山本文緒のレビュー一覧

  • ブラック・ティー

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    短編集だけどそれぞれインパクトがある。
    というのも、どの作品も
    犯罪やマナー・モラル違反な行為が含まれているから。

    表題作のブラックティーという薔薇の名前が心に残ったのと、
    夏風邪がドキッとした。

    著者のあとがきも印象的だった。
    誰しも過去に多少の悪事はあるものだし、一線をこえかねないことだってあった。
    この作品は30年くらい前のものだけど、
    昨今はその頃以上に、過去も含めた潔白性を求められるから怖いなぁと思った。

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    2025年03月06日
  • シュガーレス・ラヴ

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    山本文緒さんの短編集
    現代社会の身近な病を患った主人公達の物語

    作品紹介では「ストレスに立ち向かい、再生する姿を描いた」とあったが、予想していた様な希望の光がみえてくる類の物語ではなかった。

    10編のサブタイトルが全て病名という個性的な短編集なのでラストも様々だったが、「自分の病に気付くことによって、自分を見つめ直すキッカケがもてる物語」だと思う。

    以下、収録作品の目次

    彼女の冷冷蔵庫—骨粗鬆症
    ご清潔な不倫ーアトピー性皮膚炎
    鑑賞用美人—便秘
    いるか療法ー突発性難聴
    ねむらぬテレフォンー睡眠障害
    月も見ていないー生理痛
    夏の空色ーアルコール依存症
    秤の上の小さな子供ー肥満
    過剰愛情失

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    2025年02月24日
  • ブルーもしくはブルー

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    わたしだって、環境や周りの人に恵まれたらもっと良い人生が送れるのにな〜という妄想が打ち砕かれました。結局、わたしが変わらないと、努力しないとわたしの人生は好転しない。蒼子はその辺りを検討したりとか、内省をしなかったので読んでてもどかしかったです。

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    2025年02月23日
  • 紙婚式

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    「自転しながら好転する」が思いの外良すぎたから読んだ。
    いろんな人の結婚についての短編!心理描写がとても好きだった

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    2025年02月21日
  • ブルーもしくはブルー

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    ネタバレ

    著者のダークでディープな雰囲気が好きなのだが、今回は若干の肩透かし。

    都内で冷めた夫婦関係のなか、好き放題しつつもどこか虚しさを覚える蒼子Aと福岡にてDVを受けながらも辛抱強く生きる蒼子Bによるドッペルゲンガーの物語。

    この設定が、どこか期待してたものと違って刺さらなかった感が否めない。入れ替わろうと提案をして次第に相手の生活が羨ましくなり乗っ取ろうとしたり…みたいなダークな感じはあるものの、やっぱり根本にあるドッペルゲンガーだとか、片方は影だとか、そういうファンタジー要素が若干の軽さを生んでて不完全燃焼。

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    2025年02月12日
  • ブルーもしくはブルー

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    女の幸せってなんだろう?
    どうして自分の幸せを男性にゆだねるのだろう?

    出版された当時は女性が家庭において声をあげることができなかった時代だったということもあるのだろうが、主人公の蒼子は自分の人生の選択肢として「どの男を選ぶか」という点だけ考えているよう。
    んでまぁそもそも性格もあまりよろしくなくて、自業自得とも思えてしまった笑

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    2025年02月11日
  • 残されたつぶやき

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    エッセイと日記の中間みたいな感じでしょうか。山本文緒さん、身近に感じられます。いちばん症状が酷い時に何も残せないのはよく分かります。自分の今ある幸せをしっかり感じて生きていきたい。

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    2025年02月09日
  • ばにらさま

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    山本さんは『恋愛中毒』『ブルーもしくはブルー』『自転しながら公転する』につづき4作目の拝読。
    いつもの山本さんの、身を焦がすような熱情、恋のどうしようもなさとはまた違う物語でやや新鮮。ちょっとさりげない、でも私なりに感じていた山本さんらしい人間の生々しい感覚が描かれていて満足。
    最初のほうはちょっと読みにくいような印象もあったので☆3だが、多少読みにくいだけで読後感は良い。また読ませていただきます!

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    2025年02月01日
  • パイナップルの彼方

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    ネタバレ

    文庫本にて作者1995年10月のあとがきあり。
    解説彩瀬まる氏。令和4年。

    高校生の時に読んだら、本作を理解しきる事は出来ただろうか。
    おこがましいけれど
    とうに成人し、社会人として働いているからこそ、登場する女性陣達の理想、憧れ、そして現実への葛藤と悩みを、ちょっと上から眺めることが出来る。
    そして、かつてのトレンディドラマのようにポンっと海外へ行けるお金と、休める職場環境はむしろ後退したよなぁ、と今の貧しい日本社会に絶望する。。
    よって、当時の生き辛さに今は物質的貧しさもあって、不幸度は加速しているのでは。。と凹んでしまった。ので、解説彩瀬氏ほど読み込めていないのだろう。

    天堂目線だと

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    2025年01月29日
  • ブルーもしくはブルー

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    不思議な本だった、、
    ハッピーエンドでもないし、何かが解決したわけでもないし、わがままな人たちが集まった物語って感じで、九州男児との結婚に対する恐怖心だけが芽生えた(全員がそうではないと思うけど、、!)

