山本文緒のレビュー一覧

  • ばにらさま
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    そんなにも
     不安なのか。

    彼女は、雑誌の中のモデルみたいに
    細くて綺麗で、優しく笑っていて、楽しそうで……

    え?
    思わず二度読み

    最後の作品集
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    6編の短編集ですが、
    最初の「ばにらさま」、...続きを読む
  • 絶対泣かない

    あとがきの
    『こういうと語弊があるかもしれないが、
    私はお金が好きだ。
    何のために働いているかというと、そりゃもうお金のためである。
    お金はすごい。

    途中略、、、

    しかしこうやって考えてみると、お金そのものより、お金によってできることが好きなのだろう。
    何故ならば、そんなに好きなら使わずに貯め...続きを読む
  • 結婚願望
    結婚して、子どもを産む事が
    女性としての役目であり正義であるって
    固定概念にとらわれて
    適齢期に突入するとそういう焦る気持ちに苦しみ
    今まで学生時代も中の上、仕事もある程度
    周りの期待に応えられてきたのに(誰にもプレッシャーを与えられている訳ではないが)
    結婚に関して、こんなに遅れて、取り残されてる...続きを読む
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記
    「自転しながら公転する」の解説を読んで
    山本文緒さんが亡くなった事を知った。

    山本さんがどんな方だったのか知りたくて
    この本を読みました、印象に残る言葉が
    たくさんあった。

    病気が見つかってからの「無人島のふたり」も
    読みたいと思う。
  • パイナップルの彼方
    山本文緒さんは
    日常を書くのが上手で
    すぐ思い浮かぶ。
    山本ワールドに没入でき楽しかったです。すぐ読み終えてしまいました!

    会社員として働いていて
    気の合わない人がいても
    そこまで近寄らない方がいいなと考えました。

  • 恋愛中毒
     最初は主人公に共感できるか、感情移入のポイントを探りながら読んでいたが、読み進めるにつれ膨らんでいく違和感に戸惑い、終盤でタイトルの意味がわかる。私こそは他の女と違うはず、彼を留めておきたいという気持ちは少し理解できる。親のせいで捻じ曲がってしまった印象はあるが、それだけが要因とも言い切れない。水...続きを読む
  • パイナップルの彼方
    山本文緒さんの本は一気読みに丁度いい。
    ある意味頭を空っぽにして読める話だと思った。
    初めは深文と姉の関係が私と実姉のようだなと思い、共感する部分が多かった。深文の性格は、「他人に何を言っても無駄」だと思い込んでる性格でかなり厄介だった。その性格を、横領事件から岡崎、日比野、そして天堂によって少しづ...続きを読む
  • 恋愛中毒
    まさに恋愛中毒な話だった。主人公の”地味で大人しそうな女性"という人物像に所々違和感ポイントがあったが、内に秘めていた狂気が終盤にあらわになってゾワっとした。ある意味ホラー小説…親からは意地でも自立しようとするのに恋愛相手には極度に依存してしまうアンバランスさ(ある意味それでバランスが取れている?)...続きを読む
  • ばにらさま
     本書は、山本文緒さんが2021年に逝去される1ヶ月前に単行本として刊行された短編集です。「最後の作品集」とするも、6編の初出が2008〜2015年となっており、『自転しながら公転する』(2020)より前なんですね。

     各編とも、短くスラスラ読めますが、濃密な内容です。入念な仕掛けがあって、途中か...続きを読む
  • 絶対泣かない
    あとがきがこんなに自分好みの小説に出会えるとは。
    それで、あなたは、いったいどうしたいのか。
    どうしてもらいたい、のではなく、どうしたいのか。
    じんわり沁みた。悩んだ時、行き詰まった時に自分を預けたくなる様な1冊でした。
  • 恋愛中毒
    翻訳をしながらお弁当屋でバイトをして暮らす水無月は、ひょんなことから芸能人の創路と知り合い、関係を持つ。
    そこから仕事、生活を恋愛に全振りする水無月。
    恋に落ちて恋にのめり込んでいくのは、共感できる部分もあるし、こーゆー友だちいる!という感じ。

    これどーなるんだろうって思っていたら、後半の衝撃的展...続きを読む
  • なぎさ
    大好きな作者、山本文緒さんの作品に読む前からワクワクしました。
    家族の中でおこる一つ一つの出来事に、時には思いやる気持ち、憎む気持ち、支配しようとする気持ち、余裕のなさから相手に切り込んでしまう言葉の数々に作者さんらしい作品だなと。
    家族以外の登場人物もどう説明して良いのか、本人にも何故そうしてまう...続きを読む
  • プラナリア
    「無職」をテーマにした話だったので手に取った。中でも「ネイキッド」が私に刺さるフレーズが多かった。答えが用意されている訳ではないけど、なんとなく「分かる」ような短編集であった。
  • ばにらさま
    『恋愛中毒』がツボだったので、続けての山本文緒さん。

    表題作の『ばにらさま』が一番好き。酸いも甘いも知ったアラサーが楽しめる短編6篇。
  • 絶対泣かない
    働く女性達の短編集

    様々な職業で書かれているので
    全てに共感というわけではないが
    どこかしら刺さる部分は見つかるかなといった感じ。

    自分の仕事や今の生活について見つめ直したい気持ちになった。
  • プラナリア
    とある日常の中に少し亀裂の走るような出来事を書いていると感じて、面白かった。
    特に好きなのは「どこかではないここ」の章。やり切れなさや諦め、落胆、自分の置かれた立場、娘と息子の弛んだような甘さや反抗期、反発するに耐えない緩い夫。母として日々を過ごす中で、この母はずっとハイライトのない目をしていたよう...続きを読む
  • みんないってしまう
    短編集なので隙間時間にちびちび読んだ。

    きれいごとがない、人間の膿を含んで描かれるストーリーが最高に好き。

    いい子じゃなくてもいいんだ、と思える。

    本書は喪うストーリーが描かれているけど、
    解説にもあるように、我々にその後を委ねながら恐らく失った分しっかりと得ている。

    この獲得に気付けるかど...続きを読む
  • プラナリア
    1/3山本文緒さんの本を読むのは2回目。読み手を裏切るテクニックがよく使われている印象。この短編集、一話のなかでたくさんの要素が絡み合って、要約が難しそうなお話ばかり。そういう複雑さが魅力的だ!一話につき一メッセージって構造じゃないから読む時期によって捉え方も変わるんだろうな。何度も読んでみたい本。...続きを読む
  • きっと君は泣く
    自分が憧れた存在が、実は想像よりもダサい人生を送っていたことで、どれほどのショックを受けるのだろうか。
    ただ、孫の前では毅然としている祖母の姿勢にはそれでも尊敬の念を抱いた。

    子供に夢を持たせられる人は、たとえハッタリだとしても素晴らしいと思う。
  • 恋愛中毒
    純愛がテーマかと思ったが、裏切られた。愛が重い。結末知りたいから、終盤、イッキ読み。タイトルの意味、分かった。納得。