山本文緒のレビュー一覧

  • シュガーレス・ラヴ

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    ネタバレ

    リアルな人間の、女性の姿が描かれている。性別で何かを語るのはあまり好きではないけど、それでも生理は女性という性から切り離せない。みんなにかに耐えながら生きているんだな。

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    2023年11月11日
  • なぎさ

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    爽やかな表紙につられて購入した。
    でも本文は結構ドロリとシていた。私は山本さんの書くお話が大好きなので、「キタキタ!」と喜んだ。出てくる人物が驚くほど、私の苦手なタイプばかりで、あ……となりながら読んでいた。滞留した人間たちのそれぞれの再生を描いた作品。どんな理由があったとしても、のこらず歩き出せて良かった。そんなことを思いながら、表紙を見て、「あ。このシーン」ってなった。前向きになれる作品。

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    2023年10月26日
  • ファースト・プライオリティー

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    まずあまりの短編の多さにびっくり。
    一つ一つの話に明確なオチはないけど、
    人生なんてそんなもんじゃなかろうか。

    話に出てくる31歳はみーんな何かを求めて、拗らせている。
    そして他人との関わりにより、フッとあげてもらったり、自分自身に気付いたりしていく。

    拗らせているなあ、と思いながら読みつつ、
    この歳になって拗らせていない人なんているのだろうか、とふと思う。

    徐々に形成した歪な形を弄びながら、
    世間体にとらわれずピースがはまる場所を探すのが人生なんだろう。

    離婚直後だからこそ、書けた作品、のような気がする。

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    2023年10月20日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    3つの短編からなる一冊。
    あー、分かる。という面と、こう来たか。という面と。
    普通とそうじゃない線引なんて曖昧過ぎて分からない。
    だからどちら側でも分かる部分はある。境遇を分けてしまえば偏見が増える様に。
    男性が主人公の話は山本文緒さんの中ではあまりない様な感じがしていて、意外だった。

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    2023年10月07日
  • そして私は一人になった

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    考えていることがすごく一緒。

    人といると疲れてしまうこと、気分のアップダウン、内面の弱さ、求めてしまうこと、とっても一緒。

    弱い自分に辟易する日々だけど、
    ふみおさんの本を読むと安心する。

    孤独より、1人になれない時間がなくなる方がつらい、という趣旨の文があり、同じすぎて思わず笑ってしまった。

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    2023年09月29日
  • 紙婚式

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    久々の山本さん。いろんな結婚の話だけど何かしらの問題を抱えていて不安や苛立ちが伝わってきて生々しい。読みやすい。

    肝が冷えるような怖さを感じることが多く「ますお」はその真骨頂だった。ありそうな話で疑心暗鬼になってしまいそう笑

    「秋茄子」は途中旦那の方の冷酷で幼稚なところを軽蔑していたけど終盤でなぜそんな立ち振る舞いになったか理解できて人は歪んでいて繊細なんだなと思った。主人公のように慈愛を込めて接したから救いのある結果になったんだなぁ。私はこんなことができるかな。

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    2023年09月24日
  • ブラック・ティー

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    人間の重ねる「罪」の短編集…というと暗く聞こえるけれど、実際はなんだか読んでいて自分にも似たような経験があるなと思い出す身近なお話が多かったです。

    罪悪感や恥ずかしさ、後悔などもありありと蘇ってくるように感じましたが、それと同時にその時は特に悪いと思ってやってなかったんだなぁ…と思い出しました。誰にも言えないというか、言うほどでもない秘密がどこの誰にでも潜んでいると思うと少し気が楽になります。

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    2023年09月18日
  • ファースト・プライオリティー

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    31人の31歳の女性たち
    みんなそれぞれ違うんだけど、31歳という共通点が短編を繋いでいきます

    庭と当事者がよかったです

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    2023年09月02日
  • 落花流水

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    読みやすくてすぐに読み終えたけど…
    出てくる人みんな好きになれず、共感するとこ特になく、結局何を伝えたかったのか私にはよくわからず…。

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    2023年08月27日
  • みんないってしまう

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    バイトが決まらないわ、卒論のテーマも定まらないわで大分自堕落な生活をしている今、これが読めてなんだかスッキリした。
    いっそ失ってしまえば、何かが分かるのかもしれない。
    一度無に戻って考えてみよう。焦りを忘れて。

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    2023年08月05日
  • そして私は一人になった

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     1997(平成9)年刊。
     1996年、こないだ読んだ『恋愛中毒』の作者が32歳から33歳にかけての日常を綴った日記体のエッセイ。
     結婚して5年くらいで離婚し、一人暮らしとなった状況を描くと言うことで、同様に離婚して一人になった私にとって身につまされる話があるかと期待したのだが、その「離婚」の事情については全然言及しておらず、単に「一人暮らし」の自由さを書いている。会社勤めでない作家業という、時間に縛られないかなり自由な生活が描かれている点、時間に縛られているサラリーマンの私には憧れるものがあって、読んでいて楽しい。子供の頃、藤子不二雄などのマンガ家生活の日記・手記を読んでわくわくしたのと

