山本文緒のレビュー一覧

  • みんないってしまう

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    ネタバレ

    対象喪失が共通する短編集。

    絶対泣かないもそうだったけど、
    短編の中でもさらに短いような短さで
    1話はサクッと読めるのに
    この短さのストーリーに
    どうしてこんなにも揺さぶられるんだろう。

    年齢を重ねるうちに
    持ってたはずのものがなくなっていって
    知らずのうちに永遠を願って信じてた自分に
    気づいてまた苦しくなる
    そんな毎日を生きてる私に
    喪失のテーマはすごく刺さった。

    最初の裸にネルのシャツから
    読んでいてビリビリくる感じ
    誰にも言えない心の中が、
    本では言葉になっていてびっくりした。

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    2022年03月23日
  • きっと君は泣く

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    純粋で感動系のいい話なのかと思って手に取った本
    読んでみると、、純粋系とは程遠い内容だった。
    私は椿とは性格がまるで違うけど、椿っていう人がほんとに存在するのではないかと思うほどリアルだった。
    酷い性格だけど優しさもあり、強い感じだけど弱さもある。最終的には自分の理想を捨てて、自分の発した言葉に責任を持つ。
    私は椿になりたいとは思わないけど椿がかっこいいなって思った。
    私が読んだことの無い部類の内容だったけど早く続きが読みたいって思えた本

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    2021年09月08日
  • なぎさ

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    ぐちゃぐちゃの生活や人間関係の沼みたいなものにはまり込んだ人達が沼から這い出そうともがく。
    生きていく上で抱えるモヤモヤ感に共感できるところが。そのモヤモヤを吐き出せる人や場所があることに救いを感じた。
    特に夫婦で力強く手を握る姿が印象的。

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    2021年08月08日
  • シュガーレス・ラヴ

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    ネタバレ

    20年前の小説なので、ところどころ描写が古いところがあるものの、人の気持ちはいつだろうと変わらないのだなぁと思いました。

    「秤の上の小さな子供」が1番ウッと来たかも。
    私も「愛されたい」側で、「愛す」側に辿り着ける気がしない。
    自分が好きじゃないから、誰かに好きになってほしい、大事にしてほしい。そうじゃないと、生きることもままならないくらい辛い。

    愛されたいの理由はそれぞれ大小あれど、人がほしい言葉をほしいタイミングで掛けられる人は、そりりゃあモテるよね。
    それが「愛したい」って気持ちじゃなくて、「あぁ、こういうこと言って欲しいんだな」って気持ちからでも、全然取り繕えちゃうし。
    自分が思っ

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    2021年07月16日
  • 眠れるラプンツェル

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    ふたりの孤独感と燃えるような激情が伝わってきました。
    現実にあれば犯罪ですが、それが許されるのが虚構の世界。

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    2021年05月10日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    表題作のアカペラが印象的だった。
    驚く展開もありつつ、人間味を感じて良い。
    最後は胸の奥がぎゅーっとなった。

    他の2作も切なげな空気があるが
    悲しいお話というわけでなくなんだか良い。

    山本文緒さんははじめてだったが他の作品も読んでみたい。

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    2021年05月08日
  • 紙婚式

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    答えの出ない人生の色々
    作者から投げかけられ
    考える自分がいること
    それが心地よく読み進めることが出来る

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    2021年04月16日
  • 群青の夜の羽毛布

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    嫌な気分になる本。
    でも読み進めて行くと止まらなくなる。
    ある意味ホラーより怖いかも。
    色んな人間関係あるけれど、なんだかんだと縁が切れない家族との人間関係が一番難しいのではと考えさせられた。
    仕事が忙しい時や余裕がない時にはお勧めしにくい本です。山本文緒さんは、大人しそうだけど男性に依存したり掴み所がない女性像を描くのがとてもうまいですね。今回も唸りました。

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    2021年04月11日
  • 紙婚式

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    ネタバレ

    まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。

    「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。

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    2021年02月28日
  • みんないってしまう

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    私たちが日々生きるということは、新しい人や新しい物と出会うと同時に、今まで当たり前に近くにいた人や、近くにあった物と別れることでもあります。

    人はそんな瞬間を、進級してクラスが変わる時に、進学して学校が変わる時に、そして就職して今までの人間関係がゴロッと変わる時などに経験します。一方で、そういった大きなイベントでなくても『初めての手痛い失恋も、幸せだった新婚時代も、子育ても、夫の帰らない孤独な夜も』やがては過ぎ去り過去になっていきます。私たちが慌ただしい日常生活を送る中では、そういったことをいちいち考えている余裕はありません。しかし、ふと時間ができて立ち止まってみると、悲しかった、苦しかった

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    2021年02月24日
  • あなたには帰る家がある

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    ミステリ、ミステリ、ミステリ・・・・
    と来たから、ちょっとテイストの違うものを読みたいなぁ~

    と思い、web で恋愛小説の上位を検索してみた。
    うーん、ほぼほぼ既読作品(-_-;)

