山本文緒のレビュー一覧

  • 恋愛中毒

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    『恋愛中毒』 山本文緒

    久しぶりに本の世界観に飲み込まれた。ひたすら、すごいと思った。タイトルからして恋愛の話なのだと思って、ひたすらページを捲る。面白いのがミステリー小説のように、目を見張る展開が待っていることだ。
    また、面白いのが、人称がいつの間にか変わる、というところだ。「あれ?いつこの人からこの人に変わったの?」という不思議な読後感に襲われる。そして、ゾッとするのがこの中毒は実害を人に与えてしまい、当本人はその中毒から抜け出せていないことだ。

    水無月の気持ちはよくわかる。
    私もよく好きだった男に何回も電話をかけたり、迷惑なことをしてきた訳だから。
    そんな私も恋愛中毒者なのかもしれな

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    2026年03月25日
  • 群青の夜の羽毛布

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    毒親小説なんでしょうけど、1996年当時はおそらく「毒親」という言葉はまだ出てないはずなので、その先駆け的1冊では。実際そうらしい。

    書体が2パターンあって、片方は誰かがカウンセリングを受けている時の独白。もう片方が本文です。この告白は誰によるものなのかなぁと考えながら読み進める形なので、ミステリー要素もありました。私は全然気づかなかった。

    ちなみに、主人公の名は「さとる」。妹が「みつる」。さとるはみつるの姉。姉妹です。さとるの恋人は鉄夫。

    性への偏見から来る叙述ミステリーかと思い読み始めた自分は大間違いで、その性と名前のポイントは話の本筋には関係がないしネタバレでもないので、すんなり読

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    2026年03月23日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    最後気づいたら泣いてた。あー、そういうことだったのね、良かったって。読みながら自分に当てはまる部分もあり、自分自身の恋愛を考えるきっかけになった。「別にそんなに幸せになろうとしなくていい」って、すごく救われる。不幸が許せなくなって、相手のせいにして引きずって、そんなの嫌だもの。この人といたいなと思ったら、良いも悪いも一緒に持ったり、たまに押し付けたり放り投げたりしながら、一緒に生きていきたいなと思う。今読んで本当に良かった。

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    2026年03月22日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ずっとムカついた。

    ずっと被害者面。私は悪くない誰かが悪いの一点張り。自分のエゴがあったのは、貫一に結婚を迫ったところだけ。

    加害者になる度胸がないのに、幸せになろうだなんて。傲慢な人間だな。

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    2026年03月20日
  • プラナリア

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    ネタバレ

    目次
    ・プラナリア
    ・ネイキッド
    ・どこかではないここ
    ・囚われ人のジレンマ
    ・あいあるあした

    世の中にはこんなにイタイ人があふれているのか、と思ってしまうほど、どこにでもいそうなありふれたイタイ人の話。
    自分しか見えない、自分をも見えない。
    行きどまりではないはずなのに、どこへもいけない。

    乳がんの手術後仕事を辞め、何をする気も起きずに日を送る25歳の春香が主人公の『プラナリア』。
    焦燥感と自己憐憫に囚われ、何をする気も起きない春香。
    気持ちはわからないでもないけれど。
    乳がんだけではなく、病気って予後も大切なのだ。

    病気は異常事態、手術も体を切り刻むのだからもちろん異常事態。
    それを

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    2026年03月15日
  • 絶対泣かない

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    仕事で辛いことがあると、「自分だけが辛くて周りの人はみんな幸せに生活している」、そんなふうに思ってしまうことがある。どんな経験をしても、やっぱり自分のことばかり考えてしまうのだけれど、この小説を読んで数パーセント、ほんの僅かでも気持ちが異なる方向に向かって進み出した気がする。

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    2026年03月14日
  • ばにらさま

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    初読みの作家さん
    小説としては遺作となる6つの短編集

    どの話ももの凄いリアリティを感じた
    三宅香帆さんの解説を読んで、成程〜と納得
    あと、凄く文学的だとも感じた

    【菓子苑】
    いや〜、巧いなぁと感嘆した

    【バリヨン心中】
    3.11の話があり、偶然にも
    読み始めたのが同じ日
    数ある積読からそれを選んで読んだのに
    なにか運命めいたものを感じた

    【子供おばさん】
    病気が発覚する前に執筆されたもの
    だとおもうけど、こうして読むと
    感じるものがあるなぁ…

    他の作品も読みたくなった!

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    2026年03月12日
  • プラナリア

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    プラナリアとネイキッドが特に印象的だった。

    「プラナリア」
    手術が終わって、転移の可能性も低い、もう終わったことだと他人に言われても、病気で失ったものや受けた傷は今も続いていてまだ終わっていないんだっていう感覚が、今の自分にもあてはまるものですごく共感できた。病気は治っても失ったものの重みは背負い続けないといけない。それが辛い。

    「ネイキッド」
    一生懸命真面目に生きてきたのに、無職になって自分が急に惨めになったような感覚、これまで積み上げてきたものは何だったんだという感覚が痛いほどわかる。
    「傷が治ったら立ち上がらなくてはならないのが人間だ。それが嫌だった。」ってフレーズには、暇だけど波風

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    2026年03月09日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    事情が複雑な物語は頭がパンパンになってしまうのだけど、この物語は話が素直に、順当に進んでいく上、アラサーにはめちゃくちゃ刺さる思考と行動がたんまりあってサクサク読めてよかった。

