山本文緒のレビュー一覧

  • アカペラ(新潮文庫)

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    中編小説、三遍が収録されています。
    山本文緒さんは少女小説出身だとご自身で語っていますが、ちょうど私が高校生の頃好きだった作家さんです。その頃少し大人な女性に憧れていて、色々な恋愛小説や児童小説を読んでいました。

    世の中にありふれている様な普通の人間の悲しみ、予期しない人生の幸・不幸に対し、包み込んでくれる様な前向きな主人公が立ち向かうのです。タブー視される暴力描写もサラッと描いていて、それでいて淡々と、嘘は書かない現実的な文章。

    胸が温かくなります。

    此の3部作のうち、
    ネロリが好きです。働く女性を描いていたから。
    それだけでなく、懸命に生きている姉弟を見守る若い瞳。
    結婚が破談になっ

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    2021年12月12日
  • シュガーレス・ラヴ

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    面白かった。面白かったんだけど、「病気」がテーマの短編集だから、なんとなく心に負担になってしまったかな。自分がナイーブな時期には向かないかも。痛みが伝わりすぎてしまうから。
    でもとても読みやすかった。
    アルコール中毒の話のラスト1ページ、情景が美しかったなぁ。

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    2021年12月04日
  • かなえられない恋のために

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    あまり恋愛エッセイってほどではないけれど。
    女の幸せは本当に専業主婦なの?て疑問を投げかけつつ、決してバリキャリを目指せってわけでもなく。今のような時代に移り変わる過渡期の頃にちょっと波紋を投げるような物語を生み出した方って印象。

    お手紙をくれる学生は「普通のOLにはなりたくない」「普通の主婦にはなりたくない」と言う。でもきっとそのほとんどがそれ以外の何かになるために情熱やエネルギーを注げずあきらめていく。

    一方そうじゃないものになったとて、「才能があっていいね」と才能の一言で片付けられる。本当に才能があったならこんな思いはしていない。

    才能って一言を言わないように気をつけようと思った。

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    2021年11月26日
  • 群青の夜の羽毛布

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    真面目って病気だ。
    正論が人を強くするのか、弱い人が正論に縋るのか。

    山本文緒さんの作品。わたしが初めて読んだのは、「プラナリア」だった。
    2020年6月末頃のことだ。
    そして、この作品のレビューをベースに、わたしはエッセイを書いて、初めて応募した。
    そんな大きな一歩を踏み出させてくれた山本文緒さんが、とても若くして亡くなられた。
    早い。早すぎるあまりにも。
    わたしはと言えば、遅かった。あまりにも遅すぎた。彼女の作品に触れるのが。
    「自転しながら公転する」
    この作品を読んで、もっともっと彼女の作品を読みたいと思った。
    もう、今ある作品を、魂を込めて読むことしか、今のわたしにはできない。
    これ

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    2021年11月21日
  • みんないってしまう

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    『恋愛中毒』のあと一気読みした。
    短編ということもあってとても読みやすかった。ただの恋愛短編集ではなく、それぞれ趣向を凝らした作品で、バラエティ豊か。
    『いつも心にたちバサミ』『不完全自殺マニュアル』が好きだった。
    巻末の解説も良かった。『みんないってしまう』に表されているように、全作品それぞれが「喪失」の物語だけど、失うって悪いことばかりじゃないねって思える作品たち。

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    2021年11月20日
  • あなたには帰る家がある

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    タイトルから不倫の話だろうなと想像はしてたけど、主要人物4人みんな想像以上に馬鹿でクソでひどい笑
    それがもうコミカルな域で、最後はもうドッカーンて感じ。
    現状に不満を持ち、ないものねだりをして、こうしたいという明確な意思もないまま、相手の気持ちを考えず自分勝手に生きた夫婦の末路を描いた小説って感じ。
    だけどエピローグで少し救いがあるというか、お互いの気持ちや立場をやっと思いやれたのはよかったかなとか。
    90年代、結婚して家庭に入るのが女の幸せで役割、働きに出るなんてもってのほか、みたいな時代に不器用ながらも自立を目指した女性の生き方は、少し応援したい部分もあった。
    馬鹿みたいな話だったけど、教

