山本文緒のレビュー一覧

  • あなたには帰る家がある
    【家庭と仕事、多面性、不倫】

    とにかくリアルで、あーわかる、あるよなーっていう描写の連続。
    続きが気になってどんどん読んでしまう。

    最初はすっごい魅力的に感じても、接していくうちにちょっとずつイヤなところが見えてくる。
    その逆もしかりで、イヤな奴と思ってたけど意外といいとこあったりして。

    こう...続きを読む
  • ブラック・ティー
    すぐに読めちゃう短編集。
    常識に囚われない、はみ出ている人物たちが印象的でした。
    非難されても、傷つけたとしても、生きているならいいと思う。
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記
    前半はちょっとイライラしたけど、人の優しさと文緒さんの素直さ、旦那さんの優しさが良かったです。
    頑張らないようにする、休むことを頑張る、それって難しいことだけどわたしもいま一番気をつけていることです。
    同じような悩みを抱え、闘っていたとわかってありがたかったです。
    この本を読んでる最中に訃報があり、...続きを読む
  • アカペラ(新潮文庫)
    この本は、表題作「アカペラ」、「ソリチュー
    ド」「ネロリ」の三編からなる。
    三作品に繋がりはないが、どれも少し切なく、少し特殊な家族愛を描いている。
    切なくはあるが、温かい。
    1作目を読み終え、これが一番面白いんだろうなと思い、2作目を読むと、こっちの方が好みと思い、3作目でラストに驚かされ。
    結局...続きを読む
  • みんないってしまう
    対象喪失が共通する短編集。

    絶対泣かないもそうだったけど、
    短編の中でもさらに短いような短さで
    1話はサクッと読めるのに
    この短さのストーリーに
    どうしてこんなにも揺さぶられるんだろう。

    年齢を重ねるうちに
    持ってたはずのものがなくなっていって
    知らずのうちに永遠を願って信じてた自分に
    気づいて...続きを読む
  • きっと君は泣く
    純粋で感動系のいい話なのかと思って手に取った本
    読んでみると、、純粋系とは程遠い内容だった。
    私は椿とは性格がまるで違うけど、椿っていう人がほんとに存在するのではないかと思うほどリアルだった。
    酷い性格だけど優しさもあり、強い感じだけど弱さもある。最終的には自分の理想を捨てて、自分の発した言葉に責任...続きを読む
  • なぎさ
    ぐちゃぐちゃの生活や人間関係の沼みたいなものにはまり込んだ人達が沼から這い出そうともがく。
    生きていく上で抱えるモヤモヤ感に共感できるところが。そのモヤモヤを吐き出せる人や場所があることに救いを感じた。
    特に夫婦で力強く手を握る姿が印象的。
  • シュガーレス・ラヴ
    20年前の小説なので、ところどころ描写が古いところがあるものの、人の気持ちはいつだろうと変わらないのだなぁと思いました。

    「秤の上の小さな子供」が1番ウッと来たかも。
    私も「愛されたい」側で、「愛す」側に辿り着ける気がしない。
    自分が好きじゃないから、誰かに好きになってほしい、大事にしてほしい。そ...続きを読む
  • 眠れるラプンツェル
    ふたりの孤独感と燃えるような激情が伝わってきました。
    現実にあれば犯罪ですが、それが許されるのが虚構の世界。
  • アカペラ(新潮文庫)
    表題作のアカペラが印象的だった。
    驚く展開もありつつ、人間味を感じて良い。
    最後は胸の奥がぎゅーっとなった。

    他の2作も切なげな空気があるが
    悲しいお話というわけでなくなんだか良い。

    山本文緒さんははじめてだったが他の作品も読んでみたい。
  • 紙婚式
    答えの出ない人生の色々
    作者から投げかけられ
    考える自分がいること
    それが心地よく読み進めることが出来る
  • 群青の夜の羽毛布
    嫌な気分になる本。
    でも読み進めて行くと止まらなくなる。
    ある意味ホラーより怖いかも。
    色んな人間関係あるけれど、なんだかんだと縁が切れない家族との人間関係が一番難しいのではと考えさせられた。
    仕事が忙しい時や余裕がない時にはお勧めしにくい本です。山本文緒さんは、大人しそうだけど男性に依存したり掴み...続きを読む
  • 眠れるラプンツェル
    山本文緒の小説はたいてい好きだけど、これはダメだったなあ。
    読んでいて気持ち悪くてしょうがなかった。

    結婚6年目、子どもなし、夫は多忙でめったに帰ってこない。
    だから汐美は夜眠れない。
    沢山の食品がいつも冷蔵庫に入っているが、それらはただ腐らせて捨てるだけ。
    パチンコに行って暇をつぶすくらいしかや...続きを読む
  • 紙婚式
    まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い...続きを読む
  • みんないってしまう
    私たちが日々生きるということは、新しい人や新しい物と出会うと同時に、今まで当たり前に近くにいた人や、近くにあった物と別れることでもあります。

    人はそんな瞬間を、進級してクラスが変わる時に、進学して学校が変わる時に、そして就職して今までの人間関係がゴロッと変わる時などに経験します。一方で、そういった...続きを読む
  • 眠れるラプンツェル
    "ルフィオのそばなら、私は眠れる。"
    "想像すると、本当になる。生きていれば、いつかそれは本当になる。"

    猫は何処にも行かなくても家の中だけで一生過ごせるけど、人間はそうはいかない。
    外の世界を見なければいけない。もっと現実と向き合わないといけない。
  • あなたには帰る家がある
    ミステリ、ミステリ、ミステリ・・・・
    と来たから、ちょっとテイストの違うものを読みたいなぁ~

    と思い、web で恋愛小説の上位を検索してみた。
    うーん、ほぼほぼ既読作品(-_-;)

    下位の方を見ていくと、知った題名だった為目についた。

    そういえば、ドラマ化されていたなぁ。
    ドラマCMで、中谷美...続きを読む
  • あなたには帰る家がある
    楽しかった。
    ドラマ化されているので、俳優さんや女優さんを思い浮かべながら読んだら、ドラマを見ている様だった。
  • なぎさ
    感想がまとまらない。

    わたしの母親は、いつも誰かの愚痴を言っていて、お酒しか飲まなくて、いつも私の事を下げて言う。
    お母さんに言っても嫌な事言われるだけだから何も話さなくなった。わたしは、自己肯定感が低い。

    楽しいことも確かにたくさんあったのだ。

  • ファースト・プライオリティー
    あるとあらゆる人の「きらきら」した人生の短編を描く山本文緒さん。私はこの人の短編がとても好きだ。それはなぜだろうと疑問に思っていたけれども、31番目の話を読んで、すとんと腑に落ちた。その覚悟、その愛、そのまっすぐさにいつも救われる。