山本文緒のレビュー一覧
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結婚って憧れるほど良いもの?
著者は身近なテーマを繊細な言葉で紡ぐ名手である。時には冷たい、突き放す恋愛を描くこともあるが、今回は「結婚」をテーマに、どちらかというと優しく見守ってくれる短編集になっている。恋愛~結婚に理想を持つことは危険だけど、第3者から見れば面白い「ズレ」を生む。でも恐ろしいのは自分自身が傍観者でなくなる場面が想像できることである。これを読めば結婚に夢も希望もなくなる?いやいや、とりあえず紙婚式まで一度試してみたくなるでしょう!
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Posted by ブクログ
ネタバレ山本文緒さんのエッセイ集です。
色々な雑誌に掲載されたものをまとめた一冊。
今まで以上に山本さんがすきになりました。
こういうことを教えてくれるお姉さんがいたら
すてきだと思います。
一人暮らしについの記述が数ヶ所あるのですが
それらにとても共感しました。
私もいずれ家族を失う。
その時に取り乱さないために
離れて暮らすことによって予め失っておきたい、
それが本音かもしれない
一人暮らしが金銭的にも精神的にも大変たなのは
事実であると思う。けれど、それだけの価値はある。
とにかく精神的にもどうのこうのというより
私がその最初の一人暮らしで得たものは
「自分が月にいくらあれば生きていけ -
Posted by ブクログ
一人の生活ってどんなものだろう、と思って読んでみた。
印象的なのは、律するのも甘やかすのも自分自身、という言葉。
一人で生きるということは、自分で自分を縛ることでもあるんだと知った。
プライベートもフリー、職業もフリーという状況でも、完全な自由、なんて、ないんだなと思った。
私は、定刻に出勤する会社員。毎日同じ時間に同じ場所に行くことを苦痛に感じることもあるけど、毎日の暮らしにリズムがあるって、いいなと思った。作者はOL生活が、つまらなかったようだけど、会社勤めもそう単純じゃないと私は思う。毎日良く似ているが、毎日それぞれ違う日なんだよね。 -
Posted by ブクログ
山本文緒のエッセイ集。
人生の最悪な時期に「この方が唯一の理解者なのだ」と思い込み、貪り読んでたものだ。
社会復帰(?)以降ご無沙汰していたら、今度は山本文緒が心の病を患っていたとのこと。
山本文緒の小説ばかり読んでいた時は人生観的な事が好きだったけど、時代が変わると別な見方もできるようになってくる。
私は恋愛マスターでもなければ女性友達が多い訳でもない。
そもそも既婚者だし。
でも、このエッセイ集の中の「男女恋愛観の違い」のような価値観に共鳴した。
「女性に浮気は出来ない!」という「本気の不倫」VS「気楽な浮気」というエッセイは特に面白かった。
別に差別している訳ではなく(著者は女性