【感想・ネタバレ】眠れるラプンツェルのレビュー

あらすじ

昨日も暇だった。明日もたぶん暇だろう。結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。退屈でない暮らしなど、考えただけでゾッとする。多忙な夫は今夜も家に帰らない。この緩やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた。封印したはずの衝動。少年との、二人だけの秘密。嘘は次第に周囲を巻き込んで――。マンション住まいの主婦の平凡な生活が一変する様を、ドラマティックに描いた傑作恋愛長編小説!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

稼ぎのある旦那さんの元で働かずに過ごすことが楽でいいよ、お金のある人と結婚しなさい、と人生で1度は言われたことがあるだろう。しかし、汐美のように暇とお金を持て余した人間が感じるのは埋められない孤独感。タビを飼い始めた頃は少し孤独が無くなったが、次第に埋められない孤独感に押しつぶされそうになる。不妊治療に協力してくれない夫、面倒くさいアパートの住人との関係。孤独すぎて辛いのに、アパートの人と関わるのが面倒くさくてつい避けてしまう気持ち、わかる気がする。自分と同じ孤独の匂いがするルフィオに恋心を抱くのは自分と同じ世界に生きる人間だからだと思ったからだと思う。しかし、いい歳をした大人が中学生と身体の関係を持ってしまうのは少し気持ち悪い。高校生ならまだ許せた…??かな、、
夫に環境に縛られ、抜け出せないと思っていたのに、抜け出そうとしなかったのは自分の方だった。汐美はこれから広い世界に出て、波に揉まれながら生きていくのだろう。タビと生まれ育った環境で第2の人生を始めた時、彼女は大きな幸福と挫折を味わうのではないだろうか。ルフィオは成長するにつれて、汐美を忘れていくが、初めての恋愛体験は脳裏にいつまでも焼き付いているものだと思う。2人が再会できませんように。知らないところでお互い幸せになる方がハッピーエンドな気がした。

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2025年10月12日

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孤独に追い込まれ、麻痺して狂う女性を描くのがうますぎる。

山本さんの著書を読むと、
働き、居場所と対価をもらうことは
自由なのだと痛感する。

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2024年04月26日

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ネタバレ

面白かった
専業主婦6年目の汐美ちゃん 手塚さん
夫は仕事で留守
ある日、夫が猫を持って帰ってくる
隣の家の息子ルフィオと知り合い、家にくるように
その後父親のダニーも家に来るように
そしてある日ネコをベランダから突き落とす…

あなたには帰る家があるの真弓と同じマンションに住んでた!

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2023年07月27日

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ネタバレ

山本文緒さんが描く女性は、惨めで哀れでリアルで痒いところに手が届く。
私は何もしない専業主婦になりたくて結婚したから、「今日も暇、明日も暇」に幸せを感じるタイプ。これが私の欲しかった暮らし、ここにルフィオのような若い男の子が現れたら…溜め息がでるくらい羨ましい出来事だけど。不倫はこの暮らしを脅かすことがわかるから現実ではしない。でもこの主人公が私の代わりに「もしも」の行方を教えてくれた、だから星5をつけました。

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2021年12月09日

購入済み

またまた夢中で読み終わり!

「あなたには帰る家がある」の登場人物がこのお話に出ていると分かってすぐ読みました!
山本先生の本は、毎回、読むのが止められなくてあっという間に読み終わってしまいます(^^)
文章がとても上手で、汐美の気持ちを分からされてしまう感じです。殺人事件とかミステリー、ファンタジー要素のような強烈な刺激はないのに、続きが気になって仕方ありませんでした。
ラスト清々しくて良かった!未来でルフィオが隣にいてもいなくても、汐美が幸せであって欲しいと心から願います。

