山本文緒のレビュー一覧

  • なぎさ

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    「自分らしく生きるとは」ということについて、たまに考える。とくに今の自分の状況が、先が定まっていない、ある意味でとても自由な状態だから。
    自分らしく生きたいけれど、それは言葉で言うほど簡単ではないことを、既に分かってしまっている。
    もしかしたらそれはものすごく簡単なことなのかもしれないけれど、そこに踏み出す勇気を持つのが若い頃のようにはいかなくなっているという意味で、簡単ではないと感じてしまっているのかもしれない。

    …などとぶつくさ考えながらのレビュースタートなのだけど、山本文緒さんの小説やっぱり好きだなとシンプルに思った。
    先日亡くなられてしまったので未読のものを読んでいこうと思っているの

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    2022年06月07日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白かった。とても読みやすい!

    中編三編、主人公たちは年代や性別は違うのに、良いなあと思えるあったかさがあった。
    そのあったかさは、それぞれの物語に出てくる家族のあったかさかな?と思う。

    文庫版あとがきに、昭和の中頃に建った、狭い和室がある安普請の一戸建てが描かれている、というようなことが書かれていた。
    個人のプライベートなんてないような狭い家…そこから生まれる距離感は、狭いマンションに住む今の読者にも分かるものなんじゃないかと思う。

    著者の他の作品も読んでみたい。

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    2022年05月06日
  • シュガーレス・ラヴ

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    ネタバレ

    読んでいて、あーわかるよその気持ち、そんなこともしたくなるよね、そう思うこともあるよねと、共感することもあれば、なるほどおもしろいなと読む話もあった
    きっと女性なら誰でも1回くらいは体験したことが多いであろう話が多いと思う
    もう一度読みたい

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    2022年03月31日
  • 紙婚式

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    紙婚式 山本文緒 著

    山本さんの購読は初めまして。
    寄贈してくださった方の本の一冊です。

    描かれているのは、複数組の夫婦の姿です。
    いずれも、決して良好な関係ではなく、すれ違いの姿です。

    初版は1989年。
    そう、バブルが終わる時期です。

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    さて、厚生労働者の人口動態統計/平成27年の離婚率は、

    1975年 12.7%
    1990年 21.8%
    2015年 35.6%

    です。

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    2015年の方が、小説執筆時期よりも、遙かに高い割合です。

    紙婚式の小説で描かれている夫婦像は、現代の令和の時代にこそ共通事項が多いのかも、、、と考える機会

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    2022年03月26日
  • シュガーレス・ラヴ

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    誰もが耳にする病気がテーマになっている短編集。

    心因性のものが多く
    ストレスを抱えやすい現代に身近に感じる。

    気づけていないだけで悩んでいる人もいるだろうし
    私も何か抱えていてそのうち出てくるのかも。
    なんて、ストレスは溜め込まないことがいちばん。

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    2022年03月07日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    作者ならではの克明さと軽妙さで進む日記式エッセイ。
    文庫版ならではの「空白期間のふりかえり」がとてもとても沁みた。うつ病のつらさ、周囲の辛抱強さなどが強烈に伝わってくる。精神を病むという「見えなさ」は本当につらい。

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    2022年02月11日
  • 再婚生活 私のうつ闘病日記

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    筆者の鬱病闘病日記。

    読んでいてツラかった。
    日記になっているので、彼女の思考がごく自然にナチュラルに身体に入ってくる。
    それが読んでいてウツ的思考なのかすら、読んでいる最中はわからない。

    けれど、後半になるにつれて前半での思考や行動が鬱症状だったことがわかってくる。

    この作品は筆者の目線で書かれているが
    夫の目線だとまた全然異なる作品になることだろう。

    この作品名が「再婚生活」である事が、筆者からの最大限の愛情表現。


    そして最後に
    精神科医師は本当にすごい。
    人は誰しも変わらない。けれど、楽しみ生きる権利はある。
    その可能性を医学の力を使って最大限生かす。
    恐ろしくもあり、深い仕