    下位の方を見ていくと、知った題名だった為目についた。

    そういえば、ドラマ化されていたなぁ。
    ドラマCMで、中谷美紀が夫に言っていた文句にもの凄い共感を得て、ドラマの1話を見たのだが、あまりにもドロドロな感じで、見続けられなかった作品だった(笑)

    映像作品程、本の方が心が痛まずサクサクっと一気読み出来た。


    これは佐藤家と茄子田家のぐちゃぐちゃドロドロな話(笑)

    ねちっこい茄子田の奥さんを、ドラマでは木村

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    2021年01月31日
  • あなたには帰る家がある

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    楽しかった。
    ドラマ化されているので、俳優さんや女優さんを思い浮かべながら読んだら、ドラマを見ている様だった。

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    2021年01月25日
  • なぎさ

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    感想がまとまらない。

    わたしの母親は、いつも誰かの愚痴を言っていて、お酒しか飲まなくて、いつも私の事を下げて言う。
    お母さんに言っても嫌な事言われるだけだから何も話さなくなった。わたしは、自己肯定感が低い。

    楽しいことも確かにたくさんあったのだ。

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    2020年12月29日
  • ファースト・プライオリティー

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    あるとあらゆる人の「きらきら」した人生の短編を描く山本文緒さん。私はこの人の短編がとても好きだ。それはなぜだろうと疑問に思っていたけれども、31番目の話を読んで、すとんと腑に落ちた。その覚悟、その愛、そのまっすぐさにいつも救われる。

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    2020年11月02日
  • 結婚願望

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    ネタバレ

    山本文緒さんの小説が好きで、どんなエッセイを書くのか興味があったこと、私自身があまり結婚願望がなかったので、周りの結婚願望がある友だちの気持ちを知りたいと思って読んでみた。
    読みやすく、なるほどなと考えさせられる内容だった。
    特に印象に残ったのは、「みんな結婚してるから結婚したくなる」という話や、人には恋愛体質の人とそうでない人がいて、恋愛体質の人は結婚しても安定した幸せに飽きてしまい、また恋愛に走ってしまうので、恋愛体質でない人の方が意外と結婚が長く続く、という話。

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    2020年09月06日
  • ひとり上手な結婚

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    ネタバレ

    山本文緒さんの文章は正直で、読んでいて気持ちが良く、伊藤理佐さんの漫画はとにかく楽しい。読んでいて幸せな気分になれる良い本!

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    2020年08月09日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    山本文緒さんの日記形式のエッセイ。
    一見自由に再婚生活を綴ってるようだがうつにじわじわ苦しめられる様子が書かれており
    結構読むのしんどい。
    けど山本文緒さんのことをたくさん知れるし、
    病気としてのうつの参考本としていいのかもしれない。
    読むの時間かかるししんどいけど読んでしまう。

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    2020年02月12日
  • 群青の夜の羽毛布

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    家事手伝いをする24歳のさとるの門限は10時。
    それを頑なに守っている。
    さとると付き合うようになったスーパーのアルバイト店員大学生の鉄男から見たさとるの家庭は、普通ではないように思えた。

    多少の家族の秘密はどこにでもありそうですが、さとるの家庭の問題はとても深く重い。
    さとるはその被害者なのかも。
    さとるの陰湿な雰囲気も、家庭環境にありと思います。
    鉄男が救いになるのでしょうか。

    物語の後の展開を想像しても、一筋縄では行かなそうな気がします。
    みんなが今より少しでも幸せになれたらいいなと願ってやみません。

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    2019年12月13日
  • チェリーブラッサム

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    神奈川出身の作家の作品として読みました。
    母を亡くし、父・豹助と姉・花乃と3人で暮らしている中学2年生の実乃。突如、父が銀行を辞めて「便利屋」をはじめるところから物語がはじまります。

    町の困りごとを解決しながら、順調なスタートを切った「便利屋」稼業でしたが、ご近所の犬がいなくなったことから、土地の立ち退きをめぐるトラブルに発展して…⁉


    ミステリ作品として事件そのものや調査のヤマ場を楽しんで読む、という趣旨の作品ではなく、どちらかというと主人公の精神面の成長に主眼が置かれている作品だと思います。
    なかなか思うようにならない姉との関係、姉の(つくった)「いい子」の側面だけを見ていつも自分だけ

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    2019年10月29日
  • あなたには帰る家がある

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    たまたまこの本の前に読んでいたのが、
    「これは経費で落ちません 3」で...
    二冊続けてテーマは「恋愛って面倒臭い」(^ ^;

    さらに本作は、読み進むと「生活って面倒臭い」
    「人間って面倒臭い」に行き着く(^ ^;

    好きな人と一緒にいたい。
    これは人間と言うより、生物としての本能。
    でも、一緒にいると、「生活」というものが発生する。
    現代日本で「生活」するためには、お金が必要になる。
    お金を得るためには「仕事」をしなければならず、
    仕事と「生活」のバランスを取ろうとあっぷあっぷしてると、
    「好きな人と一緒にいる」喜びが蔑ろにされ...

    そうか、金が無いと暮らしていけないのが悪いのか(^

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    2019年11月05日