山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ20年前の小説なので、ところどころ描写が古いところがあるものの、人の気持ちはいつだろうと変わらないのだなぁと思いました。
「秤の上の小さな子供」が1番ウッと来たかも。
私も「愛されたい」側で、「愛す」側に辿り着ける気がしない。
自分が好きじゃないから、誰かに好きになってほしい、大事にしてほしい。そうじゃないと、生きることもままならないくらい辛い。
愛されたいの理由はそれぞれ大小あれど、人がほしい言葉をほしいタイミングで掛けられる人は、そりりゃあモテるよね。
それが「愛したい」って気持ちじゃなくて、「あぁ、こういうこと言って欲しいんだな」って気持ちからでも、全然取り繕えちゃうし。
自分が思っ -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。
「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。
し -
Posted by ブクログ
私たちが日々生きるということは、新しい人や新しい物と出会うと同時に、今まで当たり前に近くにいた人や、近くにあった物と別れることでもあります。
人はそんな瞬間を、進級してクラスが変わる時に、進学して学校が変わる時に、そして就職して今までの人間関係がゴロッと変わる時などに経験します。一方で、そういった大きなイベントでなくても『初めての手痛い失恋も、幸せだった新婚時代も、子育ても、夫の帰らない孤独な夜も』やがては過ぎ去り過去になっていきます。私たちが慌ただしい日常生活を送る中では、そういったことをいちいち考えている余裕はありません。しかし、ふと時間ができて立ち止まってみると、悲しかった、苦しかった -
Posted by ブクログ
ミステリ、ミステリ、ミステリ・・・・
と来たから、ちょっとテイストの違うものを読みたいなぁ~
と思い、web で恋愛小説の上位を検索してみた。
うーん、ほぼほぼ既読作品(-_-;)
下位の方を見ていくと、知った題名だった為目についた。
そういえば、ドラマ化されていたなぁ。
ドラマCMで、中谷美紀が夫に言っていた文句にもの凄い共感を得て、ドラマの1話を見たのだが、あまりにもドロドロな感じで、見続けられなかった作品だった(笑)
映像作品程、本の方が心が痛まずサクサクっと一気読み出来た。
これは佐藤家と茄子田家のぐちゃぐちゃドロドロな話(笑)
ねちっこい茄子田の奥さんを、ドラマでは木村 -
Posted by ブクログ
神奈川出身の作家の作品として読みました。
母を亡くし、父・豹助と姉・花乃と3人で暮らしている中学2年生の実乃。突如、父が銀行を辞めて「便利屋」をはじめるところから物語がはじまります。
町の困りごとを解決しながら、順調なスタートを切った「便利屋」稼業でしたが、ご近所の犬がいなくなったことから、土地の立ち退きをめぐるトラブルに発展して…⁉
ミステリ作品として事件そのものや調査のヤマ場を楽しんで読む、という趣旨の作品ではなく、どちらかというと主人公の精神面の成長に主眼が置かれている作品だと思います。
なかなか思うようにならない姉との関係、姉の(つくった)「いい子」の側面だけを見ていつも自分だけ -
Posted by ブクログ
たまたまこの本の前に読んでいたのが、
「これは経費で落ちません 3」で...
二冊続けてテーマは「恋愛って面倒臭い」(^ ^;
さらに本作は、読み進むと「生活って面倒臭い」
「人間って面倒臭い」に行き着く(^ ^;
好きな人と一緒にいたい。
これは人間と言うより、生物としての本能。
でも、一緒にいると、「生活」というものが発生する。
現代日本で「生活」するためには、お金が必要になる。
お金を得るためには「仕事」をしなければならず、
仕事と「生活」のバランスを取ろうとあっぷあっぷしてると、
「好きな人と一緒にいる」喜びが蔑ろにされ...
そうか、金が無いと暮らしていけないのが悪いのか(^