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    2022年02月10日
  • ファースト・プライオリティー

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    いろんな31歳のファースト・プライオリティー(最優先)

    31歳にもなれば結婚してたり、子どもがいたり、
    離婚して出戻ったり、恋人がいたり、
    遊んでいたり、恋人探しをしていたり、
    仕事に明け暮れたり、夢と現実の狭間にいたり…

    いろんな境遇があるのにどれも身近にも見える。

    今年31歳を迎える私。
    ファースト・プライオリティーはなんだろう。
    あぁ、昔はこれと言えるものがあった気もする。

    31歳、なんにでもなれそうだし、
    なんにもなれなさそうな齢。
    最優先と言えるものがいちばん揺らぎやすい年齢なのかも。

    最後の「小説」はご自身のお話なんだろうか。
    一文字一文字から感情が伝わってくる気がして

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    2022年02月07日
  • あなたには帰る家がある

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    わかるー!ってなったり、全然誰にも共感できない…ってなったり。
    でも、おもしろかったし、人生のふとした時に思い出しそうな小説だな、と思った。
    おもしろかった!!

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    2022年01月31日
  • 眠れるラプンツェル

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    1995年の作品ということもあって少々時代を感じさせる描写がむしろ心地よく。絶対にありえないほどのおかしい生活なのにあえて目をつぶり孤独の中でもがきながら葛藤する主人公。わかりあえる同志に巡りあえるも歯車が狂っていくさまは切ない。ラストに向けて悲しみをこらえての別れは希望があるのだろうか。

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    2022年01月18日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    昨年、鬼籍に入られたというニュースを聞いてから、この方の作品を読んでいないことがずっと気がかりだった。今日、初めて山本文緒さんを読んだ。やっぱし女性作家か描く女性って素敵な人が多い反面、男はいまいち存在感がないし、あったとしても駄目な男しか出てこんね。山本さんも然り。それがアカンと言うわけではないんですが。やっぱし男は駄目なほうが魅力的なんでしょうか。そう言えば寂聴さんも、駄目男が好きと書いてたなぁ。よし、しばらく山本文緒さんも追いかけてみようっと。

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    2022年01月08日
  • シュガーレス・ラヴ

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    ネタバレ

    現代人が抱える病を題材にした短編集。それら病に直接関わっていなくてもズキリと胸が痛む。個人的な感想だけど、「過剰愛情失調症」だけ異質に感じた。語り手は恋人でヒロインの独白もなし。ヒロインは二重三重の思い込みに晒され更にストレスを抱える展開ではと勝手に想像。見事。真意をお聞きしたかった

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    2022年01月01日
  • シュガーレス・ラヴ

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    様々な病気をテーマに書かれた短編集。
    骨粗鬆症や肥満、アトピー性皮膚炎、自律神経失調症など病気は多岐に渡る。

    全編を通して言えるのは「自分に嘘をつかないこと」の大切さじゃなかろうか?
    原因不明の病気や症状が出ることに、環境や自分の力ではどうしようも無い事も多々ある。
    しかしながら、自分の心に正直に生きることは自分次第でできること。

    山本文緒さんはそういった女性へのエールを込めて作品を書かれたのではないだろうか

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    2021年12月24日
  • 眠れるラプンツェル

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    専業主婦として月に1~2度程度しか帰ってこないCMディレクターとして働く夫を待つ主人公が
    隣の住人をはじめとしたマンションの住人や猫との関係を通じ、自分の人生を切り開いていくまでを描いた作品。

    主人公はどこか病んでいて病的に描かれてはいるけれど、自分を縛り付けているのは自分自身だと言うことを教えてくれる一冊。

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    2021年12月23日
  • 群青の夜の羽毛布

