山本文緒のレビュー一覧
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ネタバレこの本は“過去に二回出版されたことがあり、それを今回大幅に改稿し、新たに加筆したもの”らしい。
一番最初の刊行としては1993年であり、この角川文庫が出版されたのが2009年。
山本文緒さんは31歳→46歳へ。
15年の月日が流れ、色々となおされているようなので、“荒っぽい”本書も読んでみたくなった。
というのもあとがきを読む限り、46歳の山本さんが書かれたところに比べると加筆訂正されてはいるものの昔書かれたところの方がいきいきしている気がしたので。若干柔らかくなられたところもあるのかな、と。
色んな見方をできるようになって直線的にこれはいい、だめ、と打ち立てることをしなくなっただけかもしれな -
Posted by ブクログ
ネタバレintroduction───
毎週日曜日の朝、茄子田太郎は犬の散歩に出る。
私立中学で社会科の教師をしている彼にとって、日曜日は貴重な休日だ。いつもより二時間ほど朝寝坊をして、愛犬のゴブリンと共に家を出る。彼はその犬の名を気に入ってはいなかったが、息子達が勝手に付けてしまったのだ。ゴブリンとはロールプレイングゲームに出てくる、あまり強くない妖怪らしい。
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今期観ているドラマの原作が気になって購入。
放映分までで止めようと思っていたのに、一気に読み終えてしまった。
山本文緒も唯川恵もそうだけれど、さらっと流れていってあとに残るものがほとんどないというか、読んだ端から -
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突如「みんないってしまう」というタイトルが頭にこびりついて離れなくなり早急に読みきった一冊。
手をすり抜けていく風のようなこのタイトル好き。留めておけるものなんてない。変わらないものなんてない。無力にも、みんないってしまう。
20ページにも満たないストーリーが12編。
主人公はギリギリの状態で日々をやり過ごしているような人物たちだ。何かの拍子に突き落とされて始めて、自分が立っていた場所が崖っぷちだったことを知ったような。
むろん良いラストなはずはなく、苦みが残るものが多い。けれど自分の立ち位置を知り、本当の自分をみつけるというのは喪失と相反する貴重な何かだ。この短編集をよんで私はその瞬間に立 -
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大なり小なり、罪を苛み罪に溺れる人たちを描いた短編集。
「寿」
過去の男遊びをなかったことにして幸せな結婚をしようとする女の子の話。
元カレを切り捨てたり、親友を踏み台にしたり。
それが婚約者にバレてしまったときの、婚約者の言葉がとても重かった。
幸福になろうとする者は、とびっきりの傲慢な笑顔で傲慢にならなければならない、という。
「ママドントクライ」
アイドルにハマってしまい貢ぎまくる主婦。
家財を売り払って子供の預金にも手をつけ、家出同然で追っかけをするその主婦に最初は嫌悪感しかなかったのだけれど、後半から見方が変わった。
彼女にとっての唯一のよすがで、救いなんだ、と思うと、純粋に可哀 -
購入済み
個人的な感想
山本文緒の本は10代の頃に読み漁った記憶があります。その頃はまだ「いい人」が主人公の小説が当たり前だと思っていた時代に、人間の、よじれた後ろ向きな感情を丁寧に描写している山本文緒の文章に衝撃を受けました。本編は、そんな、人間の闇を描くのが上手な作家の、良い意味でひねくれたエッセイ集です。「そうくるかー」といった意表を突かれる表現や、「うんうん分かる分かる」と共感する気持ちになりました。題名から予想するよりは、恋愛の話は少なかったかな。。
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Posted by ブクログ
タイトルは「ブラックティー」。
バラの名前らしい。
花、そして「ティー」、乙女チックなタイトルなのに「闇」を感じるのはやはり「ブラック」とあるからだろう。
そして読み終わった後の、なんだろうこの心がチクリとする感じは・・・
この感覚、この短編集が「軽犯罪」がテーマだから、ということにあとがきでようやく知った。
そうか、だからか!なるほど・・・
犯罪とも言えないほどの小さな罪、「欠点」「個性」と言えるほどのものも。
そして社会のものさしにしてみたら悪かもしれないけど、価値観、つまり時代や場所が違えば悪ではないかもしれないもの。
最近会社で大きな失敗をしたからなおさら分かるわ〜。
しかも社会的には -
Posted by ブクログ
なんか頭痛のする日に読んだので、だんだん気分が重くなってきました。
まえがきに書いてあるように、体調の悪い人は読まない方がいいです。
でもあとがきの精神科医の方が書いているように、「楽しそうだな」と思ってしまうのも確か。
私はなんとなく、服薬してることもあってお酒やタバコはダメなのかな、と思ってましたがそんなことないみたいだし、いろいろ出かけてるし、なんなら入院生活も、外出自由だし編み物できるし楽しそう……と。
でもこれが、うつ病の人が誤解を受ける原因なんだろうな、と思いました。
「怠けてるだけだろ」っていう。
本人は辛い思いしてるのに。