【感想・ネタバレ】かなえられない恋のためにのレビュー

あらすじ

誰かを思いきり好きになって、誰かから思いきり好かれたい。かなえられない思いも、本当の自分も、せいいっぱい表現してみよう。すべての恋する人たちへ、思わずうなずく等身大の恋愛エッセイ。

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Posted by ブクログ

山本さんが自分を見つめ直し、人生観や恋愛観を描く文章が面白く、ユーモアたっぷり。「悪霊ケッコンガンボー」で、結婚したくてたまらない山本さんの結婚観が描かれていた。恋愛とお酒と仕事。曖昧にするのが嫌で、小説のためにエイズの検査をしに行ったり、高校生時代、一人で街をぶらぶらしたり。自分という芯を持っており、自分のために行動しているところがかっこいい。「作家」という職業で食べていくことの大変さ、人に紹介するときに胸を張って言えない自分への焦り。働いても、何者にもなりきれていなくてもがいている。働くと自分のあり方や、何者であるか見えてくるかと思ったけれど、大人も何者かになりたくて一生懸命もがいているのかもしれない。専業主婦でいることを恥じないで誇って良いのだ、と女性目線で生きていくことの大変さを章ごとで語ってくれており、恋の味方、仕事の味方を優しくして寄り添ってくれるような作品。

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2025年10月03日

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共感するところが多い。
繊細な方だからこそ、色々考えているんだろうなぁ。
結婚願望も購入してあるので、またエッセイを読むのが楽しみ。

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2025年07月15日

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ネタバレ

山本文緒の文体が好き、自分に合うな〜と思っていたのは、山本文緒の飾らない性格や、素直に感じていることに共感できる自分があるからなのだとわかった。別な小説たちもたくさん読みたい。


155
二十代の頃は、花の咲く野原で遊んでいられた。野原のまわりにはいくつも美しい山がそびえたっている。いつか山に登ってみたいという願望はあったけれど、どの山に登っていいか決められなかったし、蜜蜂と遊んでいる方が楽で楽しかった。そうしているうちに、決断の早い人はもう山を選んで五合目あたりまで登っている。そろそろ山に登りはじめないと、頂上まで行きつく体力がなくなってしまう。それでもぐずぐず選択に迷っていたり、山に登って広い世界を眺めてみたいと思いながらも、坂道の苦しさを考えてうんざりしているうちに、野原の花が枯れはじめる。吹く風はいつの間にか冷たく、たくさん飛んでいた蜜蜂ももういない。私が三十代の頭に見た風景はそういうものだった。

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2025年07月10日

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2024/07/23
山本文緒さんのエッセイは初めて読みました。短編で読みやすいのはもちろん、作家の視点から表現される恋愛を中心とした人間関係の機微のあれこれはとても的確な表現ばかりで、自分もそう感じたことあるわーとか、こういうふうに考えることもあるんだなーとか、うまく自分の思考や他人の思考を言語化してくれていてあっという間に読み終えてしまいました。
文庫化してさらに年月を経ての手直しや推敲があり、さらに味わい深くなっているような気がします。
色々と人生の参考になるようなエピソードもたくさんあったし、こういう風に考えることもあるよなーなんて共感もしながら次のページをめくるのが他の本より早かった気がします。

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2024年07月23日

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山本文緒の作品はとても好きだけど。
エッセイはさけてきた。
何かのきっかけで読んでみる事になったのだけど。
よんで良かったです。

1つ1つが短編の様で、そうだなんだよ!とか。
そういう考えもあるのか〜。と感慨にふけりながら読んだ。

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2010年08月17日

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筆者が31才のときに書いたエッセイを再出版したもの。
10年以上経ってから昔を振り返ると、変わったこと変わってないこと
いろいろある。考え、感じ方をときどき自分の中で整理することって大切だと思う。
今年からはじめた3年日記絶対書き遂げるように頑張ろう☆

山本文緒の文章にはいつも共感させられてるけど
今回もそう。とっても考えさせられた。

恋愛はバトルではなく、人間関係だ。人間関係に勝ち負けを持ち込むのはなんか違う。

私は、恋愛がバトルである、としたら自分とのバトルだと思うなぁ。
自分の嫌なところ、器の小さいところとどう戦っていくか。
くよくよすることもある。人間だもん。
それらを相手にどのくらい見せるかは、その人次第。恋愛も個性だからね。
素直過ぎても重いってこと。

恋愛は人間関係の一つであるというのは本当にその通りだと思う。
・深い人間関係を築くためには自分も器が大きい人にならないとなぁー。
・あと、自分の長所を長所として感じてくれる人を探すことかなぁー。
 ←これは友達からのアドバイス。
 そんな人いるんかなぁ〜って思うけど、
 そうじゃないと自分か相手かどっちかが疲れちゃうよね。
・明るくいること!
 ←今年一年でいろんな人に出会って、人間関係において自分が大切にしたいと思ったポイント。
 やっぱり明るい人って魅力的だし、周りにいる人もつられて笑顔になる。
 そんな人になりたいな。

