山本文緒のレビュー一覧

  • アカペラ(新潮文庫)

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    文庫の帯に記されている新海誠監督のコメントが気になって読んでみた

    タイトルの「アカペラ」を読むと、新海監督の「天気の子」に通じるものを感じた。
    また、なぜ作者の山本文緒さんはこの物語に「アカペラ」とつけたのか? 考えながら読んでみた。
    そこには15歳の女の子が、大好きなじいちゃんのピンチに対して必死に考え、行動していく姿。
    途中、絶望的な展開になってしまうけど、自ら必死に行動していく姿が「アカペラ」(つまり、伴奏の無い人生展開)に繋がったんだろうな、、 と感じた。
    主人公、タマコちゃんの充実した今後の成長を心から願うばかりだ。

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    2025年08月03日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    ちょっと歪な家族の物語3篇

    「アカペラ」
    個人的に、それは倫理的にダメでしょうというところがあるので手放しで好き!とは言えないけど、そこにそれを求めた主人公の気持ちには納得させられてしまうさすが山本文緒さん
    「ソリチュード」
    何も決められないまま流されてもいつかは流れ流れて結果が出る
    まだその途中にいながら一つケリをつけたダメ男を応援したい
    「ネロリ」
    人のために優しく、人のために生きる、それ自体が自分のエゴなのかも
    ラスト元気が少し出る感じで良かった

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    2025年07月30日
  • かなえられない恋のために

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    読書家さんの本棚で見かけ読んだ。

    「同じ本を何度も読むのが好きなのだ。」
    私も同じで嬉しい。
    「人は何事かを成すために生きてるんじゃない。何も成さなくてもいいのだ。自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。」
    素敵な言葉。でも彼女はたくさんの書籍を残すという凡人では成し得ない事をしてくれた。だから私は山本文緒を何度も読もうと改めて思う。
    新作がもう読めない事が本当に悲しい。

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    2025年07月24日
  • なぎさ

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    生きていくとはやりすごすということ。

    生きるというのは複雑で、自分の望むようにはいかないものだ。
    自分が一生懸命頑張ったつもりでも、あっけなく終わりが来てしまって無力感を感じたり、誰かに必要とされるがまま生きてきたら食い物にされることだってある。

    そんな生きる難しさの中で、誰かに頼りたくなったり、それがいつの間にかそのうち自分と他人の境界線を超えてしまって人を苦しめてしまったり。
    そんな関係性が怖くなり、もう手を伸ばすこと自体をなんとなくやり過ごしてしまったり。
    とはいえ、生きるを諦めることも、成層圏から人を見下して楽しむことも愚か。
    きっと自分が羨ましいと感じる人にも、自分が想像し得ない

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    2025年07月19日
  • ばにらさま

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    初山本文緒。これが遺作なんだ…
    亡くなってるって知らなかったけど、なんか読んでて辛かったな。珍しく。
    もっとこの人が読みたいと思わせる作家さん。

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    2025年07月11日
  • プラナリア

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    ふと目に止まって、なんとなく買って、読み始めたら一瞬だった。

    綺麗事とかじゃなく、人間の生々しい感じがとても好きでした。

    軽く読書スランプだったけど、またいろいろな本を読みたいと思えました。

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    2025年07月10日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    生活の中にゴールが見えていて、終わりの方はどんなに読むのが苦しいかなとちょっと怯んでいました。でも、途切れ途切れながらも、生きていて、歩んだ跡があって、素敵だなと思いました。
    山本さんの本はこれが一冊目です。
    もっと読みたくなりました。

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    2025年07月03日
  • あなたには帰る家がある

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    家庭、仕事、恋……
    幸せになりたい。
    あの人の家、私の家庭より幸福?
    二組の家族の運命がぶつかり合う!

    家を建て直そうか。新しい書斎、広い台所。そうすれば家族はもっと幸福になるに違いない。学校教師の茄子田太郎は、住宅展示場で営業マン・秀明と出会う。一方、秀明の妻・真弓ががむしゃらに手に入れた家庭は、天国ではなかった。子供は好きだけど、もし自分が夫と同じくらい稼げたら? “たまには憂さ晴らしをする権利”だってほしい。そうだ、働こう。二組の家族の、歯車が動き出す!
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    以前TVドラマを見てました。とてもおもしろかったです。w
    山本文緒さんの小

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    2025年07月03日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    なんだかべしょべしょに泣いてしまった 大変なのはご本人なのに
    ドラマの中の世界のように遠く感じていたものが、日記によって自分にも起こるかもしれないのだとハッとした
    「負け惜しみではなく、とても幸せだ」というフレーズが好き いつになるか分からないけれど、自分の最期の日々も幸せを感じられたらいい

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    2025年06月28日
  • シュガーレス・ラヴ

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    ねむらぬテレフォンとシュガーレスラヴが好き。どこか体に不調があるときは大体何か心に突っかかっているものがある。それをうまく絡めて表しているところがいい