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    2025年01月07日
  • 群青の夜の羽毛布

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    ネタバレ

    ⭐︎4寄りの3。先が気になってすぐ読んでしまった。
    だけど、虐待と精神科的な問題と、それくらい深いテーマに触れるなら、もっと緻密に最後回収してほしかった。放火で問題をうやむやにした感じがした。

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    2025年01月06日
  • ブルーもしくはブルー

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    後悔の岐路に立ち、歩んでみたかったもう一つの人生を体験する。面白そうな設定から、新しい生活への期待感、そしてやはりスリラーな展開へ。
    蒼子Aと蒼子Bのそれぞれの心情が交互に書かれ、先が気になり、一気に読んでしまった。
    あのときああだったら、と自分も思うことはあるけれど、確かに自分が自分である以上、どちらの人生を生きても変わらないとはちょっと考えると行き着く答え。自分自身を変えないと。
    それがすごく難しい。しかし、それに向けて動き出すことは大事なのだろうなと感じた。

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    2025年01月05日
  • かなえられない恋のために

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     1993(平成5)年に刊行された著者初めてのエッセイ集を加筆修正、2009(平成21)年文庫化に当たってさらに文章を加えたもの。
     1993年は著者なんとまだ31歳、作家デビューからまだ間がなく無名で、「エッセイは苦手だけど」必死に書いた物らしい。文庫化に当たって付け加えられた文章はすでに46歳。やはり大人びている。
     そもそも私は「女性作家のエッセイ本」なんかほとんど読んでおらず、昨年だったか有名な林真理子さんの『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(1982)をやっと読んだくらい。あと、川上未映子さんのも何か読んだかな。
     書店には以前からしばしば「(女性作家の)エッセイ本コーナー」があって

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    2025年01月03日
  • ブルーもしくはブルー

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    後半にかけて余裕がなくなり、スリリングな展開となってからは面白く読めました。
    山本文緒さんの著す感情はなんと言うか、生々しさがあって好きですねー。

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    2025年01月01日
  • ひとり上手な結婚

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    幸せエネルギーがそれはもうぱんぱんにパックされており、日常がささくれている身としては読み進めるのがすこし辛かった。

    これから結婚に向き合いたい人には良いのでは、、
    素敵エピソードが詰まってます。

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    2024年12月31日
  • ブルーもしくはブルー

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    2021.06.29
    結局人は皆ないものねだりをしながら生きている。
    実際、憧れていたものを手にとった時、きっとさらに欲しいものがでてくるのが人間なのだろうと思う。
    幸せになろうともがき続けても、幸せにはたどり着けない。そんなむず痒さを感じる作品だった。

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    2024年12月31日
  • かなえられない恋のために

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    山本さんのエッセイは初めて読んだ。
    まだ有名作の少ない若い時期のエッセイとのこと。
    いい意味で、とても平凡というか、普通の人なんだなぁと嬉しくなった。
    山本さんがもうこの世にはいないことが悲しい。
    当たり前だけど、30代の山本さんの文は、若くしてこの世を去るなんてまさか思ってもなくて、当たり前に未来があるように感じる。
    いつ何が起こるかわからないから、今をだいじに、精一杯生きたいと思う。

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    2024年12月27日
  • プラナリア

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    “働かない”が出てくる分、“働く”描写も同じくらい出てくるのだな、と謎の感心をしながら読みました。

    ほんとちょっとしたお話が多いけれど、時々ヒュッと切れ味よく刺さってくる文章もありました。出てくる人はみんな淡白ですね。。

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    2024年12月10日
  • ばにらさま

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    ネタバレ

    山本文緒さん最後の作品。

    ばにらさま
     男を利用する美人 ブログの本音に主人公が気づき振ると彼女は食い扶持としてしか思ってなさそうなブログで終わる
    わたしは大丈夫
     結婚もしたくなかった主人公。電球の取り替えで床に落ち下の住人にドンドンされて薬を大量に飲んで倒れ、不倫相手と結婚することに。前妻には多額の慰謝料、後遺症で主人公は働けない。人と一緒にいるのが嫌な筈なのに、流されるまま生きている。
    文章が良かった
    菓子苑 一番面白かった
     女友達同士の話と思いきや後半に親子だと判明する。胡桃はやりたい放題で振り回される主人公に見えるが、過去に主人公も若く子供を産み旦那が嫌になって子供を連れて家出す

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    2024年10月28日
  • ばにらさま

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    山本文緒さんの最後の作品集。先日、闘病日記の無人島のふたりを読んで、この作品を読まないと思い読んでみた。病床でこの作品が世に出るのを励みしていただけあってか読み応えはあった。でもなかなかページが進まない。ありきたりな日常、日々の何気ない生活描写が続くからかな。でも、そんな日常もそれぞれの作品の後半でひっくり返る仕掛けがあった!驚いたらあっと!と思わらせたり。この手の作品は読んだことがなくて戸惑ったけど面白かったです。

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    2024年10月27日