山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSNSで見た一文だけで購入した本。非常に難しい本だった。なぜかと考えるとこれまで自分が見てきた本には作者の伝えたい本が明確にわかる構成、文章で出来ていて比較的見やすい印象の本が多い。この恋愛中毒は、タイトルや水無月さんの行動、言動、思考から推測したり考察したりして進めていくことに重きを置いていて読後の余韻というのが半端なく読んでからも楽しめる作品だった。構成にも驚かされ、初めに出てきた井口という男性が主役かと思ったが働いてる会社の従業員のおばさんの回想がメインだった。水無月さんは離婚をして生きていく意味も原動力もなく静かに過ごすことが現状の幸せでもあった所に創路という小説家に出会い壮絶な経験と落ちてはいけない恋愛感情に揺さぶられるという物語に見えた。最後の何ページかまでは。水無月は中毒者だ。これまでの離婚も他者を愛しすぎた故の異常な愛情表現による離婚を経て今があった。執行猶予中でもありながらその中毒により創路の周りの女性や子供や妻にまで影響を及ぼし結果的に今も中毒は治っていないというエンドを迎える。他者の人生も自分の人生も恋愛に狂わされている水無月は井口に何を伝えたいのか、そいつも中毒者だと警告しているのか。読み終えてからの考察がこの本の魅力だと思う。他の女性達は自分の夢であったり、家族だったりお金であったりストッパーの役割を担うものがあったため中毒に陥らなかっただけでここに出てくる登場人物、ましてや現実世界の人間全ては恋愛に狂わされかけている。その恋愛という崖にストッパーがなく堕ちていってしまったのが水無月だったのだと思う。私たちは常に恋愛中毒予備軍である。
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Posted by ブクログ
すごく共感しながら
のめり込んで読めました。
社会とか職場とか、友人とか
自分以外でおきている出来事と
自分が主体でおきている出来事が
かちっとうまくはまって連動しながら動いていくと
まるで無敵の気持ちで全てがうまくいく感覚と
まあ何もかも逆行しているように感じて
何をやってもうまくいかない
そういうことが人生では往往にして起こっていて
もしかしたら気の持ちようなのかもしれないけど
自分の人生だから
なりゆきのままに、とまでは気楽に思えない
だからがんじがらめになっていく
主人公の気持ちが、
若い頃に抱いた気持ちととても似ていて
すごく共感できたなあ -
Posted by ブクログ
あえて『女性』じゃなく『女』って言います
ってな事で、山本文緒の『プラナリア』
プラナリア
ネイキッド
どこかではないここ
囚われのジレンマ
あいあるあした
の短編集。
乳癌を患った女
バツイチで無職ながら貯金が2000万円ある女
何かある女
どれも面白い内容。女心と秋の空とは言ったものの、どの女もか弱そうに思えて実はゴン太の芯が有る女じゃないのかなっと。
男は単純な思考で、女は複雑な思考で生きているのかなっと。
少しは女心って言うのが解る様な、より分からない様な
どの短編も面白かったけど!囚われのジレンマが特に良かったな
2026年19冊目 -
Posted by ブクログ
☆4.5!
山本さんの作品は短編から長編まで結構読んでるけど、やっぱり長編のほうが好きだなぁ。
☆5って言いたいけど、全体的に曇りがかっている雰囲気があるから、気分の落ちている人には無条件に薦められない。最終的には明るめな終わり方だけど、長いからね。
妹の菫とカフェをやることになった冬乃。冬乃の夫の佐々井くんと、その会社の後輩川崎。菫にカフェ話を持ちかける謎の男モリと、川崎の彼女の百花。そして近所のおじさん所さん。
主にこの面々が織り成す、家族、愛、生死、、、そういったことが描かれる作品。
山本さんの作品は恋愛のイメージが強いけど、この作品は恋愛色は薄い。家族愛がテーマかな。
わたしも姉妹だから、冬乃と菫の関係性は共感できるものがあった。似てるけど似てない。クラスにいたら同じグループってタイプではないけど、気が合わない訳ではなくて、お互いに信頼してる。それでも家族だから頼れる部分と、言いたくないことがあって。何があっても自分たちが姉妹であることからは逃れられないけど、いつでも安心できる居場所になれる。そんな存在。
どうか冬乃と佐々井くんが明るい未来に向けて、ふたりで手を取りあって歩んでいけますように。