#感動する

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2022年09月29日

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以前、江国香織さんの『スイートリトルライズ 』を読んだときと同じように、数ページで主人公と自分がダブっていくのがわかりました。おかげでするするする〜〜っと読めました。仕事で忙しくなかなか帰ってこない旦那さんのいる専業主婦が主人公です。私と違って子供もいないので、全く「飼われている」ような状態。そこに現れるのがお隣の息子、12歳(途中13歳になりますが。どっちでも犯罪の年齢よね)。それからそこの旦那。奇妙な三角関係が始まります。でも、なんとなく、主人公が12歳の少年に惹かれていくのがわかるわぁ。これはまだ映像化・・されてないのよね?ぜひ、ドラマ化映画化してほしいわ。

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2023年07月23日

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「絵空事だと思ってるんだろう」
「ネバーランドの子供が言ってるから。想像すると本当になるって」

2023/10/23-10/26

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2023年10月26日

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充分な生活費がもらえて旦那さんもしょっちゅう帰ってこなくて、でも一応は気にはかけてくれている。傍から見ればただただ羨ましい限りの生活。私だったら何しようかな〜とニヤニヤしてしまうのに。

山本文緒さんの作品を最近立て続けに読んでいるが、どうにも主人公の女性が見かけは普通というか、家事もできるしきっと仕事していればちゃんと仕事もする様な表面上は常識的な人の様に見えるのに中身が壊れている、というかなんというか。でも自分にも当てはまるところがある。結婚していたら、主婦として果たすべきことはしようと努力して、でもその中で何か一つでも自分に欠陥の様な何か足りない物をたとえそれがすごく些細なことだとしても途端に無気力や虚無感みたいな物が襲ってくる。

この作品の専業主婦、汐美は閉じ込められているというより、閉じこもっている。待ち人が来ない事はもう何年も前から知っているんだけど、万全の体制で待っている。だから虚しくて悲しい。

作中で出てくるスーファミとかコレクトコールという単語が懐かしく30年も前に出版されたとは思えない。

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2025年11月26日

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平成や令和の女性は昭和の女性より、圧倒的に結婚しても働きたがるし、外に出たがる。経済的に安定していたとしてもだ。私もその一人だが、社会から離れたお姫様になると、心が不健康になりやすく、いずれあっという間にお姫様ではなくなることを知っているからだろう。知恵をつけた現代の女性は強い。今の時代の夫婦も、昔の時代の夫婦も、それぞれにメリットデメリットがありますね。


「部屋の中で育った猫はね、外に出なくても平気なんだって。家の中でご飯も愛情も全部足りるから、外に行く必要がないんだって。不妊手術をしちゃえば、発情期もなくなるから、もう本当に一生家の中にいて、それで幸せなんだって」タビをどこからか貰って来た時、夫が言っていた台詞だ。このまま何もせずじっとこの部屋に閉じこもっていれば、夫は私を決して追いだしたりはしないのに、私の中の雌が外に出してくれとおなかの中から私を蹴るのだ。私は、私の中の雌がうらめしかった。子宮をなくしてしまえば発情しないのなら、その方がよほど幸せなことに私は思えた。「どうせ使わないなら子宮なんていらないのに」私がそう呟くと、柳田さんは長い沈黙の後ぽつりと呟いた。「あなたは猫じゃないのよ」「私も、あなたも、猫じゃないの。そんなこと言うのはやめて」

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2024年04月22日

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 なぜか癖になる山本文緒作品。人とあまり関わらず、社会とつながっていないとおかしくなってくる感覚はわかる。独占欲を感じるほど誰かを好きになったことがないので、やはり主人公に感情移入はできない。28歳でそこそこ綺麗な専業主婦、清楚ファッションなど文章から人物像が浮かび上がりそうなのに今ひとつ上手く想像できないのは、彼女の異質な要素に拒否反応を起こしているからか。暇って恐ろしい。

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2024年02月20日

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28歳専業主婦の汐美と、13歳年下の隣の家の中1ルフィオと、ルフィオの義父の43歳ダニー。

寂しい思いに気づかないふりをしてきた汐美の心が動きはじめると、少しずつ少しずつ人との関わり方が変わってくる。
恋に年齢は関係ないって言うけど、たしかに本人たちには関係ない。でも世間がそれを許さないのも現実で
何不自由ない生活を手に入れたとしても、心が自由かといえばそういうわけじゃないよね。
ルフィオやダニーもそうだけど、汐美ちゃんも、ここから新しい恋をしてほしいと思った。ちょっと切ない。