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    2023年07月26日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    「正しく起きる、正しく寝る…」
    筆者は前半で何度も「正しく」という言葉を使っています。
    うつになると「正しく起きて食べて仕事して寝て…」という普通の生活が出来なくなることに、罪悪感と恐怖感を持つからだと思います。必死で治したいのに、出口の見えない一人相撲をする辛さが、この言葉に凝縮されていたような気がします。
    何年もよく頑張ったねと労ってあげたいけれど、ご本人は快復された後癌で亡くなられたとのこと。
    これは私見ですが、自らの経験からも、心身ともにシンドイ状況が続くと、後に癌は狙っていたようにやってくると感じています。勿論そのようなケースばかりではないことは、わかっていますが。
    そこで運良く癌を

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    2023年07月12日
  • パイナップルの彼方

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    少し古い話なので、物語の中に時代を感じるもの(連絡方法が固定電話だったり、ワープロなるものが出てくる)があって、懐かしく思った。
    今の女性像とは違って、見えないものに縛られている20代の女性が主人公。
    全てに対して、なんとなく生きているけれど、違和感を拭いたくても拭えずにそこに葢をして、見てみぬふりをしている。
    その違和感はメリメリと剥がれていき、やっと本来の姿を出してくるところが、ゾクゾクして面白い。

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    2023年06月24日
  • 残されたつぶやき

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    ネタバレ

     山本文緒さん(1962.11.13~2021.10.13、享年58)「残されたつぶやき」、2022.9.25。前半は自伝風エッセイ、後半は日記(つぶやき)か・・・。2008年ミクシー、2009年ツイッター、2011年フェイスブック登録。2011年暮れに軽井沢に月ノ輪荘が完成、2012年、長野県民に。2016年7月角田さんとトトちゃんに会う。2017.3.28愛猫のさくら、17歳で没、ペットロスに。2020年、7年ぶりに新刊「自転しながら公転す」同年11.13、58歳に。2021.1.27がつぶやきの最後

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    2023年06月21日
  • 紙婚式

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    様々な結婚の形態を描いた短編集。

    赤の他人が家族になる、という特殊な関係だからこそ生まれる歪みがリアルに描かれている。
    もうこれはホラーと言ってもいいのではないか、というくらい、背筋がゾワゾワする箇所がいくつかあった。

    一人称で綴られたストーリーが主なのだが、男性が主人公のときに「俺」や「僕」が「私」になっているところがたまにあり、違和感があった。
    多分作者さんが書いているときにうっかり間違えたのだと思うけれど、編集の人はなんで気が付かなかったのかなぁ、と。

    物語の世界に入り込んでいるときにこういう誤植があると、急に現実に引き戻されてしまう…。

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    2023年06月20日
  • ブラック・ティー

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    ネタバレ

    初めての山本文緒さん。
    ポケベルが出てきて、そんなに古いお話なのかとびっくりしました笑
    表題のブラックティーのラストは希望がなさすぎて吐き気がしました。短編でよかった。
    吐き気がしそうになったり、これ自分もやっちゃってるかも…と少しドキドキしたり、ドン引きしたり、おもしろかったです。

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    2023年06月15日
  • ファースト・プライオリティー

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    面白くなかったわけではないが、31歳になった時にもう一度読みたいと思ってしまった。

    嗜好品、当事者、冒険、お城が好き。

    自分のなりたい、好きな女性像が明確になった気がする。

    私は「何かにおいて譲れない信念があるような、自分を持ってる」女性が好き。

    31歳の自分のファーストプライオリティは何なのか考えてしまう作品。

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    2023年10月15日
  • パイナップルの彼方

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    ネタバレ

    それなりに上手に世渡りしていたつもりが、中途半端なポジションの取り方でだんだんと破綻の方向に向かっていく...
    家族に馴染めなかった自分、どこかいつも他人事で親身になりきれなかった自分、真に大切なものがわからない自分...
    一度落ちた人間が、現状を見つめ直し、自分の力で再び歩み出そうとする物語。

    どこか人のことを馬鹿にしている深文にイライラしながらも、ただ成り行きに身を任せて世の中を泳いでいるところが自分と重ねてられて、なんとも言えない気分になった。
    最後は大切なものをつかめて良かった。

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    2023年05月22日
  • あなたには帰る家がある

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    ネタバレ

    結婚したのならば
    やっぱり添い遂げるべきだし
    好きな人が出来たら別れてから付き合うべき。

    保険のセールスではこんなにも
    稼げないと思うけどな。

    わたしは暇なのは気にならないけど
    子どもがいるとしんどくて仕方ないのかな。

    自立はしたいけど自信過剰の
    有言不実行の人にはなりなくないと思った。

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    2023年05月19日
  • なぎさ

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    佐々井くんと冬乃さん。
    2人はふんわりした印象なのに、周りが強烈で、なかなかの波乱万丈ぶりだった。
    所さんが唯一のオアシス。

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    2023年05月17日