山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっぱり面白い!!!
いわゆる拗らせ女を、こんなにリアルに描ける人が他にいるだろうか?
個人的には辻村深月さんも拗らせ女を書かせたら右に出るものはいないが、辻村さんの作品には妄想が半分を占めている。その少女漫画的な展開があるのも多くの読者を獲得している理由だと思うが!が!20歳までは辻村深月で、25歳からは山本文緒を読むべき!!!と声を大にしていいたい。
私はいま20代前半なのでちょうど過渡期。辻村さんの作品は少し現実味が足りなくて、山本さんの作品がようやく沁みてくる頃。最近友人にもおすすめしまくっているが、大学時代は面白いけどいまいち共感というか実感できなかったところがちゃんと味がする -
Posted by ブクログ
目に見えない病に毎日できることや気持ちを大きく揺さぶられて、次の桜を見ることはないだろうとか、大切な人を遺して逝かなければと思いながら生きることは、どれだけ大変だったろうと思う。けれど、辛いだけの本ではなかった。
美味しかったものや綺麗だったもの、これから出版される本のことなど、「逃病」して残された時間を生きることに目を向けるのは勇気ある素敵な生き方に見えた。
読みながら感じたのは、外野から見れば無人島じゃなかった、ということ。
編集部の方達や友人、近所のお店の人などたくさんの人が出てきて、それはきっと山本さんの人柄というか、書きたいものが「人」だったのかなと感じて、優しい気持ちをもらったよ -
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Posted by ブクログ
意外と批判的な感想が多くて、共感してしまった私は蒼子に似ているのかもしれない。
人生に選択肢が多いほど「あの時違う道を選んでいれば」と思ってしまうのはよくある話で、それが結婚相手ともなるとどうしても隣の芝は青く見えるもの。
実際私自身、完璧なものなど存在せず、みんな足りないものに折り合いをつけて生きているんだと気づいたのはごく最近だった。
普段佐々木蒼子側の立場になりがちな私には、河見蒼子の到底勝てそうにないしたたかさに、「あぁこういうあざとい女の子いるよね」という敗北感と、突き刺さる数多の反省点。やっぱり素直な女の子がかわいいよね、わかる。結局何もかも手に入れるのはそういう子なんだよね。 -
Posted by ブクログ
尊敬する山本文緒さんのオリジナルエッセイ
感じたのは小説家(ひいては芸術家)として周囲から、そして自分自身で認めるのはとても難しい、、ということ。
「私、小説家やっています」 確かに自分からこう名乗るのは勇気がいる。
職業としてやっていくことは、世間から評価されたり、批判を受けたり、そして次に期待をされていくということ。
決してマイペースで「ぼちぼち適当にやっています」とはいかない。
そんな中、山本先生がいかに悩み、将来を見通せない自分に不安を持ち、試行錯誤を繰り返していたのか? そしてそれを言葉にして書き綴る自分自身への分析力がどれだけ要ったか? が伺える。
きっと同じような想いをして、