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2023年12月27日

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主人公の女性に共感出来てと思ったけれども結末にそうきたかと。
子供達が凶暴すぎてちょっと怖かった。
感想を書くのがちょっと難しいです。

作者の方自身が闘病されていた事も初めて知りました。
人の感情のものすごく深いところまでも書かれていて読んでいるととても引き寄せられます。

本だけではなく作者さんにも興味が持てました。他の作品も読もうと思います。

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2022年10月23日

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約27年前の作品だけど、全然時代を感じさせない、むしろ、現代にありがちな物語だと思った。
主人公の汐美の閉ざされた世界。
そこに現れた15歳も年下の中学生ルフィオ。
ルフィオに恋愛感情を持ち始めてしまった汐美には、共感部分はない、孤独な世界を自ら選んでいるように思う。
でも、本当は誰かを求めていたのだと思う。
自分の殻を破ることができるのは、自分しかいないと思わせてくれる。

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2022年09月22日

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1995年の作品ということもあって少々時代を感じさせる描写がむしろ心地よく。絶対にありえないほどのおかしい生活なのにあえて目をつぶり孤独の中でもがきながら葛藤する主人公。わかりあえる同志に巡りあえるも歯車が狂っていくさまは切ない。ラストに向けて悲しみをこらえての別れは希望があるのだろうか。

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2022年01月18日

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専業主婦として月に1~2度程度しか帰ってこないCMディレクターとして働く夫を待つ主人公が
隣の住人をはじめとしたマンションの住人や猫との関係を通じ、自分の人生を切り開いていくまでを描いた作品。

主人公はどこか病んでいて病的に描かれてはいるけれど、自分を縛り付けているのは自分自身だと言うことを教えてくれる一冊。

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2021年12月23日

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ネタバレ

山本文緒さんの書く女性主人公は
飄々として見えて底知れない狂気を抱えていて
目が離せなくなる

誰かと一緒に居ても感じる孤独

そんな気持ち誰にでもあるんだと思うけど
どうやって折り合いつけるべきか分かない
でも、汐美はひとつだけ明確に欲しいものがあって
そしてこの本の展開はめちゃくちゃになって。
なんとなくそれで私も満足した。

生きるために死んでいたというフレーズ
すごくすごく印象的。。。

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2021年12月15日

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ふたりの孤独感と燃えるような激情が伝わってきました。
現実にあれば犯罪ですが、それが許されるのが虚構の世界。

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2021年05月10日

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どうしてこんなに自分とかけ離れた登場人物揃いなのに、次へ次へと読んでしまうんだろう?こんなに衝動で生きてて理解不能ではあるのに、読む手が止まらない不思議。私の中にも汐美みたいな部分があって、目が反らせなくなってしまうのかな。

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2025年08月09日

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なかなかな狂った設定(精神的に不健康というか)のお話でわたしには受け入れ難いストーリーでしたが、読みやすい文章でついついページをめくってしまいあっという間に読まされてしまった。山本文緒先生マジック…!!好感を持てる登場人物は少ないけど、どの人もどこか惹かれるところがある。そして、女性の微妙な心情を描くのが本当に上手い!!タイトルもうむむ…と唸りたくなるセンス。

わたしも働く理由の一つとして、精神衛生を保つためっていうのもある。社会と関わるって面倒だけど、重要。ストレスって嫌だけど、ある程度のストレスはないと生きていけない。人って本当厄介だよね。

