あらすじ
短時間、正座しただけで骨折する「骨粗鬆症」。恋人からの電話を待って夜も眠れない「睡眠障害」。フードコーディネーターを襲った「味覚異常」。ストレス立ち向かい、再生する姿を描いた10の物語。
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小さな高級チョコの詰め合わせ
一話ごとの完成度が高く引き込まれ気づけば一冊読み終えていました。似たような内容の話がないので全く疲れず飽きません。暫くぶりの読書でしたが、あらためて読書の楽しさを感じました。
山本文緒さんの小説をもっともっと読みたかったです。
Posted by ブクログ
以前読んだ『プラナリア』が面白かったので、違う小説も読んでみたいと思い購入。
本作は味覚障害、アトピー性皮膚炎、突発性難聴などなんらかの問題を抱えた女性が主人公の短編小説。
一編は約30ページくらいで非常にすっきりとしたボリュームで読みやすく、また作者さんの文章も非常にお上手なので最後まで退屈せずに読めた。
一番印象に残ったのは『夏の空色』。
昼間からビールをガブガブと飲んでしまうアルコール依存性の女性の物語なのだけど、まさかその女性というのが高校生だとは思っていなかったので斬新な設定でいいなあと思った。
アルコール依存性になった背景、ラストにおける主人公の心境の変化、この二点がしっかりと描かれていて、30ページながらも非常に読みごたえがある作品だった。
この作者さんの作品を二作読んでどちらも当たりだったので、ちがう小説も近いうちに買おうとおもっている。
Posted by ブクログ
ねむらぬテレフォンとシュガーレスラヴが好き。どこか体に不調があるときは大体何か心に突っかかっているものがある。それをうまく絡めて表しているところがいい
Posted by ブクログ
社会で感じる鈍痛を描きたい、そのものだなと。
印象に残ったのは、「秤の上の小さな子ども」、「シュガーレス・ラブ」。
ストレスに抗った結果、病気になってしまった主人公たちが切実にそれらと戦いながら自分を探していく。うまくまとまっていて、とてもおもしろかった。
Posted by ブクログ
山本文緒さんは、「生きていくことの鈍痛を描きたい」作家らしい。解説でそう書いてあって響いた。
派手さがなくて斜に構えた展開の作品が多くてそこが好きだと思ってたけど、鈍痛って言葉はすごくピンとくる。
この作品もその鈍痛を体現した短編集だと思った。
Posted by ブクログ
よかった。短編集で読みやすい。
考えさせられる。少しもやっとする話もあるけど、スカッと終わる話もあって、泣いたり笑ったり悔しく思ったりと感情が忙しい。
この方のお話をもっと読みたかったなぁ。残念。
Posted by ブクログ
じわじわハマり出している山本文緒作品。今作は様々な病気に悩む女性を描いた短編集。アトピー性皮膚炎は自分も悩まされているので共感ポイントも多いが、生理痛や睡眠障害、肥満など相変わらず心がザラつき印象に残る作品がたくさん。ここまでのイライラには悩まされないが、生理痛(PMS)での破壊衝動に駆られる気持ちは理解できる。自律神経失調症では、主人公が彼女にちゃんと向き合おうとしたラストが良かった。健康こそすべて。何らかの病気を抱えてしまったこと自体は悪いことではないが、人生を楽しもうと思うと土台がしっかりしていないといけないと改めて思い知らされる。
Posted by ブクログ
ストレスを抱え、体調を崩す女性たちの10作の短編集。
1話1話は短いけれど、どれも話がうまい、、、
私自身、人を性別で判断するのは好きではない。女として生きてきて、男だったら良かったと思うことも何度もあった。それでも、「男女平等」が大切だと言われても、やっぱり男女は身体の作りが違う。
男に生理痛はないし、男の方が筋肉と力があるからこそ、女にはできないことができたりもする。
そして女も都合よく「女」を武器にするし、「女だから」と壁を作ったりする。性別に差があることは事実だ。
周りの人に相談できず、溜め込んでしまう女性たちの姿はかなりリアルで、ただのフィクションには思えない、この社会のどこにでもいる女性たちの話だった。
