山本文緒のレビュー一覧

  • みんないってしまう

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    「喪失感を超え、本当の自分に出会う。」
    この本の背表紙に書いてあった文章に、とても共感しました。

    失うことはただただ悲しんだり、寂しい気持ちになるだけでなく、
    自分が人として成長や人に対して優しくなるきっかけを貰う機会でもあるのかなと感じました。

    恋人や信頼を失うことは、もちろん切なくて悔しくなるけど、その先の自分の行動には必ず変化が起きるのではないかと思います。
    そう考えると、喪失感を覚えることのすべてが悪いことでは無いのかな?と思わせてくれる作品でもあると思います。

    ◆印象に残った
    ①ドーナッツ・リング
    ②みんないってしまう
    ③片恋症候群

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    2021年05月03日
  • 眠れるラプンツェル

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    閉ざされた、守られた条件の中で寄り添った孤独な2人の恋だったように思う。

    高い塔の中、実は望んでその中でまどろむ姫の王子は、年齢、家庭、親、それらに縛られた同じような男の子だった。

    誰かに壊して欲しかった、全てを。だから恋してしまったのだろうか。2人の関係は未来がないゆえ、どうしようもなさがとても淋しく、だけど前に進めるだろうという希望もあったように思う。

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    2021年05月13日
  • 紙婚式

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    ハマっている山本文緒繋がりで読みました。
    相変わらずちょっと暗い、閉塞感を感じる作品の数々。今回は結婚後の夫婦について

    自分が上手くやれてる方なのかなと思うくらい上手くやれてない人達が多数出てきます。これはそういう作品なので仕方ないですが、誰かと一緒に暮らすというのはどこか我慢したり諦めたり、そして何よりそれがずっと続くという閉塞感。変化がないことに対する退屈。手放すのは簡単だが繋ぎ続けることは難しい。このような言葉が沁みました。

    最初は終わりに向かっていく作品がおおいですが、最後の方は希望もあったり
    おすすめは秋茄子 なんとか家族になっていきたいという気持ちが見えて安心 表題作の紙婚式も

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    2021年03月19日
  • ファースト・プライオリティー

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    31歳の女は色々ある。
    ほぼ同い年で楽しく読ませていただきました。
    少しずつ切り取っていった感じなので、それぞれの主人公の未来が良くあればいいなと思う。
    色んな人生があるけれど自分らしい日々をおくりたいと思う。

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    2021年02月22日
  • 紙婚式

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    夫婦に限らずだけど、”自分以外”は他人だから価値観も考え方も何もかも違うのは当たり前。
    血縁のある家族でさえ、何を考えているかなんて言葉にしないと分からないのだから、育ってきた環境も何もかも違う他人なら理解できないことがあっても仕方ない。

    しっかり話し合って、考えを言葉にして伝えて、譲り合い、ときにはぶつかり合って、一緒にいる努力をお互いにしていかなければ夫婦という紙1枚の関係なんて呆気なく崩れてしまう。
    結婚とは、夫婦とは、なんなんだろうなぁ、と考えさせられ本でした。

    読みやすいし面白かったです!

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    2021年01月18日
  • 群青の夜の羽毛布

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    ネタバレ

    ゆがんだ家庭の事情を赤裸々に描いたお話。

    長く一緒に暮らしている家族ならそこでのルールみたいなものは自然と出来てくる。
    家族各々はその狭い世界のなかで生きなければならない。
    抜け出したくても、なかなかできない。
    家族間のルールに縛られると嫌なことなのかいいことなのか、その判別までもが難しくなる。

    娘二人の家庭に母親が女帝になり、彼女の独裁ぶりに父親を含め娘の恋人までが、翻弄されていく。

    ここまではよくあると思うのだが、母親が娘の恋人を寝取るというのは、ちょっとわからない。
    娘を含めた周囲の者達を独占したいのであれば、そんなことはしないのでは?

    この母親が何を目指しているのかが、さっぱり

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    2021年01月09日
  • なぎさ

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    冬乃の本質的な強さを徐々に引き出して行くストーリー展開が、面白く感じた。
    妻として、姉として、カフェを営むものとして、そして、娘として対峙する冬乃の成長が、どこか励みになる。
    もう一人の語り手、川崎君なりの決意もあと味は良かった。

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    2021年01月02日
  • なぎさ

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    まあ淡々とおもしろく読めた。舞台が久里浜。こういう具体的な地名が出てきてイメージできる小説、ちょっと旅した気分になり好きです。

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    2020年12月26日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    アカペラ
    山本文緒さん。

