山本文緒のレビュー一覧

  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    30代の女性、都の物語。仕事、家族、恋人、友人、特別大きなことが起こる訳ではないが、日々の出来事での心の機微が細かく描かれる。プロローグのベトナムでの結婚式から読者は都にアプローチしてくるベトナム人ニャン君との結末を思い描き読み進める。エピローグ、なるほどそういうことという感じでした。またこのエピローグで読者の都への感じ方と貫一への感じ方が変わるのもおもしろい。

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    2026年08月01日
  • プラナリア

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    とりたてて特別ではない、どこかにいそうな人たちが主人公の短編だが、どの人のことも印象に残って忘れられない。
    そのなかで一つ挙げるなら「どこかではないここ」の色々あった末の母親の変化が好き。
    読んでいると、理解できる・できない、好き・嫌い、こうすればいいのに・何故そうなの、と色々な思いが浮かんだ。それは人物や物語が生きているからだと思うと、文字をつむいで文章でそれを成し遂げた作者の力に改めて驚き、感謝したくなった。

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    2026年07月31日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    登場人物の心の揺れや日々の暮らし、言葉にしにくい感情まで細やかに描かれています。
    大きな出来事が起こるわけではないのに、誰にも話さないような迷いや葛藤が丁寧に言葉になっていて、立場が違えば見える景色も変わることを感じました。
    現実的な悩みに共感しながら、「この人はどう生きていくのか」「自分ならどうするだろう」と自然に考えながら読み進めました。
    人は不完全なまま、誰かと関わりながら生きていく。その難しさや温かさを描いた作品だと思います。

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    2026年07月30日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    生き抜くという事。
    生きるということは本当に壮絶な戦いだ。
    人は負けないけど医療は病に負けてしまうというフレーズを思い出す。
    でも勝ち負けではない。
    たくさん小説を読んだ作家さんでした。ご冥福をお祈りします。

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    2026年07月28日
  • プラナリア

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    落ち着ける仕事や家庭を見失って、明日を見いだせない女性の細やかな心情を描写している。現代都市の女性の不安を活写している。

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    2026年07月26日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何を書いても薄っぺらくなりそうだなと思いつつ、筆者の周囲が良い環境、良い人たちで囲まれていて本当に良かったと感じている。
    痛みや苦しさはもちろんあったろうが、比較的穏やかな最期だったのではと想像し、愛された人だったのだなとしみじみ思った。
    旦那さんとの写真は涙が出そうになるくらい素敵だった。

    たくさん大変だったと思います。お疲れさまでした。
    そして素敵な作品をありがとうございました。あなたの作品は私の(誰かの)心で生きていきます。

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    2026年07月25日
  • 恋愛中毒

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    あっという間に読み終わった。
    それくらい、話の展開に引き込まれた。
    若い男が主人公かと思ったらいつのまにか中年女性へ。彼女への印象が読み進める度に変わっていく。後半は共感し難い内容だったけどそれも含めて面白かった。恋愛って改めて難しい。

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    2026年07月20日
  • ブルーもしくはブルー

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    山本文緒先生、やっぱり好きだなぁ。
    なんでもっと早く出会えなかったんだろう。
    1996年の刊行だなんて信じられないくらい、今の話みたいだと思った。2003年のドラマも気になる。ただ柚木麻子先生のあとがきを読む限りエンディングにぷんすかしそうだけど。笑

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    2026年07月19日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    グルグル悩むことばかりの中で、他者と「連帯」して生きていくことへの希望も感じさせる本。寛一との関係の行方が気になって一気読み。グルグル悩む主人公に共感させられる箇所がたくさんあった。

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    2026年07月18日
  • 恋愛中毒

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    ネタバレ

    SNSで見た一文だけで購入した本。非常に難しい本だった。なぜかと考えるとこれまで自分が見てきた本には作者の伝えたい本が明確にわかる構成、文章で出来ていて比較的見やすい印象の本が多い。この恋愛中毒は、タイトルや水無月さんの行動、言動、思考から推測したり考察したりして進めていくことに重きを置いていて読後の余韻というのが半端なく読んでからも楽しめる作品だった。構成にも驚かされ、初めに出てきた井口という男性が主役かと思ったが働いてる会社の従業員のおばさんの回想がメインだった。水無月さんは離婚をして生きていく意味も原動力もなく静かに過ごすことが現状の幸せでもあった所に創路という小説家に出会い壮絶な経験と落ちてはいけない恋愛感情に揺さぶられるという物語に見えた。最後の何ページかまでは。水無月は中毒者だ。これまでの離婚も他者を愛しすぎた故の異常な愛情表現による離婚を経て今があった。執行猶予中でもありながらその中毒により創路の周りの女性や子供や妻にまで影響を及ぼし結果的に今も中毒は治っていないというエンドを迎える。他者の人生も自分の人生も恋愛に狂わされている水無月は井口に何を伝えたいのか、そいつも中毒者だと警告しているのか。読み終えてからの考察がこの本の魅力だと思う。他の女性達は自分の夢であったり、家族だったりお金であったりストッパーの役割を担うものがあったため中毒に陥らなかっただけでここに出てくる登場人物、ましてや現実世界の人間全ては恋愛に狂わされかけている。その恋愛という崖にストッパーがなく堕ちていってしまったのが水無月だったのだと思う。私たちは常に恋愛中毒予備軍である。

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    2026年07月18日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    すごく共感しながら
    のめり込んで読めました。

