山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『自転しながら公転する』ほどの衝撃は感じられなかったが、主人公がどんどん転落していく展開が辛かった。
でもどんなに落下しようがそこから這い上がって、自分なりの答えを出せた深文は逞しいなと思った。
この作品が出版されたのが平成7年。
「結婚することが女性の幸せ」という考えに侵食されていた世の中だったんだね。
ほんとに疑問なんだけど、どうして「結婚=幸せ」に結びつくんだろう。
愛されていると思えるから幸せなの?
ひとりじゃないから幸せなの?
どんな道を進もうが自分が納得している生き方ができればそれが正解なんだ。
「いろんな生き方があっていいんだよ。」
深文がそう言って勇気づけてくれた気がした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表面張力
「のら人間っているのかな?」との息子の問いかけに、見に行く?と言い、ホームレスをみせる場面には衝撃を受けた。
タイトル通りの、みんないってしまうがすべての作品で表されている。永遠と思えたものでも、永遠というものはないというラストになる。
あっやってしまった、そんな気持ちが、きっとどれか一つくらいは当てはまりそうで。
「これってありえなくない?!」ではなく、他人の私生活を覗き見した気分になる。
主人公のほとんどが、ちょっと貧乏臭く、全体的に、内容が暗い、それも現実的。
好きなヒトのゴミを盗む女性。
小柄な喫茶店の店員少女に密かな恋心を抱く、中年男性。
山ほどの洋服があるのに着ていく -
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Posted by ブクログ
ネタバレ無い物ねだりの主婦(愛人のいるハイスペ旦那と都内のタワマン住み)が、同じく無い物ねだりの自身のドッペルゲンガー(自分だけを愛してくれるDV男と福岡でひっそり暮らしている)と出会い、お互いの生活を入れ替えることになる。
人間全てを手に入れることは不可能なので、自分が本当に欲しているものは何なのか、それまでの人生に想いを馳せ今の自分の心に問いかけてみると良い。
意外ともう持ってたりするからね。
(この本の主人公たちはそもそもそれすらも持っていなかったわけだが、生活を入れ替えたところで手には入らなかった。だって入れ替わった相手が自分だもの。)
✏自分自身を正しく愛することは搾取から逃れる最良の手