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2024年09月08日

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ネタバレ

主人公は退屈を求めていて、何も考えずに暮らしていけるような平凡で平和な毎日を望んでいて。
だけどそんな日常を自ら壊してしまう。

人生には、積み上げてきたものが、一気にどうでも良くなってしまうような瞬間ってある。
この主人公は全部を失っても「悪くない感情だった」と言っているから、退屈を求めつつも刺激を求めていたのかもしれない。
刺激っていうのは単純に不倫をする事によって得られる非日常の刺激とかではなくて、自分が自分であるための、自分で人生を選び取っていくという意味での刺激みたいなものかなぁ。
読み終わった後に何とも言えない爽快感ともの悲しさが残った。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学一年生の男子ってこんなに大人びてるっけ?と思った。
関わる機会がないからどんなものなのわからないけど、わたしが中学一年生だったときの同級生はこんなんじゃなかった。
うまく人物像がつかめなかった。汐美がどう頑張っても28歳に見えなかった。でも汐美がこんな感じだから一向に帰ってこない夫を責めないしおかしいとも思わないんだろうなと思った。均衡が取れていないようで、取れている。奇妙な夫婦関係。
最後はルフィオと汐美の関係がバレて裁判沙汰になるかと思ったら、意外とあっけなく終わった。本当に北海道で一緒に暮らせるのかが気になる。

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2023年03月07日

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同じマンションに住む28歳専業主婦と13歳男子中学生のラブストーリー。
前者を汐美、後者をルフィオ(汐美が名付けた)という。
最初は、子なし専業主婦で閉鎖的、
旦那も帰ってこない、その孤独や寂しさをルフィオで埋めていたのではないかと思ったが、終盤で本気の恋に落ちていたことがわかった。

汐美の夫は超激務で高収入のCMディレクター。
汐美の住むマンションにはほぼ返ってこない。
生活費は月15万振り込まれ、自由で何不自由ないけど閉鎖的で退屈な日々を送る。そこで隣人の息子であるルフィオに恋をする。ある日から彼は気分で汐美の部屋に遊びに来るようになり、ファミコンをしたり、汐美の愛猫タビと戯れたり、ご飯を食べたりするように。彼の気分で来るため、汐美は振り回される。その矢先、パチンコ屋でルフィオの父親(ダニー)と出会い、仲良くなってその夜に一夜を共に過ごす。
それを機に、親子で汐美の家に入り浸るようになる。
終盤で、汐美は親が不在のルフィオ家に呼ばれ、
3回致す。その後、彼が持病で入院し、彼の部屋を掃除したダニーは避妊具を見つける。
汐美を問い詰めたが、最終的には汐美にプロポーズ。
どうやら親子揃って彼女に惚れていたようだ。

プロポーズは断り、そして旦那にも『好きな人ができた』と離婚を告げ、一人で両親が住む北海道に戻る。そこでルフィオが泣きながら引き留めた。
この際にお互いに「好き」とは一度も言っていないが、互いの言動からお互いに両想いだと気付く。

不運にも彼は13歳で彼女と一緒に住めるようになるには5.6年かかる。ましてや北海道と東京の遠距離で物理的にもお互いの心は離れてしまうかもしれない。
彼女はルフィオがその間に同世代の女の子に恋をしたり、大学に進学したりして自分に恋したのは過去の思い出になると悲しくなる。


両思いなのに年齢や遠距離による障害、もどかしさ、
が一層切なさを増す物語であった。


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2023年02月16日

Posted by ブクログ

働かなくても生活できて、自由な時間とお金、煩わしい人付き合いもしなくていい。羨ましい生活のような気もするけれど…
やっぱりそれじゃ何か足りない。20代の女性がこんな生活してたら恋もしたくなるよね。せめてルフィオが13歳じゃなかったら…
塔を飛び出した汐美が自分の力で幸せが掴めますように。

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2023年01月07日

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山本文緒の描く女性はいつもどこか不安定。
その中にほんの少し自分と重なる部分があったりもする。
きっとそんな人は多いのかもしれない。
不安定なのに、料理をササッと作ってふるまうのはスゴイ。

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2022年10月18日

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専業主婦の汐美ちゃん28歳が、中1の男子ルフィオに
恋する話。
でも、恋って言っても、なんだか可愛い恋愛というより、
病的な愛を感じてしまったよー。

