山本文緒のレビュー一覧

  • ばにらさま

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    短編集。山本文緒さんの最後の作品。
    揺れ動く人の心理描写が非常にうまい。何気ない日常ではあるが、つい作品に引き込まれてしまう。
    ばにらさま、白い恋人をもつ丸の内の冶金研究機関に勤めている少し太めのサラリーマンの竹内くんの心情と、彼女のばにらさまの心情については彼女の記すブログで明らかになる。そこが面白い。現代の若い女の子の心情がある意味ホラーのように見える面白さがある。
    子供おばさん、しばらく会っていない友人の葬式にでた47歳のもう若くない独身女性が主人公。彼女は友人から遺言で犬を託される。これも生きづらさを感じてる女性をよく表現している。

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    2026年08月07日
  • 日々是作文(ひびこれさくぶん)

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    山本文緒さんの作品が好きで小説は今まで何冊か読んだが、エッセイは初めて読んだ。

    10年間のエッセイということでとてもボリュームがあり、読むのには時間がかかったが、お気に入りの章は何度か読み返したくなる。

    このエッセイを読んでいると、他の小説の設定や内容にも、著者の経験や思考が色濃く反映されているのだなと、関連性が見えて面白かった。

    何気ない日常や恋愛についてなど、大事件が起こるわけではないのだが、山本文緒さんの独特な視点での分析や考えが淡々と語られていて、思わず共感してしまうような喩えや表現がたくさんあった。

    (著者は)人の心の動きが好きだ というような記載があった。まさにそういった人の心の動きを、小説等を通して描かれてきたのだと思ったし、この点を心に留めて、小説を再読するのも面白そうだと思った。

    「愛しているとは、憎んでもいるともいうことだ。」
    「憎んでいるということは、愛してもいるということだ。」

    このような表現を、このエッセイでも小説でも目にした。
    いずれも大きく心が動く行為である一方、対極の意味であるとしか今までは考えたこともなかったが、すごく山本文緒さん節であると思うし、物事や人の感情は多面的で、単純に切り分けることはできないこともたくさんあるのだと感じた。

    相反する気持ちを同時に持ったり、人間は矛盾したまま存在しているということが印象に残った。

    また、 「向上心を持たないといけないと誰が決めたのか」のように、一般的に良いと信じられている点についても、本当にそれだけが正しいのか?自分にとっての幸せは何か?を考えさせてくれるとともに、例えば気持ちが弱っている時には、そこに寄り添ってくれる著者の優しい言葉がたくさんあった。

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    2026年08月05日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「無人島のふたり」というタイトルが、この日記にぴったりだった。最期が近づく中で「夫はいずれ本島へ戻っていく」というような表現があり、喉の奥が熱くなった。死別の話では「遺された人々の辛さ」を語るものが多いが、死を迎える本人がおくる側の夫の様子を含めて書いているのは珍しい。
    体が辛い中、日記を書き続けてくれた山本さんは、真の物書きである。ご冥福をお祈り申し上げます。

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    2026年08月04日
  • シュガーレス・ラヴ

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    高校生くらいのときに読んだものを再読

    この話の、肥満の章が子供心に印象に残っていた

    母親に勧められて読んだ記憶があるが、なぜこれを高校生に読ませたのか、謎

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    2026年08月03日
  • 恋愛中毒

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    吉川英治新人文学賞受賞作品。
    お弁当屋さんでバイトをしている水無月は、有名でない甘ったるい恋愛小説の翻訳をしているが、まだ翻訳だけでは食べていくことはできない。
    大学時代からの付き合いから結婚はしたが、夫の浮気で離婚したが、その苦しさから、もう他人を愛しすぎないて誓っていた。
    水無月は、お弁当屋さんのお客さんで来ていた有名なタレントで、エッセイなど数多くの著作のある創路が彼女の人生に大きく踏み込んでくる。水無月は、どんどんと惹かれていき、だんだんと中毒のように、恋愛というものに囚われていく。
    女性の心理描写が巧みで、一気に読み込んでしまいました。名作ですね。