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    2025年06月25日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    2003年から2006年にかけての日記形式のエッセイ。うつで沈んでいく様子や少しずつ回復していく様子がリアリティを持って描かれている。著者はほぼ私と同世代なので、当時の医療のレベルもなんとなく分かる。
    周りの家族やスタッフに恵まれて、彼らを巻き込みながら、回復出来たことは良かった。

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    2025年06月23日
  • ばにらさま

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    ⭐️3.5
    「ばにはさま」
    地味に破壊力がすごい。あぁ恋愛中毒 描いた人なんだなって改めて感じた。

    「菓子宛」
    種明かしがうまい

    「子供おばさん」
    良き。

    (総じて)
    山本文緒さんの文章って、ちゃんと山本文緒さんって分かるな...って思ってたところに、「バヨリン心中」から、カラッとテイストが変わってて、短編集として、助長さを感じなかったのがよかった。
    もうこの小説の作者はこの世にはいらっしゃらないんだなっていうことをほんのり片隅にもちながら、味わって読みました。
    最後の三宅香帆の解説文が良くて、三宅さんの本もまた手に取りたいなと思った。

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    2025年06月22日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    本当に亡くなる直前まで、こんなにもしっかりと日記を書き続けられていたことにまず圧倒される。角田光代さんの解説にもあるように、色々な場面で「自分だったら..」と想像した。特に一緒に暮らす夫について。夫の悲しむ顔を見たくないと書いていたり、医療関係者の方々にも申し訳ない気持ちが書いてあったり、すごく気遣いの人だったのだなぁとも思った。ご夫婦での写真が素敵すぎてグッとくるものがあった。他にもエッセイなど読んでみたいし、改めて、亡くなったあとでも作品が多くの人に読まれ続ける作家という仕事は偉大だなぁ。

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    2025年06月18日
  • プラナリア

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    ネタバレ

    山本さんはどこか闇もあるし言いようのないままならない感情をいつも言語化してくれて直木賞受賞作の中でも好きだった。自分が無職に近いから余計に。一、二、四作目が特にすき。一作目の老人が「出口を教えて」というのを主人公が最後に言うのが上手い!主役以外もすごく効果がある。
    角田光代さんとかの解説欲しかったなー!

    『ナイフを持たされてケーキを半分に切りなさいと言われた子供のように、彼が必死に自分の欲と得を考える顔をした。きっと私も長い間こんな顔をしていたのだろうと思った。』

    ・プラナリア
    乳がんになってから働く気が起きない。生まれ変わったらプラナリアになりたい。病院で知り合い雇ってくれた美人が乳がん

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    2025年06月13日
  • ファースト・プライオリティー

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    30歳でこれを読めて良かった。登場人物みんなと友達になりたい。そして31歳になったらもう一度読みたい。

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    2025年06月05日
  • きっと君は泣く

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    ネタバレ

    後半の勢いがすごい!気づいたら読み終わってた。
    中原先生のようなモテないような男性にとって椿は放って置けなくて守ってやりたい存在なんだろうけれど、この2人がうまくいく未来が見えなかった。最後の椿の言葉には?となったが、忘れかけてた人のことを思い出してあー!となった。ひなことは仲を取り戻してほしいな〜

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    2025年06月03日
  • パイナップルの彼方

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    心の動きの描写が、分かる!の連続。だからこそ、「なんでそこもう少し上手く流せないかな」って思ってしまうのが辛い。わたしも客観視したらこういうことの連続なんだろうな…。深文の生活感が非常にリアルで一気読み。

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    2025年06月01日
  • ファースト・プライオリティー

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    31人の31歳のファースト・プライオリティ(最優先事項)が詰まった作品。

    まず、山本さん、よく31話も書けましたね、、。
    しかも駄作がないのは天才としか言いようがない。
    ショートショート集だからサクッと読める。

    自分にとっていちばん大切にしていることはなんだろう。
    作品の主人公たちにとっては当たり前のことなのかもしれないけど、他の人から見るとちょっと違う
    みたいな価値観がたくさんある。
    案外自分が大切にしていることって自分では気づいてないのかもしれない。

    31歳というのもいい。
    まわりの環境に20代のうちにたくさん影響を受けて、自分を見つめ直して、新たにスタートを切ったり、変化がある年な

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    2025年05月27日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    著者が亡くなる直前まで書き続けた闘病記。ご本人の苦悩はもちろん、ところどころ記される旦那様の思いに心揺さぶられた。自分が死ぬ時、妻に何かあった時、自分はこんな風に相手を思いやれるのかな、そうありたいな。。。

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    2025年05月27日
  • ばにらさま

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    どのストーリーも女性の内面をうまく描き出している。もっと山本文緒さんの小説は読みたかったなあと、しみじみ思う。

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    2025年05月10日