山本文緒のレビュー一覧
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「アカペラ」文庫版の初版が2011年8月で、
私の購入した本は、5刷で2020年9月。
初版は分からないが、5刷には解説は無く、
作者の「文庫版あとがき」があった。
そこに収録されている3編の中編のうち、1編目の「アカペラ」を書いた後、病気のため約6年小説を書く仕事を休んだ、とある。
「アカペラ」は2001年直木賞受賞後の第一作、
二作目「ソリュード」は2007年復帰作、
三作目「ネロリ」は2008年作、
このあとがきは、2011年夏、とある。
辻村深月さんの「傲慢と善良」文庫版の解説が
朝井リョウさんで、そこには、小説の執筆者が誰に解説を頼むのか、著者本人が決めるのだそうで、その
顛末が、 -
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離婚を機に人生初の一人暮らしを始めた32歳の著者、等身大の日記エッセイ。
ほんとに、等身大!気取らず、カッコつけず、強がらず、楽しければ笑い、つらければ泣く。悲しいときは一人で悲しみが去っていくのを待ったり、友達に電話してクドクドと話を聞いてもらったり、ひたすらお酒を飲んだり。どこにでも転がっていそうな日常の細々した出来事の記録なのに、山本文緒さんならではの軽快でさっぱりした文体ゆえに唯一無二のものになっているような。当時の山本さんと今のわたしは年齢が近いからか、わかるぅ、わかるぅ、と、読めば読むほど共感の嵐だった。つらいのも悲しいのも自分だけじゃない、わかってたけどやっぱりみんな頑張って -
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ネタバレ山本さんの、本にはなっていなかったSNSの文章をあつめた一冊。
最初から中盤までは、ふふふと笑いながら、ああ、これはあれを書かれて頃か、とかにやにやしながら読んでいたけれど、後半、ああ、ここからはもう山本さんは、、、と思うと書いていることはそんなことないのに、涙が出そうになった。
ああ、よぼよぼのおばあちゃんになった先生にいてほしかった。
あたらしい小説楽しみだった。
これからもずっと読み続けていきたかった。
また先生のエッセイも読み返したい。
きっと、うわー!!ってなってるのだろうな、と想像しながら。
そういえば、一度だけ先生がTwitterで呟いた言葉にコメントを書いたことがありまして、そ -
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良い作品だった。
人は誰でも、どんな立場でも、それぞれ何かしら悩み、何かと闘い、その度自分を奮い立たせて乗り越えて、なんでもない日常を送っているものだと思わせる。
田舎を出て夫と久里浜でふたり暮らしの冬乃。
芸人を諦め、サラリーマンをしている川崎。
派手さもなく、一見ただの一般人と思われる2人に焦点をあてつつも、全てではなくても彼らと共通する人生の瞬間を読者は感じると思う。
そういうことあったあった、と。
主人公も不器用ながらも思い悩み、時には人に頼りつつも、なんとか乗り切る。
淡々と、だけどとても緻密に、引き込まれるように人の心理を描けるのは作者ならではだと思う。
ハッピーエンドというわけで -
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良い作品でした。
派手さはなく、明るさもないのですが、馴れ合いとも違う感じで、ダメなりに勇気付けてくれます。
不器用で、悪循環にはまり、ずるずると抜け出せずにいる。抜け出す為の、努力がぬるい。
そんな登場人物が少しずつ少しずつ己から目を逸らす事を止め、問題と向き合い、しっかりとした一歩を踏み出していく。
こう書くと、キラキラしたハッピーエンドが待ってるように見えますが、踏み出した一歩は、至極普通なこと。
けれど、「普通」なんて人それぞれで向き合う問題の大きさも人それぞれ。
ただ、向き合ってる時、向き合うまでの気持ちは、似たり寄ったりなのかもしれません。
だから、次が気になって一気 -
Posted by ブクログ
のっけから、爽やかでライトな表紙からは想像できないような、どこにも逃げ出せない日々の描写が細かいディテールで続き、息が詰まる(リアルという点ではいい意味で)。
結構随所にきついセリフがあり、よくある優しい小説とは一線を画す。
妹にカフェをやりたいと持ちかけられた姉が、「なに浮ついたこと言ってんの」「働きたいのならコンビニのアルバイトでも新聞配達でも、体使って真面目にやれば?」と返答するのとか、しんどい!
3歩進んで2歩さがるペースで、ゆっくりと登場人物たちが殻を破り、能動的に人生に立ち向かえるようになるまでを、のめり込んで読んだ。
冬乃の「何にもできない、働く自信がないってただ嘆いて、できな