山本文緒のレビュー一覧

  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    仕事・恋・家族・親の介護と、いくつもの問題の中で揺れる主人公の都。非正規の身分で、未来も安定も見えにくい日々。それでも誰かとつながりたい、自分らしくいたい。「自分にとっての幸せって何だろう」という問いは、都だけのものじゃなく、読者自身の中にもあるものだろうと思います。

    好きだけでは進めず、現実だけでも満たされない。現代版『金色夜叉』寛一とお宮です。

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    2025年09月28日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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     弱さも、狡いところも、全部生々しかった。私も臆病で卑怯だから、相手に選択権を委ねて押し付けて、被害者になりたくなる。身勝手に傷ついて、身勝手に誰かになんとかしてもらいたくなる。自分は何もしないからリスクは負わないけれど、何かを得ることもない。自分が何で満たされるのかを知らないから、周りの人ばかり幸福そうに見えて相対的に自分が不幸な気がしてくる。そして勝手に不幸になる。ずっと独りよがり。幸せになりたいくせに不幸にしがみついてるのは私の方。でもこれまで私を慰めて、そばにいてくれたのは、その不幸なんだよ。

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    2025年09月26日
  • 恋愛中毒

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    水無月に対するイメージが序盤に抱いていたものからどんどん変わっていって、一人称視点ほど信用できないものはないなと思った。
    彼女の認識と事実の在り方に隔たりがあるのが不気味だったけど、こういう形で恋愛してる人もいるんだろうなと思った。

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    2025年09月26日
  • カウントダウン

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    お試しで読んでみたら次が読みたくなって
    電子図書で借りれたので手にとると
    サクサク読めてしまいました。
    こんな事起こるかなぁと思いながらも
    可笑しくて悲しくて中々進めない自分でも
    あっという間でした。
    山本文緒さんの本をもっと読みたくなりました。

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    2025年09月20日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    時代錯誤の考え方はしていないと思っていてもどこかでそうなっていて、この本を読んで気付いた。
    「そんなに幸せになろうとしなくていい」すごかったな。
    周囲に幸せであることを無意識に主張してしまう自分に悩んでいたから少し軽くなったかも、
    また、時間をおいて読み返したいな

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    2025年09月20日
  • プラナリア

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    仕事テーマの短編集と聞いて私生活と仕事の両立についてのテーマを期待して読み始めたが、全然違う切り口の話ばっかりで自分の生きてる世界の狭さを感じる

    とともにやっぱこの時代は景気いいよなあという感じがする、羽ぶりがいいしすぐに誰とでも寝る
    働かなくても生活に直結しない感じがあんまり親近感を持てなかった
    自立して考えをまとめて話し合って仕事をできない、の背景には大体毒親が背景になって自分の子持ち願望にちょっと怯んでしまう

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    2025年09月15日
  • プラナリア

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    いろいろちょっと変わった価値観の人達の話だった。
    ちょっと斜に構えて物事を見てる感じが面白いと思った。

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    2025年09月13日
  • プラナリア

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    山本さんの作品で1番今は共感できない、というか抽象的でふわふわしているなという感想。もう一度読んだらわかるかな

    日常から逃げることと逃げないこと、自由と束縛、そんなイメージの短編

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    2025年09月06日
  • ばにらさま

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    これが遺作なのか
    日常の中に織り込まれたたくさんの女々しい感情だったり愛情だったりがみしみしと感じられる作品

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    2025年09月05日
  • プラナリア

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    直木賞を受賞した短編集。リアルで生々しい心情描写は流石です。全体的に読みやすい文章で、救いのない話が多いながらも、読後には独特の余韻が残ります。

    名作『恋愛中毒』の濃度を保ちつつ生活語の精度をさらに研ぎ澄まし、後年作へ連なる“生の鈍い光”を確立した転換点となる作品かと。定期的に読んでしまいます。

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    2025年08月24日
  • 恋愛中毒

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    ぽつり、ぽつりと過去が明かされていくにつれ、ザワザワしてくる。
    でも読むのをやめられない、そんな感じ。
    まさに中毒のように最後まで読んでしまった。

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    2025年08月23日
  • ブルーもしくはブルー