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    2021年11月20日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    ○アカペラ
    ○ソリチュード
    ○ネロリ
    中編三篇

    アカペラが一番面白かった。15才の女の子とその祖父との不思議な関係、仕方ないけど儚い結末がよかった。

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    2021年11月18日
  • 落花流水

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    隣家に暮らす七歳の少女。『欲しがる物は全て買い与え』られ、『食べたいといった時に食べたいだけ与えられ』ていたと甘やかされて育つそんな少女を見て、『世界の中心には自分がいると思い込んでいるに違いない』と思っていた少年。そんな少年は、ある時少女の母親が倒れているのを目撃します。今まで幸せの中に暮らしていた少女。そして、ほどなくして亡くなった母親の葬儀のあと、そんな少女は次のような言葉を少年に語りました。

    『お母さんね、お母さんじゃなかったんだって。お父さんやお姉ちゃんが言うの。本当はお姉ちゃんがお母さんだったんだって』。

    それぞれの家庭には外からは見えない内情を何かしら抱えているものです。外

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    2021年11月17日
  • あなたには帰る家がある

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    【家庭と仕事、多面性、不倫】

    とにかくリアルで、あーわかる、あるよなーっていう描写の連続。
    続きが気になってどんどん読んでしまう。

    最初はすっごい魅力的に感じても、接していくうちにちょっとずつイヤなところが見えてくる。
    その逆もしかりで、イヤな奴と思ってたけど意外といいとこあったりして。

    こういう人間の多面性を分かっていると、例えば仕事しててイラッとした時も、その背景を想像したり、良い面を探したりできるようになる。

    自分は仕事をして16年ぐらい経つけど、これに気づいてからは気持ちに余裕ができて、本当にイライラしなくなったなぁ。

    不倫の是非はおいといて、心の引き出しを増やしてくれるよう

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    2021年11月07日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    前半はちょっとイライラしたけど、人の優しさと文緒さんの素直さ、旦那さんの優しさが良かったです。
    頑張らないようにする、休むことを頑張る、それって難しいことだけどわたしもいま一番気をつけていることです。
    同じような悩みを抱え、闘っていたとわかってありがたかったです。
    この本を読んでる最中に訃報があり、衝撃でした。
    素敵な旦那さんがいらっしゃるので、最期まで素敵な時を過ごせたことでしょう。他の本もまだまだ読んでないので、楽しみに読んでいきます。

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    2021年11月03日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    この本は、表題作「アカペラ」、「ソリチュー
    ド」「ネロリ」の三編からなる。
    三作品に繋がりはないが、どれも少し切なく、少し特殊な家族愛を描いている。
    切なくはあるが、温かい。
    1作目を読み終え、これが一番面白いんだろうなと思い、2作目を読むと、こっちの方が好みと思い、3作目でラストに驚かされ。
    結局全て、とても良かった。
    登場人物たちの幸せを願ってしまう、素敵な作品たちです。

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    2021年10月31日
  • みんないってしまう

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    ネタバレ

    対象喪失が共通する短編集。

    絶対泣かないもそうだったけど、
    短編の中でもさらに短いような短さで
    1話はサクッと読めるのに
    この短さのストーリーに
    どうしてこんなにも揺さぶられるんだろう。

    年齢を重ねるうちに
    持ってたはずのものがなくなっていって
    知らずのうちに永遠を願って信じてた自分に
    気づいてまた苦しくなる
    そんな毎日を生きてる私に
    喪失のテーマはすごく刺さった。