なんか最後のはちょっとずれた気がするけどw
久しぶりに恋愛について本気出して考えてみた!
うーん。大人になったな私(笑)


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2009年10月04日

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読書家さんの本棚で見かけ読んだ。

「同じ本を何度も読むのが好きなのだ。」
私も同じで嬉しい。
「人は何事かを成すために生きてるんじゃない。何も成さなくてもいいのだ。自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。」
素敵な言葉。でも彼女はたくさんの書籍を残すという凡人では成し得ない事をしてくれた。だから私は山本文緒を何度も読もうと改めて思う。
新作がもう読めない事が本当に悲しい。

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2025年07月24日

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尊敬する山本文緒さんのオリジナルエッセイ

感じたのは小説家(ひいては芸術家)として周囲から、そして自分自身で認めるのはとても難しい、、ということ。
「私、小説家やっています」 確かに自分からこう名乗るのは勇気がいる。
職業としてやっていくことは、世間から評価されたり、批判を受けたり、そして次に期待をされていくということ。
決してマイペースで「ぼちぼち適当にやっています」とはいかない。

そんな中、山本先生がいかに悩み、将来を見通せない自分に不安を持ち、試行錯誤を繰り返していたのか? そしてそれを言葉にして書き綴る自分自身への分析力がどれだけ要ったか? が伺える。
きっと同じような想いをして、毎日向き合っている人が多いことだろう。

好きでやっている事を職業にする事への意識の持ち方が変わってくる。
今は亡き、山本先生の貴重な言葉が綴られた大切な一冊だと感じた。

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2025年02月23日

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あまり恋愛エッセイってほどではないけれど。
女の幸せは本当に専業主婦なの?て疑問を投げかけつつ、決してバリキャリを目指せってわけでもなく。今のような時代に移り変わる過渡期の頃にちょっと波紋を投げるような物語を生み出した方って印象。

お手紙をくれる学生は「普通のOLにはなりたくない」「普通の主婦にはなりたくない」と言う。でもきっとそのほとんどがそれ以外の何かになるために情熱やエネルギーを注げずあきらめていく。

一方そうじゃないものになったとて、「才能があっていいね」と才能の一言で片付けられる。本当に才能があったならこんな思いはしていない。

才能って一言を言わないように気をつけようと思った。

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2021年11月26日

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ネタバレ

タイトルに惹かれて初めて読んだ山本文緒さんの本。面白かった。30才手前くらいで読んだら、響くところが違うかもしれない。

「自分の好奇心に素直になること。持っているものを大切にすること。
人は何事かを成すために生きてるんじゃない。何も成さなくてもいいのだ。自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。」

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2017年08月24日

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「古い壷」、「狭い世界」、「パンクチュアル」が良かった。今の自分を見つめなおしたこと、考えていて納得できる答えがここにあった。

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2010年11月15日

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山本文緒さん久しぶりです。
ダイスキです。
自分に似てるところある。
過去を振り返ったりしてるから尚重なる。
「自分は小さな世界に住んでる・・繰り返しの日々。。」そして旅にでたくなり出ると、そこえでは、必死に働く人々。
「そうか、みんな小さな世界で毎日毎日積み重ねてるんだ。。」「一部の人しか世界を飛び回ったりしてない」と。
作家さんなのに、でもとても身近。
これからも作品が楽しみです。

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2010年08月11日

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山本文緒氏のエッセイ集は初めて読んだ。
今まで著者の作品はいろいろ読んだがこんな人だったのかと少しだけ分かった様な気がする。

女性向けの本だが、男性が読んでも「あぁー」と頷ける箇所もある。
そう考えると男も女も本質的なものに大きな違いなど無いのかもしれない。

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2009年10月04日

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白黒はっきりさせたい、山本文緒さんの毒がいっぱい吐かれていて面白い。女王様に従う家来、遅刻する人、そして自分にも。
でも結局人が好きで、話すのが好きで、小さな自分の周辺を大事にしていて、素敵だ。
エイズ検査で死について考えていて、そのとき考えていた死を宣告されたら、贅沢せずそのままの生活を続けようって言っているのが少し切ない。

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2025年04月27日

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 1993(平成5)年に刊行された著者初めてのエッセイ集を加筆修正、2009(平成21)年文庫化に当たってさらに文章を加えたもの。
 1993年は著者なんとまだ31歳、作家デビューからまだ間がなく無名で、「エッセイは苦手だけど」必死に書いた物らしい。文庫化に当たって付け加えられた文章はすでに46歳。やはり大人びている。
 そもそも私は「女性作家のエッセイ本」なんかほとんど読んでおらず、昨年だったか有名な林真理子さんの『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(1982)をやっと読んだくらい。あと、川上未映子さんのも何か読んだかな。
 書店には以前からしばしば「(女性作家の)エッセイ本コーナー」があって、私はそのコーナーにはまるで用がなかった。こうしたコーナーは現在の都市部の書店にもまだあるのだろうか? あるとしたら、女性作家のエッセイ本なるものを読む(きっと全員女性の)読者層が確かにあって、需要があるということだろう。
 世の女性たちはこうした女性作家エッセイ本に何を求めているのか。きっと共感して、「そうだよねえ、うんうん」と相づちを打ち自己意識をさらに強めるのが効用なのか。あるいは自分にはない新しい物事の見方を発見して、自らの思考の裾野を広げるのが快感なのか。
 さて本書は、山本文緒さんのキャラクターもあって、「ごく普通の女性」のお話を居酒屋で「へー」とかいいながら聞いているかのような気安さである。
 本書は薄くて、おまけに活字がやけにでかい。その気になれば数時間で読んでしまえそうだが、そうそうむさぼり読む感じでもないので、他の本を読み進める合間合間に拾い読みした。
 女性から見た社会観は確かに私たちには異質なものなので、読んでいて「そういうふうに感じるものなんだ」と感心した。
 若い山本文緒さんはしばしば論理が自己矛盾に陥ったりもするのだが、そんなところはむしろ「人間らしさ」として受け止めた。
 