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    2026年08月02日
  • プラナリア

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    短編集、直木賞受賞作品。
    この本の帯にふてくされ文学と書いてあったが、読み終わり、妙に心に染みてくる。さきいかを食べているかのような、味わい深く、庶民的だ。
    乳がんをして、その後の治療を続けるなかで、いいようのない、もやもやとした不満、生き苦しさを抱えている女性を描く『プラナリア』。
    居酒屋を営んでいるスミオと店にふらっと現れる同棲中のすみ江、近所の常連客との日常を描く『あいあるあした』。

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    2026年08月02日
  • プラナリア

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    とりたてて特別ではない、どこかにいそうな人たちが主人公の短編だが、どの人のことも印象に残って忘れられない。
    そのなかで一つ挙げるなら「どこかではないここ」の色々あった末の母親の変化が好き。
    読んでいると、理解できる・できない、好き・嫌い、こうすればいいのに・何故そうなの、と色々な思いが浮かんだ。それは人物や物語が生きているからだと思うと、文字をつむいで文章でそれを成し遂げた作者の力に改めて驚き、感謝したくなった。

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    2026年07月31日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    生き抜くという事。
    生きるということは本当に壮絶な戦いだ。
    人は負けないけど医療は病に負けてしまうというフレーズを思い出す。
    でも勝ち負けではない。
    たくさん小説を読んだ作家さんでした。ご冥福をお祈りします。

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    2026年07月28日
  • プラナリア

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    落ち着ける仕事や家庭を見失って、明日を見いだせない女性の細やかな心情を描写している。現代都市の女性の不安を活写している。

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    2026年07月26日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何を書いても薄っぺらくなりそうだなと思いつつ、筆者の周囲が良い環境、良い人たちで囲まれていて本当に良かったと感じている。
    痛みや苦しさはもちろんあったろうが、比較的穏やかな最期だったのではと想像し、愛された人だったのだなとしみじみ思った。
    旦那さんとの写真は涙が出そうになるくらい素敵だった。

    たくさん大変だったと思います。お疲れさまでした。
    そして素敵な作品をありがとうございました。あなたの作品は私の(誰かの)心で生きていきます。

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    2026年07月25日
  • 恋愛中毒

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    あっという間に読み終わった。
    それくらい、話の展開に引き込まれた。
    若い男が主人公かと思ったらいつのまにか中年女性へ。彼女への印象が読み進める度に変わっていく。後半は共感し難い内容だったけどそれも含めて面白かった。恋愛って改めて難しい。

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    2026年07月20日
  • ブルーもしくはブルー

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    山本文緒先生、やっぱり好きだなぁ。
    なんでもっと早く出会えなかったんだろう。
    1996年の刊行だなんて信じられないくらい、今の話みたいだと思った。2003年のドラマも気になる。ただ柚木麻子先生のあとがきを読む限りエンディングにぷんすかしそうだけど。笑

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    2026年07月19日
  • 恋愛中毒

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    ネタバレ

    SNSで見た一文だけで購入した本。非常に難しい本だった。なぜかと考えるとこれまで自分が見てきた本には作者の伝えたい本が明確にわかる構成、文章で出来ていて比較的見やすい印象の本が多い。この恋愛中毒は、タイトルや水無月さんの行動、言動、思考から推測したり考察したりして進めていくことに重きを置いていて読後の余韻というのが半端なく読んでからも楽しめる作品だった。構成にも驚かされ、初めに出てきた井口という男性が主役かと思ったが働いてる会社の従業員のおばさんの回想がメインだった。水無月さんは離婚をして生きていく意味も原動力もなく静かに過ごすことが現状の幸せでもあった所に創路という小説家に出会い壮絶な経験と落ちてはいけない恋愛感情に揺さぶられるという物語に見えた。最後の何ページかまでは。水無月は中毒者だ。これまでの離婚も他者を愛しすぎた故の異常な愛情表現による離婚を経て今があった。執行猶予中でもありながらその中毒により創路の周りの女性や子供や妻にまで影響を及ぼし結果的に今も中毒は治っていないというエンドを迎える。他者の人生も自分の人生も恋愛に狂わされている水無月は井口に何を伝えたいのか、そいつも中毒者だと警告しているのか。読み終えてからの考察がこの本の魅力だと思う。他の女性達は自分の夢であったり、家族だったりお金であったりストッパーの役割を担うものがあったため中毒に陥らなかっただけでここに出てくる登場人物、ましてや現実世界の人間全ては恋愛に狂わされかけている。その恋愛という崖にストッパーがなく堕ちていってしまったのが水無月だったのだと思う。私たちは常に恋愛中毒予備軍である。