体調を崩すまでストレスを溜め込まないように気をつけなきゃな、、、
Posted by ブクログ
大好きな山本文緒さんの本。
女性が主役の短編小説です。
みな我慢したすえに体調を崩しています。
相変わらず女性の嫌な部分を描くのがとても上手です。
でも共感出来る部分もきちんと描かれています。
手を差し伸べたくなるような気持ちになります。
みな生きていくのに必死です。
Posted by ブクログ
疾患を抱える人や、その周りの人の描写が恐ろしいほどリアル。
どの話も、人物像がよくわかる。
特に秀逸だとおもったのが「ねむらぬテレフォン」
誰も悪くない。
自分の周りはみんな優しい。
でも、彼からの電話を待ってしまう自分が苦しくて睡眠障害になってしまう。
無駄に周りは自分のことを想っていることがわかるから、不満もぶつけられない。
そんな実家暮らしの独身女性の心理が見事に描かれている。
Posted by ブクログ
読んでいて、あーわかるよその気持ち、そんなこともしたくなるよね、そう思うこともあるよねと、共感することもあれば、なるほどおもしろいなと読む話もあった
きっと女性なら誰でも1回くらいは体験したことが多いであろう話が多いと思う
もう一度読みたい
Posted by ブクログ
誰もが耳にする病気がテーマになっている短編集。
心因性のものが多く
ストレスを抱えやすい現代に身近に感じる。
気づけていないだけで悩んでいる人もいるだろうし
私も何か抱えていてそのうち出てくるのかも。
なんて、ストレスは溜め込まないことがいちばん。
Posted by ブクログ
現代人が抱える病を題材にした短編集。それら病に直接関わっていなくてもズキリと胸が痛む。個人的な感想だけど、「過剰愛情失調症」だけ異質に感じた。語り手は恋人でヒロインの独白もなし。ヒロインは二重三重の思い込みに晒され更にストレスを抱える展開ではと勝手に想像。見事。真意をお聞きしたかった
Posted by ブクログ
様々な病気をテーマに書かれた短編集。
骨粗鬆症や肥満、アトピー性皮膚炎、自律神経失調症など病気は多岐に渡る。
全編を通して言えるのは「自分に嘘をつかないこと」の大切さじゃなかろうか?
原因不明の病気や症状が出ることに、環境や自分の力ではどうしようも無い事も多々ある。
しかしながら、自分の心に正直に生きることは自分次第でできること。
山本文緒さんはそういった女性へのエールを込めて作品を書かれたのではないだろうか
Posted by ブクログ
面白かった。面白かったんだけど、「病気」がテーマの短編集だから、なんとなく心に負担になってしまったかな。自分がナイーブな時期には向かないかも。痛みが伝わりすぎてしまうから。
でもとても読みやすかった。
アルコール中毒の話のラスト1ページ、情景が美しかったなぁ。
Posted by ブクログ
20年前の小説なので、ところどころ描写が古いところがあるものの、人の気持ちはいつだろうと変わらないのだなぁと思いました。
「秤の上の小さな子供」が1番ウッと来たかも。
私も「愛されたい」側で、「愛す」側に辿り着ける気がしない。
自分が好きじゃないから、誰かに好きになってほしい、大事にしてほしい。そうじゃないと、生きることもままならないくらい辛い。
愛されたいの理由はそれぞれ大小あれど、人がほしい言葉をほしいタイミングで掛けられる人は、そりりゃあモテるよね。
それが「愛したい」って気持ちじゃなくて、「あぁ、こういうこと言って欲しいんだな」って気持ちからでも、全然取り繕えちゃうし。
自分が思ったから言う、とかじゃくて、相手の求めてることばかり口にするから、自分がなくなっちゃうんだろうな。
塩梅を間違えると、どちら側になっても辛い気持ちを抱えたままになるから難しい。
「過剰愛情失調症」はホラーかと思った(笑)
他人に何を言われても、よっぽどのことがない限り、人は変わらないね。
Posted by ブクログ
現代の人々の《病》を上手に切り取っているな、と感じました。
特にイルカ療法が好きです。
病を治すのは、きっと薬ばかりじゃないですね。
人との関係性が病を治していく過程が素敵でした。
Posted by ブクログ