    最初の裸にネルのシャツから
    読んでいてビリビリくる感じ
    誰にも言えない心の中が、
    本では言葉になっていてびっくりした。

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    2022年03月23日
  • きっと君は泣く

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    純粋で感動系のいい話なのかと思って手に取った本
    読んでみると、、純粋系とは程遠い内容だった。
    私は椿とは性格がまるで違うけど、椿っていう人がほんとに存在するのではないかと思うほどリアルだった。
    酷い性格だけど優しさもあり、強い感じだけど弱さもある。最終的には自分の理想を捨てて、自分の発した言葉に責任を持つ。
    私は椿になりたいとは思わないけど椿がかっこいいなって思った。
    私が読んだことの無い部類の内容だったけど早く続きが読みたいって思えた本

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    2021年09月08日
  • なぎさ

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    ぐちゃぐちゃの生活や人間関係の沼みたいなものにはまり込んだ人達が沼から這い出そうともがく。
    生きていく上で抱えるモヤモヤ感に共感できるところが。そのモヤモヤを吐き出せる人や場所があることに救いを感じた。
    特に夫婦で力強く手を握る姿が印象的。

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    2021年08月08日
  • シュガーレス・ラヴ

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    ネタバレ

    20年前の小説なので、ところどころ描写が古いところがあるものの、人の気持ちはいつだろうと変わらないのだなぁと思いました。

    「秤の上の小さな子供」が1番ウッと来たかも。
    私も「愛されたい」側で、「愛す」側に辿り着ける気がしない。
    自分が好きじゃないから、誰かに好きになってほしい、大事にしてほしい。そうじゃないと、生きることもままならないくらい辛い。

    愛されたいの理由はそれぞれ大小あれど、人がほしい言葉をほしいタイミングで掛けられる人は、そりりゃあモテるよね。
    それが「愛したい」って気持ちじゃなくて、「あぁ、こういうこと言って欲しいんだな」って気持ちからでも、全然取り繕えちゃうし。
    自分が思っ

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    2021年07月16日
  • 眠れるラプンツェル

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    ふたりの孤独感と燃えるような激情が伝わってきました。
    現実にあれば犯罪ですが、それが許されるのが虚構の世界。

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    2021年05月10日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    表題作のアカペラが印象的だった。
    驚く展開もありつつ、人間味を感じて良い。
    最後は胸の奥がぎゅーっとなった。

    他の2作も切なげな空気があるが
    悲しいお話というわけでなくなんだか良い。

    山本文緒さんははじめてだったが他の作品も読んでみたい。

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    2021年05月08日
  • 紙婚式

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    答えの出ない人生の色々
    作者から投げかけられ
    考える自分がいること
    それが心地よく読み進めることが出来る

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    2021年04月16日
  • 群青の夜の羽毛布

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    嫌な気分になる本。
    でも読み進めて行くと止まらなくなる。
    ある意味ホラーより怖いかも。
    色んな人間関係あるけれど、なんだかんだと縁が切れない家族との人間関係が一番難しいのではと考えさせられた。
    仕事が忙しい時や余裕がない時にはお勧めしにくい本です。山本文緒さんは、大人しそうだけど男性に依存したり掴み所がない女性像を描くのがとてもうまいですね。今回も唸りました。

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    2021年04月11日
  • 紙婚式

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    ネタバレ

    まず、この本が1998年、今から20年以上前に出ていたことに驚いた。確かに、それぞれの物語に出てくる生活用品(固定電話とかFAXとか)に時代を感じ、「いつの本だ?最近のものではなかったっけ?」と思って奥付を見たからこそ刊行年が分かったのだが、いつまでも、男女間、あるいは夫婦間のすれ違いや虚しさや思い違いは似たようなものだと思った。

    「ますお」に特に心を抉られた。まるで今の自分のことのようだった。主人に対する不満を抱き、それを口にするかどうか悩んでいる。私が黙って耐えていればいいのかもしれない。でも、浮気されていることに気が付いてる時点で私の心はどんどん削られていく。そんなの耐えられない。

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    2021年02月28日