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2025年01月03日

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山本さんのエッセイは初めて読んだ。
まだ有名作の少ない若い時期のエッセイとのこと。
いい意味で、とても平凡というか、普通の人なんだなぁと嬉しくなった。
山本さんがもうこの世にはいないことが悲しい。
当たり前だけど、30代の山本さんの文は、若くしてこの世を去るなんてまさか思ってもなくて、当たり前に未来があるように感じる。
いつ何が起こるかわからないから、今をだいじに、精一杯生きたいと思う。

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2024年12月27日

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 すっかりハマってしまった山本文緒さん。エッセイにも着手。美容院ジプシーという表現にクスリ。美容院選びって本当に難しい。スキルと価格設定に加えて利便性、予約取りやすさ、さらに美容師さんとの相性まで考えなきゃいけないのでなかなかピッタリの店には出会えないのに職業のことまでプラスされるなんて。一応恋愛エッセイなので、もっと恋愛ど真ん中の時期に読みたかった。イチャイチャカップルは最近見ないなぁと思ったが、考えてみるときっと視界に入ってはいるのだろうが自分が見ていないだけなんだろうな。

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2024年05月18日

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ネタバレ

この本は“過去に二回出版されたことがあり、それを今回大幅に改稿し、新たに加筆したもの”らしい。
一番最初の刊行としては1993年であり、この角川文庫が出版されたのが2009年。
山本文緒さんは31歳→46歳へ。
15年の月日が流れ、色々となおされているようなので、“荒っぽい”本書も読んでみたくなった
というのもあとがきを読む限り、46歳の山本さんが書かれたところに比べると加筆訂正されてはいるものの昔書かれたところの方がいきいきしている気がしたので。若干柔らかくなられたところもあるのかな、と。
色んな見方をできるようになって直線的にこれはいい、だめ、と打ち立てることをしなくなっただけかもしれない。
特にこのあとがき的ページは自分に対するフォローも多少入っているからかもしれないけれど。
恋愛エッセイとうたれてはいるけれど、そんなに恋だ愛だしているわけではないので恋愛エッセイは苦手~なんてひとも読みやすい本だと思う。

”自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。”

解説漫画を描かれた伊藤理佐さんとかぶっちゃうが、“狭い世界”が私もお気に入り。
何か…何か…いいっす…!!
となった(笑)
伊藤さんの漫画で描かれたお二人のやりとりが興味深くてもっと色々と読みたくなった。
山本さん、エッセイで感じる以上に何だかかっこいい…。

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2019年04月18日

購入済み

個人的な感想

山本文緒の本は10代の頃に読み漁った記憶があります。その頃はまだ「いい人」が主人公の小説が当たり前だと思っていた時代に、人間の、よじれた後ろ向きな感情を丁寧に描写している山本文緒の文章に衝撃を受けました。本編は、そんな、人間の闇を描くのが上手な作家の、良い意味でひねくれたエッセイ集です。「そうくるかー」といった意表を突かれる表現や、「うんうん分かる分かる」と共感する気持ちになりました。題名から予想するよりは、恋愛の話は少なかったかな。。

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2016年11月12日

Posted by ブクログ

山本文緒サンのファンなので、読みました。

小説家らしく読みやすい内容でした!

ですが、私は小説の方が好きなので☆は少なめです。

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2010年04月26日

Posted by ブクログ

新装版として、最後に付け加えられた " 46歳 " とタイトルされた扉の章。
その「作家であることに未だに慣れない」は、2008年12月に書かれたものである。ここで " 私は結婚が大好きです " と言う彼女は、ちょっと感動的だった。心の平穏を経験して、生まれてはじめて子供がほしいかも…と続くのだが、ここは本当に読んでいて幸せな気分になった。

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2010年01月11日

Posted by ブクログ

驚くほど、タイトルと内容の異なるエッセイ集。

驚くほど、普通のエッセイ集。

山本文緒といっしょにお茶でもしてる気分。

彼女の苦手な‘作家’とは違う

山本文緒の素のエッセイ。

なかなか共感もできて、おもろかった。

ま、わざわざ買うほどの代物ではなさそうです。

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2009年10月04日

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