病を患った人たちの短篇10篇。①都会で生きる若いきれいな女になるため、骨粗鬆症になった義娘。②アトピー性皮膚炎になったことで、夫に去られた女。③男ばかりの職場で働くことになって、トイレに行けず、便秘を患う元モデル。④突発性難聴に悩まされ、教え子に暴力を振るって免職になった元小学校教師。⑤テレビ局に勤める激務の彼からの電話を待つことによって、睡眠障害を発症した会社員。⑥PMSに悩まされ、無関係の人にスタンガンを向ける、会社の上司とセックスしまくるOL。⑦友人に見捨てられる不安から、アルコール依存になった女子高校生。⑧痩せてきれいになる努力をしたのに欲しいものを手に入れることができず、肥満でソープ嬢をしている女を憎む女。⑨自分のことばかりで、彼女の病に気づけない、顔スタイル良しの、金のために仕方なくモデルをしている男。⑩頑張ってのし上がり、独立する段になって、味覚障害を起こしたフードコーディネーターの知られたくない過去。
おもに、人間関係によるストレスから体調を崩す。自身もそのことに気づいておらず、にっちもさっちもいかなくなってようやく、自分の根っこにある病の元に気づく。うまく自分を騙しているつもりでも、体が反応するというか。落ちこぼれる子供を救ういい教師であろうとがんばりすぎたあまり、生徒に暴力を振るうという問題を起こし、突発性難聴になってしまった女性。「私一人がご飯を食べられるだけのお金を稼いで、クラゲのようにただふわふわと生きていこう」という無気力状態からの、再生がよかった。⑥PMSについて書いた小説なんて、とても早かったと思う。⑧は柚木麻子さんの『BUTTER』の原型のよう。つくづく、山本文緒さんは、女で生きることの大変さと喜びとを真摯に見つめ、噛み締め、ズルさ、ダメさも認めて、そこから逃げなかった作家さんだったのだなあ。
Posted by ブクログ
みんな見えないところで何かを抱えてる。自分も経験のある辛さは凄くよく分かるし、経験ない部分も苦しみが想像できる繊細な描写。身体はもちろん、心も参るとしんどいですね。冷蔵庫空っぽニンゲンなのでそこは少し反省。
Posted by ブクログ
リアルな描写が多くて少しゾクッとする場面が多めだった。特に生理痛のとことか。それもまた山本さんの魅力でもあるけど!!各短編小説を読む前はこれとこの病気がどうやって関連するんだろうって思うけど綺麗にまとまってすごいです。スッキリ!って終わることもあれば、少しモヤって終わるものもあってそのいい塩梅で読みやすい。私はねむらぬテレフォンが好きだったなー
Posted by ブクログ
独特な雰囲気のある作品。共感したりしなかったり、心が綻ぶこともあったけど、全体的にはひやりとした感じ。印象に残ったのは、「彼女の冷冷蔵庫」と「いるか療法」。
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山本文緒さんの短編集
現代社会の身近な病を患った主人公達の物語
作品紹介では「ストレスに立ち向かい、再生する姿を描いた」とあったが、予想していた様な希望の光がみえてくる類の物語ではなかった。
10編のサブタイトルが全て病名という個性的な短編集なのでラストも様々だったが、「自分の病に気付くことによって、自分を見つめ直すキッカケがもてる物語」だと思う。
以下、収録作品の目次
彼女の冷冷蔵庫—骨粗鬆症
ご清潔な不倫ーアトピー性皮膚炎
鑑賞用美人—便秘
いるか療法ー突発性難聴
ねむらぬテレフォンー睡眠障害
月も見ていないー生理痛
夏の空色ーアルコール依存症
秤の上の小さな子供ー肥満
過剰愛情失調症ー自律神経失調症
シュガーレス・ラヴー味覚異常
等身大に描かれた主人公達の、心の叫びや苦痛が逃げ場なく切々と語られるので、弱っている時には避けた方が良さそうだ。
ちょっとしたミステリー仕立てになっている物もあり、読後の余韻を楽しませてくれるものが好みだった。特に印象的だったのは、「秤の上の小さな子供ー肥満」と「シュガーレス・ラヴー味覚異常」
Posted by ブクログ
山本文緒さんのご命日なので、もう一冊
1997年の作品
現代社会の中で 働く女性達は
かなりのストレスを抱えて生きている
そして乱れた生活習慣と相まって