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    2026年07月18日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    めちゃくちゃいい本だった。
    phaさんの本で勧められていた日記本。自分が死ぬときもこんな感じなのかなと思うと紹介されていた意味がわかった。
    余命4ヶ月と宣告されても、自分より長持ちするであろう電子レンジを買い替えるし、楽しみにしてる漫画の新刊を読む。焦って色んな人に積極的に連絡するわけでもない。これ本当に死ぬのかなって、死ぬ実感が薄いまま、少しずつ病人らしくなって、なんか変だ、となって死ぬのか。

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    2026年07月08日
  • 恋愛中毒

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    変な主人公だな、と思いながら読んでいたのが後半になっていっきにやばい主人公だな、という感想に変わった。
    理解はできないけどおもしろい。

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    2026年07月05日
  • 絶対泣かない

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    短編なので隙間時間に読みやすい。
    同性として共感できることもあり、パワーをもらえた。ただ、かなり昔に書かれていることもあり、年代が離れているため、ちょっとズレを感じだった。

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    2026年07月05日
  • 恋愛中毒

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    『恋愛中毒』は恋愛小説というより、人が依存に飲み込まれていく過程を描いた心理小説なのではと思った。怖かったのは主人公が壊れていくことではなく、自分では壊れていると気づかないまま現実よりも自分の解釈を信じるようになっていくこと。恋愛というより、自分を保つために相手を必要としてしまう姿が痛々しく読んでいて息苦しさを覚えた。一方で、主人公を責めたいとは思わなかった。『なぜここまで自分を失ってしまったのか』を考えさせられる作品であり、依存と愛情は似ているようで全く違うものなのだと感じた。

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    2026年07月02日
  • 絶対泣かない

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    "あなたはいったいどうしたいのか。どうしてもらいたい、ではなく、どうしたいのか。
    私は時折、自分に問うようにしている"

    私は自分の仕事がすごく好き。
    自分のやりたいことができている今がすごく幸せ。
    この一文を読んで、私はこの問いを自分にしてきたからだなと思った。

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    2026年07月01日
  • 絶対泣かない

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    こころにグサグサくる
    ああ山本文緒さんだ〜と思った
    こんな若娘ではないけれど、自分と重ねるね。僻み?嫉み? 自分も若いうちにこんなふうに気づけたらよかった

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    2026年06月30日
  • プラナリア

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    あえて『女性』じゃなく『女』って言います⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、山本文緒の『プラナリア』⁡
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    ⁡プラナリア⁡
    ⁡ネイキッド⁡
    ⁡どこかではないここ⁡
    ⁡囚われのジレンマ⁡
    ⁡あいあるあした⁡
    ⁡⁡
    ⁡の短編集。⁡
    ⁡⁡
    ⁡乳癌を患った女⁡⁡
    ⁡バツイチで無職ながら貯金が2000万円ある女⁡
    ⁡何かある女⁡
    ⁡⁡
    ⁡どれも面白い内容。女心と秋の空とは言ったものの、どの女もか弱そうに思えて実はゴン太の芯が有る女じゃないのかなっと。⁡
    ⁡⁡⁡
    ⁡男は単純な思考で、女は複雑な思考で生きているのかなっと。⁡⁡
    ⁡⁡
    ⁡少しは女心って言うのが解る様な、より分からない様な
    ⁡⁡⁡
    ⁡どの短編も面白かったけど!⁡囚われのジレンマが特に良かったな⁡
    ⁡⁡
    ⁡2026年19冊目

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    2026年06月24日