    個人的に最後は『パンッ』って風船が割れたような勢いで終わったのでびっくりしたけど、『まあ幸せならOKです』って言葉がぴったりな気がしてほっこり。感情的な人はやはりちゃんと感情にまかせて動いたほうが後悔しないんだろう。

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    2026年03月08日
  • 日々是作文(ひびこれさくぶん)

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    10年間の山本文緒さんのエッセイ集。
    10年間とあるように、とても長かった。でもたくさん書き留めたい文章があって、読んで良かったなと思いました。
    自分と違うタイプだと思っていたけど、色んな過去を経てこの考えになっているのか、とか、あ、私もそれ一緒!とか。たくさん山本文緒さんのことが知れてよかったです。

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    2026年03月07日
  • 絶対泣かない

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    本編は正直そこまで(不倫とかの描写がちょっと不快…)だったんだけど、仕事に不満ばっかり言ってる私はあとがきで号泣した

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    2026年03月07日
  • プラナリア

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    事情があって無職の女性達を描く短編集。
    直木賞受賞作。

    プラナリア
    ネイキッド
    どこかではないここ
    囚われ人のジレンマ
    あいあるあした

    読書家のお友達のおすすめで読んでみました。とっても面白かった。『ネイキッド』と『どこかではないここ』がお気に入り。

    また時間をおいて読んでみよう。
    その時々で響く箇所も違うだろうし、理解も深まりそう。

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    2026年03月07日
  • きっと君は泣く

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    キレイともて囃されてきた椿。祖母の過去から
    自身の穿った気持ちへ更にグンゼとの関係。
    なんで自暴自棄?みんな幸せになろうよ!
    切な過ぎる。最後まで願わくば、みんな幸せになってほしい!そして真実は?

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    2026年03月06日
  • 恋愛中毒

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    ネタバレ

    華やかな恋愛小説とは違い、重い余韻を残すリアリティある恋愛小説だった。後半、何故かアジカンのソラニンが脳内に流れて来たが、その毒は泥々とし、強力なものだった。読み進めていると、自身の過去も振り返っていた。薬は、medicineとdrugの2種類あると聞くが、強力な愛は、時にdrugとして作用するのだろうか。この先も、解毒剤は見つからないまま、静かに愛は進む。

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    2026年03月05日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    著者が最期に遺した闘病記。
    穏やかに暮らしていた日常の先に膵臓癌が発覚した時点でステージ4b。余命を告げられてからの数ヶ月が、淡々とした日記の形で綴られます。
    日付が進むごとに、病の重さと時間の切実さが静かに迫ってくる。

    巻末の解説にもある通り、通常、闘病記というものは読み手が書き手に対して「頑張れ」「負けるな」とエールを送りながら読むものだと思っていました。
    しかし、この作品は全く逆でした。書き手である山本文緒さんが常に読み手を気遣い、不快な思いをさせないよう細心の配慮を尽くしている。
    そこには、私たち読み手に対する「生きてほしい」という強い願いがまざまざと溢れており、その慈しみ深さに言葉

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    2026年03月02日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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     更年期障害がこれほどまでに人により差があり、大変なものと知らなかった。改めて男の体は楽なことが多いと思った。
     気持ちは大事だが、結婚となると相手の条件の重要性を再認識させられた。
     プロローグとエピローグは、個人的にあった方が良いと思う。エピローグに軽く書かれている日本がリアルすぎて色々考えさせられた。
     自転しながら公転するというタイトルのように、自分も動いてるが、その周りの人も動いてる。主人公のようにボランティアなど行き、人のために動いたり、寄り添うことで相手の事をを理解できるのかもしれないと思った。

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    2026年03月01日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    時間をかけたりいろいろ失敗や経験を重ねたりしないとわからない事ってたくさんある。どこにでもいそうな普通の人たちの話だけれど、みんな一生懸命毎日を送っている。読み終わって、自分の心がフラットな状態になってとてもよかった。

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    2026年03月01日
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)

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    30歳前後の未婚女性の気持ちをここまでリアルに表現しています。ここまで細部を表現できるのは筆者の高い観察力と想像力の賜物です。ヒリヒリしながら読みました。最初と最後の場面、バトンはつながられていく人生の面白さ。

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    2026年02月28日
  • 絶対泣かない

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    Podcast「真夜中の読書会」で紹介されていたのをきっかけに手に取った短編小説集。
    1話がすごく短いからスキマ時間にサクサクと読み進められるのに、心に刺さる言葉や考え方がたくさん詰まっていた!仕事や人間関係に悩んだら、付箋を貼った名言たちを読み返そう。

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    2026年02月26日
  • あなたには帰る家がある

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    良かった。山本文緒さんの作品にはやっぱり共感する部分が多い。それも主人公にだけではなく、全ての登場人物に。

    最後は離婚したらスッキリすると思ったけど、そうではないところも現実的。

    仕事をすることと家庭を守ること。どちらに行ってもやっぱり不満は出るよね。ぴったりハマって納得することは無いんだろうね。

    出産育児を理由に仕事を辞めたい気持ちもわかるし、それはそれで自分の能力が無駄になってる気がする焦りもあるだろうし、主婦の人付き合いも仕事のうちだけど面倒だし、何も考えずに責任を取らずに従いたい気持ちも、家族を守りたい気持ちもそれに対する重圧感も…

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    2026年02月23日