彼女達は様々な病気を抱えている
10人10種の病気を抱えた10編の短編集
骨粗鬆症にアトピー性皮膚炎等々
とても身近な症状から
それぞれ回復するきっかけが面白く
ぎゅっと上手くまとまっている
Posted by ブクログ
別の小説の巻末の広告欄から探して手に取った。
病気に悩む女性をテーマにした短編集。各話の最後は、少し向きが変わりそうなところで終わるのだけれども、自分が交わったことのないタイプの人たちもいて引き込まれながら一気によんだ。
短編なのもあって、思い悩む場面は短くさくさく軽く読める。
この手の話、アルコール依存症は苦手。
Posted by ブクログ
リアルな人間の、女性の姿が描かれている。性別で何かを語るのはあまり好きではないけど、それでも生理は女性という性から切り離せない。みんなにかに耐えながら生きているんだな。
Posted by ブクログ
どの物語の主人公も病気とは別に拗らせている部分や恋愛に重心を置きすぎたり性に奔放な所がある。振り切れているわけでもなくそれを楽しむこともない中途半端で生々しい感じが時々鬱陶しく感じる。とくに最初の2つの短編には強く感じた。
男性も下品で攻撃的な人が多く出てくる。のめり込まず適度な距離感で読まないと嫌な気持ちに浸ってしまう。でも著者の作品はどれも読みやすくて一気に読める。
Posted by ブクログ
「夏の空色」「秤の上の小さな子供」の2編が特に好き。「夏の空色」では主人公の背景や気持ちが書かれていたが、咲視点の話も読んでみたい。「秤の上の〜」は女性同士の友情、嫉妬、憧れなど複雑ながら互いに相手をよく見ている関係がわかる。
この2編は、登場人物2人の感情の描写が良く、互いの関係性が強く出ていて良かったと思う。
自覚有る無しに関わらず、様々なストレスから心身に異常を来すのは、今も昔も変わらない。ただ、自覚しなければ解決できないので、自分の気持ちには敏感になりたいと感じた。
Posted by ブクログ
色々なタイプの病気
心の引っ掛かりから 病気(1話1話にさまざまな病名が付いている)になった 女性たちの話
少し、突飛ない話もあるが
いつ何時 誰もがなってもおかしくはないと思う
Posted by ブクログ
★3.7
昨年亡くなられた山本文緒さん
調べてみたら恋愛小説家として有名だったようだが、恋愛小説にあまり詳しくない私は恥ずかしながら知らなかった。
昨年から本をめちゃくちゃ読むようになってきたときに、秋頃、山本文緒さんが亡くなられたこと、それを受けて悲しむ数々の著名人の方のコメントをみて、いつかこの方の作品を読んでみたい、と思い、見かけておもしろそうなものがあれば買ってみよう、というくらいの心持ちでいた。
新年早々、実家近くの書店でたまたま見つけたこの本。
短編の集まりのタイトルごとに、何の病気かが書いてあり、なにこれおもしろそう、と手をとった。
短編の病気、全部患ったことはないけれどいくつか実際になったことがあるもの、なりかけたことがあるもの、なりそうなものばかりで、”ねむらぬテレフォン”のように共感ばかりのものもあったり、なんとも医学的には説明しがたい描写も現実的に書いていて、ただ薬飲んでおけばいいのではなく、精神と身体は繋がっているという当たり前のことに気づく
そして、“夏の空色”のように救われるものもあれば(短編の中ではやっぱりこれが一番好き)、”月も見ていない”のような、読んでるこっちがただただしんどいものもあり、でも苦しくとも読み進めたい、、みたいな感覚に。脳内花畑になりがちな自分にもぐさっと、現実ってこんなものって冷たく突き付けて我に返るきもちになる。
心身不調になるのは、なぜだかわからない、ということ決してなく、絶対に奥深くにちゃんと理由が存在していていて、
でも逆にそこから再生していくきっかけになることは、案外、その原因と真っ向から対峙するだけではなく(できて戦える力があるのであればそれでもいいけど)、あまり直接的に関係ないふとしたことがきっかけになってくれたりするものなのかもな、と思う。
この物語にいる人々がじんわり再生しようとする姿を想像していくと、じぶんにも、だいじょうぶ、と言ってあげたい気持ちになる