山本文緒のレビュー一覧
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うつではないけど、その入り口に立っている自分には共感できるところが多かった一冊。
「結婚生活が窮屈なわけじゃないけれど、やっぱり一人はのびのびする」という一節には特に共感。夫のこと好きだし、一緒にいると楽しかったり心強かったり、なくてはならない存在なんだけど、たまに一人になりたくなる。我が家の場合はきっと夫もそうなんだと思う。
そして「頑張って休む」ことが大事ということ。今まさにそうしなければならない状況なので…頑張ります!休みまくります!
山本文緒は作中で述べているように記録魔らしい。私もです。彼女は「過去に見出しをつける」と表現しているけれど、そう、ブックマークをつけるというか付箋をつけていくような感覚なのよね。それが私も今はほとんど日記はつけられなくなったので、代わりにメモ書きまくってる。これを書くことすらつらくなったら相当ヤバい状況なんだろうな…
ちなみに山本文緒については『きらきら星をあげよう』という作品を読み、あとがきで「普段と違う作風でびっくりしたでしょ、勘違いして読んだ人ごめんなさい」と書いてあり、私はそれなりに楽しく読んだので謝られたことがショックで、しばらく手に取ることのなかった作家さん。『無人島のふたり』を昨年読み、つらいのに読ませる日記だなと思い記憶に残っていた。小説が苦手な今、「日記エッセイ」でググったら出てきたものを読みました。まさに今の自分にリンクしていて… -
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ネタバレてっきり、恋愛はもう辞めようときっぱり諦めきれた水無月さんの回想を振り返りながら未来を前向きに生きていく話かと思いきや。
中毒症状って抜けられないもんだよね。と頷いてしまう終わり方に、裏切られたというか結局先生も同じ人なんだろうね、と思った締めくくり方でした。
先生の周りの女性たちが、先生を利用して自分を見失わないように別の手網も握っておく、不安を分散させて依存しすぎないように、毒を用法用量守っているのに、水無月さんは脳内では大丈夫と思いながらもじわじわと狂気へ蠢いている様子が面白かった。人は見かけによらないし、というか元より水無月さんは狂気であった。
なんでそんなこと、を思ったら実は過去では_なんてカミングアウトされたらとてもとてもびっくりしながら面白い!と思いつつ、
自分の中にもこんな狂気があるんじゃないの、と過去の恋愛や言動を振り返りながら、感想に纏められていた「まるで自分のことかと思った」と共感する女性の一人なのかも…しれない…とワナワナ。
最近すごく興味があるのは自他境界について、
やっぱり他人の問題とか他人の機嫌を自分が悪いと自責しすぎる、とかそういった自分がどうにもならない問題を引っ張られすぎてしまうと、自分の軸が分かんなくなってしまうのだろうな。
結構、水無月さんは他責であると言われていて、
先生に逆恨みだと言われた場面では私もギクリと思う節があって、自分で環境を切り開いていくことを諦めて流されてそんな感じでゆるりと生きてきているからなのだろうな。
今からでも間に合う、隠れた他責に脳みそが支配される前に私がこうしたい!と思える環境へ身を移動するのが最善だろう。 -
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表題作「ばにらさま」ほか短編6編
短編なのに読み応えがあった
「子どもおばさん」
47歳で亡くなった中学時代の友人が私に遺したもの⋯の話がよかった
作家自身もそう感じてたのかな、と思って自分の心にもズシッっときた
ーー答えのでないことを抱えて歩き回り、幼稚さや身勝手さは子どものままで、根本的に自分の中身は何も変わってなくて、だけど日常はいつも通り休まずとめどなく続く、、。
何も成し遂げた実感もなく、中途半端なままーー
大人になり切れなくて、可愛いなんてものはないと自嘲し、繰り返す日常を倦まずに送り続ける
多分私だってそんな風に生きていくんだろうな、と思った
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悩みに悩んで買ったけど買ってよかった本。
短編集でサラッと読める割に、印象深く残ったフレーズがいくつかあって、また読み返したいなとも思った。こんなに前に出版された本だったとは……!
心に残ったところ、書いておく。↓↓↓
仕事をするということは、遊びとは違うのだ。
厳しくて当たり前なのかもしれない。自信をなくし、また違う形の自信を取り戻す。そうして進んでいくものなのかもしれない。
人は幸福なときはそれには気づかず、いつもなにかの不満を口にしてしまう。
もし、あなたがあなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身です。つまらない仕事を選んでいるのもあなたで、でもそのつまらない仕事でお給料をもらって自分を食べさせているのなら、一見華やかそうでも、誰かから扶養されている人よりは何倍も自由であることを、時々は思い出してください。
どうか、あなたがあなたの仕事を好きになれますように。
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初めての山本文緒さん、6つの短編が収録されていました。
ばにらさま
わたしは大丈夫
菓子苑
バヨリン心中
20×20
子供おばさん
「ばにらさま」と「わたしは大丈夫」がお気に入りでした
仕掛けがある作品もあり、気がついたときにはとても驚き!知らないうちに先入観をもって読んでいることに気づかされました
文章は静かでさらっとした読み心地でしたが、内容は鋭いものでした
「ばにらさま」の僕と恋人の気持ち、「20×20」のラストの主人公の気持ちなど人の複雑な心情が書かれており、読後じっと考えてしまう…。説明しようとしても難しい、一言では言い表せない気持ちが書かれていました。
解説は三宅香帆さん!日常や生活の中の光という視点がわたしには全くなかったので新鮮でした
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Posted by ブクログ
今の私にとても響いた。
女性のお仕事のあれこれが書かれている。
1998年に書かれた本だが、その当時は山本文緒さんのような考えで仕事をしていた女性は少ないのではないだろうか。
令和の今文庫化された理由がよくわかる。
あとがきの文章がとても良いのでメモ。
どうして働いているのか。
何が欲しいのか。
あなたはいったいどうしたいのか。
私は時折自分に問うようにしている。
あなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなにつまらない仕事でもそれをつまらないと思っているのはあなた自身です。
誰かから扶養されている人よりは何倍も自由であることを時々思い出してください。
あなたがあなたの仕事を好きになれますように。