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    暗くてジメジメしていて、気持ち悪いのに、なぜかグイグイ読めてしまう不思議な小説だった。
    「さとる」の恋人、鉄男くんと一緒に、この女3人の毬谷家に惹き込まれ、振り回されてしまう。
    後半は読んでいて胸が痛かったけど、最後は衝撃的だったけど少しスッキリしたというか、ほっとした。
    時期は不明だけど、山本さんはうつ病を患っていらしたことがあるそうだから、こういう言い方は良くないけど「狂った人間」のリアルさがあって、それもまた胸が痛かった。
    真冬、雪が降る極寒の中で読むと、さらにまたリアリティが増す。12月のこの時期に、よくあっていた。

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    2021年12月22日
  • 眠れるラプンツェル

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    ネタバレ

    山本文緒さんの書く女性主人公は
    飄々として見えて底知れない狂気を抱えていて
    目が離せなくなる

    誰かと一緒に居ても感じる孤独

    そんな気持ち誰にでもあるんだと思うけど
    どうやって折り合いつけるべきか分かない
    でも、汐美はひとつだけ明確に欲しいものがあって
    そしてこの本の展開はめちゃくちゃになって。
    なんとなくそれで私も満足した。

    生きるために死んでいたというフレーズ
    すごくすごく印象的。。。

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    2021年12月15日
  • アカペラ(新潮文庫)

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    中編小説、三遍が収録されています。
    山本文緒さんは少女小説出身だとご自身で語っていますが、ちょうど私が高校生の頃好きだった作家さんです。その頃少し大人な女性に憧れていて、色々な恋愛小説や児童小説を読んでいました。

    世の中にありふれている様な普通の人間の悲しみ、予期しない人生の幸・不幸に対し、包み込んでくれる様な前向きな主人公が立ち向かうのです。タブー視される暴力描写もサラッと描いていて、それでいて淡々と、嘘は書かない現実的な文章。

    胸が温かくなります。

    此の3部作のうち、
    ネロリが好きです。働く女性を描いていたから。
    それだけでなく、懸命に生きている姉弟を見守る若い瞳。
    結婚が破談になっ

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    2021年12月12日
  • シュガーレス・ラヴ

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    面白かった。面白かったんだけど、「病気」がテーマの短編集だから、なんとなく心に負担になってしまったかな。自分がナイーブな時期には向かないかも。痛みが伝わりすぎてしまうから。
    でもとても読みやすかった。
    アルコール中毒の話のラスト1ページ、情景が美しかったなぁ。

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    2021年12月04日
  • かなえられない恋のために

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    あまり恋愛エッセイってほどではないけれど。
    女の幸せは本当に専業主婦なの?て疑問を投げかけつつ、決してバリキャリを目指せってわけでもなく。今のような時代に移り変わる過渡期の頃にちょっと波紋を投げるような物語を生み出した方って印象。

    お手紙をくれる学生は「普通のOLにはなりたくない」「普通の主婦にはなりたくない」と言う。でもきっとそのほとんどがそれ以外の何かになるために情熱やエネルギーを注げずあきらめていく。

    一方そうじゃないものになったとて、「才能があっていいね」と才能の一言で片付けられる。本当に才能があったならこんな思いはしていない。

    才能って一言を言わないように気をつけようと思った。

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    2021年11月26日
  • 群青の夜の羽毛布

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    真面目って病気だ。
    正論が人を強くするのか、弱い人が正論に縋るのか。

    山本文緒さんの作品。わたしが初めて読んだのは、「プラナリア」だった。
    2020年6月末頃のことだ。
    そして、この作品のレビューをベースに、わたしはエッセイを書いて、初めて応募した。
    そんな大きな一歩を踏み出させてくれた山本文緒さんが、とても若くして亡くなられた。
    早い。早すぎるあまりにも。
    わたしはと言えば、遅かった。あまりにも遅すぎた。彼女の作品に触れるのが。
    「自転しながら公転する」
    この作品を読んで、もっともっと彼女の作品を読みたいと思った。
    もう、今ある作品を、魂を込めて読むことしか、今のわたしにはできない。
    これ

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    2021年11月21日