから、、
    次に良い出会いがあるかもしれない、後悔しているかもしれない

    0
    2025年09月05日
  • パイナップルの彼方

    Posted by ブクログ

    やっぱり山本文緒はすごい。どうしてこうも女の心情をうまく書くんだろう。結婚とか恋愛観とか、男がいないと生きられないとか、結婚は幸せだとか、生まれ持った特性から価値観まで、さまざまな女の真が描かれている作品
    自分がわからなくなったら読みたい

    0
    2025年09月05日
  • 恋愛中毒

    Posted by ブクログ

    ★全体の感想
    待ってください、面白すぎました。。
    これこれ、これぞ山本文緒!って感じ。
    高瀬隼子さんと少し似てる。
    ちょっとした日常を切り取ってそこから話を面白く広げるのが上手い。

    最初は普通のどこにでもいる主人公が芸能人と身分違いの恋をしてしまう…っていう、よくある陳腐な話かと思ってたけど、後半にかけて登場人物が増え、回想も増えて、どんどん展開が変わっていったのが面白すぎて一気読み!
    『恋愛中毒』っていうタイトルの意味も分かった。
    怖い。けど心情描写がリアル。
    もう1回記憶をなくして読み直したい。
    愛がなんだ とちょっと似てるか?

    ★主人公について
    これぞ、女ァ!って感じ。
    私なんて…っ

    0
    2025年09月06日
  • 恋愛中毒

    Posted by ブクログ

    とりあえず刺さった。
    恋愛ってこういうもの。自分の恋愛と重ねて共感できる部分も、自分が間違っていないと思える部分も、たくさんあった。

    0
    2025年09月02日