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    結局人はないものねだりをする生き物なんだなと思った。自分であることに日々感謝なんてしないけど、羨ましいと思う誰かに自分が入れ替わった時、きっと私も私に戻りたいって思う気がする。誰かは私を密かに羨ましがってるかもしれない。そう思うことは恵まれてて幸せなことなんじゃないかな。

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    2025年08月22日
  • 紙婚式

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    23年前、初めて山本文緒さんと出会った本です。
    紙婚式をちょうど迎えていたので手にとって中身も確かめず購入してしまった。。。

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    2025年08月21日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    〈不健康〉になったときに、最も《健康》の有り難みを痛感する。。。私も40年弱生きてきて、何度かそんな経験をしているはずなのに。なぜか健康でいるうちはそれを疎かにしたり、そばに居てくれる人に不満を抱いたりする。。。そんな馬鹿な「人間」をも、"無人島"にいらした山本文緒さんは、ユーモアとともに自らの最期まで、「生と死」についての考察に優しく導いてくださった気がします。ありがとうございました。どうせなら愉しく生きねば。

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    2025年08月17日
  • ばにらさま

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    人って表に見せている顏と裏の顔違うよねっていう作品。
    読んだ後、明らかに周りの景色の見え方が変わりました。

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    2025年08月15日
  • ココナッツ

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    山本文緒つぎつぎ読む。夏に軽く読書するにはぴったりでした。登場人物がみんな個性あれど健康的でよい。終わり方もほろ苦いような爽やかなような…ちょうど良いかなと感じた。

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    2025年08月14日
  • 恋愛中毒

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    どこにでも居そうな地味な事務のおばさんだけど、謎がある。その謎に包まれた過去を知ってしまった。四六時中好きな人のことを考えるとか、常に恋愛していたいとか、そんな可愛らしい意味ではない「恋愛中毒」に恐怖で震えた。なのに、主人公に情が湧いてしまうのはどうして。

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    2025年08月11日
  • みんないってしまう

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    ネタバレ

    生きてる限りなにかを失って、またなにかを得てく。

    方丈記の言葉のような短編集。
    表題作の「みんないってしまう」は、途中の仕掛けにもくすっと笑えるけど、最後がとても好き。
    偶然にも花火と隣人に行き会い、こんな人生も悪くないなって思えて爽やか。

    他の話は最後が読者に委ねられるので、ついつい自分に引き寄せて考えてしまった。

    ストーカーの醜悪さとして第三者から突きつけられる恋心が辛い「片恋症候群」。
    気持ち悪いなーと思いながらもお気に入り。

    「ドーナッツ・リング」も好き。
    主人公は甘酸っぱい思い出とともに家族を大切にしてくれ。

    あとは大体出てくる男が不誠実なのについつい惹きつけられて読んでし

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    2025年08月09日
  • プラナリア

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    〝働くこと〟〝働かないこと〟をテーマにした五編の短編集。

    〈プラナリア〉
    乳がんを患い右胸を失った26歳の春香は四週間に一度の病院通いの他は仕事もせずブラブラして過ごしていた。自らの病を事あるごとに駆け引きのように持ち出す彼女に周りは辟易していた。

    〈ネイキッド〉
    二年前夫から一方的に離婚を言い渡され、夫の会社で働いていた34歳の涼子は自動的に職も失うことになった。無職になって二年。古びた1LDKにこもって編みぐるみを作ったり、持て余した時間を漫喫で過ごしたりしていた。

    〈どこかではないここ〉
    43歳の真穂は夫がリストラにあい、減ってしまった収入を補うべくパートに出たり節約したり家族の為

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    2025年08月08日
  • 恋愛中毒

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    他人を愛しすぎないようにと、悲しい祈りを貫き通そうとする女性、水無月の物語。
    冒頭の、別れを切り出した彼氏に執着する女性の心情や行動には理解できる部分もある。さらに水無月が出会う小説家の創路の魅力、創路にハマっていく心情も共感とはいかないまでも想像はできる。だからこそその危うさにハラハラする。
    人を愛しすぎ、愛しい人の手を強く握りすぎて相手を害してしまうほどの恋心が、とても恐ろしい。最後の展開にはゾッとしたが、没頭して一気読みした。面白かった。

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    2025年08月07日