子どもがいない専業主婦の汐美ちゃんは、
パチンコしたり、ネコのお世話、
たまーにマンションの隣人とお話しして、
死んだようにのんびり過ごす。
それが、隣の家のルフィオ(本名は蕗巳 ろみ)と話すうちに
なんだか、その関係が居心地よくなる。
ルフィオの義父ダニー(本名は違う)と関係性を持ったり、
なんだかワケわかんない状況になるけど、
結果3人で仲良く過ごす。
それが、心地いいからこそ、このままでいいのか
変えなくてはいけないのか、
汐美ちゃんの心は、グルグルする。

汐美ちゃんの気持ちは分かるような、分からないような、
そんな感じだったなぁー。
旦那さんがほとんど帰ってこないって…
私もそんな状態なら精神おかしくなるわぁー。

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2022年05月04日

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ネタバレ

女性の塊
選ばれたい女の性癖。資本は美貌。猫、手近な男、男の子に求められまくる。
女性が浸りたいエンタメかな。

私は軽く頷いた。「父ちゃんはさ、給料を持ってくる機械みたいに自分のことを思ってるみたいだけど、そうじゃないんだ。えーとさ、うまく言えないけど、父ちゃんってすごく普通の人じゃん?」「常識的だよね」「そう、それ。母ちゃんは母ちゃんで外っかわだけきれいにしとけば中はどうでもいいって奴だし、妹は末恐ろしいガキだし、俺はこんなじゃん。その中に、あのハゲ親父がいるだけで、何となく空気がさ、えっと……」「中和される?」「そう、それ」

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2021年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

眠くて眠くて何もやる気がおきない時の空気感が漂う小説。
意思もなく自ら塔の中に閉じこもって色んなことをただ受け入れているお姫様。
色々意味不明としかいいようがないしお隣の少年がこんな女に好意を寄せるのが納得いかない。

でも、こんな腑抜けになった女が抱えていたのは、かつて夫と愛し合ったこと、それが過去になってしまったという事実。それに決着をつけてしまうことの怖さから、自分から何か起こすことを避けて城に閉じこもる。だけどきっとどこかで変わることを望んでいたから、外からきた変化は受け入れる。その結果自分で城を壊すことになる。
結局は夫婦関係の不和からうまれた鬱の症状だと思うと可哀想だけれども。

人は何も変わらないということもできないんだなあという話。

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なにもない主婦の話。
日常のんびり系だといいなと思ったけど、全然違う感じに、、
ぽかん、ってする主人公にかなりイライラしたし、すぐセックスするのも気持ち悪い。
あまりにも何も考えてなさすぎて引く、、って感じでした。

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2021年11月13日

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自堕落で自分の事を否定する事が多い割には誰かに構って欲しい…そういう女性が隣に住んでる少年に恋をした。
設定としてはちゃめちゃな気もするけど、それもこれも小説ならでは。山本文緒さんの描く面倒な女性の気持ちがこの作品にも惜しみなく描かれています。
読んでいてあまり気分の良い作品ではないものの、また山本文緒さん作品を読みたくなるのだよな。

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2021年07月24日

Posted by ブクログ

28歳(同い年)がめっちゃおばさんに書かれていて複雑な気持ちだったけど、暮らしぶりによっては、そういう風になりえるのかもしれないな、と感じた。団地妻たちに囲まれて自ら閉じこもるような生活はしたくないな。だけどルフィオへの感情はわかるようでわからないようで、やっぱりちょっとわかるような気がしてしまう。でも暴力をふるうような子、きっと一緒になったとて…と思うわたしは、パチンコも嫌いだし、働いていたいし、「夢」と平気で口にするし、佐藤さんみたいなタイプなのかもしれない。主人公に疎まれそう。読み終わったあとなぜか猛烈にお腹が空いた。

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2021年07月21日

Posted by ブクログ


閉ざされた、守られた条件の中で寄り添った孤独な2人の恋だったように思う。

高い塔の中、実は望んでその中でまどろむ姫の王子は、年齢、家庭、親、それらに縛られた同じような男の子だった。

誰かに壊して欲しかった、全てを。だから恋してしまったのだろうか。2人の関係は未来がないゆえ、どうしようもなさがとても淋しく、だけど前に進めるだろうという希望もあったように思う。

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2021年05月13日

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