【感想・ネタバレ】かなえられない恋のためにのレビュー

あらすじ

誰かを思いきり好きになって、誰かから思いきり好かれたい。かなえられない思いも、本当の自分も、せいいっぱい表現してみよう。すべての恋する人たちへ、思わずうなずく等身大の恋愛エッセイ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

山本文緒の文体が好き、自分に合うな〜と思っていたのは、山本文緒の飾らない性格や、素直に感じていることに共感できる自分があるからなのだとわかった。別な小説たちもたくさん読みたい。


155
二十代の頃は、花の咲く野原で遊んでいられた。野原のまわりにはいくつも美しい山がそびえたっている。いつか山に登ってみたいという願望はあったけれど、どの山に登っていいか決められなかったし、蜜蜂と遊んでいる方が楽で楽しかった。そうしているうちに、決断の早い人はもう山を選んで五合目あたりまで登っている。そろそろ山に登りはじめないと、頂上まで行きつく体力がなくなってしまう。それでもぐずぐず選択に迷っていたり、山に登って広い世界を眺めてみたいと思いながらも、坂道の苦しさを考えてうんざりしているうちに、野原の花が枯れはじめる。吹く風はいつの間にか冷たく、たくさん飛んでいた蜜蜂ももういない。私が三十代の頭に見た風景はそういうものだった。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて初めて読んだ山本文緒さんの本。面白かった。30才手前くらいで読んだら、響くところが違うかもしれない。

「自分の好奇心に素直になること。持っているものを大切にすること。
人は何事かを成すために生きてるんじゃない。何も成さなくてもいいのだ。自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。」

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2017年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は“過去に二回出版されたことがあり、それを今回大幅に改稿し、新たに加筆したもの”らしい。
一番最初の刊行としては1993年であり、この角川文庫が出版されたのが2009年。
山本文緒さんは31歳→46歳へ。
15年の月日が流れ、色々となおされているようなので、“荒っぽい”本書も読んでみたくなった
というのもあとがきを読む限り、46歳の山本さんが書かれたところに比べると加筆訂正されてはいるものの昔書かれたところの方がいきいきしている気がしたので。若干柔らかくなられたところもあるのかな、と。
色んな見方をできるようになって直線的にこれはいい、だめ、と打ち立てることをしなくなっただけかもしれない。
特にこのあとがき的ページは自分に対するフォローも多少入っているからかもしれないけれど。
恋愛エッセイとうたれてはいるけれど、そんなに恋だ愛だしているわけではないので恋愛エッセイは苦手~なんてひとも読みやすい本だと思う。

”自分の一生なんて好きに使えばいいのだ。”

解説漫画を描かれた伊藤理佐さんとかぶっちゃうが、“狭い世界”が私もお気に入り。
何か…何か…いいっす…!!
となった(笑)
伊藤さんの漫画で描かれたお二人のやりとりが興味深くてもっと色々と読みたくなった。
山本さん、エッセイで感じる以上に何だかかっこいい…。

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2019年04月18日

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