    社会とか職場とか、友人とか
    自分以外でおきている出来事と
    自分が主体でおきている出来事が

    かちっとうまくはまって連動しながら動いていくと
    まるで無敵の気持ちで全てがうまくいく感覚と

    まあ何もかも逆行しているように感じて
    何をやってもうまくいかない

    そういうことが人生では往往にして起こっていて

    もしかしたら気の持ちようなのかもしれないけど
    自分の人生だから
    なりゆきのままに、とまでは気楽に思えない

    だからがんじがらめになっていく
    主人公の気持ちが、
    若い頃に抱いた気持ちととても似ていて
    すごく共感できたなあ

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    2026年07月14日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    めちゃくちゃいい本だった。
    phaさんの本で勧められていた日記本。自分が死ぬときもこんな感じなのかなと思うと紹介されていた意味がわかった。
    余命4ヶ月と宣告されても、自分より長持ちするであろう電子レンジを買い替えるし、楽しみにしてる漫画の新刊を読む。焦って色んな人に積極的に連絡するわけでもない。これ本当に死ぬのかなって、死ぬ実感が薄いまま、少しずつ病人らしくなって、なんか変だ、となって死ぬのか。

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    2026年07月08日
  • 恋愛中毒

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    変な主人公だな、と思いながら読んでいたのが後半になっていっきにやばい主人公だな、という感想に変わった。
    理解はできないけどおもしろい。

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    2026年07月05日
  • 絶対泣かない

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    短編なので隙間時間に読みやすい。
    同性として共感できることもあり、パワーをもらえた。ただ、かなり昔に書かれていることもあり、年代が離れているため、ちょっとズレを感じだった。

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    2026年07月05日
  • 恋愛中毒

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    『恋愛中毒』は恋愛小説というより、人が依存に飲み込まれていく過程を描いた心理小説なのではと思った。怖かったのは主人公が壊れていくことではなく、自分では壊れていると気づかないまま現実よりも自分の解釈を信じるようになっていくこと。恋愛というより、自分を保つために相手を必要としてしまう姿が痛々しく読んでいて息苦しさを覚えた。一方で、主人公を責めたいとは思わなかった。『なぜここまで自分を失ってしまったのか』を考えさせられる作品であり、依存と愛情は似ているようで全く違うものなのだと感じた。

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    2026年07月02日
  • 絶対泣かない

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    "あなたはいったいどうしたいのか。どうしてもらいたい、ではなく、どうしたいのか。
    私は時折、自分に問うようにしている"

    私は自分の仕事がすごく好き。
    自分のやりたいことができている今がすごく幸せ。
    この一文を読んで、私はこの問いを自分にしてきたからだなと思った。

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    2026年07月01日
  • 絶対泣かない

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    こころにグサグサくる
    ああ山本文緒さんだ〜と思った
    こんな若娘ではないけれど、自分と重ねるね。僻み?嫉み? 自分も若いうちにこんなふうに気づけたらよかった

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    2026年06月30日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    3.8
    心情描写や筆致はかなり好き
    途中までがとても良かった分、収束のさせ方があまりしっくりこなかった

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    2026年07月12日
  • プラナリア

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    あえて『女性』じゃなく『女』って言います⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、山本文緒の『プラナリア』⁡
    ⁡⁡
    ⁡プラナリア⁡
    ⁡ネイキッド⁡
    ⁡どこかではないここ⁡
    ⁡囚われのジレンマ⁡
    ⁡あいあるあした⁡
    ⁡⁡
    ⁡の短編集。⁡
    ⁡⁡
    ⁡乳癌を患った女⁡⁡
    ⁡バツイチで無職ながら貯金が2000万円ある女⁡
    ⁡何かある女⁡
    ⁡⁡
    ⁡どれも面白い内容。女心と秋の空とは言ったものの、どの女もか弱そうに思えて実はゴン太の芯が有る女じゃないのかなっと。⁡
    ⁡⁡⁡
    ⁡男は単純な思考で、女は複雑な思考で生きているのかなっと。⁡⁡
    ⁡⁡
    ⁡少しは女心って言うのが解る様な、より分からない様な
    ⁡⁡⁡
    ⁡どの短編も面白かったけど!⁡囚われのジレンマが特に良かったな⁡
    ⁡⁡
    ⁡2026年19冊目

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    2026年06月24日
  • なぎさ

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    ☆4.5!
    山本さんの作品は短編から長編まで結構読んでるけど、やっぱり長編のほうが好きだなぁ。
    ☆5って言いたいけど、全体的に曇りがかっている雰囲気があるから、気分の落ちている人には無条件に薦められない。最終的には明るめな終わり方だけど、長いからね。

    妹の菫とカフェをやることになった冬乃。冬乃の夫の佐々井くんと、その会社の後輩川崎。菫にカフェ話を持ちかける謎の男モリと、川崎の彼女の百花。そして近所のおじさん所さん。
    主にこの面々が織り成す、家族、愛、生死、、、そういったことが描かれる作品。
    山本さんの作品は恋愛のイメージが強いけど、この作品は恋愛色は薄い。家族愛がテーマかな。

    わたしも姉妹だから、冬乃と菫の関係性は共感できるものがあった。似てるけど似てない。クラスにいたら同じグループってタイプではないけど、気が合わない訳ではなくて、お互いに信頼してる。それでも家族だから頼れる部分と、言いたくないことがあって。何があっても自分たちが姉妹であることからは逃れられないけど、いつでも安心できる居場所になれる。そんな存在。

    どうか冬乃と佐々井くんが明るい未来に向けて、ふたりで手を取りあって歩んでいけますように。

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    2026年06月22日