山本文緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「自分らしく生きるとは」ということについて、たまに考える。とくに今の自分の状況が、先が定まっていない、ある意味でとても自由な状態だから。
自分らしく生きたいけれど、それは言葉で言うほど簡単ではないことを、既に分かってしまっている。
もしかしたらそれはものすごく簡単なことなのかもしれないけれど、そこに踏み出す勇気を持つのが若い頃のようにはいかなくなっているという意味で、簡単ではないと感じてしまっているのかもしれない。
…などとぶつくさ考えながらのレビュースタートなのだけど、山本文緒さんの小説やっぱり好きだなとシンプルに思った。
先日亡くなられてしまったので未読のものを読んでいこうと思っているの -
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紙婚式 山本文緒 著
山本さんの購読は初めまして。
寄贈してくださった方の本の一冊です。
描かれているのは、複数組の夫婦の姿です。
いずれも、決して良好な関係ではなく、すれ違いの姿です。
初版は1989年。
そう、バブルが終わる時期です。
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さて、厚生労働者の人口動態統計/平成27年の離婚率は、
1975年 12.7%
1990年 21.8%
2015年 35.6%
です。
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2015年の方が、小説執筆時期よりも、遙かに高い割合です。
紙婚式の小説で描かれている夫婦像は、現代の令和の時代にこそ共通事項が多いのかも、、、と考える機会 -
Posted by ブクログ
筆者の鬱病闘病日記。
読んでいてツラかった。
日記になっているので、彼女の思考がごく自然にナチュラルに身体に入ってくる。
それが読んでいてウツ的思考なのかすら、読んでいる最中はわからない。
けれど、後半になるにつれて前半での思考や行動が鬱症状だったことがわかってくる。
この作品は筆者の目線で書かれているが
夫の目線だとまた全然異なる作品になることだろう。
この作品名が「再婚生活」である事が、筆者からの最大限の愛情表現。
そして最後に
精神科医師は本当にすごい。
人は誰しも変わらない。けれど、楽しみ生きる権利はある。
その可能性を医学の力を使って最大限生かす。
恐ろしくもあり、深い仕 -
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いろんな31歳のファースト・プライオリティー(最優先)
31歳にもなれば結婚してたり、子どもがいたり、
離婚して出戻ったり、恋人がいたり、
遊んでいたり、恋人探しをしていたり、
仕事に明け暮れたり、夢と現実の狭間にいたり…
いろんな境遇があるのにどれも身近にも見える。
今年31歳を迎える私。
ファースト・プライオリティーはなんだろう。
あぁ、昔はこれと言えるものがあった気もする。
31歳、なんにでもなれそうだし、
なんにもなれなさそうな齢。
最優先と言えるものがいちばん揺らぎやすい年齢なのかも。
最後の「小説」はご自身のお話なんだろうか。
一文字一文字から感情が伝わってくる気がして
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Posted by ブクログ
中編小説、三遍が収録されています。
山本文緒さんは少女小説出身だとご自身で語っていますが、ちょうど私が高校生の頃好きだった作家さんです。その頃少し大人な女性に憧れていて、色々な恋愛小説や児童小説を読んでいました。
世の中にありふれている様な普通の人間の悲しみ、予期しない人生の幸・不幸に対し、包み込んでくれる様な前向きな主人公が立ち向かうのです。タブー視される暴力描写もサラッと描いていて、それでいて淡々と、嘘は書かない現実的な文章。
胸が温かくなります。
此の3部作のうち、
ネロリが好きです。働く女性を描いていたから。
それだけでなく、懸命に生きている姉弟を見守る若い瞳。
結婚が破談になっ -
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あまり恋愛エッセイってほどではないけれど。
女の幸せは本当に専業主婦なの?て疑問を投げかけつつ、決してバリキャリを目指せってわけでもなく。今のような時代に移り変わる過渡期の頃にちょっと波紋を投げるような物語を生み出した方って印象。
お手紙をくれる学生は「普通のOLにはなりたくない」「普通の主婦にはなりたくない」と言う。でもきっとそのほとんどがそれ以外の何かになるために情熱やエネルギーを注げずあきらめていく。
一方そうじゃないものになったとて、「才能があっていいね」と才能の一言で片付けられる。本当に才能があったならこんな思いはしていない。
才能って一言を言わないように気をつけようと思った。 -
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真面目って病気だ。
正論が人を強くするのか、弱い人が正論に縋るのか。
山本文緒さんの作品。わたしが初めて読んだのは、「プラナリア」だった。
2020年6月末頃のことだ。
そして、この作品のレビューをベースに、わたしはエッセイを書いて、初めて応募した。
そんな大きな一歩を踏み出させてくれた山本文緒さんが、とても若くして亡くなられた。
早い。早すぎるあまりにも。
わたしはと言えば、遅かった。あまりにも遅すぎた。彼女の作品に触れるのが。
「自転しながら公転する」
この作品を読んで、もっともっと彼女の作品を読みたいと思った。
もう、今ある作品を、魂を込めて読むことしか、今のわたしにはできない。
これ