山本文緒のレビュー一覧

  • ばにらさま

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    やっぱり面白い!!!

    いわゆる拗らせ女を、こんなにリアルに描ける人が他にいるだろうか?

    個人的には辻村深月さんも拗らせ女を書かせたら右に出るものはいないが、辻村さんの作品には妄想が半分を占めている。その少女漫画的な展開があるのも多くの読者を獲得している理由だと思うが!が!20歳までは辻村深月で、25歳からは山本文緒を読むべき!!!と声を大にしていいたい。

    私はいま20代前半なのでちょうど過渡期。辻村さんの作品は少し現実味が足りなくて、山本さんの作品がようやく沁みてくる頃。最近友人にもおすすめしまくっているが、大学時代は面白いけどいまいち共感というか実感できなかったところがちゃんと味がする

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    2025年05月06日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    「思い出は売るほどあり悔いはない。悔いはないのにもう十分だといえないのが、人間は矛盾していると思う」
    この文にぎゅっとなった。
    生きる、生きたいって、ほとばしってる。
    満たされないものを抱えているような日々は、明日に。その先に。
    私たちを突き動かしているんだな。
    山本さんの「自転しながら公転する」が好きだったから、また読みたくなった。

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    2025年04月25日
  • プラナリア

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    山本文緒さん作品1作品目の読書。
    短編集
    短編に慣れてないので、読むのは少し時間がかかったけど、描写が上手で話に引き込まれた。
    色んな設定、主人公の生い立ち、
    これからも、山本文緒さんの書かれた小説をもっと読んでみたいと興味を持った。
    ポストペットというキャラクターが懐かしく感じた。

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    2025年04月24日
  • シュガーレス・ラヴ

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    社会で感じる鈍痛を描きたい、そのものだなと。
    印象に残ったのは、「秤の上の小さな子ども」、「シュガーレス・ラブ」。
    ストレスに抗った結果、病気になってしまった主人公たちが切実にそれらと戦いながら自分を探していく。うまくまとまっていて、とてもおもしろかった。

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    2025年04月21日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    目に見えない病に毎日できることや気持ちを大きく揺さぶられて、次の桜を見ることはないだろうとか、大切な人を遺して逝かなければと思いながら生きることは、どれだけ大変だったろうと思う。けれど、辛いだけの本ではなかった。
    美味しかったものや綺麗だったもの、これから出版される本のことなど、「逃病」して残された時間を生きることに目を向けるのは勇気ある素敵な生き方に見えた。

    読みながら感じたのは、外野から見れば無人島じゃなかった、ということ。
    編集部の方達や友人、近所のお店の人などたくさんの人が出てきて、それはきっと山本さんの人柄というか、書きたいものが「人」だったのかなと感じて、優しい気持ちをもらったよ

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    2025年04月19日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    珍しい家族愛のかたち。思考回路がこじれ気味だったり、いびつだったり、自己満足的だったりするけれど、純粋さが際立つ。

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    2025年04月15日
  • ブルーもしくはブルー

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    もし、あの時、違う選択をしていたら…と誰しもが思うであろうことを体験できるなら…
    ちょっと変わってみたいという気持ちも分からなくない。
    そして、結末には驚いた。
    このお話自体、約30年前の話だから、今とは時代背景も異なるし、現代は多様な考えが少しずつ浸透している世の中になっている気がした。

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    2025年03月22日
  • プラナリア

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    直木賞作品ということで読んでみた。短編集で難しい文章もなく、読みやすい。けども、どのストーリーも先行きが不安なままプツッと終わる感じで、スッキリ終わらないというか、名残惜しい感じがある。山本文緒さんのストーリーは、そんな風に先を考える余韻を残したままであることが多いのかなあ。だからこそ色んな予想ができて、型にハマらないのが好き。

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    2025年03月18日
  • きっと君は泣く

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    初めて、主人公の不幸を望んだ作品だった。終始主人公に嫌悪感を抱いた作品だったが、彼女への共感の気持ちやどこか自分にもある汚らわしい部分を堂々と体現している存在にも思えた。特に、小説の締めくくりに、衝撃となんともいない後味の悪さが残った。人間の、女の、着飾らない彼女の描写が面白いので、他の作品も読みたい。

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    2025年03月17日
  • ばにらさま

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    この物語は、嫌い、人生つまらない、怒り、癇癪、など汚いと思われる人の心が書いてある。その登場人物達の未来が幸せか不幸せかは、そこまで気にならなかったが、蜜の香りが漂っているなと興味と嫌悪が入り混じったモアモアした感情になった。でも後味は悪くない。

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    2025年03月10日
  • みんないってしまう