    短編集。

    とても良いところで、終わる。
    続きが気になる。

    もう少し読みたい!!という感じが、
    良いのだろうか。

    おもしろかった。

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    2020年10月19日
  • ココナッツ

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     「チェリーブラッサム」の続編。本作も前作同様、便利屋を始めた父のもとに舞い込んできた依頼がきっかけとなり事件に巻き込まれていく。
     前作よりも主人公「実乃」が危機にさらされることもあり、緊迫度はやや高め。前作同様、少女小説がベースになっているので、淡い恋の行方など、青春の1ページと言えるような設定がふんだんに盛り込まれている。
     内容がやや簡単なので、大人が読むと物足りなく感じるかもしれないが、その分気軽な気持ちで読むことができ、話もテンポよく進むので、あっという間に読み切れてしまう。重たい内容ではないので、やや難しい小説の合間に読むちょっとした清涼剤といった雰囲気がある。

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    2020年09月22日
  • チェリーブラッサム

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     中学2年生の少女「実乃」を主人公にした少女小説。ただの成長物語かと思っていたのだが、本編はミステリー仕立てになっているので、タイトルなどから想像していたものと違い、意外な印象を受けた。
     突如として仕事を辞め、便利屋を始めた父に舞い込んできた依頼から今回の事件はスタートする。ただ、あくまで少女小説なので、複雑なトリックなどは一切なし。主人公やその家族、友人などの揺れ動く心を存分に味わえて、更にちょっぴりミステリーの要素が盛り込まれた、気軽に読めてスッキリする作品。

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    2020年09月21日
  • 紙婚式

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    いろんな結婚の形の話。みんな気づかないふりをしていて先延ばしにしたり、自分には関係ないと思ったり、心で言い訳をしたり、とても人間らしくて。ほんとにこんなことありふれているんだろうなと思う。自分に正直に、でも人には優しくできるように生きたいものです。

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    2020年09月17日
  • 紙婚式

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    女の人の短編集。普通の女性のはずなのに読み進めると少しづれていることがわかる。哀しい思いで恋をしている話

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    2020年08月18日
  • みんないってしまう

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    ドーナツリングの話がすごく良かった。
    何かを得ると何かを失ってしまう、そしてその失った何かを何であったかさえ人は忘れていってしまうのよね、、悲しい、喪失。だけどそれがこの世の摂理であって現実なのだなあと思わされる作品

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    2020年04月20日
  • きっと君は泣く

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    サーっと気軽に読める本だった。
    読むと完璧な人などいないと感じる。
    人の卑しい部分とか、無意識に計算して生きている所とか、100%善良な人がいないからこそ楽しめる物語。

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    2020年03月16日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    中編が3つ。どれもすこぅし悲哀があって、でもじんわり心があたたまるようなストーリーだった。ほうじ茶、ホットワイン、そしてココアって感じ。

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    2020年01月13日
  • ココナッツ

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    前作『チェリーブラッサム』と比べると、恋愛小説の要素が強くなったな、と感じます。
    主人公の実乃も精神的に大きく成長していて、すっかり「子ども」ではなくなっている印象です。幼なじみのハズムや、憧れの永春さんといった、周囲の男子との関係も少しずつ変化し、自分の心と向き合っていくこと・周囲との折り合いをつけてゆくことの難しさと大切さを感じさせてくれる物語でした。

    ヒョウスケお便利商会にもちこまれる依頼や、そこからはじまる事件の背景などについては、ミステリ小説ではないので作り込みは甘い部分も否めませんが、それを気にさせることのない、主人公の心情を豊かに描いた作品だと思います。
    シリーズはこの2巻目で

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    2019年10月31日
  • きっと君は泣く

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    ネタバレ

    主人公、かなり激しいが、物語上ではなんとなく嫌いにはなれず見守りたくなるようなところがある。人任せで未熟だった精神が、やっと「その先」を意識できるようになってきた。子供が大人になる瞬間のような物語。
    ガラガラと基盤が崩れていった中で、本当に大事なものを見つけることができたと思っていいのかな?
    うまくいくといいね、と声をかけてみたくなる。
    グンゼもだけど、魚住こそ親友になれそう。

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    2019年10月21日
  • きっと君は泣く

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    美人と世の中的には言われあまり苦労もせず男も取っ替え引っ替え仕事も適当な20代前半女性が主人公。
    壮絶な美人である祖母を崇拝し、母親よりも祖母を信頼し、祖母に言われた「私の若い頃にそっくりだ」という言葉にすがっているが、ある時から急に痴呆が始まる。さらに父親がやっていた会社が倒産。恋愛もうまくいかず自分を失いかける。
    その人の作品はいびつな恋愛が多いのか、真っ当ではない人たちというか奔放な人たちが出てくることが多いので、そうではない部類の人間としては読んでいて疲れるし読後感もあまりよくない。
    しばらくこの人の本を読むのは辞めようと思うが、たぶんまた読みたくなるような気がする。

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    2019年07月01日
  • あなたには帰る家がある

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    登場人物がみんな自分勝手だと感じた。
    でも仕事や家族を抱えると自己主張もあって仕方ないのかな。
    終わり方がイマイチだった。

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    2019年06月26日