山本文緒のレビュー一覧

  • パイナップルの彼方

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    30年前の作品を再読。今でいう『擬態』をすることによって、若さとOL生活を満喫してなにもかもうまくいっていると自分を騙し続ける主人公。やがて少しずつなにかが崩れ、気持ちがボロボロに壊れていく様をリアリティをもって描かれる。それほど新しい題材でもないにもかかわらず著者が描写すると、とたんに平凡な筈の恋愛小説からホラーに転じるから恐ろしい。ラストに救いはあるのでなんとか読み通すことはできるが少しだけ自分の若い頃が思い出されてしまい、苦い後味は残ってしまった。

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    2025年11月24日
  • 結婚願望

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    25年前に出版された作品。
    その頃に読んでいたかったなー。
    今時の若い世代の結婚観の見当がつかないけど、今でも全然通用するであろう山本先生の結婚観、と私は思う。この作品には結婚観を通して見える人生観も綴られている、というかそっちの方がメインなのかも?

    私自身も『世界中のほとんどの人が結婚している』と言う理由で結婚せねばと焦っていた20代を思い出す。でも30歳を超えたら結婚というより私は結婚式がしたかったんだってことに気づいてそこから本気でどうでもよくなった。現在は結婚しているけれど、それもビザの関係で結婚という形をとったまでで、相手も結婚なんて絶対しないと思ってた、なんていう人なので、あの機

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    2025年11月24日
  • プラナリア

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    歯切れの悪い終わり方、、でもそれがいい。
    余韻に浸りながら、熱いお茶を飲んだ。
    知らない人の人生を覗き込んでしまった、という感じ。

    人の中で生きていくって難しい、

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    2025年11月23日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    最近姉をガンで亡くしたばかり
    なんか姉がどんな思いで最期を迎えたのか分かるような気がした。
    きっとこんな心の動きがあったんだろうなー

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    2025年11月20日
  • 恋愛中毒

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    人の噂話なんて全く気にしてない冴えないオバさん事務員、水無月さんの黒歴史。

    不器用で自分に自信がない水無月さん。
    ひょんなことから有名作家、創路と出会い彼の愛人の1人になる。ついでに彼の仕事も手伝うことになり、彼女は秘書兼愛人。でも彼の会社には他の愛人も働いている。なんなんだ?ジョークじゃん。こんなの。あ、だから小説なのか。

    自分に自信のない水無月さんだけに、いつまでも愛人ぽくない振る舞いばかり。時折見せる性悪な水無月さんのギャップに度肝は抜かれたけれど面白い。創路との絡みはとにかくコミカルで声を出して笑った。

    終盤に差し掛かったラスト40ページくらいから雲行きが怪しい。あれ?なんかちょ

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    2025年11月19日
  • 恋愛中毒

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    事務員の水無月は、人気作家・創路功二郎に惹かれ、彼をめぐる複雑な人間関係に巻き込まれていく。
    恋は次第に依存と執着へ変わり、彼女の人生も周囲の人々もゆがんでいく。
    “愛”が狂気に変わる過程を描いた物語。

    ‥‥‥
    山本文緒さんやっぱりいい!
    好きだなあ^_^
    愛が狂気に変わっていく瞬間。
    上手く描いています。
    最後の盛り上げもゾクゾクするよね。
    なにしろ構成が素晴らしい。
    事務員の男性の一人がたりから始まったはずなのに、いつの間にやら、一人がたりする人が変わっちゃう。面白い構成。
    かえすがえすも、もっと生きていて欲しかったー

    さてこれから飲み会行ってきまーす♪

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    2025年11月14日
  • プラナリア

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    ネタバレ

    出てくる主人公が無職で、イヤな人、めんどくさい人ばかりなのにどこか親近感を覚える。やらないけど思ってることなんだろうな。いきなり終わる作品が多く読みやすい。何度も読んでるけど、やっぱり山本文緒最高だ。設定が古いのに今でも通じるいやらしさ。
    最初のプラナリアが一番好き。乳がんで片切除、再建したが他人からいい加減元気になって働けという圧を感じ不満。だってその後も不調に苦しんでるのにどうして私だけ…という表現が本当にうまい。そりゃそうだ、他人から癌サバイバーを誇ってるように思われたって自分自身は辛いんだもんね。その気持ちの表し方は
    自転しながら公転する
    でも感じた。目に見えない不調を抱える人には刺さ

