山本文緒のレビュー一覧
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今の私にとても響いた。
女性のお仕事のあれこれが書かれている。
1998年に書かれた本だが、その当時は山本文緒さんのような考えで仕事をしていた女性は少ないのではないだろうか。
令和の今文庫化された理由がよくわかる。
あとがきの文章がとても良いのでメモ。
どうして働いているのか。
何が欲しいのか。
あなたはいったいどうしたいのか。
私は時折自分に問うようにしている。
あなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなにつまらない仕事でもそれをつまらないと思っているのはあなた自身です。
誰かから扶養されている人よりは何倍も自由であることを時々思い出してください。
あなたがあなたの仕事を好きになれま -
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最近、いつか来る別れを考えて夜な夜な涙することが増えてしまった。
両親、夫、友人、推し。
今は進んでいるようで、進むということは終わりに向かっていく。
みんな、いってしまう。
本作のタイトルは、なぜ平仮名の「いってしまう」なのだろうか。解説を読んで、その対象が「人」だけではないと気付かされた。
行く、往く、逝く。
失われた感情や、かつての生活。物語には、物悲しさと懐かしさ、そして孤独が静かに漂っている。
たった1話20ページにも満たない短編集なのに
そこに映し出された心情には、
人が簡単には言語化できない絡まった心情を、一本ずつ解いて丁寧に解いて整理されている。
こんなに丁寧に、人間の -
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第124回直木賞受賞作
何かしらの理由や事情で働けない、
働きたくない/自立できない人達の5つの短編集
齢を重ねると内面的な基盤も固まる
そしてそれは様々な理由から崩れ、
容易に修復出来るものでもない
欠けたものを直そう、埋めようと足掻き、
それを他者にぶつけてしまう
世の生きづらさと
著者特有のリアルな描写が相重なり
深く考えさせられた
【プラナリア】
表題作。20代で乳癌になり、切除した女性の話
その若さで女性のシンボルとも言える
胸を失う事は計り知れない
自暴自棄にもなる
誰も悪くない
【ネイキッド】
2番目に好きかな、ほんとドラマを見てるようだった
【どこかではないここ】
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毒親小説なんでしょうけど、1996年当時はおそらく「毒親」という言葉はまだ出てないはずなので、その先駆け的1冊では。実際そうらしい。
書体が2パターンあって、片方は誰かがカウンセリングを受けている時の独白。もう片方が本文です。この告白は誰によるものなのかなぁと考えながら読み進める形なので、ミステリー要素もありました。私は全然気づかなかった。
ちなみに、主人公の名は「さとる」。妹が「みつる」。さとるはみつるの姉。姉妹です。さとるの恋人は鉄夫。
性への偏見から来る叙述ミステリーかと思い読み始めた自分は大間違いで、その性と名前のポイントは話の本筋には関係がないしネタバレでもないので、すんなり読 -
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ネタバレ目次
・プラナリア
・ネイキッド
・どこかではないここ
・囚われ人のジレンマ
・あいあるあした
世の中にはこんなにイタイ人があふれているのか、と思ってしまうほど、どこにでもいそうなありふれたイタイ人の話。
自分しか見えない、自分をも見えない。
行きどまりではないはずなのに、どこへもいけない。
乳がんの手術後仕事を辞め、何をする気も起きずに日を送る25歳の春香が主人公の『プラナリア』。
焦燥感と自己憐憫に囚われ、何をする気も起きない春香。
気持ちはわからないでもないけれど。
乳がんだけではなく、病気って予後も大切なのだ。
病気は異常事態、手術も体を切り刻むのだからもちろん異常事態。
それを -
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プラナリアとネイキッドが特に印象的だった。
「プラナリア」
手術が終わって、転移の可能性も低い、もう終わったことだと他人に言われても、病気で失ったものや受けた傷は今も続いていてまだ終わっていないんだっていう感覚が、今の自分にもあてはまるものですごく共感できた。病気は治っても失ったものの重みは背負い続けないといけない。それが辛い。
「ネイキッド」
一生懸命真面目に生きてきたのに、無職になって自分が急に惨めになったような感覚、これまで積み上げてきたものは何だったんだという感覚が痛いほどわかる。
「傷が治ったら立ち上がらなくてはならないのが人間だ。それが嫌だった。」ってフレーズには、暇だけど波風 -
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著者が最期に遺した闘病記。
穏やかに暮らしていた日常の先に膵臓癌が発覚した時点でステージ4b。余命を告げられてからの数ヶ月が、淡々とした日記の形で綴られます。
日付が進むごとに、病の重さと時間の切実さが静かに迫ってくる。
巻末の解説にもある通り、通常、闘病記というものは読み手が書き手に対して「頑張れ」「負けるな」とエールを送りながら読むものだと思っていました。
しかし、この作品は全く逆でした。書き手である山本文緒さんが常に読み手を気遣い、不快な思いをさせないよう細心の配慮を尽くしている。
そこには、私たち読み手に対する「生きてほしい」という強い願いがまざまざと溢れており、その慈しみ深さに言葉