山本文緒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ続きが気になり一気に読んでしまった。だけど、読んでいてイライラ感もあったなと。。
父に再会したシーンで、自分の人生を生きるのを諦めている感じがなんで??と思った。
自分の人生なんだから、前向きじゃないなら結婚しなくても良いのに。。と思ったり、生活を交換してから行くなと言われたデパートに行ったり、カードを使って良い=豪遊して良いと思って使いまくる所とかそんなわけないだろ‥。と思ったり。個人的にはミシン工場で働いている蒼子の方は好きじゃないなと思った。なんかイライラしてしまって
もう片方の蒼子が好きって訳でもないけど。。
最後はお互い発見があった、という形で本人たちはプラスに捉えているみたいだけ -
Posted by ブクログ
タイトルを見たとき、私はてっきり、のんびりとした無人島生活を描いた、癒し系の物語だと想像していました。
ですが読み始めてすぐに、その予想は完全に裏切られます。
いきなり主人公が余命宣告を受けるところから物語は始まり、抗がん剤治療の辛さから緩和ケアを選ぶというところから始まります。
この時点で、生半可な気持ちでは読めない本だと強く感じました。
本作は事実をもとにしたエッセイです。
そのため、一見すると何気ない言葉にも、生きてきた時間の重みや死と向き合う切実さがにじみ出ていて、読むたびに胸にズシリと響いてきます。
物語を楽しむというよりも、作者の想いや日々の感情を一つも取りこぼさないように、丁寧 -
Posted by ブクログ
表題作の「プラナリア」が一番印象的だった。
小説として読むと主人公は若くして乳癌になった自分を拗らせてしまっている印象も受けるけど、現実で想像したらそりゃそうだよな、と納得。
子どもの頃は体の不調=治るもの、一時的なもの だった。
だけど年を重ねるにしたがって完全に治ることは無くうまく付き合っていくという不調に遭遇するようになって、自分の体との向き合い方が変わった。
幸い大病をしていない私でさえそうなんだから、健康な体に対する喪失感ややり切れなさは計り知れないだろう。
乳癌になった事は主人公の中ではまだ終わっていなくて、今もずっと続いていること、というのが心に残った。 -
Posted by ブクログ
恋愛小説は全くって言っていいほど読まないんだけど…(ドラマや漫画、映画もあんまり)
これは恋愛小説の類いではないな(笑)
冴えないおばさんの事務員、水無月。
彼女は二度と他人を愛さないと、他人を愛すくらいなら自分を愛すると心に誓いながら生きていた…
彼女の過去とは…
いやー……ある意味ホラーやんけ。
こんなにも人に依存することあるかね…
こんなにも好きになれるのってすごいなぁ…
人は人、自分は自分。
自分の幸せを他人ありきにするのは結果不幸になる。
2人でいれば喜びは2倍。悲しみは半分。そんなことはないんだよなぁ。って実感した話だったな。 -
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった山本さんの最期の日々。
がん宣告をされてから亡くなるまでの半年余りの日記。
少しずつ体調が悪くなるけど、きちんとお別れが出来たり、最後に自分でやりたいことをやれるというのは、がんだからこそできることなのかと思う。
彼女のように治療を積極的にせず、在宅で穏やかに過ごすというのは羨ましいなとも思うが、一方でこの日記にも書けない心の中はどうだったのかとも思う。
最期が近付いてもすごくきちんと自分の言葉で表現されていることが素晴らしいと思う反面、彼女の心の内をもっと知りたかった。
もう20年ぐらい前に読んだプラナリアをまた読みたいな。 -
Posted by ブクログ
山本文緒さんの最後の作品集。短編6本が収められている。
単行本のタカノ綾さんの表紙画のイメージが鮮烈だったので、少し違和感を感じながら購入。文庫本の表紙画はたなかみさきさん、装丁はどちらも大久保明子さん。文字配列が美しい。
表題作『ばにらさま』は、どこにでもいそうな可愛いけど何考えてるか分かんない女の子を、彼女に振り回される男の子の視点および彼女のブログで描いた作品。僕はブログ部分はサラッと読み飛ばしていたのだけれど、解説の三宅夏帆さんは「毎日つまんないことで忙しくていやんなる」って部分に反応していた。さすがです。
その他、終盤で突然くるりと世界が変わってしまう作品が続く。素直に明るい未来