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     お久しぶりの山本さん。このざらつく読後感が堪らない。『いつも心に裁ちバサミ』の主人公のだらしないけど優しくて、他人のために怒れるところが良い。『不完全自殺マニュアル』と『片恋症候群』、『愛はお財布の中』の危なげな主人公が著者らしくて好き。雑誌で友達募集の文化懐かしい。個人情報誌なんてジャンルの雑誌が存在していたなんて、今では考えられない。山本作品では、平成の懐かしい文化や習慣と変わらない恋愛や友情の人間関係が味わえて楽しい。

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    2025年03月10日
  • ばにらさま

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    よかった…
    山本文緒さんにしか描けない独特の世界…
    短編集に出てくる登場人物の誰一人として、自分と似た境遇ではないのだけれど、考え方や悩みのひとつひとつが妙に生々しくリアルで共感できる。
    男性が読んだら、女は怖いと思うのかも…

    登場人物の関係性であったり、お話の展開であったり、それぞれの短編に仕掛けのようなものもあって、そこもまた楽しめた。
    どちらかというと、苦しかったり、辛かったりする話が多かったが、読後感はとても良かった。

    解説が三宅香帆さんで、これまたいい文章だった。

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    2025年03月02日
  • ブルーもしくはブルー

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    “あのとき違う選択をしていたら”…?
    パラレルワールドで生きるふたりの蒼子が同じ世界線で生活を交換する話
    冷えきった関係性の夫と束縛の強いDV夫、欲しいものは自由か愛情か
    結局はないものねだりなんだなぁ
    蒼子Aがわがままで自分勝手でおもしろかった

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    2025年03月01日
  • ブルーもしくはブルー

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    意外と批判的な感想が多くて、共感してしまった私は蒼子に似ているのかもしれない。

    人生に選択肢が多いほど「あの時違う道を選んでいれば」と思ってしまうのはよくある話で、それが結婚相手ともなるとどうしても隣の芝は青く見えるもの。
    実際私自身、完璧なものなど存在せず、みんな足りないものに折り合いをつけて生きているんだと気づいたのはごく最近だった。

    普段佐々木蒼子側の立場になりがちな私には、河見蒼子の到底勝てそうにないしたたかさに、「あぁこういうあざとい女の子いるよね」という敗北感と、突き刺さる数多の反省点。やっぱり素直な女の子がかわいいよね、わかる。結局何もかも手に入れるのはそういう子なんだよね。

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    2025年02月23日
  • かなえられない恋のために

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    尊敬する山本文緒さんのオリジナルエッセイ

    感じたのは小説家(ひいては芸術家)として周囲から、そして自分自身で認めるのはとても難しい、、ということ。
    「私、小説家やっています」 確かに自分からこう名乗るのは勇気がいる。
    職業としてやっていくことは、世間から評価されたり、批判を受けたり、そして次に期待をされていくということ。
    決してマイペースで「ぼちぼち適当にやっています」とはいかない。

    そんな中、山本先生がいかに悩み、将来を見通せない自分に不安を持ち、試行錯誤を繰り返していたのか? そしてそれを言葉にして書き綴る自分自身への分析力がどれだけ要ったか? が伺える。
    きっと同じような想いをして、

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    2025年02月23日
  • 紙婚式

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    たしかだいぶ前に一度読んだ気がするけれどその時は恐らくまだ独身でこんな世界もあるんだなーとどこか他人事だった。今読むとなかなか頷けるエピソードが目白押しで、いろんな夫婦の形があり、結婚がゴールではなくその後続けていくことの難しさを実感させられる。

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    2025年02月23日
  • プラナリア

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    前向きにがむしゃらにしか働けない私には、無職の人の理解には、到底とどかない。どのカタチが人のしあわせなのかは、誰にもわからない。可哀想なんて思っても思われてる方は可哀想だなんて思ってない。人のことなんてやっぱりわかんないよね。って思う、

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    2025年02月17日
  • そして私は一人になった

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    共感でしかなかった。私の思ってることをそのまま本にしてくれたって感じちゃうくらい。
    このエッセイのときの文緒さんよりも、まだ私は若いけど何年間後に読み返したらどういう気持ちになるんだろうなぁなんて考えてしまった。

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    2025年02月15日
  • あなたには帰る家がある

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    やはり同性の真弓にいちばん共感した気がするけれど、綾子や裕子の気持ちや考え方も少しずつ共感しながら読めました。タイトルがどう着地するか気になって一気読み。登場人物に「わかる〜」と言いながら読書をするのは楽しかった!

    真弓じゃないけど、期待してる(出産待ち)状態がわくわくの最高潮というのはよく分かる。手に入ったら入ったで大切にするのは難しい。

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    2025年02月13日
  • みんないってしまう

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    どの話も引き込まれる あーなんかわかる、そういうことってあるなあと思わされる。みんないってしまうてそういうことか。楽しいことも幸せなことも悲しみもずっとは続かない。喪失を繰り返しながら生きてくんだねー。

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    2025年02月09日