山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本文緒さんの短編集
現代社会の身近な病を患った主人公達の物語
作品紹介では「ストレスに立ち向かい、再生する姿を描いた」とあったが、予想していた様な希望の光がみえてくる類の物語ではなかった。
10編のサブタイトルが全て病名という個性的な短編集なのでラストも様々だったが、「自分の病に気付くことによって、自分を見つめ直すキッカケがもてる物語」だと思う。
以下、収録作品の目次
彼女の冷冷蔵庫—骨粗鬆症
ご清潔な不倫ーアトピー性皮膚炎
鑑賞用美人—便秘
いるか療法ー突発性難聴
ねむらぬテレフォンー睡眠障害
月も見ていないー生理痛
夏の空色ーアルコール依存症
秤の上の小さな子供ー肥満
過剰愛情失 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ文庫本にて作者1995年10月のあとがきあり。
解説彩瀬まる氏。令和4年。
高校生の時に読んだら、本作を理解しきる事は出来ただろうか。
おこがましいけれど
とうに成人し、社会人として働いているからこそ、登場する女性陣達の理想、憧れ、そして現実への葛藤と悩みを、ちょっと上から眺めることが出来る。
そして、かつてのトレンディドラマのようにポンっと海外へ行けるお金と、休める職場環境はむしろ後退したよなぁ、と今の貧しい日本社会に絶望する。。
よって、当時の生き辛さに今は物質的貧しさもあって、不幸度は加速しているのでは。。と凹んでしまった。ので、解説彩瀬氏ほど読み込めていないのだろう。
天堂目線だと -
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Posted by ブクログ
1993(平成5)年に刊行された著者初めてのエッセイ集を加筆修正、2009(平成21)年文庫化に当たってさらに文章を加えたもの。
1993年は著者なんとまだ31歳、作家デビューからまだ間がなく無名で、「エッセイは苦手だけど」必死に書いた物らしい。文庫化に当たって付け加えられた文章はすでに46歳。やはり大人びている。
そもそも私は「女性作家のエッセイ本」なんかほとんど読んでおらず、昨年だったか有名な林真理子さんの『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(1982)をやっと読んだくらい。あと、川上未映子さんのも何か読んだかな。
書店には以前からしばしば「(女性作家の)エッセイ本コーナー」があって -
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Posted by ブクログ
ネタバレ山本文緒さん最後の作品。
ばにらさま
男を利用する美人 ブログの本音に主人公が気づき振ると彼女は食い扶持としてしか思ってなさそうなブログで終わる
わたしは大丈夫
結婚もしたくなかった主人公。電球の取り替えで床に落ち下の住人にドンドンされて薬を大量に飲んで倒れ、不倫相手と結婚することに。前妻には多額の慰謝料、後遺症で主人公は働けない。人と一緒にいるのが嫌な筈なのに、流されるまま生きている。
文章が良かった
菓子苑 一番面白かった
女友達同士の話と思いきや後半に親子だと判明する。胡桃はやりたい放題で振り回される主人公に見えるが、過去に主人公も若く子供を産み旦那が嫌になって子供を連れて家出す