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    2025年10月19日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    初めて読む山本文緒作品が『無人島のふたり』でした
    涙を流し続けながら一気に読み切り、身体中の水分が抜けてしまい、頭痛や吐き気までしてくる始末
    最後へむかう日々を綴った文章に
    まるでわたしが経験しているかのように
    様々な感情が過ぎていき、読み終わった今
    親しい人をなくした喪失感のようなものが残ります
    インスタの写真や追悼記事も拝見しました
    遅ればせながらこれから作品を巡っていこうと思っています

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    2025年10月19日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    自分ごとのように読んで、同じことが自分や、自分の大切な人に起こってもおかしくないことに気付き、泣きながら読んだ。

    文緒さんも書いているが、自分が亡くなった後に残された旦那さんが可哀想だと、何とかしてあげたいけどできないんだと、自分が居ないところで旦那さんを励まし話を聞いてくれる人がいて良かったと、節々で心配されていた。

    旦那さんが、ホワイトソースから手作りしたグラタンをオーブンから出す時にひっくり返して泣いていたという話は、私も中学生の頃ガトーショコラで(焼く前だけど)同じことやって大泣きしたなぁと思いながら、大人が泣いてしまうほど色々きていたんだなと思った。

    『自転しながら公転する』で

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    2025年10月15日
  • あなたには帰る家がある

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    ネタバレ

    何度も読んでいる作品。でも楽しめる。
    二組の夫婦の片方ずつが不倫。地方都市にありがちな同じ企業グループに属する人ばかりなので、どこかで繋がってくる。
    みんな勝手なことばかり
    茄子田は一家の大黒柱であることが幸せ。茄子田綾子は夢見るような純愛を貫きたい。佐藤真弓は仕事のできる自立した女になり家事育児に協力的な夫が欲しい。佐藤秀明は考えないで夫に寄生して生きられる専業主夫になりたい。
    既婚者なら多少は誰のエピソードにもわかるところがありそう。結末が綾子と秀明が不倫から結婚して4人の子持ちバージョンも読みたいと思った。もう叶わないけど…

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    2025年10月14日
  • 眠れるラプンツェル

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    稼ぎのある旦那さんの元で働かずに過ごすことが楽でいいよ、お金のある人と結婚しなさい、と人生で1度は言われたことがあるだろう。しかし、汐美のように暇とお金を持て余した人間が感じるのは埋められない孤独感。タビを飼い始めた頃は少し孤独が無くなったが、次第に埋められない孤独感に押しつぶされそうになる。不妊治療に協力してくれない夫、面倒くさいアパートの住人との関係。孤独すぎて辛いのに、アパートの人と関わるのが面倒くさくてつい避けてしまう気持ち、わかる気がする。自分と同じ孤独の匂いがするルフィオに恋心を抱くのは自分と同じ世界に生きる人間だからだと思ったからだと思う。しかし、いい歳をした大人が中学生と身体の

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    2025年10月12日
  • かなえられない恋のために

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    山本さんが自分を見つめ直し、人生観や恋愛観を描く文章が面白く、ユーモアたっぷり。「悪霊ケッコンガンボー」で、結婚したくてたまらない山本さんの結婚観が描かれていた。恋愛とお酒と仕事。曖昧にするのが嫌で、小説のためにエイズの検査をしに行ったり、高校生時代、一人で街をぶらぶらしたり。自分という芯を持っており、自分のために行動しているところがかっこいい。「作家」という職業で食べていくことの大変さ、人に紹介するときに胸を張って言えない自分への焦り。働いても、何者にもなりきれていなくてもがいている。働くと自分のあり方や、何者であるか見えてくるかと思ったけれど、大人も何者かになりたくて一生懸命もがいているの

