山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「喪失感を超え、本当の自分に出会う。」
この本の背表紙に書いてあった文章に、とても共感しました。
失うことはただただ悲しんだり、寂しい気持ちになるだけでなく、
自分が人として成長や人に対して優しくなるきっかけを貰う機会でもあるのかなと感じました。
恋人や信頼を失うことは、もちろん切なくて悔しくなるけど、その先の自分の行動には必ず変化が起きるのではないかと思います。
そう考えると、喪失感を覚えることのすべてが悪いことでは無いのかな?と思わせてくれる作品でもあると思います。
◆印象に残った
①ドーナッツ・リング
②みんないってしまう
③片恋症候群 -
Posted by ブクログ
ハマっている山本文緒繋がりで読みました。
相変わらずちょっと暗い、閉塞感を感じる作品の数々。今回は結婚後の夫婦について
自分が上手くやれてる方なのかなと思うくらい上手くやれてない人達が多数出てきます。これはそういう作品なので仕方ないですが、誰かと一緒に暮らすというのはどこか我慢したり諦めたり、そして何よりそれがずっと続くという閉塞感。変化がないことに対する退屈。手放すのは簡単だが繋ぎ続けることは難しい。このような言葉が沁みました。
最初は終わりに向かっていく作品がおおいですが、最後の方は希望もあったり
おすすめは秋茄子 なんとか家族になっていきたいという気持ちが見えて安心 表題作の紙婚式も -
Posted by ブクログ
ネタバレゆがんだ家庭の事情を赤裸々に描いたお話。
長く一緒に暮らしている家族ならそこでのルールみたいなものは自然と出来てくる。
家族各々はその狭い世界のなかで生きなければならない。
抜け出したくても、なかなかできない。
家族間のルールに縛られると嫌なことなのかいいことなのか、その判別までもが難しくなる。
娘二人の家庭に母親が女帝になり、彼女の独裁ぶりに父親を含め娘の恋人までが、翻弄されていく。
ここまではよくあると思うのだが、母親が娘の恋人を寝取るというのは、ちょっとわからない。
娘を含めた周囲の者達を独占したいのであれば、そんなことはしないのでは?
この母親が何を目指しているのかが、さっぱり -
Posted by ブクログ
「チェリーブラッサム」の続編。本作も前作同様、便利屋を始めた父のもとに舞い込んできた依頼がきっかけとなり事件に巻き込まれていく。
前作よりも主人公「実乃」が危機にさらされることもあり、緊迫度はやや高め。前作同様、少女小説がベースになっているので、淡い恋の行方など、青春の1ページと言えるような設定がふんだんに盛り込まれている。
内容がやや簡単なので、大人が読むと物足りなく感じるかもしれないが、その分気軽な気持ちで読むことができ、話もテンポよく進むので、あっという間に読み切れてしまう。重たい内容ではないので、やや難しい小説の合間に読むちょっとした清涼剤といった雰囲気がある。 -
Posted by ブクログ
前作『チェリーブラッサム』と比べると、恋愛小説の要素が強くなったな、と感じます。
主人公の実乃も精神的に大きく成長していて、すっかり「子ども」ではなくなっている印象です。幼なじみのハズムや、憧れの永春さんといった、周囲の男子との関係も少しずつ変化し、自分の心と向き合っていくこと・周囲との折り合いをつけてゆくことの難しさと大切さを感じさせてくれる物語でした。
ヒョウスケお便利商会にもちこまれる依頼や、そこからはじまる事件の背景などについては、ミステリ小説ではないので作り込みは甘い部分も否めませんが、それを気にさせることのない、主人公の心情を豊かに描いた作品だと思います。
シリーズはこの2巻目で -
Posted by ブクログ
美人と世の中的には言われあまり苦労もせず男も取っ替え引っ替え仕事も適当な20代前半女性が主人公。
壮絶な美人である祖母を崇拝し、母親よりも祖母を信頼し、祖母に言われた「私の若い頃にそっくりだ」という言葉にすがっているが、ある時から急に痴呆が始まる。さらに父親がやっていた会社が倒産。恋愛もうまくいかず自分を失いかける。
その人の作品はいびつな恋愛が多いのか、真っ当ではない人たちというか奔放な人たちが出てくることが多いので、そうではない部類の人間としては読んでいて疲れるし読後感もあまりよくない。
しばらくこの人の本を読むのは辞めようと思うが、たぶんまた読みたくなるような気がする。