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    2025年10月03日
  • なぎさ

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    冬乃とそのダンナ、佐々井、川崎とその恋人、百花。この2組のカップルや、その他の人物のつながりが分かりはじめたとき、「あ、これはおもしろい!」と思いました。冬乃と川崎、2人の語りで進行していきます。

    冬乃と川崎の心が、丁寧に描かれており、とちゅう目頭が熱くなるところが何ヶ所かありました。思うようにならない2人のもどかしさが、よく伝わってきます。

    冬乃の心の支えとなっていた、年配のおじさまの言葉

    「生きていくということはやり過ごすことだよ」

    この言葉、刺さりました。私も袋小路に入ったようになっていたとき、似たような言葉を職場の先輩にかけられたことがあったからです。それは、「流れにまかせて」

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    2025年09月20日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    山本文緒の突然の訃報はショックだった。
    彼女が直木賞を受賞し、順風満帆といわれていたさなかに鬱病を発症したと知った時から、彼女の作品及び生き方は、結構私の支えだった。
    体調が悪いらしいという噂も、単なる読者である私にまで届いたのだから、相当悪いのだろうとは思っていたけれど、まだまだ時間はあると思っていた。

    この本を読むと、がんと診断された時点でもう手の施しようはなかったという事実にうちのめされる。
    タバコを吸わず、暴飲暴食もせず、毎年きちんと健康診断を受けていて、なお。
    余命4カ月。
    どうすることもできない無情。

    私が毎日本を読まねばいられないことを「業」と言っているように、彼女にとって書

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    2025年09月19日
  • なぎさ

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    久しぶりにジーンときて、人生頑張ろうと思えました。働きすぎで自分が何やってるかわからなくなって似たような状況が小説ほどではない忙しさだったけどやっぱりやばい状況だったんだなって客観視できました。この物語から何もうまく行ってることはないけどそれでも人を大切に自分の意志をもって生きていきたいと思えました。菫ちゃんのことももっと知りたかったな(^^)

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    2025年09月16日
  • プラナリア

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    ステレオタイプ的な生き方を強制されて、そう生きたら否定され、吹っ切れていくさまがよかった。

    四十代深夜パートの短編が一番好き

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    2025年09月15日
  • シュガーレス・ラヴ

    購入済み

    小さな高級チョコの詰め合わせ

    一話ごとの完成度が高く引き込まれ気づけば一冊読み終えていました。似たような内容の話がないので全く疲れず飽きません。暫くぶりの読書でしたが、あらためて読書の楽しさを感じました。
    山本文緒さんの小説をもっともっと読みたかったです。

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    2025年09月12日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    自分にとって大切な本になりました。
    出会えて良かった。そして闘病の本なのに読んでいる私が励まされた。日記も書きたくなり書き始めました。今も空で好きな本を読んで美味しいカフェで楽しんでいて欲しい。

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    2025年09月12日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    58歳。早いです。
    泣きながら読みました。恥ずかしながら山本さんの著作にこれまで触れた事はありませんでしたが、これから読んでいこうと思います。
    心身共に辛いであろう闘病生活の中にも関わらず、ユーモアを散りばめた優しい文章。素敵な方だったんだろうな、と。
    自分がいつ生涯を終えるか分かりませんが、なんとか両親よりは長く生きたい。子供よりは早いのは仕方ないな。妻よりは、、、
    誠に勝手ながら妻よりは先に逝きたい。逆は耐えられる自信がない。

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    2025年09月10日
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

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    2021年4月に膵臓がん4bと診断され、10月に他界する直前までの日記。病気の進行もリアルにわかるので、心が丈夫で、体が元気な時に読んだほうがいい。
    別れの覚悟はできているし、いろんなことに整理や始末をつける手続きは進めているものの、心の持ちように思案する、居場所が見つからない筆者の気持ちが伝わってきた。ずっと「死ぬのは怖くないけれど、どうしていいのかわからない」といっていた母の気持ちがようやく、なんとなくわかった気がする。旅立つ前の所在ない気持ちをしっかり書き留めてくれてありがとう、と感謝したい。

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    2025年09月08日